【アズールレーン】ヤンデレ測定器   作:そうすけ

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ウェールズ等を書いてる時は、DOYを持っていなかったため、人物相が分かりませんでした。

お待たせしました。

それではどうぞ。


デューク・オブ・ヨーク編

僕はとある用事があるため、ロイヤル寮に来ている。

 

用事とは、【彼女】に会うためだ。

 

用がある人物の部屋から、割と騒がしめな声が聞こえる。まあ、予想通りかな。あの姉妹、いつも言い争ってる気がする。次女と養女(?)は殴り合ってたし。ドアに耳を当てて、何を争ってるか予想してみよう……多分、僕絡みかな。

 

 

 

「ヨーク、あなたを秘書艦にすると絶対、指揮官を眠らせるだろ! そんなのダメだぞ!」

 

「指揮官の秘書こそ、最優の私が相応しい! 貴様らでは務まらん!」

 

「ふふん、何とでも言うが良い。無垢なる蛇は私、デューク・オブ・ヨークを指名したのだ! 其方達の嫉妬の目は、気持ち良いものだな!」

 

「ヨーク、本当に大丈夫なのか? 秘書艦の業務は、『指揮官を眠らせる』事ではないんだぞ?」

 

「クッキー、おいしー! 皆んなも食べてみて!」

 

「「「今はそんな──────ッグゥ!?」」」

 

「……何をしたんだろう」

 

静まった。声からして、ウェールズさん、モナークさん、ヨークさんだと思うけど──────。

 

 

 

 

「用があるのであろう? 指揮官?」

 

 

 

聞き耳を立てていたら、扉を開けたジョージさんと目が合った。とてもイタズラ心満々の目で。

 

 

 

 

 

 

 

「指揮官は、私たちの会話を聞くのが趣味なのか? うん?」

 

「いや……ただ、穏やかじゃなかったから状況を知ろうと……何でジョージさんは僕を膝の上に乗せてるの?」

 

「ジョージ! 次は私よ!」

 

「ハウさんノリノリすぎるよ!?」

 

ジョージさんに怒られてるのかよく分からないけど、座ったジョージさんの太ももの上に僕が乗せられて、頭を撫でられている。この状況を見ている、妹たちの視線が殺しに掛かってるのが怖すぎて、話が頭に入らない。

 

「指揮官、用事があるのだろう?」

 

「あ、うん。そうだった」

 

そこで本来、用事のある【彼女】に秘書艦の仕事の流れについて説明する。

 

「──────。まぁ、ざっとこんな感じだよ」

 

「ふむ、書類整理や母港の見回りが主な仕事であるか。書類整理は問題がないが……」

 

「うん?」

 

「母港の見回りは危ないのでは? 無垢なる蛇を捕らえようとする者は多いぞ」

 

「そこまで治安は悪くないよ!? ただ、僕の周りを艦載機同士がぶつかったり、砲撃で迎撃合戦が行われてたりするくらいだし」

 

「危ないのベクトルが違うが……まあ、アドーニスの露払いも悪くない」

 

「うん、じゃあ明日よろしくね! 【デューク・オブ・ヨーク】さん!」

 

「任せるが良い。秘書艦の時に、レースクィーン衣装の感想でも聞かせて貰うぞ?」

 

艶やかな視線を僕に向けながら、ヨークさんは部屋を出た。ドキッとしちゃった……少しだけ。

 

「ヨークめ……! 指揮官、何かあったら私に言うんだぞ!?」

 

ウェールズさんは迫真の表情で僕を心配する。初めての秘書艦とはいえ、以前に代理で少しだけ頼んだ事があるけど、普通にやってくれてたし。舌なめずりしながら視線を向けられた時は、蛇に睨まれたカエルのように動けなかったけど。

 

「ウェールズ、自分の妹を信じろ。私もヨークのセリフはたまに分からない時があるが、職務を放棄するような子ではない」

 

「ジョージさんでも分からないんだね……」

 

分からない事に何故か安心してしまった。ニュアンスで何となくは伝わってるから、良いんだけどさ。

 

「あと、指揮官。ヨークとの会話で困ったら、『これ』を使うといい」

 

「『これ』は……?」

 

