異端の科学者と忘れられた技術 (凍結)   作:翔馬

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最新話投稿します良かったら見ていって下さい。



第9話 舞闘

1

 

「ふう。ひやひやさせてくれる

 

克弘が変態したのを、モニターで確認

した、管理者はひとまずホッと胸を撫で下ろした。

 

「そういや、前回艦長が使ってたんだよな。

ったくそういう事は、引き継ぎの時ちゃんと伝えとけよなぁ」

胸ポケットから、煙草を取りだし口に

加えて、火をつける。

 

(そのまま、艦長用のメニューで訓練始めっちまったじゃねぇか)

ぷはーと煙を吐くと、煙草を吸いながらモニターを見る。

 

(まぁ。うちの日米合同班のクルーじゃないし、死んだりしない限り大丈夫だろ)

 

(本人がやるって言ってたしな)

 

楽観的に考えながら、管理者(UNASA職員、23歳既婚者) はモニターの中の戦闘を見続けるのだった。

 

2

 

「危ねぇ、危ねぇ」

 

腕で額の汗を拭った、その男は

克弘が人為変態したのを、備え付けの

モニターで見ながら、安心する。

 

男がいるのは第1特殊訓練室内にある。

休息所である。

特殊訓練室には屋内訓練場と隣にある、休息所(シャワー室完備)に、それぞれ1つずつモニターが設置されている。

そのモニターは、全特殊訓練室が、

リンクしており、よその訓練室の戦闘訓練をモニターを介して観る事ができるのだ。

これには、2つの利点がある。

1つは他人の戦闘を見て、参考に出来ること。

もう1つは訓練中に、緊急事態が起こる(例えば、クローンテラフォーマー

に訓練者が、殺されそうになった時に

他の訓練室にいるものが、いち早く状況を判断して駆けつけられるようにするため)

 

だが実はこのモニターには、知っている者だけが、知っているもう1つの使い道があるのだ。

ここにいる男は、その第3の使い道を利用するためにいるのだ。

その第3の使い道とは、すなわち

 

「薬を失った時には、虎の子の1000ドル(日本円で約10万相当)

ぱぁーになったと思ったぜ」

 

賭けである。

克弘がハゲゴキを倒すのに、賭けていた、大柄な男。

日米合同第1班班員にして、鑑賞モニターを利用した、賭け戦闘の考案者、ジャレッド・アンダーソンはモニターを見続ける。

 

「他の奴らが、ローマからの来客の兄ちゃんが、負けるのに賭けてるからなぁ」

 

ジャレッドは手元に置いてる、スポーツドリンクを飲みながら、モニターを

見つめる。

 

「勝てば、俺のそう取り5倍の払い戻しだ」

 

 

(だが負ければ、一週間はバナナだけの生活)

 

 

心の中で、リスクの高さに嘆きながら、ジャレッドは鼓動を高鳴らせて、モニターにかぶりつくのだった。

 

 

 

「どうやら、視力は回復したみたいだな」

 

 

目眩ましの目映(まばゆ)い光の威力が、収まりやっと視力の回復した、ハゲゴキは、首だけ向けて克弘を睨む。

 

 

「怖ぇな。そんなに睨むなよ」

 

片目を瞑(つぶ)りながら、おどけた感じで、克弘はそう言うと、構えを取る。

肩幅に足を開いて、顔の前に両腕を持ってきて、爪先を上げる。

アップライトのスタイルだ。

 

そんな克弘をハゲゴキは、戸惑うような、表情で見る。

 

無理もない、ハゲゴキが変態した後の

克弘を、見るのはこれが初めてなのだから。

 

変態後の克弘は、変態前とは別人と言っていいだろう。

 

口は大きなカモのような嘴(くちばし)を生やしており、両足の爪先に鋭い鉤爪が生えている。

両手も同様だ。

 

自作、専用装備(万能毒爪)である。

 

本来カモノハシの毒は、後ろ足に毒腺

(どくせん)につながっている蹴爪(けづめ)が隠れていて、そこにしか毒はない。

だが万能毒爪は、ツノゼミの多彩な 多様性と、科学の技術により、カモノハシの毒を両手両足でも使用可能にしたのだ。

つまり克弘の両手は毒手となり両足は毒爪とする。

 

「じょうじ!!」

 

その異様な姿に気圧された、ハゲゴキだったが埒(らち)があかないとばかりに、突進する。

 

 

「おっと危ねぇ」

 

片目を瞑ったまま、バックステップして克弘はその突進を避け、着地する。

 

「ほいっと」

 

