異端の科学者と忘れられた技術 (凍結)   作:翔馬

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今日最後の更新になります。
それではどうぞ。
(^_^)




第19話 KY男と戸惑う淑女

1

 

 

「それで教授、アルバルドさんの新薬についてなのですが」

 

政彦と握手を交わし終えた、ジェフは

気を取り直して、仕事の話を再びしだす。

 

「ああ。

この新薬のレシピは君が作ったんだったな」

 

机に広げられてる資料の1つを手に取って、内容を見ながら、ローレンス教授はこたえる。

 

顔はキリリと引き締まり、資料を見る

眼光は鋭い。

とても先ほどまで、親バカ全開だった

人間とは思えない、変わりようだ。

 

「悪くないな、君の予測だと、効果持続時間。

ツノゼミによる身体強化度、共に従来の哺乳類型変新薬の1・5倍になるとその上薬のコストダウンも可能とは

見事だ」

 

「ありがとうございます」

 

ローレンス教授の、手放しでの高評価に、ジェフは喜ぶ。

 

 

「 なぁ。

ミスローレンス少し聞きたいのだが? 」

 

「はい、なんでしょう」

 

仕事の打ち合わせの邪魔にならないように、囁くような声で、ジェニファーの耳に声を政彦は送り込む。

 

一瞬体をビクッと、ジェニファーは

震わせたが、政彦の呼び掛けにちゃんと応じる。

 

 

「 さっきから、出てくるアルバルド

さんとは誰の事なんだ?

後新薬とはいったい何の事だ」

 

 

口元に手を当てながら、ジェニファーの耳に息を吹き掛けるように、話す。

 

 

「わかりました。

順番に答えるので、息を吹き掛けるのをやめてくれませんか、こそばゆいので」

 

胸に手を当てながら、心を落ち着かせるジェニファー。

 

「えっとですね。

まずアルバルド兄さん、の事からですね

 

「兄さんと言ってるが、兄妹なのか ?」

 

 

 

「兄妹ではないです。

兄さんは私の従姉(いとこ)の ダーラ姉さんの旦那さんで、姉さんの旦那さんなので兄さんと呼んでるんです」

 

「なるほど、そう言う事か」

 

ジェニファーの説明を聞いて、ようやく政彦は合点が言った。

 

「はい。

2人はラブラブの夫婦なんですよ、姉さん達には2人のお子さんがいてですね」

 

「そうか。

それは羨ましいな」

 

政彦はふっと、軽い笑みを浮かべる。

 

「はい。

そうそう、うちは一番上の、レイチェル姉さんの夫婦も仲がとてもいいんですよ」

 

姉夫婦の仲むつまじさを思いだし、

ジェニファーは憧れますーとばかりに

目をキラキラさせる。

 

「それはいい。

うちは最初から、夫婦間に愛はなかったからな」

 

「えっ ? 」

 

政彦の自嘲するような、声が聞こえてきたジェニファーは、思わず絶句する。

 

 

「母は父の研究者としての才能に、目をつけていて、父は同時進行で付き合ってた、複数の相手のうちの一人が

妊娠したから、責任取っただけだしな」

 

冷めた目で遠くを見るような、眼差しで政彦は呟く。

 

「そんなまさか」

 

「親父殿が、飲んだ時に愚痴っていたからな。

母は、俺が物心ついた時から、愛人こさえてたし」

 

「そうなんですか……あっそうそう、

新薬の事でしたねぇ」

 

パンッとジェニファーがわざとらしく、手を叩いて大きな声を上げながら、政彦の話を遮(さえぎ)り話題をかえる。

 

 

「ミス・ローレンスそんな、大声を出さなくても聞こえてるが」

 

政彦が、諭すように言う。

 

「なんじゃ ?」

 

大声に反応した、ローレンス教授と

ジェフが、ジェニファーの顔をみやる。

 

「いえ。

何でもありません」

 

恥ずかしそうに俯きながら、蚊の鳴くような声で、ジェニファーは取り繕ったのだった。

 

 

 

「つまりそのローマで手術を受けた

男性が、同じオーストラリア産の

哺乳類をベースにしていると、言うのかね」

 

 

「そうです。

有袋類でないとはいえ、同じオーストラリア原産種のベース、参考にはなるかと」

 

 

娘の大声に反応して、振り返った教授とジェフの2人だったが、何でもないと言われたので、仕事の話に戻る。

 

「オーストラリ原産種と、それで

ベースは何かね」

 

教授が、興味深そうな顔で先を聞きたがる。

 

研究者として、他国の技術が気になって仕方ないのだ。

 

 

「カモノハシです。

ベース所有者の名は太田克弘というそうです」

 

事務的な調子で、ジェフが話す。

 

「何克弘君だと!!」

 

「克弘がどうかしたのか?」

 

予想外な名前を聞いた、教授と政彦は

2人揃って、驚きの声を上げるのだった。

 

 

 




最後まで読んでいただきありがとうございました。
そうそう、来月テラフォーマーズの新刊発売するそうですね。
そろそろミラクルジャンプに載った番外編、掲載されるのかなぁー。
そうでなくとも楽しみ。
(^_^)
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