魔法少女育成計画 Star Guardians   作:エクラ=レイ

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皆さんごきげんようレイです。第二話の投稿です。今回も初心者の駄文に付き合ってもらえると幸いです。


第二話 邂逅

"魔法少女育成計画"それは今巷で話題のスマホゲームである。ゲームは完全無料、課金などは一切発生しない。それでいて、著名イラストレーターによって描かれた美麗なカードや数々のキャラクタータイプに沢山のアクセサリーアイテム、その組み合わせ、キャラクタークリエイトの自由度は今、全世界で流行しているファンタシースターオンライン2にも匹敵するだろう。そしてこのゲームには奇妙な噂があった。

 

 

 

 

数万人に一人魔法少女になれる

 

 

 

 

という噂だ。

 

今、選ばれた15人(正確にはあと一人いるが)はこのゲームのマスコットキャラクターでもある電子妖精のファヴからとんでもないことを聞かされていた。

 

「魔法少女の資格を奪われた人は死んじゃうぽん」

 

その通達がされたのは魔法少女ねむりん、三条合歓が死亡したあとのことであった。

少女たちは知らないうちに命がけのデスゲームに足を踏み入れていたのだった。

 

「ラ・ピュセルは怖いとか思ったりしないの?」

 

「スノーホワイトは怖いのか?」

 

その通達を聞いた二人の魔法少女、スノーホワイトとラ・ピュセルは生き残るためマジカルキャンディ集めに前以上の力を入れていた。夜も更け、そろそろ帰路につかなければならないような時間になるまで二人は話していた。不安を払拭するためだ。

 

「そりゃ怖いよ、誰かが死んだり自分が死んだりそんなの嫌だよ…」

 

「そうだよな、僕だって怖い。怖くないわけないよな」

 

ラ・ピュセルの表情が引き締まる。スノーホワイトは気圧され反射的に離れようとするが、ラ・ピュセルはスノーホワイトの手に自分の手を添え、スノーホワイトは払うこともできず息を呑んだ。

 

「でもさ、怖いからって何もしなければ次に脱落するのは僕らだ。そんなの嫌だろ?だったらさ、二人で頑張ろう?」

 

ラ・ピュセルの顔は自分が憧れていた、魔法少女と何ら変わらない決意を持った顔だった。

 

「そうちゃん…」

 

涙を流すスノーホワイトにラ・ピュセルは寄り添い涙を拭いた__その時だった。

 

 

その時だった。

 

「な、なんだ…?」

 

二人の周りの地面が黒く光り下から湧き出るように何かが現れた。それは二人もよく見たことがある魔法少女育成計画の敵キャラの悪魔であった。

 

「ど、どういうこと…!?」

 

突然の出来事に二人は困惑した。今までこんなものが現れたということを二人は聞いたことがない。

 

「…あちらは敵意むき出しのようだね……やるしかない」

 

ラ・ピュセルはそう言うと剣を取り出し、悪魔へと向けた。

剣を向けるのに反応したのか悪魔はこちらへ攻撃を開始した。

 

 

 

 

「ぐっ…このままじゃ…」

 

「まずいよ…ラ・ピュセル……」

 

戦況はあまり良いとは言えなかった。ラ・ピュセルの剣は辛うじて悪魔に効くものの、スノーホワイトには武器も何もない。肉弾戦で戦えるような相手ではなかった。そもそもスノーホワイトは魔法少女になったばかり。ラ・ピュセルもそこまでの戦闘経験は無かった。見様見真似で剣を振るったところで大したダメージにならないことは分かりきったことだった。

 

「ぐ……っ!」

 

悪魔の攻撃が激しくなる。何体かは倒したがそれでも湧いてくる悪魔との戦いで既に二人の体も精神もボロボロになってしまっていた。

万事休すかと思われたその時、ラ・ピュセルは空に一筋の光を見た。

 

「っ……らァァっ!」

 

その光が人だと分かるのに3秒もかからなかった。空から落ちてきた人は落下の衝撃のみで周囲にいた悪魔をすべて吹き飛ばした。

 

「な、なにが……?」

 

二人の魔法少女は一瞬何が起きたのか分からなかった。

 

「いっ…ててて……おいシエラ!テレプール故障してんじゃねぇか!」

 

『知りませんよ!そのキャンプシップ選んだのはあなたですよね!?』

 

「なんなんだ……?」

 

魔法少女の二人からしたら異様なものでしかなかった。突然空から落ちてきて自分たちがボロボロになるまで戦っても倒せなかった敵を一撃ですべて片付けたのだ。無理もない。

 

「いいから戻ったら修理出しとけよ…いてぇ…」

 

斬剣は服についた砂を払うと二人の方に向き直った。

 

「大丈夫だったか?」

 

「あ…はい、ありがとうございました。」

 

スノーホワイトは礼を言ったがラ・ピュセルは斬剣に剣を向けた。

 

「ラ・ピュセル!?」

 

「いきなり空から降ってきて、魔法少女でも苦戦した相手を一撃で倒すやつを警戒しないほうがおかしいだろう?」

 

そう言うとラ・ピュセルは斬剣を睨みつける。それを見た斬剣は"おっと"という表情になり武装を解除して手を上げた。

 

「そりゃあそうだよな。まぁ、敵意は無いから安心してくれ。無理に警戒を解けとも言わん」

 

それを見たラ・ピュセルは少し考えたあと剣を下ろした。

 

「……わかった…少なくとも貴方は悪い人では無さそうだ」

 

「そう言ってもらえると助かる」

 

斬剣は手を下ろしこう続けた。

 

「取り敢えず、君たちが魔法少女で間違いない?」

 

二人の顔が驚いた顔になる。普通ならわからないはずだからだ。

 

「なぜそのことを…?」

 

ラ・ピュセルの殆ど解かれていた警戒の色が強くなる。

 

「君が言ってただろ竜騎士君」

 

「あ……」

 

張り詰めた空気が一気に元に戻った。

 

 

「聞きたいことがある、あいつらは何者だ?」

 

二人は困った。悪魔を見るのも交戦するのも初めてだったから無理もない。その様子を見た斬剣はこう言った。

 

「少しでも、何でもいいんだ知っていることがあったら教えてくれ」

 

斬剣からするとダーカー因子が関わっている可能性がある。だから少しでも情報が欲しかった。

無言の時間が続き少し経ったときスノーホワイトが口を開いた。

 

「あの悪魔は魔法少女育成計画というゲームの敵キャラです、遭遇したのは初めてだから何なのかはわからないけど…それだけはわかります。」

 

「ありがとう、助かる」

 

『斬剣さんさっきのエネミーの解析をするので戻ってきてください』

 

「了解した、君達にはまた会うことになるだろうラ・ピュセルと…」

 

「スノーホワイトです」

 

「スノーホワイトかじゃあな、情報提供助かった。おっと名前を行ってなかったな。俺の名は斬剣だ。名字は無い」

 

そう言うと斬剣は消えてしまった。

 

「「何だったんだろう…」」

 

嵐のように過ぎ去って行った斬剣にそう思いながら二人は帰路についた。




最後まで読んでいただきありがとうございます。アドバイスや感想など書いていただけるとモチベーションに繋がります
次の話の投稿は不定期ですがこれからもよろしくお願いいたします。

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