異端の科学者と忘れられた技術 (凍結)   作:翔馬

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今晩は、久しぶりの更新です。
うーん戦闘シーン難しい(´ー`)




漢(おとこ)たち

 「ぐおぉーーー!」

 

 これは思ったよりきついな。

 

激痛に耐えながら、政彦はアメリカに旅立つ前に、父に渡された秘薬を打つ。

 

 

1

 

 アメリカに旅立つ前日。

その日父から急に呼ばれた政彦は、UNASA日本支部に行くと、父

常彦が出迎えてくれた。

UNASA日本支部のMO手術研究チームの最高責任者である父は、旅立つ息子に、ある特殊な薬を渡した。

 

それはMO手術とは

違う別の薬による、人体強化。

薬物による強化兵。

MO手術より、安価で

なおかつ、手術失敗による死者を生み出さない兵器。

試作人体強化薬品

スタンピード。

 

 

 

 

「うぅぅっ……この痛み千切れた腕以上か」

 

 政彦は注射した

箇所を横目で見ながら

呻く。

 

 薬の効果により、 

政彦の筋力は増大し、

更に薬の効果で骨延長

が、起こり政彦の身長が10センチも伸びる。

今まで感じたことのない激痛が、政彦を襲うが、それも途中から

無くなる。

薬の効果の1つ痛覚

の鈍化が発動したからだ。

 

それでもその効果が

でるまでに、政彦は

吐血と物凄い汗を地面に滴らせたが。

 

「……はぁ、はぁ。

筋力強化&骨延長とは

親父殿…盛りすぎだ。

凶悪の血は俺には流れてないぞ」

 

 

荒く息を吐きながら、

政彦は薬でパワーアップした肉体を確認する。

 

10センチ伸びた身長は、敵との距離を縮め

異常に盛り上がった筋肉は、隻腕となった政彦に再び力強さと自信を取り戻させても、釣りがくる。 

 

変化した自分の体をある程度眺め終えた、政彦は注射をするときに、地面に置いていた刀を残った右手で掴む。

 

 刀を掴んだ政彦は

腰をかがめ、無言で 

手に持った刀を正面向けて突く。

それは空気だけを突いた、突きだったが

鋭いキレのあるもの。

 

「片手だと、満足に

斬ることは無理か。

が、突けるか」

 

 試し打ちをした政彦はその結果に納得すると、持っている刀の切っ先をアルバルドの

胸目掛けて向ける。

 

「律儀に待ってくれたのか。

それとも何かの策か?まぁいい待たせたな。 

勝負の続きといこう か」

 

仁王立ちする、アルバルドに向け、政彦は

死闘の再開を告げる。

 

 

 

 幸か不幸か、政彦が

薬で強化される間。

 アルバルドは攻撃してこなかった。

戦隊ものの怪人のお約束に従ったのか、獣化して、そんな知恵も

回らなくなってしまっていたのか、それとも

不意打ちを卑怯と思ったのか、いずれにしろ

アルバルドの思いはわからない。

とはいえ、このアルバルドが与えた、インターバルは、政彦に取って大きな追い風と

なったのは間違いなかった。

 

両者にらみ合いから、

先に動いたのは政彦だった。

 

刀を右手でぶらりと

下げながら、政彦は

一気にアルバルドとの距離を詰める。

 

 「しっ!!」

 

下段からの切り上げで

アルバルドの太腿を

斬ろうとするが、これを冷静に脚を数歩後ろに引いて、これをかわすアルバルド。

かつて人だった時に

鍛え上げた技術が、無意識に体を動かす。

 

 (まだだ)

攻撃を鮮やかに避けられたが、政彦に焦りはない。

下段斬りは次に繋げる為の、フェイント。

 

本命は急所への一突き。

 

 

 手首を捻り、さらに一歩踏み込んで、必殺の突きを放つ。

腰から下半身の力を使い、肩を入れた渾身の

突きが、アルバルドの心臓に吸い込まれるように迫っていく。

 

「がぁ!!」

 

そのまま何もしなければ、政彦の突きは確実にアルバルドの心臓をえぐっていただろう。

 

だが敵もさるもの

 

 

 

 

数秒後。肉をつらぬく

手応えを感じるはずの

右腕が感じたのは、固い鉄のような感触。

 

