起きたら見た目がゲームのアバターに変わってた件について   作:シーボーギウム

4 / 7

ジャストガード、ジャスト回避:MUO内での攻撃のあたり判定には2つ種類があり、それぞれ直撃、かす当たりと呼ばれる。直撃は文字通り、かす当たりはその攻撃が直撃した場合に比べてかなりダメージは低い。代わりにデバフなどの判定は直撃の場合と何ら変わりなく発動する。
その判定すら完全に消し、ノーダメージにするのがジャストガードとジャスト回避。ただし判定が死ぬ程短いので狙って出すのは至難。本来は補助スキルで判定時間を伸ばしてようやく狙ってできるもの。

感想でご指摘があったので今回後書きに補足説明を。
お気に入り含めその他もろもろ増え方がおかしなことになってビビっています。
どうも花弁です(震え声)
4話目です。次回ぐらいから話が大きく進むと思います。



激闘 1スレ目 part4

 放たれる槍の鋒は、鋭いという言葉ですら足りない程の速度で俺を貫かんと迫ってくる。彼、ランサーの槍を避けるのも弾くのも容易ではない。普通のプレイヤーなら一撃目で反応することすらかなわずに貫かれていることだろう。俺自身、高い技量を持つ自負はあるが、彼の槍を捌くのにはいつも苦労していた。

そう、していたはずなのだ(・・・・・・・・・)

 

(身体の動きに違和感が皆無だ……)

 

 MUOの基本アバターは、そのプレイヤーの容姿をスキャンしてそれそのままに作られる。これによってキャラメイクの煩雑さを軽減しているのだが、それがメインの目的ではない。

 理由は単純。現実の身体と差異があり過ぎると、操作性に難が表れ始めるのだ。もちろん顔や身体の一部を多少変えた程度ではそんな違和感は発生しない。だが俺のように元の姿とまるで違う容姿にすると途端に違和感が生まれる。そういう違和感があることを考慮した上で俺はこのアバターを使っていたのだが、現実の肉体がハザクラとなったおかげか、その違和感は完全に消失していた。

 

「ぉらあっ!!」

「ッ!」

 

 放たれた槍をかすることすらなく回避する。今までであれば頬に赤い線が入っていたであろう一撃だ。槍を避け、盾で弾き、牽制の刃を振るう。根本的に槍とダガーではリーチの差で不利なこの上ないが、今のビルド、超耐久ビルドと銘打つこのビルドは、相手を倒し切ることを想定としたものではない。これは言ってしまえば他のビルドに繋げるためのものだ。全てのデバフを付与するダガーと可能な限り上げた防御力、魔法防御力。このビルドで耐え、相手を見極め、その相手に最も相性の良いビルドでもって圧倒する。それが俺の戦闘スタイル。それがタイマン最強と言われる所以だ。

 

「ふっ!!」

 

 短く息を吐き、懐に入って2連撃を放つ。ランサーは容易く避け、攻撃後の隙を見逃さずに槍を突き出してきた。それを避けることなくあえて盾で受け、その勢いを利用して距離を取った。

 瞬間、彼は眼を向いて俺から距離を離そうとする。だが────

 

「遅い!!」

 

【カオス・ゾーン】

 

 ダガーを地面に突き刺し、武器に備え付けられたスキルを発動させる。黒く澱んだ何か急速にダガーから広がり、あっという間にランサーの接地点まで地面を覆う。この黒い何かに触れた者は、この範囲にいる限りこのダガーと同じデバフの判定を喰らい続けることになる。もちろん俺は別だが。

 彼は様々なデバフに対する耐性は高いが、だからといってMUO内に存在する全てのデバフを喰らい続けて無事でいられるわけがない。苦虫を噛み潰したような顔をした彼は即座にこのスキルの範囲外へと飛び出た。

 

「ちっ!相変わらず嫌らしいスキルだぜ」

「そりゃどうも」

 

