【アズールレーン】ヤンデレ測定器   作:そうすけ

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※一応、官能表現注意です。とは言っても終盤のみですのでご了承下さい。


愛宕編

 「指揮官、午前中はお疲れだったわね〜。お姉さんの胸に飛び込んで頂戴♪」

 

これは愛宕さんのいつもの口癖だ。本当は、午後の秘書官はウェールズさんだったけれど、少し前のモナークさんとの姉妹喧嘩の事でクイーンエリザベスさんからお説教があるとの事で、代理で愛宕さんが急遽担当された。

そして、実際に飛び込んだ事はありません。以前、物は試しと、愛宕さんのハグに応じようと近づくたびに、愛宕さんは呼吸が荒くなり、唾液が滝のように口から流れ、瞳孔が開きまくってきて異常を感じたので止めた。そこで止めたら、後ろからガッチリと抱き抱えられた所を様子を見にきた高雄さんに助けられた。

 

「……お気持ちだけ頂きます」

 

「遠慮しなくて良いのよ? 指揮官はお姉さんに甘える権利があるんだから! お姉さんの身体が疼いて疼いて仕方ないの!! もう何も言わずにこちらへ来れば良いの……お姉さん何でもしてあげるから……!!!」

 

……うん! いつもの愛宕さんだ。流石ケッコンカッコカリを済ませたKAN-SENの中で一番練度が高いので貫禄が段違いだ。

 

「指揮官〜いるかにゃ〜? たった今モナークの装備のメンテナンスが終わったにゃ」

 

ちょうどいいタイミングでメンテナンスをしていた明石さんが執務室に入ってきた。

 

「お疲れ様です。どうでした?」

 

「何も無かったにゃ〜。指揮官さっきまでどこ行ってたのにゃ?」

 

「ロイヤル寮の方で揉め事を処理していましたよ」

 

「にゃ? 何かあったのかにゃ?」

 

「モナークさんとウェールズさんがちょっと……」

 

「マジかにゃ!? 明石も見たかったにゃ!!!!」

 

「明石さん本当に修羅場好きですね……」

 

「当たり前にゃ! どうせ指揮官を取り合う二人がキャットファイトを繰り広げていたんだにゃ〜!!! あー! 見たかったのにゃー!!」

 

「キャットどころか血塗れで普通に殴り合っていましたよ」

 

「ファッ!? うにゃあああああああ!!!!」

 

明石さんが両腕をブンブン振り回して後悔している。こちらとしては起きない方が嬉しいんだけど……。

 

「……明石ちゃんと指揮官って、いつの間にそんなに仲良くなってたの? お姉さん、ちょっと嫉妬しちゃうわ……私には他人行儀なのに……」

 

「おぉー? 愛宕が既にヤンデレモードに入っているにゃ〜。これは見どころあるにゃ! やはり『あ』の付く三文字の重桜のKAN-SENはやべーヤツが多いにゃ〜」

 

「それ、明石さんも入りますよ……」

 

阿賀野さんも入っているな。まだうちの母港にはいないけど。

 

「天城さんや吾妻も入るけど……ねえ、どうしたらそんなに仲良くなったの?」

 

特に特別な事はしていないんだけど……昨日、ほぼ丸一日一緒に、色んな陣営のKAN-SENのヤンデレ測定していたからかな?

 

「昨日、明石さんの発明品の実験で一緒にいましたね」

 

「そうにゃ。丸一日一緒だったにゃ。昼飯、夜飯も一緒だったにゃ」

 

「昨日だけで!? しかもご飯も一緒!? ……指揮官」

 

愛宕さんに両肩を力強く掴まれると、大鳳さんのようなハイライトの無い目で見つめられる。そして愛宕さんから思いがけない提案を受ける。

 

 

 

 

「その明石ちゃんの実験、お姉さんも付いて行って良い?」

 

 

 

 

というわけでいつものヤンデレ測定に愛宕さんが加わった。断るつもりは無かったけど、両肩を掴まれてハイ以外の返事が見えなかった。

でも今の時間の母港は、委託に出ていたり、演習、寮舎にいたりで殆どKAN-SENが居なかった。

 

