異端の科学者と忘れられた技術 (凍結)   作:翔馬

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最新話投稿します。



第24話各国の闇

 「さて、事情を聞かせて貰おうか。

ローレンス助手」

 

腕を組んだままで、ジェニファーの方を見てミッシェルは話す。

 

口調はそんなにきつくないが、目は相変わらず鋭い。

 

グレアムなど、命の恩人であるミッシェルを一旦は見ようとしたが、すぐ逸らしたほどだ。

 

ミッシェルKデイヴス。

後に火星探索チームの副長になる彼女、並みの者とは迫力が違う。

 

「ミッシェル幹部候補生、そこにいる

マッドサイエンティストを殺します。

邪魔しないで下さい」

 

ミッシェルの方を見向きもしないで、

ジェニファーがこたえる。

 

「穏やかじゃないな。

何故殺す」

 

ミッシェルが覗き込むように、ジェニファーを見ながら問いかける。

 

「その男は、多くの者を殺しました。

しかも悪いとも思ってません」

 

ジェニファーが、憎々しげにグレアムを見下ろす。

 

ミッシェルに呼びかけられた、時に下ろしていた拳を再び掲げる。

 

「だから、殺すと……だが彼は既に

UNASA上層部より、半年の停職と賠償金という罰を受けてると記憶してるが」

 

 

「生ぬるいです!! 」

 

ジェニファーが叫んだ。

 

「この男グレアム・バンディは、何も変わってません。

あれから2ヶ月も経ったのに、以前と同じ。

人を豚扱いしてた、2ヶ月前と何も変わりません。

これなら、何の為にお父様が庇ったのか」

 

悲しみに目を潤ませながら、ジェニファーは続ける。

 

「私は知ってます、あなたにIMO手術を施されて、6人の死刑囚が死に、それらの家族が4人死にました。

死んだ家族の仲には、五歳の子供もいたんですよ」

 

地面に叩きつけるように、大声を放ちグレアムの耳にぶち込み怒鳴る。

 

「そうは言うがね。

ジェニファーさん、10人などこのUNASAで施して死んでいった者たちの数に比べたら微々たるものだよ」

 

耳を抑えながら、グレアムが言い訳がましく言う。

 

目を僅かに逸らし、卑屈そうな顔で続ける。

 

「それにだね。

他の国じゃもっと酷い事をやってるんだよ。

記念すべきドイツのMO手術第一号は、

子供に手術を施した結果だし。

ロシアは要請とは言ってるが、半強制的に自国の軍人にMO手術を行ってるし、中国なんてもっと酷い」

 

ジェニファーが聞いてると思った、グレアムが、いけると思ったのか更に口が軽くなって、得意気に話す。

 

「中国では、ベースに適合しそうな人間を国で買い取るんだ。

そして手術に成功したら、莫大な金を払うと言って、手術を受けさせてるんだ。

100では効かない、ひょっとしたら1000言ってるかも」

 

「それで」

 

拳を掲げたまま、ジェニファーが続けろとうながす。

 

「所詮、MO手術は人体実験のいきをでないんだ。

つまりどうしたって犠牲は出る。

だったら、税金で飯食って塀の中でのうのうとしてる、奴らを利用して何が悪い。

死んだら、無駄飯を食わせなくていい。

生き残ったら、戦力の増強が出来て万々歳だ。

それに失敗、失敗と言うが。

10人は失敗したが、3人は成功してるのだよ」

 

ニヤリと、自慢気に鼻を鳴らして笑い声を上げる。

 

「多少の犠牲は出たが、この調子で行けばドイツを超える事も夢ではない」

 

グレアムの力説は続く。

 

「そのIMO手術に成功した3人は

とても優れた能力を持っているのだよ。

そうだ教授も、彼らを見ればきっと」

 

「それぐらいにして貰えないか」

 

背後から、聞こえてきた声がグレアムの自慢話を遮る。

 

「何だ!!、私が話してると言うがっ」

 

突如首に激痛が走った、グレアムが呻き声を上げて倒れ込む。

 

「尊い犠牲と言うが、己の血も流さずに理想を語るな。

語りたいなら、自ら手術を受けるぐらいの気概を見せてみろ」

 

左手を手刀にしたまま、政彦が見下ろし、きつい口調でグレアムを戒めた。

 




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