異端の科学者と忘れられた技術 (凍結)   作:翔馬

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最新話更新します。
良かったら見ていって下さい。



第20話新薬

 

「お二人とも知ってるのですか ?」 

 

克弘の名に反応した2人を、鳩が豆鉄砲食らったような顔の、ジェフリーが交互に見やる。

 

 

ジェフリーだけでなく、ジェニファーも、2人の方を見ている。

 

 

「弟だ!!」  「ここにいる政彦君の弟さんじゃ」

 

ジェフリーの問いに、2人がそれぞれ素早く答えてくる。

 

「そうですか。

確かに同じ名字ですし、うっかりしてました」

 

思案顔をした、ジェフリーが、後頭部を抑えたまま、政彦たちに頭を下げる。

 

「でしたら、話が早い」

 

下げた頭を、戻したジェフリーは、早足で政彦に近づいて、左手を掴んで握り、その上からもう片方の手で、政彦の握った手を包み込み、眼前に持ち上げる。

 

「是非とも弟さんに、ご協力してほしいのです」

 

ジェフリーは真剣な顔で、そう言った。

 

「協力だと? 」

 

政彦は、自分の手を縋(すが)るように握る、ジェフリーを見下ろす。

【そっち系の趣味はあまりないが】

と掠れるような声で言ったが、ジェフリーには聞こえなかったようだ。

 

「はい協力です」

 

強い口調でそう言うと、ジェフリーは

テーブルの上にある、ジェラルドに見せていた資料をかき集めると、それを政彦に見せる。

 

「これは……有袋類mo用の新薬」

 

資料の内容を見た政彦は、目を見開き唸る。

その顔は驚きに満ちている。

 

「こんなものを部外者に見せていいのか ?」

 

試すように、政彦はジェフリーを鋭く見据える。

 

「構いません。

ドイツからの技術提供で得た、哺乳類型moの変身薬は、有袋類型moには、あわないんです」

 

ジェフリーは、つらそうに顔を歪めて語る。

 

彼の話によると、ドイツから提供された新技術mo手術。

そのための専用変身薬、フィルム状の哺乳類用の変身薬が、他の哺乳類はともかく一部の有袋類型には、うまく機能しないそうなのだ。

他の哺乳類型moは、問題ないのだが、

哺乳類型のMOの薬を使って変態しても、体の一部(例右手のみ、右足のみ変態)また変身効果時間が短いなどの

弊害があるそうなのだ。

ただアメリカのクルーの全ての有袋類型MO手術者全てが、薬が駄目と言う訳ではないそうだ。

 

「コアラのベース持ちの1人だけが、薬での変態が上手くいかないのです」

 

「それは妙だな」

 

首を傾げる政彦

 

「はい、その通りです。

何故そうなるのか、全くわからなくて」

 

ジェフリーは困ったような顔で言う。

 

「薬で人為変態してれる、時間はただでさえ少ないんです。

それがさらに短くなっては、火星での任務に差し支えます」

 

「なるほど事情はわかった。

つまり克弘が協力すれば、薬の改善が

出来るというんだな」

 

政彦は腕を組み頷(うなず)く。

 

「断言は出来ませんが、とても参考になるとおもいます」

 

ジェフリーは、顔を綻ばす。

表情に期待感が溢れてる。

 

 

「わかった。

克弘に協力を頼もう。

戦闘中に薬切れなど、目も当てられん」

 

政彦は淡々とそう言い、入り口の方に歩いていく。

ついて来いとばかりに、手でジェフリーに合図を送る。

 

合図を見たジェフリーが、慌ててその後をついていく。

 

すると突然政彦が立ち止まる。

 

「! 」

 

立ち止まったのに気づいた、ジェフリーは慌てて手を前に突き出し、顔がぶつからないようにする。

突き出した手が政彦の背中に、当たる。

 

「太田さんいきなり、危ないではないですか?! 」

 

ちょっと怒ったような、声でジェフリーが吠える。

 

 

「すまない。

ところで、克弘はどこにいるんだ ?」

 

政彦が振り返りながら、呟く。

 

知ってるか?とジェフリーに問う。

 

「知りませんよ」

 

 

「そうか。

まぁ施設内をくまなく探せば、見つかるな」

 

 

 

政彦はジェフリーの肩を叩く。

 

行くぞと首を入り口に向ける。

 

「ちょっと待って下さい」

 

たんまとばかりに、政彦に手のひらを向ける。

 

「この施設を、探し回るんですか ?」

 

「そうだが、居場所を知らないのなら

探すしかないだろ」

 

さも当然だとばかりに、政彦は返す。

 

「いや。

弟さんの連絡先知らないんですか ?」

 

気まずそうに、ジェフリーが指摘する。

 

言われた、政彦は無言でジェフリーを

しばらく見続ける。

 

(怒らしたでしょうか?)

 

「そうか。

その手があったな」

 

政彦は、ポンと手を拳槌にして手のひらを、叩くと

すかさず携帯を取り出して、弟に電話したのだった。

 




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