ジョージさんから渡されたのは、一冊の本だ。内ポケットに入るくらいだから、短編の小説一冊分くらいだろう。

 

「ヨークがメモ帳に使っているものだ。最近、影響された本やアニメの情報が書かれている」

 

「ヨークさんのメモ帳? 僕が持ってて良いの?」

 

「実際は、ヨークのメモ帳の内容をそのままコピーした、私のメモ帳だからな。安心したまえ」

 

「あぁ……なら安心、なのかな……?」

 

中身をチラッと見てみると、綺麗な字で英文や日本語で、『アドーニス』やら『愛の鮮血』やら書いてある。ヨークさんはこういうのが好きなんだろう。役に立つ時が来るか分からないけど。

 

──────

 

───

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「目覚めの気分は、どう? 愛しきアドーニスよ」

 

枕元の目覚ましを止めると、上から誘惑的な声とぼやけたピンク色の綺麗な髪が僕の顔をくすぐる。

 

「うーん……だれ? ……あぁ、ヨークさん。朝早いね……」

 

寝ぼけ眼をこすり、視野を復活させると美しく微笑むデュークオブヨークさんと目が合った。まだ朝6時くらいなんだけどなぁ。それに障子に鍵を掛けたはずなのに。疑問はあるけど、頭が回っていない。

 

「秘書艦の時は、無垢なる蛇を起こしに行く、というのが通例と聞いたものでな。そうなれば私も、その限りであろう?」

 

朝6時だというのに、ヨークさんは完璧に目覚めている。となれば僕もシャキッとしないとね。

 

「朝早くにありがとうね。顔を洗ってくるよ」

 

「うむ。私は窓を開けておこう」

 

窓際にはあまり近付いて欲しくないんだけどなぁ……多分ゴミ箱までは見ないだろうけど。

 

昨日、目が覚めたら【やらかしちゃった】から……拭き取ってビニール袋には包んだけども、よく見れば不審に思われるだろうなぁ……。

 

僕は、不審がられないように、いつもの習慣よりも早く顔を洗って自室に戻る。

 

「あれ? ヨークさん?」

 

あれだけ目立つピンク色の髪が見当たらなかった──────と思った矢先、

 

「軍服に着替えるのであろう? 私は外で待ってるわ」

 

開いたドアから半分だけ体を出したヨークさんがいた。よかった……外で待ってたのか。

 

「気を遣わせちゃったね。すぐに着替えるよ」

 

「アドーニスの着替えを目前にしたら、私の欲情が抑えきれそうにないわ……ふふふ」

 

扇情的な舌使いを見せるヨークさんは、いつも通りエンジン全開だった。

 

 

 

 

 

 

 

業務開始時間になり、書類整理を着々と進めていた僕たち。ほぼ初めての業務の割に、ヨークさんは手際良く仕事を捌いていった。

 

「ヨークさん、すごいね! 初めてとは思えなかったよ」

 

「何を言うか。仕事の予習は済ませているわ。アドーニスとの秘書艦を待ち望んでいる子達も、常に仕事のシミュレーションをしているものよ」

 

「皆んな仕事熱心でありがたいよ」

 

仕事の予習なんてやってたのか。僕の知らない所で、皆んなは物凄い努力をしている。何かご褒美でもあげたいな。

 

「全ては無知なる蛇のために……書類はだいぶ片付いたわ。母港の見回りとやらでもするか?」

 

「そうだね。色々チェックする事もあるしね」

 

母港の見回りをしている最中、発見する事がたくさんあった。それはデューク・オブ・ヨークさん自身の事だ。

 

 

 

 

「HEY! DOY! 指揮官と見回り?」

 

「そうよ。ケントはメイド業務?」

 

「YES! 良いなぁ! でもDOYなら、秘書艦ピッタリだよ! 指揮官……お幸せにね……」

 

「何で告白をフッた事になってるの、ケントさん!?」

 

「JOKE! いつかケントも秘書艦にしてね!」

 

「無垢なる蛇よ、ケントも休憩の合間に仕事のシミュレーションをしておる。安心するが良い」

 

「THANK! よく書き方とかDOYが教えてくれるんだ! すごい字が綺麗なんだよ!」

 

