肉食系の猛禽   作:社畜怪人

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ちょっとアメリアから離れて。


第4話

ネットの海に漂う動画の中のひとつ。

Play of NoFaceと銘打たれた動画を再生すると、カボチャ頭のドアップが映って。

 

シルヴィア・ゴールドバーグとの一戦でのプレイが切り貼りされ。

アメリア・サリヴァンとの一戦でのプレイが切り貼りされ。

魚見慧との談笑が合間に挟まって。

決め台詞とも知れない発言が幾つも連ねられて。

 

「何だよコレ」

 

魚見慧から送られてきたURLにあった動画は、どうにも海外の視聴者が作ったものらしいが。

こうやって見せられると、自分が何をしたから見せつけられるようで、顔も赤くなろうというものだ。

取り敢えずウオミロイド動画の中でも悪質なものを送りつけて。

数分後。

 

『何だよあの動画!?俺がサンラクに告ってるとか!』

 

「ざまぁ」

 

『自傷覚悟?!』

 

「あの動画の後なら痛くも痒くもないんだよなぁ」

 

『……まぁ、自分の立場だったらと思うと俺も恥ずかしいけどさ』

 

そりゃあそうだろう。

幾らか雑談して、どちらかともなく一呼吸置いて。

 

「で、カッツォは銀金とナツメグのどちらを選ぶことにしたんだ?」

 

『またそれぶり返すの?ペンシルに散々煽られたせいで、いっときとはいえ生活に支障来すぐらいだったんだけど』

 

「シャンフロでも揉めたって聞いたんだけど」

 

『サンラクはどうなの?』

 

「別に変わらないぜ。サイナとエムル連れて、行く先々で野良パーティ組んでやってるし」

 

『違うよ。恋愛だよ』

 

「ピザ留学しなけりゃそれでいいかなって」

 

『相手がペンシルでも?』

 

「自害キメる勇気はないから無問題」

 

『……………アメリアが相手だったら?』

 

問うかどうか、深く強く逡巡したらしいことは理解出来た。

だが、好ましいかを断ずるには付き合いの浅さが大きい。

 

「よく分からないとしか言えないぞ」

 

『ま、そりゃあそうか』

 

「言いたいことがあるならはっきり頼むわ」

 

『なら言うけど。プロになれとは言わないけど、今までみたいに時折スペシャルゲストとして来て貰ったりは出来るか?』

 

瞠目。

嘆息。

幾らかの思案を経て。

 

「マスク剥ぎデスマッチとか言わないならいいと思う。後はタイミングが合えばだけどな」

 

先程見た動画の中の自分は、随分と燃えていた。

何より、あれを心地良く感じる自分が此処にいる。

幕末然り。身を削り、命を削り、心を燃やす戦いは好きだ。

問題は、他者にそれを押し付けられることが嫌だという我儘。

ゲームを仕事にして、その結果好きなゲーム、やりたいゲームを出来なくなるのは本末転倒。

 

『それはないと思うから、安心してくれていいよ。ただ君と戦いたいって人も多いしね。シルヴィアやアメリア、俺と戦うための目安にもなるらしいし』

 

「目安かよ」

 

一拍おいて、サンラクは耐えきれずに笑った。

カッツォも笑ってるんだろうか、などと考えて。

 

アメリアとのフレンドマッチを始めるまで、サンラクとカッツォは談笑を続けていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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