 スキルでデバフを全解除したランサーの悪態に皮肉を返しながら、日に3回までのランダムビルド変更スキルを発動させる。彼には俺の全てのビルドがどういうものかはバレている。その為特にどのビルドだと有利、というのは特に無い。彼は既にビルド一つ一つに合わせた立ち回りを身に付けているからだ。そして俺自身どのビルドだと不利、というのもない。

 つまりはどのビルドになろうと完全に実力勝負なのだ。

 

「それか!!」

 

 ランサーが変身した俺を見て走り出す。服装はワンピースからミニスカート型の修道服に、髪型もショートカットに変わり、眼帯は色は同じく黒だが医療用のものから十字架がデザインされた革製のものに変わる。

 支援・回復ビルド。俺のビルドの中では珍しく後衛で戦うのがメインのビルドだ。

 主武器はリボルバー式の銀の銃身に金の装飾が施された『魔銃グレムリン』。

 

 その銃口を自身の(・・・・・・・・)側頭部に向ける(・・・・・・・)

 

「ちぃっ!!」

 

 間に合わないと判断したのか、今度は打って変わって距離を取り出した。

 そう、彼は知っている。俺が自身に撃ち込もうとしている弾丸が、いかにヤバい代物かを(・・・・・・・・・・)

 

 特殊弾頭【アレス】

 

 ギリシャ神話における、荒々しき戦神の名を冠する魔法の込められた特殊弾頭。

 その効果は─────

 

 

 

 

 

────────────

 

 

 

 

 

885:名無しのプレイヤー

2人ともヤバすぎるっぴ!!

 

 

886:名無しのプレイヤー

ハザクラの特殊弾頭もヤバいけどあの状態で紙一重で耐え続けてるランサーもヤバすぎる。

 

 

887:名無しのプレイヤー

あの特殊弾頭シリーズほんとズルいよなぁ……

 

 

888:名無しのプレイヤー

>>887

別に使おうと思えば誰でも使えるぞ

制作コストが異常なだけで

 

 

889:名無しのプレイヤー

ハザクラってあの大量の特殊弾頭どうやって供給してんの?

 

 

890:名無しのプレイヤー

>>889

第3の街のコロシアムを本来よりもはるかに格安で貸し出してる

格安とは言えまぁそこそこかかるからそりゃ金入るよねって話

 

 

891:名無しのプレイヤー

コロシアム個人所有!?

 

 

892:名無しのプレイヤー

つまりハザクラ姉貴兄貴は一度カンストまで所持金を溜めたと……!?

 

 

893:名無しのプレイヤー

んなわけあるか。PVPイベの時に優秀商品で貰ったんだと。

正直クソ羨ましい

 

 

894:名無しのプレイヤー

PVPって今MUOでかなり人気だからなぁ……

ツイ○ター写真の効果もあって視聴者数凄まじいことになってるけどこれ以前もかなり人いたからな

 

 

895:名無しのプレイヤー

そもそもなんでこんなPVP人気なん?

 

 

896:名無しのプレイヤー

俺もずっと疑問だった

ある程度人気出るのはわかるけどいくら何でも人気すぎない?

他のゲーでもここまでは人気出ないぞ

 

 

897:名無しのプレイヤー

今その理由を見てるじゃないか

 

 

898:名無しのプレイヤー

つまり?

 

 

899:名無しのプレイヤー

ハザクラが今のMUO内のPVP人気の火付け役ってことよ。

元々ハザクラがハザクラとして知名度上げたのがPVPイベで、その時タイマン最強って言われてた槍ニキ完全再現ニキに勝ったもんだからめちゃくちゃ話題になって、それから今みたいな生放送で更に人気が出たって感じ。

 

 

900:名無しのプレイヤー

てかハザクラ動きが今までより良くないか?

 

 

901:名無しのプレイヤー

変わんなくない………?

