善子誕生日 ~特別篇~
朝。
それは堕天使にとって最高で最悪のとき。
「おーい、善子おきろ。」
聞き覚えのある声がする。
そう。私の大好…、いや、上級リトルデーモンの声。
「んぅ~。何よぉ。まだ学校行くには早いわよ…。」
目がまだ完全に起きてないせいでまだしっかり彼の顔が見えていない。
「お前に渡すものがあるんだ。」
冷蔵庫の中をごそごそする音がする。
薄目でその光景を見ていると、とうきはなにやら大きな袋を持ってきた。
「ほら、これ。」
「…。なにこれ?」
「今日は善子の誕生日だろ?俺、サプライズとか苦手だから最初から渡そうと思ってな。」
「そ、そう…。ありがとう?」
「おう、そんじゃちょっと早いけど学校行くぞ。」
「あ、待ってよ!!」
私はとても複雑な気分だった。
うれしいという気持ちと切ない気持ちが混ざり合ったような感覚…。
そして、わがままを言うのなら、もう少しロマンチックなのがよかったわよ…。
しかもなんで朝からケーキなのよ!!
--学校--
「おは善子ずら。」
「ヨハネよ!」
「今日は善子ちゃんの誕生日ずらね。」
「そ、そうね。」
「じゃあ、これ。あげるずら。」
「え?これってのっぽパン?」
「あ、おはよ!善子ちゃん!」
「ヨハネ!」
「ルビィはあめちゃんあげるね!」
「あ、ありがとう!」
あれ、なんだか、朝のせいで今日の誕生日がなんだか重く感じる…。
でも、こんなこと思うって私わがまますぎるよね…。
気を取り直して行くわよ!!
--放課後--
「はぁ~、授業疲れた!とうき、早く帰ってゲームするわよ!」
「悪い善子。今日は補修があるからさきに帰ってくれ。」
「え?あんたそんなに成績悪くないのになんで?」
「まぁ、いろいろあんだよ。」
「色々?まあ、いいわ。先帰ってるわ。」
「おう。」
--帰路--
「みんなに祝われたけど、やっぱり複雑な気持ちね…。」
ガラガラガラ
ん?何の音かしら?台車の音?
その瞬間、私の視界は真っ暗になり、気絶してしまった…。
目が覚めてもなお、目の前が真っ暗になったままだった。
なにこれ、完全に誘拐よね…、はぁ、なんで誕生日の日なのにも関わらず、こんな事件に巻き込まれなきゃいけないのよ…。
ん?なんか聞き覚えのある話し声が…。
そう思ったとたん、目隠しが外された。
パァーン!!
「な、なにが起こったのよ?!」
「善子{ちゃん}!誕生日おめでとう!」
「へ?」
「善子、誕生日おめでとう!」
「あんたサプライズ苦手って今朝…。」
「まあ、そこで言ったらサプライズじゃなくなっちゃうしな。」
「な、なるほど。って納得できる訳ないじゃない!!」
「あれ?善子ちゃん怒ってるずら?」
「怒ってないわよ!でも…すっごく怖かったんだから…。」
「それはすまなかった。その辺は不器用の俺に面して許してくれ。」
「ふん、つぎやったら許さないんだから!」
「ああ、約束しよう。」
「ところで、ヨハネ様。」
「なぁに?」
「あなたのために買ったチョコフォンデがあるのですが…。」
「チョコあるの!!それは、うれしいわ!!」
「リトルデーモンマルに、食いつくされそうです。」
「え?」
ずら丸のほうに目をやると、ケーキを食べ始めていた。
「ちょ、ちょっと!なにやってんのよ!私の誕生日なのに!」
「善子ちゃんの分はちゃんとあるから大丈夫ずらよ。」
なんやかんや楽しんでるようでよかった。ここまで運んでくるのに台車にのせるなりで色々としんどかったが、それを踏まえても善子の笑顔が見れてよかった、よかった!
「なにボーとしてんのよ!あんたの分なくなるわよ!」
「それは、いやだなぁ。さて、おれも食べるか!」
…
「あー!食った、食った。」
「もう動けない…。」
「善子…、もしかして、太った?」
「うるさいわよ!」
「あれ、そういえば二人は?」
スー…、スー…。
「あ、寝ちゃってる。まあ、二人とも善子の誕生日会の企画で色々手伝ってもらったしその内お礼しないとな。」
「ねえ、」
「ん?どうかしたか?」
「星…。」
「え?」
「星でも見に行かない?」
「ああ、星か!いいな、行こう!」
「うん!」
星を見始めて、数分後。
「あれが夏の大三角形だな。いやー、やっぱり星はいいよな!って、善子聞いてるのか?」
コンッ
「ん?」
「」スゥー、スゥー
「寝てるのか?」
「」スゥー、スゥー
「プレゼントあげないぞ~。」
「」スゥー、スゥー
「まあ、もう少し付き合ってやるか。」
ごめんね、とうき。実はずっと起きてるの。一つ訂正さしてね。私のいま一番欲しいプレゼントはものじゃなくて<あなたと一緒にいる時間>が一番いいプレゼントだよ。
ありがとう!とうき♪大好きだよ♥️
善子の誕生日ということで、慌てて書きました笑笑
それでは、また二週間後会いましょう!!
それではまた!ヨーソロー