異端の科学者と忘れられた技術 (凍結)   作:翔馬

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最新話投稿します。良かったら見ていって下さい



第6話 UNASAの非礼(1)

 

アメリカが世界に誇る。

国連航空宇宙局

(U-NASA)本部内は、床も壁もとても清掃されており、チリ1つ落ちてないと言ってよいほど清潔にされ、空調も良く効いてて政彦に好印象を与えた。

 

「……遅いな」

 

だがその政彦は不機嫌さを、隠しもせずに床に向かって吐き捨てた。

理由は受付後の対応の悪さが原因だ。

 

 

本部内について早々に、総合案内で受付を済ませてから、はや30分経っている。

 

 

 

 

 

 

 

 

30分前

 

受付で日本から手術を、受けに来た旨(むね)を告げると、受付嬢が

『承りました。

ローレンス教授が御会いになられます』と言ってU-NASA内2階にある、

第2研究室に案内してくれた。

なお今まで案内してた、克弘はというと、よくみるとツンツンした髪の毛の、小動物っぽい研究員の美女が、近くを通りかかったら、彼女の名を叫んで追いかけて行ってしまった。

『じゃあ、またな兄貴』の捨て台詞を残して

 

(克弘が追いかけて行った女性、何と言ったか?)

 

 

政彦は退屈を、まぎらわせようと

どうでもいいことを考える。

 

 

(う〜んベッキーだったか?)

 

政彦はこんな名前だったかと、思い出す。

 

(違うな、それよりも)

 

 

政彦は研究室の壁に凭れながら、

ある一点を視る。

 

視たのは政彦が凭れてる、反対側にある壁に凭れながら、携帯端末を操作している、女性。

 

銀髪のロングヘアーで、両耳にピアスを付けている。

そして、とにかく背が高い。

180センチは越えているだろう。

175センチの政彦より数センチは確実に高い。

そんな長身の美女が体を縮こまらせながら、携帯端末をさっきからずっと触っている。

ここまではいい。

 

問題は

 

(また見たな)

 

 

長身の銀髪美女が、チラチラと政彦を盗み見てくるのだ。

 

恐る恐る、携帯端末から顔を上げ

数秒ほど政彦を見たと思うと、また顔を伏せて、携帯端末を触る。

何回か政彦と眼があったりもするが、

長身の銀髪の美女は、なにも言わず

携帯端末を操作、数秒政彦を見る、

この繰り返しをかれこれ、政彦が数えただけでも、5回はしている。

 

 

(何がしたいんだ)

 

 

長時間待たされている事と、何度も怪しい行動をする、銀髪の美女に苛立ちながら、政彦はその怒りを抑えこみ、

腕組みして、待ち続けるのだった。

 

 

 

 

「もういい!!」

 

あれから、30分経って、合計一時間待たされた政彦の忍耐は遂に限界を迎えた。

当たり前である。

 

 

研究室に案内した後、受付嬢は持ち場に帰りそれから

飲み物も、座る場所も案内されず、ほったらかし。

らちがあかず、第2研究室の入口を睨みつけても、そこから待ち人が現れる事もない。

あるのは携帯端末を操作しては、政彦を盗み見する、長身の銀髪の美女がいるだけ。

 

「忙しいのなら、また後から来てくれですむだろうが、それをただ待たせるだけとは、それとも20年近く前の

バグズニ号の事を今でも根に持ってる

故の嫌がらせか?」

 

 

政彦は、壁を拳槌の型にした、左手で

叩く。

 

壁を叩く鈍い音が鳴り、反対側にいる

銀髪の美女が、ビクッと体を一瞬震わすが、苛(いら)ついている、政彦に気遣う余裕はない。

 

 

 

「どちらにしても下らんな。

アメリカのMo手術の権威、ジェラルド・ローレンスは立派な研究者だと

噂に聞いてたが、どうやらデマだったみたいだ」

 

 

 

政彦は壁に叩き付けていた、手を戻すと

 

早足で、携帯端末を触っている銀髪の美女の元に行く。

 

顔を伏せて携帯端末を操作して、壁に凭れる、銀髪の美女の十センチ程、目の前に来た政彦はいまだに沈黙を

続ける、美女に声をかけた。

 

 

「失礼」

 

険しい顔をしながら、そう言った政彦は、彼女が伏せた顔を上げるのを待つ。

 

 

(発音が悪かったか?)

 

 

暫(しばら)く待ったが、反応がないので自分の英語の発音が悪かったかと思い、もう一度政彦は話しかけようとする。

 

 

「はい何でしょうか?」

 

 

消え入りそうな声で、美女が恐る恐る

まるで、戦時中の防空壕から、外の様子を見ようとする、慎重な感じでゆっくりゆっくりと顔を上げながら、返答した。

 

聞いた瞬間、政彦はずっこけそうになった。

 

 

「日本語喋れたのか」

 

その返答が流暢な日本語で返されたからだ。

 

 

 

 

 

 

「それなら、好都合だ。

だったらローレンス教授に伝えてくれ

お忙しいようなので、お邪魔になっては悪いので、帰国させてもらいますとな。

また、この件に関しては後日UNASA日本支部を通して、抗議させて貰いますともな。

悪いが、はるばるアメリカまで来て、

老人の権威づけの為の、儀式か嫌がらせか知らんが、そんなものに関わってれるほど、俺は暇じゃない!! 以上だ。

手数だが、なるべく正確に伝えて貰えると助かる。

自分で言っても良いのだが、礼を知らぬ、非常識人間とは話したくない」

 

 

 

政彦はマシンガントークとばかりに、

早口で伝えると、踵を返した。

 

「あっ」

 

「何をする」

 

話終えて、退室しようとした政彦の服の袖を、いつの間にか銀髪の美女が掴(つか)んでいた。

 

踵を返した瞬間に掴んだようだ。

 

 

「ひっ」

 

不機嫌がまだ治ってない、政彦に睨みつけられて、美女はパッと手を放して、後ずさろうとする。

 

「おい」

 

「えっ?……痛っ」

 

政彦が呼び止めるが、遅かった。

 

背後に壁が有るのを、忘れてしまっていた、彼女は後頭部を壁にぶつけ、

頭を抱える。

その時両手で抱えてしまったので、携帯端末から思わず手を放してしまう。

 

「ああっ」

 

自分愛用の、携帯型端末が、床にぶつかり壊れてしまう、未来を想像し

銀髪の美女は、泣きそうな声を出す。

 

そんな、シーン見たくないとばかりに

目を瞑ってしまう。

 

そんなことをしても、端末が床に、ぶつかり壊れる音が聞こえて、結局嘆く事に変わりないと言うのに。

 

だがすぐに聞こえるはずの破砕音は

彼女の耳に入らない。

 

変わりに

 

 

「全く、世話のやける」

 

目を瞑ってる彼女に、苛ついた感じの声が耳に入ってきた。

 

ゆっくりと眼を開くと、目の前にゴツい腕が突きだされている。

 

「ひぃ」

 

怯えた、銀髪の美女が両手で顔を覆う。

 

(何なんだ一体)

 

 

政彦は、左手で頭を掻きながら、

舌打ちする。

 

(この女には、俺が猛獣か、凶悪犯にでも見えてるのか)

 

 

やっとUNASAに着いたというのに、

初日からのハプニングに頭を悩ませながら、政彦は右手に持っている、携帯型端末をどう渡そうかと、思案するのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




最後まで読んで頂きありがとうございました。
また長くなってしまった。それも話進んでねぇー。(-.-)
反省 。
宣伝、次回克弘のベースが明らかになります。

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