「確かに、筆記体とか凄い綺麗だったね」

 

「……? 今日の書類で、サインする所あったかしら?」

 

ヨークさんは不思議そうに首を傾げる。

 

あっ。ヨークさんのメモ帳(キングジョージ5世製)を持っている事が知られるのは、流石にマズイ。自分が小さい頃描いた自由帳を、見返すだけでも恥ずかしいのに、他人に見られたら堪ったものじゃないからね。

 

「ほ、ほら! ヨークさんのプロフィールの署名があるでしょ? それを見ててそう思ったんだ!」

 

「ふふ、私に見惚れたか。いつでも準備は良いぞ? 簡単には終わらせないけれど……」

 

「WOW! 大胆だね! あっ、仕事に戻らなきゃ! じゃあね!」

 

 

 

 

 

そんな事があったり、はたまた──────、

 

 

 

「†フォースの力があらんことを!†」

 

「ヨーク、今日も力は充分か?」

 

「!! DOY姉ェ! 『今日も』カッコいい呪文教えて!」

 

噴水に向かって何かの力を解放しようとしているのは、ヨーク級ネームシップの方のヨークさんだ。『今日も』?

 

「良かろう。今日はアドーニスもいるから、特別な呪文を教えよう。行くぞ──────」

 

 

 

 

『ワタシノ、セイユウハ、タナカリエ!』

 

 

 

 

デューク・オブ・ヨークさんは出撃時のように集中を高めたら、噴水に向かって解放する──────素振りを見せた。実際は何もおきてないんだけど、ヨーク級のヨークさんを感動させるには充分の魔法であった。

 

「わあぁ〜! カッコイイ〜! そうだ、指揮官! DOY姉ェに教えて貰った†フォースの力†を見よ!」

 

同じように集中を高める為に、握り拳をググッと力を入れて──────、

 

 

 

 

『†クギミヤ、タナカ、シバタリエー!!†』

 

 

 

 

詠唱内容はサッパリ分からないけど、二人のヨークさんが楽しそうなので口は挟まない事にした。

 

「またやってますのね、二人とも……あら、指揮官も? ごきげんよう」

 

「あっ! †ヘビーツンデレクギミヤ†さんだ!」

 

「ごきげんよう、クギミヤ」

 

「こんにちは、クギm……フォーミダブルさん」

 

僕も連られて二つ名を言いそうになる。

 

「ちょっと!? 誰一人まともに呼べてませんけど!? 指揮官はまだしも、ヨーク! 誰が重いですって!?」

 

「わあぁぁぁ!? †逃げの呼吸、ヤマネノゾミ型†!」

 

「あっ!? じっとしてなさい! 二人とも、またごきげんよう!」

 

クギm……フォーミダブルさんはヒールを履いてるとは思えないような力強い足踏みでヨークさんを追いかけて行った。優雅だなぁ。

 

「無知なる蛇よ、どうしてフォーミダブルがああ呼ばれてるか知っているか?」

 

なんだろう。声が似ているから?

 

「私が命名したからよ」

 

「ヨークさんが戦犯なの!?」

 

ヨークさんはくすくすとイタズラに笑った。まぁそれは置いといて。

 

「ヨークさんと仲良い人、結構多いんだね」

 

「それはどう言う意味……ウェールズやモナーク等と喧嘩しているだけではないのだぞ? まあ、揉めている事実は変わらないが」

 

「楽しそうに話してて、こっちもほっこりしたからだよ」

 

ヨークさんは、僕の答えに意外そうな表情をした。

 

「もしや、アドーニスから見た私は、いつも険悪な表情をしていると?」

 

いや……僕と顔を合わせるとやたら、扇情的な表情しか見ていないからだよ……むしろヨークさんって怒るイメージ無いんだよね。

 

「そういうわけじゃないよ。ヨークさんの色んな面を見れて良かった、って話だよ」

 

『指揮官……』

 

いつもの余裕な表情とは違い、自分の指をにぎにぎしているヨークさんは、顔を赤くして照れていた。僕も照れてしまったけど、お互い目が合うと、静かに笑い合った。

 

 

 

 

 

 

 

「あっまぁーーーーい! あまーいのにゃ! 何ラブコメしてるのにゃ!? おい!」

 

 

 

 

 

 

 

──────はずだったんだけどなぁ……僕と彼女の間に割り込んだ緑色の猫ちゃん、明石さんは激怒した。走るの?

