Re:腸狩りと魔獣使い救済ルート   作:青い灰

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第2節「見つけた少女」

 

それから、1年後。

オレはグステコ聖王国にたどり着いていた。

雪が深く、寒い。炎のマナで身体を暖める。

 

「さっぶ………!」

 

「全く貴方は………この程度で

 寒いだなんて笑ってしまいますよ?」

 

「てめぇは水属性だからだろうがよ……!」

 

「ほら行きますよ、さっさと歩く」

 

「今日のマナお預けな」

 

「全力でお手伝いしますご主人様」

 

今肩に乗っているコイツはオレが5年前から

契約していた(ラムを治療した)水精霊だ。

いつの間にか光だけの身体だった筈が、

気がついたら青い毛並みの手乗り狼になっていた。

名前はラン。メスだ。

 

「つか聖王国ってなんだろうな……」

 

「いきなり廃墟ですよね。

 これはお宝でも眠っているのでは?」

 

「お前そのポジティブ思考どっから来んの?」

 

「心の底から、ですかね」

 

「答えなくていいとこだからね、そこ」

 

今年でオレも13。

レムラムは元気だろうか。今年で8歳だったか。

身長が伸びたお陰で大人にも間違われる。

 

「さ、お宝漁りましょ?」

 

「完全に泥棒だよなこれ……行くけど」

 

一番大きな家に入る。

暗いな………雪のせいで空も曇っている。

明かりのない屋内ではそりゃ暗いか。

 

「シルバ、なんか来ますよ」

 

「守れ」

 

「はーい」

 

呑気な声と共に、オレの背後に氷の盾が出現。

廃屋の中に金属音が響く。

振り向くと、入口の逆行でよく見えないが

くの字の短刀……ククリナイフを片手で持った

髪の長い少女が1人。

これはまさか、さっそくビンゴか!?

 

「っ……今のは……」

 

「精霊だ。知らないか?

 …………ラン、攻撃するな」

 

「良いんですか?

 コイツ、ご主人を殺そうとしてましたよ?」

 

「…………!」

 

舌打ちが聞こえた。

何をそんなに怒っているのだろうか。

 

「さっさとお腹、切らして……!」

 

「見てろ、オレがやる」

 

「…………りょーかーい」

 

コートのポケットにランが引っ込む。

オレは腰から柳葉刀を左手で抜いて地面に垂らす。

少女はナイフを構えてこちらへ走り寄ってくる。

中々………というより、凄まじい速度だ。

まぁ弾けない速度ではない。

 

「ほっ」

 

「っ!?」

 

「おー、冷たいな……」

 

弾く………ではなくハグする。

ナイフは刀で受け止め、右手で抱き寄せる。

冷たい………吸血鬼、だからかねぇ。

 

「っ、う………」

 

「ん?」

 

「気絶したようですね………

 まさか、それを見抜いて?」

 

「いやびっくり。なんで?

 斬られるの覚悟してたんだけど」

 

「この変態に期待した私が馬鹿でした」

 

取り敢えず目的その1達成~。

刀を納め、少女が持ってる危険物を

布に包んで置いておく。そして

少女を抱えたまま古びたボロ椅子に腰を下ろす。

 

「言っとくけどオレはロリコンじゃないからな」

 

「ろりこん?」

 

「ちっちゃい子に欲情する人のことな」

 

「人間って年中発情期じゃないんですか!?」

 

「お前人間なんだと思ってんの!?

 あとオレ鬼だからな!?」

 

誤解を解いて背中のバッグから取り出した

魔石と水と鍋で湯を沸かす。

ランは巨大化して1.8mくらいの狼になった。

モフモフ。

 

「わーいモフモフだー」

 

「毛並み荒れるじゃないですか」

 

「モフモフー」

 

もふもふもふもふもふもふもふもふ………

ハッ、死ぬかと思った。

堪能していたら湯が早速沸いていたので

バックから行商から買っておいた肉を取り出す。

近いものを探すのに苦労した。

 

「お、しゃぶしゃぶですね!?」

 

「お前好きだよな。

 食べるなら小さくなれよ、勿体ないから」

 

「はーい!」

 

勿論、野菜も入れていく。

元々いた世界とは名前や味が少し違って、

鬼の里での料理も初めは失敗が多かった。

だがやはり日本料理は食いたいもの。

そのうち醤油とかも作りたい。

 

「ロズワール邸に行った後は

 食の探求をするのも悪くないかもな……」

 

片方は見つかったが、

どうにか懐柔(言い方悪いけど)できないだろうか。

メィリィは見つければどうにかなると思う。

カペラの福音書にエルザやメィリィの名前が

無いことを祈ろう。

 

「野菜も食えよ」

 

「えー?」

 

「えー、じゃない。

 ちゃんと栄養バランスってのがあってだな」

 

「………ん……」

 

「あ、目を覚ましましたよ?」

 

少女が目を開ける。

それはともかく、そろそろ丁度いい頃合いだ。

木の皿×3にタレ(作ったやつ)と肉を入れ、

スプーンを2つ置く。箸?んなもんない。

カララギに行けば別だろうがな。

 

「ご主人、人が好いにも程がありますよ?」

 

「精霊には分からんかも知れんが

 子供は流石に見逃せねぇからな」

 

「ご主人と同い年くらいですよこの子」

 

「身長差で誤魔化すんだよそこは」

 

こちらに気付き、

ナイフの代わりかガラスの破片を手に取った

少女の腕を掴んで制する。力強っ!?

 

「血と臓物以外にも暖まるもんはあるだろ……

 取り敢えず食え。冷めるぞ、勿体ない」

 

「…え……?」

 

しゃぶしゃぶの入った木の皿を渡す。

どうにかこれで殺意を緩めてくれれば

いいんだけどな………

 

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