また不器用KY男がやっちゃいます。
それではどうぞ。(^_^)
1
「政彦君は紅茶だったのう。
ほれアップルティーじゃ、
ジェニーお前にはミルクティーじゃ」
机の上に乗せたお盆にある、紅茶の入ったカップを、政彦、ジェニファーの順で、ローレンス教授は配る。
「ありがとうございます」
「すみませんお父様」
一人ずつがそれぞれ礼を言って、受けとる。
二人が受け取ったのを確認した、ローレンス教授は、最後に自分の分の入ったカップを持つと、政彦の反対側に座る。
ジェニファーは以前政彦の隣に座っている。
「お菓子はいくつか、用意した
好きなのを食べてくれ」
そう言ったローレンス教授は、早速
お盆にのせてある、幾つかに切り分けられた、アップルパイを1切れ掴んで
口に入れる。
「もぐもぐ……どうした食べんのか」
「じゃあ、私は」
ジェニファーは、小さな銀紙に包まれている、チョコレートを取り
「教授、これは ? 」
政彦は、お盆の上の小さな皿の上に乗せている、三角形の形の菓子を指差す。
皿の上に、6枚乗せられている。
「八つ橋じゃ知らんのか ?」
「知ってますが何故 ? 」
「ワシが洋菓子も和菓子も好きだからじゃ」
ローレンス教授が、得意気な顔でサムズアップしながら、言う。
自分のチョイスに自信満々のようだ。
「味は、こしあんにつぶ餡に白餡
それにチョコレート入りなど色々あるぞ」
指をさしながら、八つ橋を薦(すす)める
ローレンス教授。
「はぁ……ではこれを」
政彦は、苦笑ぎみに顔を歪ませながら、白餡を包んだ八つ橋を取る。
「八つ橋を食べ終わったら、アップルパイもよいぞ。
これは妻が作ってくれたものでな」
よいぞといいながら、政彦の前に、
アップルパイを一切れ置いてるので、
なかば強制だ。
ニコニコ笑いながら、ローレンス教授が見てるので、政彦は食べるしかない。
「パクっ……うん旨い」
「そうじゃろう。そうじゃろう」
ローレンス教授は満足気に頷きながら、コーヒーを啜った。
2
「ところでジェニー、それは何の書類じゃ ? 」
ローレンス教授の持ってきた、菓子と
飲み物を堪能していた、3人だったが、ふとジェニファーが、脇に置いてる書類の束を見て、気になったローレンス教授が問う。
「ああ、これですか」
両手で持って、ミルクティーを飲んでいた、ジェニファーが、飲むのをやめてカップをテーブルに置くと
(父がテーブルにお盆を置くときに、ソファーの脇に置き換えてた)
書類を机の上に広げる。
無論お盆から、お菓子を取るのに邪魔にならないように、置く。
「アルバルド兄さん専用の、新型変身薬の試作品のレシピです」
ジェニファーが、テーブルに置いた
書類を父に見せながら、説明を始めた。
3
「ほう〜。
アル用に調整した薬か ? 」
ローレンス教授は、机に広げられてる
数枚の書類の1枚を手に取り、眺める。
「兄さん ? 教授には娘さんしかいなかったのでは」
「ああ……教授にも隠し子がいたのか」
納得とばかりに、ポンと手槌を打って
とんでもない事を言う政彦。
「えっ御父様隠し子いたんですか ?」
ジェニファーが目を見開きながら、ショックを受けたような顔で、父を見る。
「馬鹿者!!、お前が信じてどうする。
政彦君、君んところとうちを、一緒にせんでくれ !! 」
勘弁してくれとばかりに、ローレンス教授は顔を手で抑えて、かぶりを振った。
「あの、ちょっと待ってください!!」
慌てた感じで、ジェニファーが会話に割り込んでくる。
「何だ、ミス・ローレンス」
「あの太田さんところには、隠し子いるんですか?」
「それはちがうなぁ」
「そうですよね」
政彦が否定したと、ジェニファーは勘違いする。
しかし、政彦は違うと言っただけで、隠し子はいないとは言ってない。
だが突飛な内容の話に、驚いてる
ジェニファーはそれに気づけない。
「既に認知して養子縁組してるから
隠し子ではないな。
愛人いわゆる、にごうさんの子であるから、元隠し子と言ったらいいか」
そう政彦が続けて言ったが、一瞬理解がついていかず、固まるジェニファー。
「…………ええっ !! 」
理解が追い付いた瞬間、ジェニファーは大声を上げる。
「ミス・ローレンスはまだ会ってないのかな?
俺をここに案内してくれた、太田克弘(かつひろ)あいつは、父が部下の女性に手をつけて、産ませた3つ下の
異母弟だ」
政彦は涼しい顔で、複雑な家庭事情を
ローレンス父娘に教えると、目の前に
置かれたアップルパイに、かぶりつく
。
押し黙った二人の父娘の耳に、旨そうに食べ続ける、政彦の咀嚼(そしゃく)音が聞こえてくるのだった。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
(^_^)