起きたら見た目がゲームのアバターに変わってた件について 作:シーボーギウム
クラス:殆どの場合一括りにされているが、職業と種族の2種類がある。種族メインにビルドを組むと職業はほぼ意味をなさなくなる事が多い。その為職業メインの場合は基本種族は人間のまま。
職業がほぼ意味をなさなくなる例としては獣人や精霊など。獣人は物理関係のステータスが非常に高いが、どれだけレベルを上げても魔法関係のステータスが非常に低い。精霊はその逆。
これだけだと種族を人間以外にしてそれに合わせた職業を取るのが一番良さそうに思えるが、人間以外の種族は人間に比べてかなり被ダメ倍率の高い弱点属性があったり、偏ったステータスの関係上、修得の難易度が人間に比べて格段に上がるものがある。
とはいえもちろんメリットも多いため職業メインのビルドと種族メインのビルドのどちらが良いかは一概には言えない。
どうも花弁です。
ようやっと主人公の本名が出ました。今まで出さなかった理由とかはなく、ただただ単純に出すタイミングが無かったというポンコツっぷり。今思えば二話あたりで出せたんじゃなかろうか………
話が変わりますが皆様沢山のお気に入り、評価ありがとうございます。これも今思えばもう少し早く言うべきだった気がします。ご期待に添えるようこれからも頑張らせていただきます。
最後に、よろしければ感想、評価をお願いします。
いっぱいきたら多分更新速度が上がります。
「さて悠、そんなわけで買い物の時間だ!!」
「なんでや!!」
結局あの後そのまま安価され、百合と百合のファンクラブの会長と副会長に最寄りのデパートまで連行された。今も会長副会長に両脇から腕を組まれている。やろうと思えば振り払えるが、流石にそこまで深い知り合いというわけでもない2人相手に乱暴なことはしたくなかった。
「因みに初めの服を買ったらまた安価で買う服決めるからな」
「ヤメロォ!!初めの服の時点でメイド服とか既に嫌な予感しかしねぇ!!」
完全にコスプレである。その上今のところ理性的に振る舞ってはいるが百合の眼の奥には明らかにギラギラと欲望の炎が燻っている。今から買う服が全てプレイ用のものになりかねない。
「安心しろ、ちゃんと使ってやるから」
「安心する要素がどこにもねぇ!!やめっ!離せぇぇぇぇぇえ!!!!!!」
────────────
「く そ あ」
「そんな怒ることないだろ」
不貞腐れる俺に、百合はそんなことをほざきやがる。逆に怒らない要素がどこにあるのだろうか、いやない(反語)。
今日買った服はメイド服にナース服、チャイナ服にバニーガールetc.とまともな服がほとんど存在しない。一応何着か普通の服も買ってはいるがコスプレ服との比率は9:1とかそれくらいだ。
「てか、検証がてらって言ってたけど服が何の検証になるんだよ」
「現実の服を着るのが装備の変更に当たるのかどうか。見た感じ関係なさそうだけど、どうだ?」
「そう言えば装備が変わった感じはしないな……」
槍ニキとの対戦後、おれはビルドはそのまま装備だけ超耐久ビルドで着ているワンピースに変えていた。そのワンピースを脱いでメイド服やらなんやらに無理矢理着替えさせられていたわけだが、思い返してみれば、確かにステータスのようなものはワンピースを着ていた時と感覚的に変わりない。
「外装みたいな感じってことか?」
「これは好都合だな。何かしらの理由でビルドを変えても服を着替えればビルドはそのままでいられる。まぁそのせいで襲うのが難しいなったが」
外装とは、言ってしまえば着せ替えのようなものだ。装備の性能はそのままに見た目だけを変える課金による追加要素。これを使えば限りなくゴツいフルプレートアーマーだろうがなんだろうがメイド服やらナース服にでも見た目を変更できる。
「完全武装で外出できるとなれば、何かしらの理由で悠が狙われたとしても奇襲を防げるかもしれない。まぁ今のお前を害せる存在を探す方が難しそうだが」
「縁起でもないことを言うんじゃねぇ」
顔をしかめながら返答する。そんなふうに外面は嫌そうにする俺だが、実は百合に対して少しの感謝がある。この姿に変わった時、俺は普通なら感じるであろう不安やら恐怖というものはほとんど無かった。理由は色々あるが一番大きいのは百合の存在だ。こいつとの付き合いはかなり長い。それこそ同じ病院で産まれて、そこから家族ぐるみの関わりが始まった位だ。
学校1のカップルだの熟年夫婦だのの呼ばれ方したものだが、俺達の間の認識は物心付いてから今に至るまで幼馴染のままで一切変わらない。そしてそれは例え俺がこの姿になっても変わらない。そういう確信があったからこそ、俺はいつもと変わらず過ごせているのだ。
まぁ、そんなことをこいつに伝えるつもりは微塵もない。照れ臭いというのもあるが、それ以上に感謝なんてしてしまえばデレと捉えられて襲われるのが確実だからである。
「………なぁ、悠」
「ん?どうした?」
神妙な声に思わず上を向くと、百合が真剣な表情で周囲を見回していた。
そこで、ようやく異変に気がついた。
「揺れてる……?」
「地震の初期微動にしては揺れ方に違和感がある……何というかこれは………」
「音が聞こえる……?これは……何というか………」
ゴォォォン!!