 

「ここの母港で純粋にイチャつくのは、これを測ってからにしろにゃ!」

 

はい来ました〜ヤンデレ測定器だ。明石さんと出遭ったら、これは欠かせないよね!(ヤケクソ)

 

 

 

 

 

 

デューク・オブ・ヨーク→指揮官

ヤンデレ度:51

 

 

 

 

 

 

「うんうん! やはりキングジョージ5世級はこうでなくちゃにゃ! あー! お腹いっぱいにゃ!」

 

一方的にタブレットをポチポチ押した明石さんは、満足そうに来た道を戻っていった。

 

「アドーニスよ、明石は何をしたのだ? 何だか知ってそうな口ぶりであったぞ?」

 

僕は改めてヤンデレ測定器の事を説明した。

 

「……母港が時々重い雰囲気になっていたのはそのせいか」

 

「え!? 母港そんなにヤバかったの!?」

 

「連日、喧嘩や執務室の天井に穴が開けば、そうなるのも納得であろう?」

 

「あ〜……ごもっともです……」

 

いくら悪ノリしたとはいえ、原因は僕にもあるんだよなあ……明石さん99割くらいだけど。

 

「では、無知なる蛇よ。そんな喧騒からは離れて、風にでも当たりに行くぞ? 私が良い場所を知っている」

 

ヨークさんに手を引かれて連れてこられた場所は、海のそばにある河川敷のような、柔らかい草が生えている下り坂だ。

 

「アドーニスはここに座って?」

 

「う、うん?」

 

何故か座る場所を指定されて、ヨークさんは僕が座った位置から、人三人分離れた左斜め後ろに座った。えぇ……こういうのって普通近くか、隣に座るもんじゃないのかな……?

 

 

 

 

 

『今日は、風が騒がしいわ……』

 

 

 

 

「へ? 風どころか雲ひとつないよ?」

 

突然の語りについて行けず、素っ頓狂な声を出してしまう。

 

「……」

 

横目でヨークさんを見ると、無茶苦茶悲しそうな顔をしていた。まるで捨てられた子犬やモナークさんのような顔だ。仕方ない! 僕も役に入り切るしか無さそうだ。

 

 

 

『ね、ねぷー……』

 

 

 

「プッ、フッッ……」

 

盛大に失敗したかもしれない。ヨークさんは本で顔を隠しているけど、小刻みに動く肩が笑いを隠し切れていない。本……? あっ! 困った時の、ジョージさんから貸して貰ったヨークさんのメモ帳を開く。『ソレ』は最初のページの方にあった。

 

 

 

 

『でも少し……この風……泣いています……』

 

 

 

 

風どころか晴天なんだけども。ヨークさんはどうだ……?

 

「……っ! ……っ!」

 

メチャクチャ嬉しそう!? 目の瞳孔が開きっぱなしで怖っ!?

 

 

 

『それは悲しくて泣いてるんじゃないわ……うれしい時だって泣くでしょう……』

 

 

 

「えっ」

 

続くの!?

 

 

 

『急ごう……風が止む前に……』

 

 

 

 

 

 

「待て! おい、ヤバいぞ! そこのコンビニ牛丼半額だぞ、行くぞ! ウェールズ、モナーク、ハウ!!」

 

 

「ジョージ、貴様あぁぁぁぁぁ!!!!!???」

 

「落ち着いて、ヨークさん!?」

 

「うわ!? あなた達そこにいたの!?」

 

「ええい、ヨークは振りかぶろうとするな!?」

 

「クッキーも半額ですって!? ヤバいわよ!」

 

 

暴動を抑えるのに、初めてKAN-SENの子を羽交い締めにした、本日のハイライトであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「はい、お水だよ。落ち着いた?」 

 

「ありがとう……うう……無垢なる蛇に醜態を晒してしまったわ」

 

「醜態だなんて、そんな……」

 

すっかり余裕のあるヨークさんに戻ったが、口調では落ち込みっぷりはまだかかるようだ。あんなに激怒するヨークさんは初めてなので、記憶の中で反芻している。未だにあのセリフの意味が謎すぎる。時間があればセントルイスさんやホノルルさんに聞いてみよう。

 

「……時に、アドーニスの目には私はどう映っている?」

 

ふと、ひょんな質問が来る。ヨークさんの事?