 

 

「馬鹿な!!」

 

 

目の前の光景に政彦は

驚愕する。

 

 

 「グルゥー」

 

 

心臓を貫くはずの刃を、猛禽の如き爪で挟み取りながら、アルバルドは唸った。

 

 

無手で刀を防ぐ技は 

確かに存在する。

真剣白羽取り、もしくは無刀取りなどが、有名だろう。

どちらも武の奥義とも言うべきものだが、厳しい鍛錬をおこなえば

会得できないものではない。

 

が目の前で起こっているこれは違う。

手ではなく、爪による

刃取り。

これを可能にするのは

技ではない。

技を超えた純粋な強さ、限り無いパワーによってなし得られる

人外の術。

 

ピキッ

 

(くそっ)

 

鉄が軋む音が耳に入ってきた、政彦は刀を引き戻そうとする。

 

アルバルドの狙いは

刃を掴んで防いで終わりではない。

爪で刃を掴むという

尋常ではない握力による武器破壊。

 

ただ掴むという、技とはとてもいえない行い。

 

だが、それを人外の

膂力ですれば、技といえる、行為となる。

 

「ちっ!!」

 

焦りから無意識に舌打ちした、政彦は刀を

後ろに引いて、掴みから外そうとするが、コアラの猛禽の如き握力がそれを許さない。

 

「嘘だろ?!」

 

それどころか浮く。

政彦の足が地面から

徐々に離れていく。

 

アルバルドが爪で挟んだ刀ごと政彦を持ち上げたのだ。

 

とてつもない力である。

 

 

政彦も刀にぶら下がり

体重をかけて抵抗するが、上昇は止まらない。

 

2人の力の掛け合いで

政彦の刀の亀裂が増えていく。

 

 

 「くそっ!!」

 

亀裂とひびを見た政彦が、折れるのを避けるためやむを得ず柄から

手を放して、落ちる。

 

追撃を避けるため、地面を横転びした政彦は

アルバルドとの距離を取る。

 

 

 

(武器を手放すのは

つらいが、壊される

訳にはいかんからな)

 

立ち上がった政彦は

アルバルドのいる方を向く。

 

転がって離れたので、

2人の距離は約6メートル程になっている。

 

政彦が手放した刀を

片手に持ったアルバルドは、それを無造作に

釣り竿でも投げるようにブンブン振っている。

 

力任せで振っている

真剣が風切り音を奏でる。

 

(あれを取り返すべきか、それとも)

  

政彦は愛刀を無造作に

振っているアルバルドを見ながら思案する。

 

政彦の残り手持ちの

武器は、まずナイフが二本。

投げやすいタイプのナイフだが、目とかの急所に当たらない限りは役には立たない。 

しかも隻腕の政彦では

刀と併用して使うことができない。

もう一つ残っているのが、小型のスタン警棒

が一本。

10センチから1メートルまで伸びる携帯するのに便利なモノだが

この戦闘ではナイフより役には立たないだろう。

人を無力化する程度の少量の電気は、恐らく

アルバルドには通用しない。

 

 

 「他の武器と言う が」

 

テラフォーマー達の

死体のあるとこや、

アルバルドの仲間達の

死体の、ある場所を見るがめぼしい武器に

なるような物は、見当たらない。

 

(ジェニファーに、武器と装備のほとんどを外されてしまったからなぁ)

 

実験が始まるまでの間に殆どの装備を外されてしまった政彦は、乏しい手持ちの武器を

心もとないと思う。

とはいえ無い物ねだりをしていても、先には進まない。

 

そんな悩む政彦の元に

ある物体が飛んでくる。

 

「うぉっ!!」

 

縦回転しながら、物凄いスピードで飛んできたその物体を政彦は

強化された筋力を使って鷲掴みで止める。

 

 

「これは……どういう

つもりだ?」

 

政彦は驚いた顔で、

アルバルドの方を見る。

 

政彦が掴んだのは、アルバルドが投げてきた

政彦の刀だった。

 

ある程度素振りをした

アルバルドは飽きたと

ばかりに、政彦の刀を投げつけてきたのだ。

 

つまりアルバルドは二度敵に塩を送ったのだ。

 