突如として周りに鐘のような音が鳴り響く。その正体は、凄まじい勢いで上に吹っ飛ばされたマンホールの蓋だった。
悲鳴が、辺りを包む。運良く、蓋は人の上ではなく道路にある車のボンネットに落下した。あれでは修理代が大変だろう。そんな呑気な感想を頭に浮かべる俺の視線は、蓋が無くなったマンホールに向かっていた。百合も、取り巻きの2人も、その他その場にいる人間全員の視線が、マンホールに、いや、正確には────
「……ろ」
考えるよりも先に、口が言葉を紡いだ
「逃げろぉぉぉぉお!!!!!!」
────────────
悠の叫びを聞いた瞬間、百合の思考は加速した。
MUOにて、彼女を魔王たらしめているのは、その状況把握能力だ。弓道という集中の極致を征く武道を身に修める彼女の集中力は、極限まで高められた時、一種のゾーンとしか言えない領域に達する。
(主要戦力1人、敵数推定100以上、庇護対象推定70以上、増加の見込み有り)
「
「理由は」
「敵の数が多い。さっきの揺れがアレのせいなら、少なくとも100、下手すれば1000はいる。現状の第一目標は死者を出さないことと考えると────」
「他のビルドじゃ処理が追い付かなくなる可能性がある」
「Exactly」
悠の必死の声に感化されたのか、周りの人々は腕から逃げ始めた。それに呼応する様に、腕は地面を掴み、這い上がってくる。
「他に懸念事項は」
「死ぬな、絶対に。お前が死ぬのが結果的に一番犠牲者が増える。危ないと思ったらすぐにビルドを変えろ。あと、
「了解………っ!」
返事を返しながら、悠は装備を元に戻し、手元に現れた鞘から赤黒い刀身を持つ刀を抜いた。その『イザナミ』を、マンホールから現れた
(
「夢、小町、二人で手分けして、何でもいいからアルコールと、出来るだけ大きな瓶、液体の染み込み易い細長い布と火を付けれるものを買ってきてほしい」
「「分かりました!!」」
取り巻きの2人にそう指示を出し、百合達はデパートへ戻っていった。
────────────
(さて、どうしたもんか………)
現実だからな。そんな百合の言葉を頭の中で反芻する。
(まず現実になって変わったであろうことは、コイツらの数か………)
だがそれは単体での話だ。こいつらの一番の特徴は群れること。一度に遭遇する敵数は現状MUOでこいつらが一番多い。普通は群れても二〜六体が精々だがこいつらは最小でも八体、最大では二十体もの数と一度に遭遇する。
(少なくとも100、ね……)
それだけでも数は五倍。下手すれば1000、というのが事実なら50倍だ。明らかに数がおかしい。
(殺るだけ殺るしかないか)
昼間の槍ニキとの対戦でスキルを使い切った為、『黄泉送り』はもう使えない。とはいえスキル無しでもこのビルドでの攻撃力は異常なレベルで高い。人狼程度なら、
「ふっ」
一撃で葬れる。人狼の首は地面に転がりながら、その端々から崩れる様に黒い粒子に変わっていく。どうやらこういう部分はMUOと変わらないらしい。
「まずは一体」
この短い時間の間にも、人狼達はマンホールから這い出てきていた。現状這い出てきたのは三体。だがそれもすぐ四体、五体と増えていくだろう。
「やるだけやるしかねぇか……」
刀を構える。これは現実で、ゲームじゃない。あの鋭い爪が突き立てられれば、冗談抜きで命を落とすことになる。敵は雑魚だが、その緊張は今までのどの戦いとも比べられない程大きい。
恐怖はある。不安もある。だが覚悟は決まった。普通の人間にすぎない百合が怖気付かずに動いているのだ、恐らくは人類最強になった俺が、ここで怯えて動けないなんていうのは笑い話にもならない。
「獣如きが勝てると思うなよ?」
今、戦いの火蓋が切られた。
────────────
「
一太刀で二体の人狼の頭を斬り落とす。こうして斬り殺した人狼の数はとっくに20体を超えていた。少し前から、もうどれだけ斬ったのか分からない程だ。
加えて、戦い続ける中で僅かな違和感の芽が、育ちつつあった。
「ふっ!!」
新たに現れた人狼の懐に踏み込み、その首を斬り飛ばす。その隙を狙って背後から襲ってきた人狼の胴体を振り向き様に横薙ぎにし、その影に隠れて襲ってきた人狼の腹に、一撃必殺ビルド故に極限まで強化された脚力を叩き込む。そうして斬ったり、拳や蹴りで身体の一部を破裂させた人狼共は、例外なく一撃で絶命している。してはいるが、
(切断しきれてねぇ………)
少し前から、首や胴体を完全に切断出来ずに首の骨や背骨でギリギリ繋がったものや、向こう側が見える程まで肉が爆ぜていたはずが肉体を大きく陥没させるにとどまる状態になる人狼が多いのだ。もちろんそれでも一撃で殺せてはいるのだが、仮にこれがMUOであれば、何百体と戦おうと、どれだけ疲労がたまろうとこんなことは起こらない自負がある。
しかし現実、奴等は少しづつではあるが俺の攻撃を見切りはじめているのだ。
(少し戦い方を変えるか?)