 

 

902:名無しのプレイヤー

何か変わったようには見えませんねぇ………

 

 

903:名無しのプレイヤー

助けて解説ニキ!!

 

 

904:解説ニキ

よかろう。

恐らくは現実の身体との差が消えたからと思われる。

今までハザクラは現実男、アバター女でやってたからその差異で動きが鈍るところがあっただろうし。

 

 

905:名無しのプレイヤー

あーアバター作成の時の注意事項にそんなのあったな。もうすっかり忘れてたわ。

あとそのコテハンにするならこれからも解説頼むゾ

 

 

906:名無しのプレイヤー

つまりハザクラは今までその差異捻じ伏せつつタイマン最強やってたってことか……?

 

 

907:名無しのプレイヤー

どんなPSしてんだよ………

 

 

908:名無しのプレイヤー

普通に化け物なんですがそれは………

 

 

909:名無しのプレイヤー

エンジョイ勢ワイ。その差異のせいで好きなキャラのロールプレイを諦める。

 

 

910:名無しのプレイヤー

>>909

マ?

 

 

911:名無しのプレイヤー

ここにいる奴含めその差異を実際に経験してる奴ほぼいなそうだから言うけどかなりヤバいぞ。動いててかなり気持ち悪かった。

 

 

912:解説ニキ

いや、ハザクラの今までの動きからしてそこまで大きく変更してるわけでは無いと思う。

この差異が一番大きくなるのが身長と手足の長さを変えること。これが多少ならともかくまるっきり変えるとまともにプレイすんのも難しくなる。仮にそのアバターで慣れても今度は現実の方でまともに動けなくなるからな。

ただ体格をそこまで変えなければ女になってもそこまでの差異は生まれない。

 

 

913:名無しのプレイヤー

つまりイッチは元々かなり小さい……

 

 

914:イッチ

>>913

殺すぞ

 

 

915:名無しのプレイヤー

ヒェッ

 

 

916:名無しのプレイヤー

絶賛殴り合いしてる途中なのに何で書き込めるんだ……

 

 

917:名無しのプレイヤー

それ以前に何で補足できたんだ……?

 

 

918:名無しのプレイヤー

怖すぎる

 

 

919:名無しのプレイヤー

そろそろ決着付きそうだな。

 

 

920:名無しのプレイヤー

こいつらの補助スキル無しでなんで当たり前のようにジャストガードジャスト回避してるんだろう………

 

 

921:名無しのプレイヤー

>>920

考えだけ無駄だぞ。結局こいつらのPSがおかしいだけって結論に至るからな!!

 

 

922:名無しのプレイヤー

お、槍ニキが構えた。

 

 

923:名無しのプレイヤー

ゲイボルクvs特殊弾頭

 

 

924:名無しのプレイヤー

さて今日はどっちが勝つか

 

 





一撃必殺ビルド
ハザクラのビルドの一つ。最大HP7割減、被ダメ5倍防御力・魔法防御力9割減というトチ狂ったデメリットの代わりに攻撃力が10倍になる。こらだけなら同レベル帯の相手の攻撃のかす当たりで死ぬ程度で済むがここに追加でアジリティ上昇のスキル、更に攻撃力上昇スキル等を積んでいるためそれらの無数のデメリットが重なってレベル1の最低位魔法のかす当たりで死ぬ凄まじく貧弱な防御力になっている。
理論上最も防御力を高めた状態の相手でもこのビルドの武器スキル込みなら一撃で消し飛ぶ。ただし扱いはハザクラのビルドの中で一番難しい。
対プレイヤーで使うのは危険過ぎるためこれを使うのは行動が分かりきっているモンスター相手がほとんど。
あたり判定から外れるか、ジャストガードするか、ジャスト回避するかしないと一撃で死ぬ。ガード用装備が無いので実質2択。

これから出てくるキャラクターについて。

  • 全員ユニーク称号持ち
  • ユニーク>一般(高ランク)プレイヤー
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