政彦には到底理解できない事だが、これを利用しない手はない。

 

「何のつもりかは知らないが、俺は容赦はしないぞ!!」

 

再び己が手に戻ってきた愛刀を中段に構えながら、政彦は宣言した。

 

 

 

今度先に動いたのは

アルバルドの方だった。

 

アルバルドは地面に向けて両腕を垂らしながら、走ってくる。

 

ぶらぶら動く腕は、丸太のごとく太く、ごつい風切り音を鳴らす。

 

そのまま政彦に近づき

ジャンプする。

 

これに対し政彦は微動だにせず迎えうつ。

アルバルドが迫ってくる間に、納刀した刀の

柄を逆手に握り締め

アルバルドの一挙手一投足に目を凝らす。

 

ジャンプしたアルバルドは、空中で、両腕を

扇風機のようにグルグルと回す。

 

遠心力で威力を上げた拳打を政彦の脳天目掛けて振り下ろす。

 

ゴォー

 

巨大な岩でも降ってきたような、音を上げ

拳が政彦目掛けて落ちてくる。

 

(そんな大振り)

 

当たれば即死確定の

剛拳を、間一髪で見切った政彦は、背後に飛んでかわすと同時に抜刀し片手薙ぎの一撃を放つ。

 

その片手薙ぎの一撃は横一直線の軌跡を描き、振り下ろされた

左腕の真ん中当たりに

あたる。

 

 「フン!!」

 

左腕に当たった感触を感じた政彦が力を込め

左腕を斬りとばす。

さっき両腕で斬って脚を斬りとばせなかったというのに、凄まじいドーピング効果だ。

 

横薙ぎに斬りとばした腕が乱回転で横飛びに

飛んでいくのを、政彦はしてやったという、笑みを浮かべながら、

アルバルドは何が起こったのか、判らないといった顔で見た。

 

「……かりは返したぞ」

 

アルバルドの腕を斬りとばした後、更にバックステップして離れた政彦は、油断なく

今になって片腕を失った痛みに呻き、もがいているアルバルドを見た。

 

 

 

 

 

「……大した奴だ」

 

 

政彦とアルバルドは

知る由もなかったが

2人だけの決闘に

ちょっと前から見物人が居た。

政彦を仇と狙う徳永

善治郎(ぜんじろう)だ。

彼がこの実験室にやってきたのは、政彦が

刀を爪で挟み込まれた

時だ。

そこから彼はずっと

気づかれないように観戦していたのだ。

 

彼には困惑があった。

作戦的には、政彦を放置して、他の仲間と共にローレンス教授の

捕獲または暗殺するべきだ。

だが、兄達の仇(あだ)討ちを優先して

ここに来た。

普通なら隻腕の政彦に

襲撃をかけるのがベストだ。

不意をつけば一溜まりもないだろう。

楽に仇討ちは完遂できる。

でもそうしない。

あるいはもっと決定的なチャンスを待っているのか、もしくはアルバルドの狙いが自分に来るのを恐れているのか。

 

どれも違う彼は。

 

「仇討ちはしたいが、

漢と漢の真剣勝負。

横やりを入れるのは無粋だな」

 

復讐者であると同時に

誇り高い武人なのだ。

 

武人として心が、いかに憎い仇とはいえ、

卑劣な不意打ちを良しとしなかったのだ。

 

「それに、人にお膳立てされての、仇討ちなど、兄さん達も納得出来なくて、あの世で怒られそうだしな」 

 

片腕で床を破壊し

コンクリートの破片を

飛ばして攻撃しているアルバルドに目を向けながら、呟く。

 

 

次に飛んでくる、破片

をよけながら、避けきれない分を刀で払っている政彦を見る。

 

切羽詰まっている、政彦は善治郎の視線に気づかず、防戦を続けている。

 

 

「お互い隻腕長引かせはしないだろう。

太田政彦お前の戦い

ぶり、最後まで見届けさせて貰うぞ」

 

 

善治郎は、他に観客のいない会場で、1人

観戦し続けるのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




最後まで読んで頂きありがとうございます。
書きたい事は書いてるがテンポが悪いなぁ。
書けば書くほど難しくなってくる今日この頃(´ー`)
奇特な方のアドバイス待ってます( ^_^)

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