着地した克弘は、すかさず突進の勢いで前のめりになってる、ハゲゴキに

前蹴り。

 

「じょ?」

 

顎をかち上げられ、奇声をハゲゴキは

発する。

 

ハゲゴキの視界が、上を向く。

 

「?!」

 

上向いた、ハゲゴキの目に、克弘の脚が……

克弘の攻撃は前蹴りだけで終わりではなかった。

前蹴りでかち上げた足を、そのまま天高く突き上げて振り下ろしたのだ。

 

すなわち踵(かかと)落とし。

 

ハゲゴキの額にめり込みそのまま、

床に叩きつける。

 

床に叩きつけられた、ハゲゴキが大の字になる。

 

 

「じょっじょじょ、じょうじ」

 

拳を握り締めながら、ハゲゴキは立ち上がった。

 

 

その右目から、白い液を垂れ流している。

 

「お〜痛そう」

 

ハゲゴキの潰れた、(克弘自身が踵落としを叩きつけながら、鉤爪で抉って潰した)右目を見ながら眉をひそめる。

 

「ってお前ら痛覚無かったんだよな。

そういう時便利だよな、無痛覚っ」

 

ハゲゴキに話しかけながら、克弘は蹴りを放つ、今度は中段狙いは右腕。

 

風を切りながら、右足は狙い通りハゲゴキの右腕に当たり、鉤爪がその腕に刺さる。

 

「よっと」

 

そのまま足を振り抜き、テラフォーマーの腕を抉り、血飛沫ならぬ白飛沫が床に散らばる。

 

「じょおう」

 

自身の腕を抉って離れていく、足を見ながら、テラフォーマーが吠えた。

 

いつまでもやられっぱなしではない

とばかりに、片足立ちの克弘に抉られた右腕で、拳を握り締め、連打を撃ってくる。

 

抉られた事などどこふく風といった

その様子は、テラフォーマーならではだ。

痛みのある人には、なかなか真似はできない。

 

頭、腹と狙い変えながら、打ち分ける。

腕からは白い体液が滴り落ちる。

 

そんなテラフォーマーの右腕1本のラッシュを、片足ジャンプしながら、

克弘は軽やかに避ける。

 

「じょ、じょう」

 

左腕も参加させ、駄々っ子のように、

左、右とパンチを振り回すが、克弘には当たらない。

 

「うう、じょおー」

 

左腕の頭をもぎ取ろうと、振り回した

パンチが空を切った後、ハゲゴキは、

その左手を上に突き上げ、右手を組みあわせる。

 

「じょおうー!! 」

 

一際大きい、叫び声を上げたハゲゴキは組合わせた両手を地に叩きつける。

 

ゴォーン

 

ハゲゴキの叩きつけた、両手を中心に

震動が起こり、床が割れる。

 

 

その威力は凄まじく、訓練室全体が

揺れている。

 

辺りを埃(ほこり)が舞いとぶ。

 

「じょおう」

 

揺れを気にする事なく、ハゲゴキは

屈んでいた、上体をゆっくり起こす。

 

「残念」

 

そのハゲゴキの頭上から軽薄な声が、聞こえてくる。

 

「でした」

 

声の主は地面が揺れる前に、ジャンプして、事なき終えていた克弘。

 

空中にいる、克弘は廻しげりで、今度はハゲゴキの耳を削げ

 

 

「じょう」

 

なかった。

蹴りが耳を削ぐ前に、ハゲゴキが腕でガードする。

 

「じょ」

 

ハゲゴキはガードした手で、克弘の足を掴もうと、手のひらを広げる。

 

「よっと」

 

だが、克弘は冷静にハゲゴキの腕を足場に、その勢いで再びジャンプして、

ハゲゴキの背後に降り立つ。

 

ハゲゴキは、掴みそこねた手で空しく空を何度も掴み地面を踏み鳴らす。

 

「じょ。じょ、じょぉー」

 

 

地団駄(じだんだ)を踏んだ後、テラフォーマーは、勢いよく振り向き

背後を取った克弘と相対する。

 

「予定じゃ、右目の次に左耳を削ぐ

はずだったんだかなぁ」

 

 

まぁいっかと、両眼を閉じたまま

克弘は呟くいたのだった。

 

進化型テラフォーマーは、人間大カモノハシの前に劣勢を強いられる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




最後まで読んで頂きありがとうございます。(^_^)
う~んサブタイトル負け、してないかな?
でも最初に思いついたのが、これだったしなぁ。
う~んもっと上手い描写があるような、もっと精進しないと。
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