「あら? 指揮官くん♪ 今日も明石ちゃんと実験? ……愛宕も? 何だか愛宕が指揮官くんと明石ちゃんの保護者みたいね、うふふ」

 

ユニオン寮で買い出し中のセントルイスさんとすれ違った。まあ僕も明石さんも背は低いし、背の高い愛宕さんが後ろにいたらそう見えなくも無いかもしれない。

 

「保護者……? ならば指揮官、問題無いわよね!?」

 

「何がですか!?」

 

「平常運転の愛宕にゃ」

 

「うふふ、仲が良いのね」

 

僕らのやりとりと見てセントルイスさんは上品に笑った。セントルイスさんは何か安心するなぁ。彼女を見てふと思い出した。

 

「あ、セントルイスさん。うちの実家に手紙や荷物を送られたんですね? 両親からSNSで聞きましたよ。なんか高そうなお歳暮みたいな物まで貰ってしまって申し訳ないです」

 

「届いたのね、よかったわぁ♪ 指揮官くんには仕事でお世話になってるし、いずれはご両親に会うからこれくらいはね?」

 

仕事で助けられているのは僕の方なんだけどね。え? 両親来る予定あったっけな。

 

「ねえ指揮官くん。来週のココ、休みと外出届出したいのだけど良いかしら?」

 

パッと見、ポケットの無い服装のセントルイスさんがどこからか出したメモ帳のカレンダーを見せてきた。

 

「ここなら問題無いですよ。ゆっくりお休み下さい」

 

「とは言っても二日しか貰わないからすぐに帰ってくるわよ? ありがとうね〜」

 

セントルイスさんの休暇申請を受理して彼女と分かれた。

 

「セントルイスが休むなんて珍しいのにゃ〜。いつもならホノルルやヘレナに譲るのににゃ〜」

 

「本当ですよね。こういう日もあるんですね」

 

「指揮官……今のは?」

 

セントルイスさんがいた所を睨むような目つきのまま、声だけ僕に向ける。

 

「え? ああ、うちの両親とセントルイスさんが仲良いみたいで。連絡先も交換したみたいで、楽しそうみたいです」

 

「……そう。羨ましい……」

 

「愛宕さん……?」

 

「───! ううん、次行きましょう?」

 

僕はハテナマークを頭に浮かべた。

 

「ねえ、明石さん。愛宕さんってまだ測ってないですよね?」

 

「そういえばそうにゃ。やってみるかにゃ」

 

「愛宕さん、ちょっと失礼しますね」

 

愛宕→指揮官

ヤンデレ度:40

 

「またも意外にゃ。愛宕なら90以上なら普通かと思ったにゃ」

 

「……そんな訳、無い、ですよ……」

 

愛宕さんなら素直に否定できないのが少し悲しい。

 

「指揮官、お姉さんを測ったの? どうだった?」

 

「普通よりも若干低い数値でしたよ」

 

「そう……指揮官、ちょっとそれ見せて貰って良い?」

 

愛宕さんに緑色のタブレットを渡す。

 

「……明石ちゃん、ここにバグがあるわね。ほら、文字化けしちゃってる」

 

すると愛宕さんは、バグを見つけたようで明石さんに伝える。

 

「にゃ!? マジにゃ!? すぐ直すにゃ! デバックモード!!」

 

明石さんは何故かモンキーレンチを出すとバグを修理する。

 

僕は感心したように愛宕さんに話しかける。

 

 

 

 

 

 

 

 

「よく見つけましたね愛宕さん──────」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それ以降の記憶は無くなった。

 

 

 

「……うーん、あれ? 僕は何を……って!? 鎖で縛られてる!?」

 

僕の四肢は頑丈な鎖で縛られているようだ。顔だけ動かして見ると、僕はベッドに寝かされているみたいだ。壁には衣装が掛かっている。白い軍服、着物、水着、学生服。大鳳さんの物にしては色が違うし、壁にも僕の写真が貼られていない。じゃあ一体……? てか僕はさっきまで何していたんだっけ? 明石さんと愛宕さんとヤンデレ測定器で測ろうと……愛宕さん?

