異端の科学者と忘れられた技術 (凍結)   作:翔馬

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今晩は最新話投稿いたします
黒い謀略が続きます


暗殺

 (一体何が起こって    る)

 

 目の前で不気味に佇む

 グレアムバンディを見るUNASAドイツ支部長は、状況についていけず戸惑う。

 

  まるで厄日だ。

  リカバリゾーンの戦闘訓 練も見たいが、新薬にも興味があったため、強権で実験

 時間を繰り上げさせたというのに、その実験はトラブル 続出でとても続行可能とは  思えない。

 さらにこの襲撃だ。  

襲撃だけでも大事なのに、その刺客がよりにもよって、UNASAの職員とは、悪い夢だ

 と思ってしまう。

 

 「支部長殿、遺言があれば

 聞きましょう」

 

 グレアムの冷たい声が、

 支部長に現実を思い出させ る。

 

 目の前に佇む男は毒棘が

生えている腕を掲げて見せてくる。

 棘は腕だけでなく、顔や

 体全体に生え、肌が薄い

緑色になっている。

 それは薬でグレアムが変身した姿に他ならない。

 鋭そうな棘が部屋の照明の

光に照らされ光る。

 支部長はその光がまるで

自分に突きつけられたナイフ

のように感じた。

 「遺言だと……」

 

 「そうですよ。 

 それぐらいはサービスで

 聞いてあげようと思いまし て、あっでも命乞いは駄目 ですよ。

 それは聞きませんので」

 

手の中で自身の特性のギンピギンピの毒棘を転がしながら

 グレアムは邪悪な笑みを浮かべる。

 その笑みは無垢な心で

昆虫や動物を戯れで殺す

 子供のようだ、可愛いが

どこか不気味さを感じさせる

 そんな底知れぬ恐怖を感じ させる笑み。

 支部長はその笑みを見て

確信するこの男にためらいわない。

 このままだと間違いなく殺 されてしまう。

 

 (冗談ではない!!)

 支部長はグレアムへの激し い怒りに身を燃やしながら

 ズボンのポケットの中に  手を突っ込んだ。

 そのポケットの中には、彼 のとっておきが忍ばせて

 ある。

 支部長がポケットに手を突っ込んだのをグレアムも気 づいていたが、つまらない 悪あがきだろうと特に気に

しなかった。

 一見油断に見えるが、そう

 ではない。

 グレアムは自分のベース

に絶対の自信を持っていた。

 対テラフォーマー戦なら 

 パワー不足は否めないこの ギンピ・ギンピ

 しかしこれが対人戦となる と

 無類の強さを発揮する。

 (何をしようが、かすっただけでも、戦闘不能だ)

 グレアムは、手の中で転がしていた、毒棘を握ると

それを支部長にめがけて放とうとする。 

 その時、狙いを定めようと 見たグレアムの眼に眩い

 光が見えたと思うと、その 光が真っ直ぐ進み、彼の髪 の毛を焼く。

 焼かれた髪の毛は何本か

束になって地面に落ちる。

 

 

 「動くな!!」

 

 高価な万年筆のような物を

 グレアムに向けながら、支部長は息を荒げて叫んだ。

 

 

2 

 

ペンのような物をグレアムに突きつけながら、支部長は

後ろに数歩後ずさる。

 よく見るとペンの先が銃口になっており、そこから熱気のようなものが漏れ出てる。

 

 「なるほど、隠し武器に

ペン型の銃とは、支部長殿は

凝り性ですな」

 

 グレアムが顎に手を当てながら、支部長のペン型銃を

まじまじと見て観察する。

 

「ただのペン型銃ではない。

レーザー銃だ。

 いかにMO手術で肉体を

強化しようと、コイツの出力は実験用のクローンテラフォーマーすら輪切りにする。

 嘘ではない、ドイツ支部で私自ら、うって確認した」

 

 多少顔が引きつった、勝ち

 誇った笑みを浮かべながら

支部長はひきがねを引き

 グレアムの左腕を貫く。

 

 左腕に開いた穴をグレアム

 は無言で見る。

 

 支部長は、痛みに悲鳴をあげさえしない、グレアムに不 気味さを感じたが、レー  ザー銃という強力な兵器が

彼に安心感を与え強気にさせる。

 「ほう~痛みに顔を歪ませ もしないとは、では次は

 もっと痛みを感じるところ を撃ってやろうか?

 どこがいい~、目か鼻か

耳か」

 

 獲物をいたぶる、肉食獣の

ような笑みを浮かべ、支部長はレーザー銃の銃口を上下に動かし狙いを変える。

 

 それでも追い詰められてる

グレアムは無表情、無言を貫く。

 

「くっ」

  

 小さな発砲音が鳴り、グレ アムの耳たぶが地面に落ち る。

 

 さすがに今度は無言無表情とはいかず、グレアムは顔を

 しかめ、呻き声を上げる。

 

 「失礼、失礼、リクエスト

が無かったので、こちらで

勝手に決めさせて貰ったよ」

 

 片手拝みして、支部長が

笑いながら楽しそうに言う。

 

 無反応なグレアムが痛そうにするのに溜飲を下げたみたいで、すこぶるご機嫌な様子  を見せている。

 

