【アズールレーン】ヤンデレ測定器   作:そうすけ

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皆さま、お久しぶりです。

ロイヤルのイベントはいかがお過ごしでしょうか。

チャットフレームが欲しいのですが、僕は金ブリが足りないので、課金をするか否かで悶々としております。


ハウ編

「しきかーーーん!!! 来たにゃーーーーー!!! わっふるわっふる!!!」

 

物凄い勢いで執務室の扉が開かれて、その音に負けないくらいの声量で明石さんが叫ぶ。

 

「───!? えっと、どうしたの?」

 

先週始まったロイヤルのイベントで、僕らの母港ではミニ王冠集めに勤しんでいる。ある程度のポイントは貯まってきたが、設計図やSSRKAN-SENのドロップ狙いをしている最中だ。

 

「ついにキングジョージ5世級のKAN-SENが実装されたのにゃ!」

 

「あぁ、そうなんだ───え!?」

 

あの個性豊かなキングジョージ5世級が更に増えるのか!? 飛び抜けて美しいビジュアルとプラスアルファで只者じゃないオーラを放つ、あのKAN-SENたちに!?

 

「そういえばキューブを使って建造しっ放しだった。明石さん、一緒に行く?」

 

「いいのかにゃ? 秘書官の役目じゃないのかなにゃ?」

 

「いや、今日の秘書官とその代理が秘書官禁止令を出されていてね……今日の執務は僕一人なんだ」

 

ふーん、と納得すると、僕と明石さんは建造ルームへ向かった。

 

 

 

「新しいキングジョージ5世級は4:50:00の建造時間なのにゃ」

 

そう言われて建造時間を見てみるが、放置しっ放しで建造が完了してしまっていた。じゃあ最初の一人目は……、

 

 

 

 

 

「会えて嬉しいわ、指揮官。キングジョージV級のハウよ。これから仲良くやりましょう?」

 

 

 

 

「「早速出た!?」」

 

「え? ど、どうしたの?」

 

一発で金髪のお嬢さん、ハウさんが出てきたことに、明石さんと驚いてしまった。

 

「よ、よろしくね。ハウさん! 母港を案内するよ」

 

 

 

「あら、もう母港にキングジョージ5世級とモナークがいるのね! 楽しみだわ!」

 

童顔で背の高いお嬢さんはキングジョージ5世級の末っ子だそうだ。お姉さん達に会うのが楽しみらしい。

 

僕もロイヤル寮に持っていく書類があるので、一緒についていく。

 

「ウェールズさん。渡す書類を持ってきたよ」

 

「おお、ご苦労だったな指揮官……おや、隣にいるのは?」

 

「ウェールズ! ハウよ! 会いたかったわ!」

 

ハウさんはウェールズさんを見ると抱きついた。姉妹がこのような反応をするのが新鮮なのだろうか、ウェールズさんは困惑と嬉しさ半分の表情をする。まぁ僕が見ている限りでは、修羅場な雰囲気の中、血を血で洗う殴り合いや、凄い重い祈り合いかのどちらかなので、実は僕も新鮮さを感じた。

 

「ハウか、よろしく頼むぞ。指揮官、他の姉妹には合わせたか?」

 

「ううん、これからだよ。ウェールズさんが先だった」

 

「そうか……ん? 明石がいるということは……もう測定したのか!?」

 

妹を毒牙にかかれたかと疑うウェールズさんは、より一層睨みが強くなる。まあ当然だよね。このヤンデレ測定器で碌な事が無かったし。

 

「? 指揮官、何を測定───きゃっ!?」

 

「───!!」

 

誰かと背中がぶつかり、僕がよろけた先にいるハウさんに抱きつく形になってしまった。

 

「む? すまない。不注意だった……指揮官……お前は何をしている」

 

「……不浄なる蛇よ。そなたは節操無しに伴侶を求めるか……?」

 

ぶつかったのはモナークさんとデュークオブヨークさんだった。なんか雰囲気が重くない?

 

「こ、これはよろけただけだよ……ほら、皆んなの妹さんのハウさんだよ!」

 

「……? 指揮官? 抱きついたまま、どうしたの……?」

 

あっ。

 

「「「……指揮官?」」」

 

戦艦3人に囲まれたら勝てない! 明石さんがキラキラした目でこちらを見ているので、アイコンタクトでメッセージを送る。

 

"明石さん、助けて!"