 

「指揮官? 目が覚めた?」

 

いつになく綺麗な笑顔で僕を見下ろす。けれど、なんか目が笑っていない。

 

「指揮官が悪いのよ? お姉さんとケッコンカッコカリまで済ませたのに、お姉さんに何も手を出さないし、しかも他のKAN-SENにはご両親の住所を教えて。遊び歩いていると噂を聞いたときは、正直嬉しかったけどまさかそんなことをしていたなんて……お姉さんを女として見れない? だったらもっと洋服の露出を減らした方が良い? 指揮官が望むのならば、下着姿でも良いわよ? お姉さん、ちょっと恥ずかしいけれど指揮官のためなら頑張っちゃうんだから! 指揮官は下着大好きだものね? え? だって、昨日大鳳が言っていたけど上着のポケットから女性の下着が出てきたって聞いたからよ。結局、誰のものか分からなかったけど、まあそれは良いわ。隼鷹とオイゲンのパンチラも見たらしいわね? 嬉しかった? もしかして指揮官はチラリズムの方が好きなのね? それなら書類は床とか高いところに置きましょ? そうすれば指揮官なら見やすいでしょ? あ、でもそれは私が秘書官の時だけにしてね? そうすればお姉さんだけを見るようになるし、忘れられなくなるでしょ? お姉さんに任せてくれれば良いのよ……全部」

 

 

 

完 全 に やばい。

 

 

普段の愛宕さんならば逃げれば何とかなるのだが、今は僕の自由が効かない。という事は言葉通りになすがままになり、何をされるか分からない。見たところ愛宕さんの自室みたいだし、急用がなければ来客なぞ来ない。

 

手詰まりだ。

 

「……✖︎✖︎✖︎✖︎」

 

「……指揮官? それは何かしら?」

 

「それは僕の本名です」

 

「あら……そうなの。初めて知ったわ。それがどうしたの?」

 

「……運営からの軍事機密により僕の本名はKAN-SENに教えてはいけない事になっているんです。もし理由無しに勝手に教えると僕はクビになる事は避けられません」

 

「……指揮官? 良い子にしていないとお仕置きしちゃうわよ?」

 

「嬉しくないんですか? 僕の本名を知ったのは愛宕さんが初めてなんですよ? 自慢できますよ? 愛宕さんだけが知る唯一の秘密を持てますよ?」

 

まぁ僕の口から話すのは、という意味だけど。

 

「……指揮官が何を考えているかは分からないけど、恐らく問題はないわ」

 

そういうと愛宕さんは机の中から一枚の紙を僕に見せる。

 

「指揮官とのラブラブが終わったら、【これ】を執務室に持っていくわ」

 

僕の前に持ってきた書類、【退役願】を見せてきた。

 

僕がクビになる事をチラつかせたら、躊躇ってくれると思ったが思慮が浅はかだったようだ。

 

「……どうしてそこまで、私達と体の関係を持ちたくないの? いくら指揮官でも興味がある年頃よね?」

 

「……争いを避ける為です。幸せな事に、僕の好きでいてくれるKAN-SENの子は沢山います。しかし仮に誰か一人と関係を持てば、他の子もシたがるでしょう。ですが僕の体には限界があります。そうなれば誰が関係を持つかで揉めます。いずれ母港は機能しなくなるでしょう。決して最善とは言えませんが、最もマシなやり方として」

 

 

 

 

 

「【誰とも関係を持たない】、僕はそれを選択しました。」

 

 

 

「……ふぅん。指揮官は思った以上に、ここの事を考えてくれているのね……だったら一人、お姉さんだけとケッコンカッコカリをすればこんな事は起きなかったのに……ね?」

 

ここには魅力的なKAN-SENが多すぎたのが、運のツキかな。

 

「最後に、僕と一緒に証を残しませんか?」

 

「ようやくその気になってくれたのね。お姉さん、嬉しいわ」

 

「ええ。でもその前に僕はずっと指揮官と呼ばれてきました。大きな声で僕の名前を読んでくれませんか? 今までの記憶を上書きするように」

 

「分かったわ……」

 

その瞬間、愛宕さんは服を脱ぎ捨て、今までのタガが外れたように僕にキスをしてきた。

 

