Re:腸狩りと魔獣使い救済ルート   作:青い灰

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第2節「エルザ」

 

 

「………」

 

少女は黙って木の皿の中のしゃぶしゃぶを

スプーンで食べ始める。

『いただきます』文化はやっぱりないのか。

まぁともかく食べてくれたのでそれでいい。

 

「旨いか?」

 

「………うん」

 

その言葉にランは呆れたような顔で

しゃぶしゃぶに噛みついて器用に食べ始める。

オレも食べていると、少女が不思議そうに

こちらを見つめているのに気がつく。

 

「どした、おかわりか?」

 

「…………なんで、これを?」

 

「腹減ってたんだろ?

 目の前で倒れた奴を見捨てられないし」

 

まぁ、これから来る事態から助けたい、

というのが本音なんだけどな。

結局、オレもスバルと同じなのかもな。

助けたい人を助けたいだけの、自己満足。

 

「……………」

 

それから静かに、オレたちは食事を食べ終える。

少女は終始、オレをじっと見つめていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「よし、暖かいだろー」

 

「うん」

 

着込んでモコモコになった少女。

なんかあれだな、可愛い。

そりゃあんなボロボロの服着てたら寒いし。

 

「ホント、お好しですね」

 

「悪くはないだろ?」

 

「こちらに得はないですけど」

 

「得ならオレが満足する、って点がある」

 

「どっちがポジティブ思考なんだか」

 

グチグチとうるさいランを

人差し指でわしゃわしゃして黙らせる。

それを見てクスリと笑う少女。

 

「お、やっと笑ってくれたな」

 

「?」

 

「ちょっと心配だったんだよ、

 顔に出してくれないからさ。

 笑った方が女の子は可愛いぜ?」

 

なんてキザなことを言ってみる。

かっこ悪いとは思うが、思ったことを言ってる。

するとどうだろう、少女は笑みを

深めてくれたではないか。

ロリコンではないが………ちびエルザ、マジ天使。

E(エルザ)M(マジ)T(天使)はここにもあった。

この笑顔はペテルギウスでも浄化しますわ。

 

「………あの、シルバ」

 

「尊い……………あっ、どうした?」

 

「シルバのお腹、切りたくない」

 

「うんそれが普通だ」

 

「エルザ、シルバが好き」

 

「あ゛っ゛」(尊死)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「えへへ……」

 

「ちょ、ご主人!?

 なんでマジに死んでるんですか!?」

 

「ハッ!?あ、危ない……

 川の向こうで魔女教の野郎どもが手ぇ振ってた」

 

危ない危ない。

三途の川を魔法で焼き払うとこだった。

どうやら戻ってこれたようだ。

まさか尊さで腹を裂いてくるとは……恐るべし。

 

「さて、グステコには来たし、

 ルグニカに帰ろう、うん」

 

「えっ、ここにわざわざ来ただけですか!?」

 

「目的は達成したからな」

 

「私も行く!」

 

計画通り………ではあるんだけど。

罪悪感が凄まじい。

えぇ………なんかこれ狙ってやったみたいじゃん……

まぁ狙ったんだけど。

 

「まさか………ご主人」

 

「ぐ、グステコには雪を見に来ただけだぞ?」

 

「うっわぁ………最低」

 

「やめろォ!

 違う、誤解だぁぁぁぁぁぁ────」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「で、ホントになんでグステコへ?」

 

「エルザを助けたかったから」

 

「なんで私のこと知ってたの?」

 

「さぁ、なぁ………」

 

とぼけておく。

今現在、オレたちはメィリィが

いる森を探し回っている。

森ってだけでどこの森か分からないから

全部を回るしかないのだ。

メィリィは確か、気がついてからも

言葉とか考えとかそんな概念のない本当に

小さい頃から森にいた筈だ。

 

「で、次は何をする気ですか?」

 

「子供探し」

 

「誰を探すの?」

 

「オレたちの妹だ」

 

「たち?」

 

「そうなる存在、ってことだよ」

 

そうして、エルザが仲間になった。

オレたちの次の目的は、メィリィだ。

 

 

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