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次回から「迷探偵レミリアの事件簿」です(嘘)
sideレミリア
昨日と同じように老執事がやってきた…。
「残念ですがほかのお客様が怖がりますので――――。」
要するのにパーティーに参加するなと…。
じゃあ返せよと思ったがあす以降は穏便するならば出席していいと言われた。
「要するに今日は反省しろってことか…。」
「ふん、散々言っていたくせに自身も失態を犯すとは無様だな!レミリア・スカーレット!」
…コイツの失態と同じにされるのがすごく気に食わない…。なんでそんなに偉そうなんだ?
「今ここで爆発でも起こせば帰れるかなぁ…。」
「ほう、九尾の狐である私と殺り会う気か?」
二人して殺気とはいかないが互いにガン付け合うが…。
「「やめておこう。不毛だ。」」
どちらともなく折れる。
どうせ決着がつく前に止められるし、さらに状況が悪化するだけだ。
「ふん、貴様は貴様で昨日と同じく動いていていいぞ?」
「…気づいていたか…。」
苦虫を噛んだかのような表情になる。
「知られては不味かったか?」
「ああ、紫様には秘密で頼む。」
「別に私は構わんが…。あいつの事だから聞いているんじゃないのか?」
「ふっ、紫様がこのような早朝に起きているはずなかろう…ひゃん!?」
そう言った瞬間、藍の頭にタライが落ちてきた。
「ぐおぉぅ。な、なぜこの時間帯に紫様がぁ…。」
タライの中に『時差』とだけ書かれた紙が貼ってあるが?
「…マズイ、まずいまずい!紫様!!今回ばかりはお許しを~!!鑑賞会は…八雲家鑑賞会だけは!」
全く、そんなにうるさくしてるとまた苦情来るぞ?
「…くっ、通信符にも応答なしか…。と、兎も角こここ…これ以上の失敗は…。」
うずくまって、なんかすごい震えているな…よほど酷いものなのか?八雲家鑑賞会。
あ、立ち上がった。
「藍…?」
「レミリア…。」
肩を掴まれる。
「な、なんだ?」
正直、目が血走って怖いんだが…。
「いいか?私はトイレに行ってくる。もしかしたら遅くなるかもしれんが大事はない。いいか?ただのトイレだからな?」
この狐は恐ろしく隠密に向いていないのではないか?
「あ…ああ、わかった私は今日は一日部屋にいよう。」
「助かる…。それでは…。」
暇だ。暇つぶしに持ってきた本も午前中に読み終わってしまったし…、外の騒ぎは私には関係ないだろうし…。
と鍵が解除された。
は?誰だ?藍はノックするし…。
まさか…、ヴァン・カルンスタイン?夜這い…だったら正当性を主張してヤってしまおう。
だがしかし、予想を裏切って入ってくるのは力のある屈強な吸血鬼やら眷属たち。
私が目を点にさせていると強力な者たちの中から例の老執事がこちらに歩いてくる。
「レミリア・スカーレット様、恐れながら貴女様を我が主ヴァン・カルンスタインの殺害容疑で拘束させていただきます。」
「は?…ちょっと待て…ヴァン・カルンスタインが殺された?」
「…その時間帯にアリバイがないのは館で貴女様だけでございます。」
老執事の私を見る目がギラついていて怖い。
「とはいえ、確たる証拠もないのが事実…なので貴女様の無実が証明されるまで拘束させていただきます。…くれぐれも抵抗なさらぬ様…。手元が狂ってしまいます故…。」
「私は犯人ではない…故に拘束される謂れはない――」
そこまで言うと恐らくはヴァン・カルンスタインの従者であった者たちが私を囲むように陣形を取る。
「だが、貴様らの気持ちもわからんでもない…監視房でもあるなら入ってやろう、案内しろ。」
まぁ、いざとなったら藍か紫かが助けに入るだろう…。
side犯人s
「いよぉっしゃーー!」
仕事である館の主の退治を成功させ俺たちは酒を喰らっていた。
「思ったより簡単な仕事だったな。」
「ああ、さんざ喚いてくれたくせに銀玉一発で灰になるとは…潜入でなければ爆笑モンだったな。」
「いや、普通に笑ってましたよ?」
「ぎゃはは、これでしばらくは安泰だな。」
「流石は俺たち!」
「さあ飲め飲め!今日は隊長の奢りだぞ!」
本当に楽な仕事だった。
まあ、無理もないがな…俺たちは人が相手ではなく妖怪専門の傭兵だ。
規模こそ10名に満たないが全員が能力持ち…。
負ける要素が見つからない。
「隊長~、次の仕事~決まったってよ。」
ほう、この短期間に続けてというのは珍しい、だが傭兵家業は金が入るときは入るが入らないときはとことん入らない。こういう時ぐらいは稼がせてもらうか…。
「で内容は…?」
「依頼人は直に会って話がしたいそうです。場所は…日本。」
という訳でさよならヴァン・カルンスタインの巻です。
ぶっちゃけ繋ぎの話なので短い…。
補足:八雲家鑑賞会=決定です。慈悲はありません。ある日唐突にやります。閑話も決定です。
ヴァン・カルンスタイン=ヴァンは例の吸血鬼から、カルンスタインは『カーミラ』の登場人物
次回更新日時は不明でっす。