 

「眠らせてくる女か? それとも戦車に乗る女か?」

 

「ヨークさんって戦車に乗るの!? それ初耳だよ!?」

 

僕のバカ真面目な反応に、ヨークさんはくすっと笑った。

 

「冗談よ。アドーニスは、ジョージやウェールズとは話す所を見るが、私と話す機会はあまり無かったのでな。私とて、無垢なる蛇に情熱を注ぐ者よ。そこは分かって頂けたかしら?」

 

「そこまで言われると照れるね……新鮮な会話って感じがして良いね」

 

「それほど貴方は魅力的という事よ。誰かがアドーニスと体を交えるのも理解できる」

 

体を交える? 僕がKAN-SENの子と関係を持ってるって!? 

 

「ちょっと待って!? 僕は誰とも関係を持ってないよ!?」

 

「隠さなくても良い。先程、アドーニスに羽交い締めを受けた時に、『におい』がしたものでな」

 

「におい?」

 

「栗の花に近い匂いがしたぞ? それが証拠ではないのか?」

 

栗の花……もしや『アレ』か。夢精しても匂いに敏感な人には分かってしまうのか……。

 

「内緒にして欲しいんだけど……実は寝ている時に『やらかしちゃって』……」

 

「───成程」

 

「───えっ……」

 

ドン引きされるかと思いきや、抱きしめられて優しく頭を撫でられた。

 

「私に話してくれた事がとても嬉しく思うぞ。アドーニスの周りには相談できる相手もおるまい。今まで辛かったろう?」

 

夢精なんて言うような事実でも無いんだけど、優しく諭すヨークさんの声は母親そのものを感じさせた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

やたら天気が曇りがちになってきて、さっきのセリフの通り、風が吹いてきた。天気予報でこんな風になるって言ってたかなぁ……?

 

「ねぇ、無垢なる蛇よ。その夢には誰がいたの?」

 

「……言わないと、ダメ……かな?」

 

「そこまでカミングアウトしたのだから、今更であろう? 誰なの?」

 

僕を抱きしめる力が少しだけ強くなった。

 

「誰にも言わない……?」

 

「言わないと乱暴にしちゃうわ……」

 

認識覚醒済みのヨークさんが暴れると、キングジョージ5世級で止められる人が限られちゃうので大人しく告白する事にした。それに、そんなにワクワクした目で見られたら断りづらくて……。

 

 

 

 

 

「ウェールズさん……」

 

──────は?

 

 

 

 

 

 

空気がひび割れたような、時間が止まったような緊張感が走る。こうなりそうだったから言いたくなかったんだよね……。

 

「ふむ……ウェールズはアドーニスの夢にすら侵入するか……どんな夢?」

 

「え!?」

 

ただでさえ名前を挙げただけでも顔から火が出るくらい恥ずかしいのに、さらに突っ込むの!? 僕、おうち帰りたい……。

 

「ほら……私はアドーニスの秘密を独り占めしたい。それで脅すつもりもないし、他言することもしない」

 

「分かった……」

 

 

 

 

 

 

「ウェールズさんが自らスカートを捲って、」

 

「ふむ……」

 

「自分の下着を脱いでたんだ」

 

「なんと……! それから?」

 

「それから……『僕』の上に跨って、」

 

「おお……」

 

「そこで『やらかした』記憶だった筈……」

 

ヨークさんが相槌を入れる度に目のハイライトが消えてくのが怖い。

 

ああぁあああぁぁ! もう恥ずかしい……お婿に行けなくなっちゃう!

 

「ではシミュレーションしてみるぞ」

 

「えっ──────わっ!」

 

ヨークさんに押し倒されて、馬乗りされた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「私の中でこんなに欲情を目覚めさせるとは、アドーニス──────『指揮官』は罪な人ね。今日は私の夢でも見てもらおう。とびっきり忘れられない、無茶苦茶に乱暴にされる夢を──────」




せーふ!

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