アメリア可愛い………可愛くない?と思ったため執筆。
初作品です
アメリア・サリヴァンは烈火の如く憤った。
壁を殴り、痛みに悶ながらも、憤怒が止むことはなく。
まさか、まさか。そんな、まさか。
かつて衆人環視の前で土の味を噛み締める羽目になった──それも、名の売れた「K」やシルヴィア・ゴールドバーグ相手ではなく、在野に隠れていた実力者に。
土壇場の運が無ければ順当に負けていたとヤツは言っていたが。
自分は、不運がジャックポットを起こしたから負けたのだと愚痴りもしたが。
そうではない。
在野にいるような相手に運で左右するような状況に追い込まれたのも事実だし、何より舐めプかと言いたくなるようなプレイをされての敗北だったのだ。
幾度も対戦を見直して、見返して、長らく愛用して突き詰め続けたカースドプリズンの新たな可能性を知らされて、そこからの研究で独自の路線も見出して。
リベンジ・マッチの機会を待ち、あれだけの実力なら容易にトッププロになれるであろうとも思って楽観していたし。
なんならアメリカや日本のみならず、世界のプロゲーミングチームがスカウトのチャンスを狙っていたのに。
「プロゲーマーにならねぇなんて……許せねぇよなァ……!」
まだ年若く、親に養育されている身分で好き勝手出来ないのはアメリアとて理解出来る。
ケイにそう説明されたときは、なる程と思ったものだ。
それとは別に、プライベートで対戦したいと思いもしたが、顔隠しのプライベートを守るだけの責任はあると強弁するケイに止められて。
『そういえば、サン──顔隠し、将来は普通にサラリーマンやりながらゲーマー続けるんだってさ』
軽い調子でそういったケイに、アメリアとシルヴィアは詰め寄った。
極稀にケイを通してプライベートマッチをすることもあるが、滅多に触らないという割には自分ともシルヴィアとも渡り合うヤツが、サラリーマンなどと。
『元々、どうにも憧れてる人と同様の生き方をしたいらしくてさ』
「そんな自分勝手が許されるわけねェだろうが!」
壁を一度殴り、拳の痛みに耐えかねてベッドのマットに怒りをぶつける。
天性のゲーマー、否、アレはシルヴィア同様天性のスターだ。
人を魅せ、人を惹きつけ、人が憧れ、人が目指さんとすることを無自覚でやってのけているのだから、一層タチが悪い。
ふぅ、ふぅと息を調えたアメリアは、一つの決意を固めた。
(マスク剥ぎデスマッチ、ってのはプロレスショーの類いぐらいだと思ってたが)
今一度、人々に問おうではないか。
かの顔隠しが人々の前から姿を隠すことの是非を。
そして、顔隠しに理解させようじゃあないか。
自分がどれだけ人々に求められているのかを。
獰猛なだけだった笑顔の中に、艷やかさが入り混じるのを。
アメリアはまだ、自覚していない。