偽物吸血鬼のお嬢様   作:温いうどん

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ウヒョォォォォォ!!
感想が来てたァァ!!
嬉しさのあまりストック投下ぁぁぁ!!


お嬢様、食事する

美鈴(みれい)に手を引かれること約二分、でかい観音開きの扉に到着した。

「お嬢様?こちらが食堂です。この前改装してお嬢様のお部屋までこの道を真っ直ぐ行けば付くので便利になりましたよね!」

いよっしゃーー!思わぬ所で情報ゲット!ふっふっふっ、さっきから運が向いてきたな。

「うむ、おかげで大分楽になった…。さて、共に朝食でも取るか。」

「はい!お供させていただきます。」

そう言いつつも私のためにドアを開けてくれる美鈴(みれい)、惚れそうだ。

「ふっ、普段より少し遅れたな。だが、この空腹感がおいしい朝食をより一層おいしい物にしてくれそうだな。」

お嬢様らしく、威厳とカリスマっぽく言ってみた。ふふん。

「お待ちしておりました。」

おおう、ようやく会えました咲夜さん!

「こちらにどうぞ。」

入ってすぐ、最も近い席に案内してくれる。

うん、入ってすぐに座れる位置に座らせてくれるなんて…何て良いメイドさんなんだ。

「うむ。今朝の朝食は何だ?咲夜?」

その言葉に咲夜はまた冷めた目でこちらを見、美鈴(みれい)はどこか羨ましそうな目で咲夜を見る。二人の反応がわからない…。

「……。はい、今朝のお食事は人の生き血のタレをかけた納豆とご飯、秋野菜の生き血浅漬け、茄子の味噌汁です。もちろん味噌汁の

味噌は血と味噌を合わせた特性の合わせ味噌を使っています。」

「あ、あの…咲夜?」

「お嬢様の好物ばかりです。冷めないうちにどうぞ。」

…逃げ道が…ない。震えながら箸をとって赤黒い塊となった浅漬けを一枚取ってみる。

ぬちゃという音と共に赤黒い糸を引く。

口元へと持っていく…

「うううう~。」

ダメだ。頑張れ僕、体はレミリアなんだ!血の匂いで吐きそうになるな、泣いちゃダメだ。

「ああーー。そうだ、お嬢様、ちょっと食べるのを待っていただいてよろしいでしょうか?」

今まで僕の隣の席で頭を抱えていた美鈴(みれい)が急に口を挟んできた。

「―ひっぐ、ひっぐ、なに?みれい。」

「少しだけ待っていただけますか?咲夜さん、ちょっとお話が…。」

よし、この間にこの血の池フルコースを食べる心の準備を…出来るかなぁ。

「すみません。お待たせしましたお嬢様。」

できなかった。

「実はですね…。妹様の朝食に間違えて普通のものしか用意していなくて…。よろしければ何品か妹様にお譲りいただけませんか?もう血の在庫を切らしてしまったので。」

!…これはチャンスだ。

「…かわいい妹の為だ。何品か、何てケチ臭いことは言わないさ。美鈴(みれい)、非常に惜しいがこの朝食をすべてフランに…。」

「畏まりました。きっと妹様もお喜びになります。」

そうして慌ただしく血のフルコースをトレイに乗せて部屋から出て行く…助かったー。

美鈴(みれい)が出て行くのに合わせて咲夜さんが入ってくる…けれどどこか鬱屈として…。

「お嬢様。」

「ひゃい!何かしら?咲夜。」

こちらを見る目には微かに涙が溜まっている。

「申し訳ございませんでした。」

なんだ?一体彼女は何について謝っているんだ?

…そうか、料理のことか!

「気にするなとは言わん。だが、急拵えの代用品でもそれなりの心程度はこもっている…だろう?」

「はい…。」

うんうん。料理に大事なのは心、急拵えだろうが私は気にしないし正直さっきの血に比べれば数百倍マシというものだ。

「なればこそ、私は気にしない。…さて、そんな事よりも朝食だ。これで存外楽しみにしているのだぞ?」

「!…はい!」

気持ちの良い返事をするメイドの顔は鉄面皮や泣き顔ではなく朗らかな笑顔だった。

 

出てきた朝食(どこが手抜きなのかわからないぐらいに美味しかった…。やっぱり血が入っていないとダメなのだろうか。)を食べ終え、

食後の紅茶を楽しんでいると咲夜がそれにしてもと前置いて話しかけてくる。

「全て分かっていらっしゃったのですね…。」

な、何をだ?…ダメだわからん。

ま、誤魔化し様はあるだろう。何せレミリアと言えば…。

「当たり前だ…。私を誰だと思っている。…運命を操る程度の能力を持つレミリア・スカーレット様だぞ?」

やばい、言ってて途中で見せてみろ的なこと言われたらどうしようと考えて詰まってしまった。

…不審に思われたりしてないよな?

「改めて、申し訳ございませんでした。一番辛いのは他でもないお嬢様なのに…。」

ちょっと食事の準備がうまくいかなかっただけでこれか…さすがの忠誠心と言った所か。

「私は気にしないといったぞ?人という生き物なればこそ、そういったことは常に付き纏う。あとは如何に自分という者を理解するかだ。」

何かしら失敗は誰にだってある。ある意味一番自分(レミリアボディ)を理解していない僕がいるのだけどね。

果たしてこのボディはどのくらいのスペックなのだろうか…。

「お嬢様。」

「何?咲夜。」

ううん。外で弾幕ごっことかしてみたいなー。

特に八雲藍の特徴である九尾の尻尾とかモフりたい。

「せめてもの短き生、この十六夜咲夜精一杯尽くさせていただきます。」

「うん!」

ああ、氷精とかなら勝てるかなぁ。

主人公にも会いたいなぁ…あれ?今何か返事しちゃった?

「なにかお望みあらば私めをお呼びください。」

マジでか。

「じゃあ…咲夜、人里まで私をエスコートしなさい。」

どーだ、この溢れるかりすま。




前回、文字数を聞いたところ前回(1275字)のもよく見るそうなのでこのぐらいで続けていこうと思います(このぐらいじゃなきゃとても続けられないっす)。モフモフハムハム様、パンプキン大佐様、ご感想ありがとうございます。

補足:納豆=レミリア・スカーレットの好物、鬼の弱点?なにそれおいしいの?
   茄子の味噌汁=秋茄子だけど嫁じゃないから気にしない
   美鈴=みすず、みれい、みりん…正解はどれだ!

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