「✖︎✖︎✖︎✖︎!!!! もう我慢しなくて良いのね!? ✖︎✖︎✖︎✖︎!!!」

 

「✖︎✖︎✖︎✖︎!!!!」

 

便乗して僕も自分の名前を叫ぶ。

 

何十分キスしたか分からないくらい、お互いの顔が唾液でベトベトになり、ベッドのシーツもしわくちゃになっている。

 

「じゃあ……指揮官。後はお姉さんに任せて、天井のシミでも数えていて頂戴? はぁ……! こんなに満たされる事なんて無いわ!!」

 

愛宕さんが僕のズボンのベルトをカチャカチャと外して脱がそうと手を入れた時、

 

 

 

 

 

 

「指揮官!? 大丈夫かにゃー!?」

「指揮官くん!? 大丈夫!?」

 

 

 

 

 

緑の猫さんと幸運の女神様は僕に味方をしたようだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ケッコンKAN-SENのみが集められた、緊急会議が開かれた。本日二回目の緊急会議である。緊急の意味あるかな? 

司会はウェールズさんで、グロスターさん、ベルファストさん、セントルイスさんが愛宕さんを囲むように座っている。

 

前回のモナークさん、ウェールズさんのしおらしい態度とは真逆に、愛宕さんは堂々と不満を隠せない様子だ。

 

「……もうちょっとだったのに」

 

「愛宕、あなたがここに集められた理由が分かるよね? カッコカリ同盟の条約を言ってみなさい」

 

腕を組んで怒るウェールズさんが、尋問を始める。カッコカリ同盟? 初めて聞いたよ。

 

「……1.指揮官とのお夜伽は相談無しで行なってはならない。

2.指揮官に強引に体を求めてはならない。

3.指揮官を眠らせてはならない」

 

「全部破っているじゃないか!? カッコカリの重桜代表が何をしているんだ!!!」

 

ウェールズさんの怒りに、他の三人も肯く。

 

「それにしても意外でした。ご主人様が関係を持たない理由が、平和維持の為、だと。てっきりベルファストは、私めの事が苦手だと危惧しておりました」

 

「それはありません。魅力溢れるKAN-SENの方々ですから」

 

「優秀なご主人様で何よりです。これも私の指導の成果です」

 

「は?」「は?」

 

ベルファストさんとグロスターさんは、見えない火花を散らしているのが分かる。

 

「今回は未遂に終わったが、処罰を下さない訳にはいかない。覚悟は出来ているな?」

 

「……何かしら?」

 

先ほどまで静かにしていたセントルイスさんが提案する。

 

「じゃあ愛宕は、暫くは秘書官から外すのは、どう?」

 

「それが妥当だな」

 

どんな罰か不安になっていたが、案外軽そうだ。と思っていた。

 

「!?!?!? そんなの拷問よ!? やりすぎよ!!! 罪が重すぎるわ!!!! 私、どうかしちゃう!!!」

 

効果抜群すぎたようだ。

 

「元々どうかしているだろうが! 愛宕は三ヶ月、指揮官の秘書官を禁ずる! 異論は認めない!」

 

皆さん、それに同意したようで、ぞろぞろと会議室を出て自分の持ち場に戻っていく中で、愛宕さんだけが椅子に座った状態でうなだれている。

 

「あの……愛宕さん? 僕は怒っていませんよ。理由を言わなかった僕にも責任はありますし」

 

もぬけの殻になった愛宕さんの目がこちらを見ると、涙を流した。

 

「やっぱり指揮官は優しいわね……お姉さんは嬉しいわ」

 

「あの……約束して欲しい事が。僕の名前は秘密にしておいてください」

 

「分かったわ……じゃあお姉さんからは反省させて頂戴?」

 

「構いませんが、何を───!」

 

ふと、僕の左頬に柔らかい感触がきた。何をしたのか愛宕さんを見ると、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「指揮官がその気ならば、お姉さんは何でもしてあげるからねっ!♡」

 

 

もしよければ良かった話を聞かせてください。

  • グラーフ・ツェッペリン編
  • 大鳳編
  • プリンスオブウェールズ編
  • 愛宕編
  • ベルファスト編
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