 「痛いのは辛いだろう。

 これ以上痛い思いをしたくなければ言えっ、誰に頼まれて私の命を狙ったのだ!! 」

 

言わないと、また撃つぞと脅すように、支部長はグレアム

の眼に狙いを付ける。

  

 「……ゼーベック室長」

 

 グレアムはかすれた声で

そういうと両手の平を上げ  る。

 降伏する意思表示だ。

 

 「ゼーベックだと……」

 

 だが、グレアムの殊勝な

 態度も、動揺する支部長

の眼には入らない。

 グレアムが言った名前は

それほど意外だったのだ

 

「ジェシカ・ベルウッド」

 

 困惑する支部長を気にせず

 グレアムは話を続ける。

 

 「ゼーベック室長に取って邪魔なんだそうだ。  

だが、支部長のあなたが後ろ盾である以上、排除は容易ではない。

そこで俺が一肌脱いでやったわけだ。

万が一の時は、俺をドイツへ亡命させ生活を保証するという条件でな」

 

 「亡命だと、君は私の首を手土産にドイツに亡命しようというのか?」

 

 「万が一の場合だ。 

 もう一つ報酬を貰ってる」

 

 「報酬だと……さぞ凄い物 を要求しただろうなぁ、何 せドイツ支部長の私の命と

引き換え何だからなぁ」

 

 話していて少しは余裕を

取り戻した支部長が、冗談めかして言う。

 無論銃口はしっかりグレア ムに向けている。

 

 「何大したことじゃないさ。

MOHスーツの研究データとドイツ支局の今までのMO手術  データ、後悲運の天才

ロニー・ベルウッドの研究データだけだよ」

 

 「ふざけるなっ。 

  何が大したことないだ

  全て国家機密ではない    か!!」

 

 顔を真っ赤にした支部長  がレーザー銃でグレアムの

股を射抜く。

 

 「どうせ無能な研究者共に

 は無用の長物だ。

 変わりにこちらは俺が造り 出したIMOの手術技術を

  提供したがね」

 

グレアムはドイツ研究者達を小馬鹿にする。

 

 

 「提供された研究データは

有意義に使わせて貰ったよ。

 素晴らしいベース持ちが誕生した。 

 支部長殿にも見せてやりたかったよ」

 

 「そうか。

 ゼーベック室長め何という

事を……他国に研究データを

 渡すなど、国戻ったなら

即刻逮捕せねば……だがその 前に」

 ひとしきりゼーベックを   罵った後

 改めてグレアムの額に

 銃口の狙いを合わせる支部  長。

 

 「国家機密を知った君の

 口を封じなければな。

 では私も君に習うか。

 遺言があれば聞こう」

 

 グレアムの顔を見ながら

支部長が笑みを浮かべながら

 言う。

 自分の優位を疑わない余裕の笑み。

 

 「……ふっ……支部長殿

 残念だがあなたは祖国には

  生きて帰る事はできない

  」

意味深な感じを込めてグレアムが言う。

 「……なんだそれは

  それが遺言なのかね」

 

 グレアムの言葉が理解でき ず一瞬沈黙した支部長だが

言葉の意味を問おうとグレアムに聞く。

 

 「遺言じゃないよなぁ

 グレアム」

 

その時、支部長の問いに、グレアムとは違う別の男の声が答える。        

 

 「ああ、また予言でもない

 冥土のみやげだよ、支部長  殿あなたへの」

 

急に2人の会話に割り込んできた声にグレアムは答える。  

 「おい何を言ってる」

 

 焦った支部長が、グレアムを仕留めようと、レーザー銃を撃とうとするが、突如背中から激痛が走り、その痛みで レーザー銃を取り落とす。

 

 「ぐはっ……」

 

 痛みに体を丸めた、支部長 の腹から先に何か鋭い物が 突き出てる。

 

 それは鋭い獸の爪としか

いえないもの。

だがこの部屋に動物は居ない。

 

 この日の本にライオンより

怖いかもしれない猛獣がいることをご存じだろうか。

 

 それは日本の北の果てに住 み、14年間で74人も

殺したこともある。

 また一年に20人殺された

例もあると言う。

 鋭い爪に強い力、巨体に似合わず走るのが速く、時速60

キロのトラックと併走したという証言もある。

 過去に人間も襲った事も

 あり、1915年には2日間で

7名死亡という凶悪な事件も起こしている。

 日本最大の野生動物

 

 「グレアムをなぶるのは

  楽しかったかい?

 その間にあんたの部下に  は俺の糧になってもらった  がな」

 

 口元から血を滴らせながら

 エドは支部長の腹に突き刺した腕を動かす。

 

 エドモンド・ウェイン・ゲイシー

 アメリカ ♂

205センチ 140キロ

マーズランキング 未計測

MO手術 哺乳類形

ネコ目クマ科クマ族

日本原産エゾヒグマ

 

キムンカムイ 猛る 

 

  

 

 

  

 

 

 

 

   

 

 

 

 

 

 

  

 

 

 

 

 

 

 

 

 

    

 

 




最後まで読んで頂きありがとうございました
長くなったので次回から、グレアムが作った2つの新技術
について書いていく予定です

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