偽物吸血鬼のお嬢様   作:温いうどん

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CAUTION!!
二次ネタなどが嫌いな方には今回の話は合わないかもしれません。
不愉快になられた方、申し訳ございません。

ねたがないんです。


神様、握手する

「とにかく、一度守矢の神社に来て、神奈子様と諏訪子様にお会いして欲しいのです。」

先程とは打って変わってちゃんとしたお願いだ。

「ふん、守谷の二神か…。騒ぎの好きな神の事、最強の云々もその二神の行ったことだろう?」

だとするならば一度はっきりと言っておいたほうがいいかなぁ。『私は弱い!』と、

「…その通りです。付いてきて頂けますか?」

それに自機組の早苗とも喋ってみたいし、元々どこに行くかは決まってもない…。

「良いだろう、暇つぶし程度に付き合おうじゃないか。」

所でパチュリーさん?もうそろそろ抱っこをやめて欲しいのですが?全然格好が付いていない気がする。

 

ようやく離してくれたパチュリーさんを背に、歩いていく…のはいいんですが先程パチュリーが僕を抱っこしているのに感化されたのか急に咲夜さんが僕を抱っこして行くとか言い出し始めた。何故か早苗も便乗?して抱っこしてみたいとか言い始めるし、僕は赤ん坊かなにかか?

流石にそんな年でもないので断り(早苗のは惜しかったかな…その、押し付けられるものが…)、咲夜さんの差す日傘の下を歩く。途中、魔法陣を通ったり山道を登ること二時間、僕は早苗さんの腕の中で夢の世界に旅立っていた。。…いや違うんだよ!?あまりにもこの体のスペックが低すぎて三十分も歩いていられなかったんだよ!だから咲夜さんに抱っこしてもらって…。一時間ぐらいたったら早苗さんに代わってもらって…。そこにあったのは少なくとも紅魔館メンバーよりもデカイ夢の塊、

それを枕替わりにしていると…あら不思議。布団の敷かれた和室で目を覚まし、目の前にいたのは四つの目玉をキョロキョロさせて興味深そうにこちらを見ている神様、ケロちゃんこと洩矢諏訪子だった。

「やあ、お人形さん、目を覚ました?全く幸せ者だね。早苗の柔らかい胸の中で昼寝をかますなんて…。私だって数えるぐらいしかやってもらったことがないんだからね!」

なにこれ?目を覚ましたばかりで急に言われても全然頭に入ってこない。

ええっと①眠ってる姿が人形のようだった②早苗の胸は柔らかい、というのが言いたいことだろう。

「私の事を人形と呼ぶのは皮肉故か?それとも賞賛ゆえか?如何によって私も対応を変えねばなるまい。」

もしかして…500歳児の成長しない奴~とかの意地悪だったら泣く!レミリアが可愛かったと言う単純なことだったら喜ぶ!さあ選べ!

ということだったんだけど…。

「けろけろけろ、そう目くじら立てることはないよ?寧ろ、尊敬するね。損な役割を引き受けさせられて鳥かごの中で右往左往する。なかなかに滑稽じゃないか、私にはとても出来ないね。」

そんな役割…どんな役割?…紅魔館の主?それでいて紅魔館(鳥かご)の中で主としての仕事(右往左往)する。滑稽なのは妖怪や神様なのにまるで人みたく生きているから?…うん!それっぽい。

「他人からどのように滑稽だとしても私にとってはその滑稽だと言われるような生き方も意味のある大切なものだ。そうでなければ私は宙に浮く風船のように無意味な時を過ごす塊だっただろう、咲夜に会い美鈴(みれい)に会いパチュリーに会い、今日は早苗やお前と出会えた…これもお前の言う『そんな役割』に着いたおかげだ。」

あれ~?なんか、ケロちゃんが目を白黒させてる?

「く…はっはっはっ、わかったよ。私の負け、全面的に謝罪するよ。君は踊らされる操り人形なんかじゃない、立派な一つの存在、私の友人だ。仲良くしよう。」

何か勝った?わーい、何に勝ったんだろう。

ま、勝ち負けなんかどうでもいいから諏訪子と仲良くできるに越したことはない。

握手握手…にぎにぎ…あっ!

「先ほどの話だが…。」

「うん?どうしたの?」

「前半は先に述べた通りだが後半は全面的に同意する。あの感触は中々に良かったぞ?あれに包まれて眠れるのなら、確かに幸せ者だろうよ。」

途端に、先ほどの何故かしんみりした空気が壊れ、ケロちゃんがパァっと明るい笑顔になり握手したままの手を大きく上下させる。

「うんうん、わかってくれるか同士よ!神奈子の奴、いい年して身持ちが硬すぎてその手の冗談は全く通じないしさ…。ちょっと揉んだだけで御柱が全力投球されるんだよ!?しかも、早苗よりちっちゃくて触り心地悪いし…。」

「ふっ、どこも同じようなものさ。咲夜の場合、パッドででかく見せているだけだぞ?抱っこされている時に少しずれた。」

「「その点、早苗のは良い!」」

…まさか…、まさか、こんな所でこんな同士に出会えるとは…。

二人して感無量といった様子で握手していると不意に襖が開けられた。

「お二人ともとても楽しそうで何よりです…。お話がありますので、正座していただけますか?」

三人だった…。やばい、咲夜さんのあんな底冷えするような目、僕は今まで知らない。

「あーうー。」

ああ、早苗さんもニコニコしているのが逆に怖いよ?

 

このあと僕は二度と咲夜さんの胸について口に出すことはなくなった。




という訳でPAD長ネタでした。やっぱり嫌いな人は嫌いですし、あまり多用しない方がいいですかね?

補足:夢の塊=男のロマン、胸この作品では今のところ
      早苗>美鈴≧神奈子>パチュリー>>>咲夜>>>レミリア   無し 人形
   PAD長=咲夜さんが胸パットをしているのではないかという二次創作ネタ
次回更新、金曜日予定です。

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