 

「───にゃ! 指揮官、待ってろにゃ! 今、ヤンデレ測定器でハウを測ってやるにゃ!!」

 

「明石さーん!?」

 

 

ハウ→指揮官

ヤンデレ度:20

 

「おおー、初対面でこの数値は将来有望なのにゃ! さすがキングジョージ5世級にゃ! よっ! 修羅場レーン!」

 

初対面で20もあるのが異常な事に気付かないのだろうか。

そんな歌舞伎の人みたいな踊りをされてもなぁ……やはり明石さんとキングジョージ5世級は同室にするべきかもしれない。

 

「? 指揮官、明石は何を測ったの?」

 

ハウさんの純粋無垢な目が胸に刺さって、説明しようか躊躇う。

 

「その機械は指揮官への思いを測る、そうだろう? 私やモナークも測ったぞ」

 

しどろもどろになっているところをウェールズさんが代わりに説明してくれた。目のハイライトと声のトーンがゲキ落ちしているけど。

 

「ふぅん。まだ初対面だけど、素敵な指揮官だって分かったからね! これから高くなるのかしら!」

 

仲良くなれるのは嬉しいけど、数値が高まって欲しいとは素直には思いたくない怖さがあった。

 

「そういえば指揮官? 秘書官にも挨拶をしておこうと思っているのだけど、どこにいるのかしら?」

 

「担当者とその代理がちょっと謹慎中なんだ……」

 

「謹慎!? 何をしたの!?」

 

「ハウさんは執務室の天井が吹き抜けていたのは見たよね?」

 

「……えっと、ヤンチャをした、と?」

 

恐るおそる答えを待つハウさんには、うん。そう答えるしかなかった。実際の割合としては眠らされた事の方が大きいが、来たばかりのハウさんには荷が重すぎる事実かもしれない。

 

この母港に失望して退役を考えてもおかしくない状況で、ハウさんの出した答えは意外なものだった。

 

 

「じゃあ暫くは私がやっても良いかしら?」

 

 

願ってもない提案に、僕は二つ返事でOKを出した。

 

それから、ハウさんは初の執務にも関わらず、テキパキとこなして、今日分の書類は終わってしまった。

 

「指揮官、ちょっと戸惑ったりしたところもあったけど、これで大丈夫かしら?」

 

「うん! おかげさまで凄く助かったよ! 今日は委託の子達を迎えたり、戦術教室の報告を聞くだけだね」

 

「そうなのね! じゃあ……午後はお茶会にしない? ジョージ達も呼ぶわ!」

 

ハウさんの提案で午後はキングジョージ5世級のお茶会が開かれることになった。

 

 

 

ロイヤル寮の方では、ロイヤルの子達がアフターヌーンティーを開く事が多く、お昼時のように賑わっているが、今回の賑わいは黄色い声も混じっている。

 

『キングジョージ5世様よ!? なんとお美しい……!』

 

『ウェールズ様も一緒ね!』

 

『え!? ヨーク様にあのモナーク様も!? 一体何が起こるの……!?』

 

『大惨事世界大戦、です』

 

 

大きめの丸テーブルに高貴溢れる、キングジョージ5世級とモナークさんが足や腕を組む姿はタダならぬオーラを発していた。

 

僕とハウさんは、そこのテーブルへと向かったのだけど……、

 

「ほぉ、中々な豪胆っぷりだな」

 

「……ねぇ、指揮官。女の子の接し方って知ってる……?」

 

「何しとんねんお前ら(罪なる蛇よ。そなたは何を望んでいる?)」

 

「……お、お前!? お前はわ、わ、私を捨てるというのか!?」

 

「あ! お待たせー! クッキー焼いてきたわよー!」

 

三者三様ならぬ、4人はそれぞれの反応を見せる。何故ならば、

 

「あの、ハウさん……?」

 

「……? どうしたの指揮官?」

 

お姫様抱っこをされて、首に手を回している状態なのである。僕が。

 

「降ろしてください……」

 

「もうちょっとよ、指揮官!」

 

「君のお姉さん達からの視線が凄いよ!?」

 

これはハウさんの希望で、是非とも僕を抱っこしたい! と強くリクエストされた。ハウさんは僕よりも背が高いので、余裕で抱えられてしまっている。ガッチリと抱えられているので落ちる心配は全くないけど、お姉さん達4人の視線が強烈すぎて怖い。

 

「さて、ウェールズじゃないプリンスの登場だが、指揮官はどこに座るんだ? 好きな所に座るがいい。指揮官お気に入りのKAN-SENの隣でも良いし、恋心を抱く子の隣でも構わん」

 

ジョージさんがそう言うのには理由があった。女の子の人数に対して椅子は、その2倍置いてあり、埋まっている椅子の隣に一個ずつある。

必然的に誰かの隣に座ることになる。

 

