良かったら見ていって下さい。
政彦の子供の頃の過去に少し触れます。
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「あのう。
ちょっと宜しいでしょうか」
政彦とジェニファーが、無言で見続け合ってる、気まずい雰囲気の中、勇気を振り絞ったジェフリーが、手を挙げて、皆の顔をそれぞれ見ながら、言いにくそうに発言の許可を請(こ)う。
誰も沈黙を破ろうとしないので、仕方なく言ったのだ。
「何か」
ジェニファーから、目線を外し今度はジェフリーと政彦は目線を合わす。
「実は、これから克弘君の持ってる薬を見せて貰って、その成分を解析。
新しい有袋類専用の、薬を作ろうと言う事で、第1研究室に行こうとしてるんですよ」
その言葉をきっかけにジェフリーの説明が続く。
要点を纏めると、ジェフリーの作った試作品の有袋類専用の薬が、第1研究室に置いてるので、それと克弘の自前の薬を照らし合わせて、改良したいのだそうだ。
まぁ早い話。
仕事があるからここから離れたいという事。
「構わないが」
ジェフリーの願いをあっさり聞き入れる政彦。
「そうですか。
ではお言葉に甘えて」
ジェフリーは、微かに喜ぶと、教授、克弘さん行きますよ。と大声と手を振って合図を送る。
「じゃあ兄貴行ってくるぜ」
申しわけなさそうな、顔でジェニファーを見た後、克弘は、彼女が持ってるお盆から、カルピスソーダの入ったカップを取ると、摺り足であまり音を立てないように、歩いてジェフリーを追う。
「そうそう。
上からせっつかれてるので、急がねばならんかった」
ローレンス教授が、もっともらしく、言い訳じみた事を捨て台詞に、克弘の背中を追っていく。
(すまんのジェニー、この空気は年寄りにはちとキツい)
心の中で愛娘に詫びる事を忘れないローレンス教授だった。
最も気まずい空気の中に1人残されたジェニファーには何の気休めにも成らないのだが。
2
3人が去って行った後、政彦は第2研究室の扉のロックを解除する。
「いつまでも立ち話をしていても、仕方ない。
中に入ろう、ミス・ローレンス」
立ち尽くしてる、ジェニファーに促すと、振り向きもせずに政彦は第二研究室の中に入っていく。
その後ろを何も言わず、ジェニファーが付いて中に入る。
「持とう」
中に入ると、テーブルの上に、菓子を置き終わった政彦が、ジェニファーが両手に持ってる、お盆を預かり、菓子を置いた同じテーブルの上に置く。
それからソファーの前に立ち、反対側にあるソファーを手のひらで差す。
座れという合図だ。
ジェニファーは、政彦の合図に従い
、政彦の対面に座る。
ジェニファーが座ったのを確認した、政彦がソファーに深々と腰を下ろす。
「14歳で人を殺したってどういう事ですか!! 」
政彦が着席すると同時に、ジェニファーがテーブルを両手で叩いて、勢い込んで政彦に問う。
ちゃんと話して貰うまで、帰さないと言う意志が、その瞳に宿っている。
これには流石の政彦も面食らった。
(下手なごまかしは無理だろうな)
睨みつけてくる、ジェニファーの鋭い目を見て、政彦は精神的にどっと疲れる。
(とはいえ、あまり話したい内容でもないし……ダメもとで足掻くか)
「ミス・ローレンス。
話すのはやぶさかではないのだが、
あまり面白い話ではないぞ」
「構いません聞きたいんです」
遠回しに話したくないと、言ったがジェニファーは聞かずに、有無を言わさず頼んでくる。
「俺が人殺しをした、話しなどより
克弘とか利紀とかの話の方が面白いぞ。
ああ。 利紀と言うのはさっき話した克弘の上の弟で、こいつら2人と来たら、下半身に人格無しがモットーでな」
「14歳で人を殺したって、どういう事ですか」
口下手ながら、何とか面白いおかしく話したが、無駄に終わる。
目の前の銀髪の彼女の意志は、鋼のように強固であり、梃子でも動かないようだ。
「……さっきと言い、もの好きな事だ」
諦めたような顔をしながら、政彦はジェニファーに聞こえないぐらいの小さな声で呟いた後、聞き取りやすいようにゆっくりとかつて己の身に降りかかった、事件の事を語り出す。
「14歳の時だ。
当時中学二年の俺が通っていた学校に、オノを持った通り魔が現れた」
「オノを持った通り魔ですか?! 」
想像以上のディープな内容に、おののいたジェニファーだったが、気を取り直してテーブルの上に置いてる自分用の冷めた紅茶を持つと、一口飲んだ。
最後まで、読んで頂きありがとうございました。