そう考えて、即座にやめる。戦い方を変えれば確かにコイツらは対応しづらくなるかもしれないが、慣れない事をして俺に隙が出来ては意味がない。
「ぜいっ!!」
横から飛びかかってきた人狼の首を斬り、背後から振るわれた腕を身体を僅かに逸らして回避し、振り切って動けなくなった人狼を逆袈裟で斬り伏せる。それに激昂した他の二体が無謀にも一列になって突っ込んできたところに突きを放ち、そのまま上に刀を引き絶命させる。ひとまずは地上に出てきた人狼はいなくなった。とは言ってもマンホールからはまだまだ出てきているのだが、これで一息付けるだろう。
(こうしてチマチマ一体ずつ倒してるんじゃキリが無い。一気に殲滅する方法はあるにはあるが……)
一応、俺のビルドの中にはこういった殲滅戦を前提としたビルドがある。しかし攻撃の方法のせいで、とてもじゃないが街中で使えるようなものじゃない。雷属性か風属性の魔法なら周囲への被害を出さずに戦えるのだが……
そこで一つ異変が起こる。マンホールから這い出た三体の人狼の内一体の毛の色が、紺色から赤色に変化したのだ。それは人狼の上位種。
「
普通の人狼が、人狼ノ長になるなんてのは見たことが無い。そしてもう一つの異変、明らかに人狼達の雰囲気が変わり、その動きが単体としてではなく、統率の取れた集団としてのものに変化した。
「うおっ!?」
人狼ノ長がその爪で俺を切り裂こうと人狼を遥かに超える速度で突っ込んできたのを、すんでのところで回避し、後方に飛び退く。そうして飛び退いた場所目掛けて一体の人狼が突貫してきた。それを即座に切り捨て安全を確保しつつ、こちらの様子を伺う人狼ノ長と視線を交わらせた。人狼達は、人狼ノ長に倣ってこちらを睨み付けている。
「こいつは……まずいか………?」
こいつらの出現地点はマンホールだ。それ故、今までは出てきても一体ずつしか出てこなかった。故にこそ、コイツらが唯一俺に一矢報いうる多対一という状況を作り出さずに済んでいたのだ。
今、奴等がやろうとしているのは時間稼ぎだ。今の一瞬の攻防で俺が始末した人狼の数は1、マンホールから這い出てきた人狼の数も1、人狼ノ長が現れる前は、二体から三体狩るうちにようやく一体出てくるのが精々だったのに比べれば、かなり大きな違いだ。
(恐らくコイツらは俺の戦闘スタイルに慣れてくる……そうなりゃ一体倒すうちにそれ以上ワラワラ出てくるまで時間を稼がれるようになるかもしれねぇ………)
今までは適当に他の人のもとへ向かおうとする個体だけ殺し、それに怒った他の人狼が突っ込んでくるのを待って殺すだけで事足りた。統率の取れていない奴等は、互いの攻撃が互いに当たることも少なくはなかった。言うなれば一対一を連続で行っていたようなものだ。
しかし人狼ノ長の出現により状況は一変した。待っていては、戦況はドンドン悪化するだろう。
「めんどくせぇ」
だがあえて言おう、それがどうしたと。多対一?自分から攻めなければ戦況が悪化する?そんなものいくらでもあった。この程度で危機に陥る程、タイマンの最強の名は軽く無い。
刀を構え直す。もはや様子見は必要ない。コイツらが俺の剣に慣れるか、俺がコイツらを全滅させるか、そんな単純な戦い。無駄な情報を全て削ぎ落とし、目の前の敵を如何に早く、如何に効率的に殺すかに全ての感覚を集中させる。
「少しは楽しませてみろ」
言葉と共に、俺は群れに向かって斬りかかった。
主人公の本名:
櫻葉→葉櫻→ハザクラ
これから出てくるキャラクターについて。
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全員ユニーク称号持ち
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ユニーク>一般(高ランク)プレイヤー