ジョージさんは、特に悪気は無く、僕に座らせようとしているが、他の4人は、

 

ウェールズさんは、先程の僕達のイチャイチャを見せられて、握っているキュウリが爆発しそうなくらい怒りがあるが、下手な事を出来ずに唇から血が出るくらい発言を堪えている。

 

ヨークさんは、あまりの光景に、いつもの言い回しを忘れて、『ホンマか?』、『どつくぞ?』といったバグった関西弁を呟いていた。

 

モナークさんは、二人とは対照的に腕を組んで動じていない……ように見えるが、貧乏ゆすりが紅茶をこぼすレベルで激しい。

 

10個の瞳が僕のことを見ている。僕はどこに座ろうか……。

 

「もう! 指揮官? 早く座りましょ!」

 

「あ、うん」

 

「「「!?」」」

 

「ほう……」

 

もたもたしてたらハウさんに急かされて、座らされてた。ハウさんの膝の上に。

 

「指揮官って本当に軽いわね。ちゃんと食べてるの? はい! クッキーよ! あーんして、あーん!」

 

「ハウは随分と指揮官に惚れ込んでいるようだな。指揮官、何をしたんだ?」

 

ジョージさんは、ハウさんの手作りクッキーと持参したスナック菓子をボリボリ食べながら、僕に聞いてくる。

 

「普通に母港を案内しただけだよ」

 

「その手は何……?」

 

「ウェールズさん、キュウリが粉々だよ!?」

 

ハウさんの膝の上に乗せられて、クッキーをあーんされて、挙句の果てに、お互いの手は恋人つなぎのように指を絡められている。

 

「お前らいい加減にせえよ?(愛しきアドーニスは私を試しているの?)」

 

相変わらずヨークさんはバグったままだ。

 

「ふふふ、指揮官は可愛いわ。ねぇ、ジョージ達! 私のクッキーはどう? 上手く作れてるかしら?」

 

「「「「ああ、美味い……」」」」

 

「指揮官は?」

 

「うん、美味しいよ! 何だか体が温かいけど」

 

クッキーって腹持ちそんなに良かったっけ?

 

「ふふふ、良かった! 指揮官はいつも仕事で疲れているだろうから。ハチミツや明石の薬を入れてみたの!」

 

二つ目はよく聞こえなかったけど、ハチミツは健康に良いって聞くね。クッキーにハチミツって合うのかな?

 

「ねぇ! 私、色々な演芸を考えてきたから見て!」

 

暫く、ハウさんによるハンドマジックや声真似などの豊富な芸が披露されていた。ジョージ級の皆さんは終始無言で、ハウさんと膝に乗せられて手を繋いでいる僕を見つめていた。

 

 

 

 

「では、そろそろお開きにしよう。久々にキングジョージ級が全員集まれるとは嬉しい限りだ」

 

「「「私はそうでも無いが」」」

 

「ホントね! 私も嬉しいわ! またやりましょう! ね! ウェールズ! モナーク! ヨーク! 指揮官も!」

 

「うん! たまには良いよね。楽しめたよ……ふわぁ……」

 

何だか凄い眠くなってきた。

 

「……? 指揮官、眠いの? 私が抱っこしてあげる!」

 

「いやいや!? 悪いよ……うう……眠い……やっぱりお願い……」

 

凄い眠気に襲われた。普段から仕事の疲れが溜まっているのかな……。

 

「任せて! じゃあね! ジョージ! ウェールズ! ヨーク! モナーク!」

 

ハウさんは、僕をヒョイっと抱き抱えて自分のお姉さん達にバイバイした。

 

 

 

 

 

「ウェールズ、指揮官は寝不足な程、仕事に追われているのか?」

 

「最近は分からない……が、メイド隊がサポートに来ているから、そこまでの量は無い筈……」

 

「そうか……まぁ、女だらけで苦労する所もあるだろうしな」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ねぇ、指揮官。美味しいクッキーのお店を見つけたの。

 

その後、

 

綺麗なホテルも見つけたの。ちょっと外観は派手だけど。

 

そこはね、部屋はタッチパネルで選べるの。

 

今度、一緒に行こう?

 

ジョージやウェールズ達はもう行った事があるのかしら?

 

まぁ、寝ているから聞こえないと思うけど……ふふふ」

 

 

 

 




結局、回しましたがハウ一人しか出ませんでしたが、ハーマイオニーがドロップしました。

もしよければ良かった話を聞かせてください。

  • 加賀編
  • ヨークタウン型+α編
  • ハウ編
  • 鈴谷編

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