Re:腸狩りと魔獣使い救済ルート   作:青い灰

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3ヶ月振りのクソ遅投稿です。
待たせた読者様たち本当にすいませんでした。

リゼロスは開始から石を30000まで
貯め続けてエルザを完凸させました。
ついでにWebの原作小説では彼女がついに………!
やったぜ。(糞遅二次作者)




第5節 「月夜の語らい」

 

 

 

砂利の敷き詰められた庭園の前の縁側(?)で、

空に浮かぶ丸い月を見上げていた。

すると、背後から声がかかる。

振り向かずにそのまま月を眺め続ける。

 

 

「何を考えてるのかしら?」

 

「ん……いや別に、何を考えてるワケでもないかな」

 

「隣、良いかしら」

 

「駄目って言うはずないだろ?」

 

「ふふ、それもそうね」

 

 

振り向いてそう気障ったらしく笑って言う。

そこにいたのは、やはり和装のエルザだった。

微笑みながら彼女は隣に座る。

距離は無く、少しアレだが良い匂いがする。

もっと前ならば顔を赤くしたものだが、

今はその肌が触れ合う距離がとても心地好い。

 

 

「あら、顔を赤くして慌てると思ったのだけれど」

 

「あ、同じこと考えてた。

 ちっと前なら赤くなって慌てふためいてたな」

 

「残念。慣れてしまったのかしら?」

 

 

悪戯っぽく、妖艶な笑みを浮かべて

こちらを覗き込んでくるエルザに視線を向ける。

それに笑みを返しながら

エルザを拾った頃を思い出して言う。

思えば色々なことがあった。平和だったなぁ。

 

 

「慣れた……のかな。

 心地好さすら感じるくらいだけど」

 

「私と同じ、ね。

 でも、確かに私は貴方が好きよ」

 

「ド直球」

 

 

流石にそれは卑怯だと思う。

しかも肩に頭を乗せて言われると

やはり顔が少し熱くなる。

突然の直球な告白は想像してなかった。

 

 

「貴方は私が嫌いかしら?」

 

「あー…その…大好きだけどさぁ……

 もう少し言い回しがあるんだよ、俺の故郷に」

 

「へぇ、興味あるわね」

 

「なら、思った通りに返してくれ。

 反応が見たい」

 

 

そういえば〝元〟でもスバルがエミリアに

教えていたのだったか。

さて、これはどうなるだろうか。

エルザの反応を楽しみにしながら、

一度月を見上げ、再び彼女に横目で視線を戻す。

 

 

 

「─────月が綺麗ですね」

 

 

 

その言葉に目を丸くした彼女は、

少し悩むように微笑んで。

彼女が本当に希にしか見せない、

月夜の花が咲くような満面の笑みで言うのだ。

 

 

 

 

「貴方が隣にいるものね」

 

 

 

 

あぁ、もう。

やはり卑怯ではないか。

何故そんな時だけ、そんな笑顔を向けるのか。

こちらが反応を楽しむ側だと言うのに。

 

 

「お前には口で一生敵う気がしねぇよ」

 

「ふふっ、光栄ね。

 いつもはメィリィがいるけれど、今くらいは」

 

 

そして、彼女はこちらを向いたまま目蓋を閉じる。

恥ずかしいにも程がある。

程があるが、嫌ではない。

彼女が誰かを前にして目蓋を閉じるのは

最大限の信頼の証でもあるのだし。

 

なら、まぁ、吝かではない。

 

 

 

「…………あいよ」

 

 

 

 

 

 

息がかかる距離まで、顔を近づけて目を閉じる。

 

お互いの心音が聞こえ、高鳴るのが分かる。

 

そっと彼女の背に右手を回し、

左手で華奢な肩に触れる。

 

彼女の手が首筋を撫でるのが分かる。

早く、と催促するようにもう片方の手が背に回され

抱き合う形になる。

 

 

そして、互いの息の熱が感じられる距離。

 

 

 

 

 

 

 

 

そっと、唇を重ね──────

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「「!!」」

 

 

重ねようとした、瞬間だった。

背後から聞こえた物音に一瞬で

俺もエルザも手と距離を少しだけ離して

何事もないように縁側に座り直す。

 

 

「う~……ん」

 

 

錆び付いた機械のようにガチガチの首を動かし、

その声と物音の方を振り返る。

少しだけ開いた横開きの扉の隙間から、

モゾモゾと布団の中で動くメィリィが見えた。

 

 

「………寝返り、ね」

 

「最悪のタイミングだったな………」

 

 

そして、お互いの顔を合わせる。

数秒の沈黙が続く。

 

 

「「…………………」」

 

 

そして、エルザが溜め息をついて苦笑いを

浮かべて口を開く。

 

 

「寝ましょうか」

 

「そうだな」

 

 

それにこちらも苦笑い。

縁側から立ち上がったエルザを横目に、

俺も縁側から立ち上がる。

夜風にも当たれたし、よく眠れるだろう。

少し………かなり残念だったが。

 

 

「…………」

 

 

こちらを待っているエルザの方を向こうとして、

また気障っぽい考えが脳裏をよぎる。

カッコつけが過ぎるかも知れないが、

まぁ、ムードを無視すればいい。

 

 

「どうしたの?」

 

「いや」

 

 

振り向き様に、さりげなく。

 

 

 

 

 

 

 

彼女の唇を奪う。

 

 

 

 

 

 

 

 

「っ!?」

 

「なんてな。おやすみ」

 

 

そして、硬直する彼女を置いて

先に部屋に入って布団に飛び込む。

自然体の表情を保ちながら、

眠ったような息を立てる。

 

 

正直、めちゃくちゃ恥ずかしいが、まぁ。

 

 

 

 

「カッコよく出来た、気がするな」

 

 

 

その時の表情が、脳裏に染み付く。

 

顔を真っ赤にして、目を見開くという

エルザにしてはかなり珍しい表情も見れた。

 

 

ゆっくりと沈んでいく闇に意識に任せて、

そのまま眠りについた。

 

 

 






R-18でも書こうかと思ったけど需要あるかこれ?


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