『AIは夢を見るのか』
……どこかの時代、どこかの国。
誰かが思ったその疑問。
「なぁ……お前は、どう思う?」
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「ん……」
目を覚ます。
「お…あれ?」
瞬きを、数回。
「…………えぇ……?」
消えたはずの意識。
消えたはずの知識。
消えたはずの
「う、ウソだろ……」
無二の相棒とのデュエルで、その存在の一切を消去したはずの『
何故か
なんでか
「ウ~~~ソ~~だ~~~ろ~~~~!!??」
復活してるじゃねーーか!!!!
「どゆこと!? え、どゆことぉ!?」
なんだなんでだなんでなんだ!
バックアップなんて1bitも残さなかったぞオレ!
「まさか……"ハノイ"のヤツら……」
かつてオレを含めた6体の意思を持つAI、『イグニス』を造り出した科学者たちについて思い立つ。
「……なわけねーよな」
が、その可能性をすぐに捨てた。
そもそもとしてヤツら……『ハノイの騎士』の大目的は、オレたちイグニスとそれに関わるデータ生命、『サイバース』の殲滅だったからだ。
それに、意思を持ったAIが欲しいならすでに次世代型である『パンドール』を開発していた。
「じゃあ……誰がオレを……」
『───
……心当たりは、あった。
「まさか……」
────アイツだったら。
「…………」
"期待"
「……」
"不安"
「……ううん……」
なんだこれ
なんだこの、"感情"。
「……言語化できねえ」
人間のモノより遥かに優れてたアルゴリズムを持つはずの『イグニス』……そんなオレでもやっぱり解析しきれないこの、"感情"。
「わかんねーな……わかんねーよ」
今更ながら、ちょっと後悔。
「もっとこーゆーの、色々調べときゃよかったな」
…………。
「……なわけ、ねーよな」
そうだよ、オレがどんだけ、アイツをひどい目に遇わせてきたんだ……
ねーよ……あるわけねーんだよ……
「財前か、SOLのもっと上のヤツらか……そこらへんか」
取り敢えず、手頃なネットワークに潜り込んで地道に探して……
「…………あり?」
ネットワーク……見つかんねぇ。
「つーか……」
周囲を、見回す。
「────ここ、どこ?」
この空間、オレ以外の『存在』と呼べるものは、
全くと言っていいほど、何もなかった。
「誰かぁーーー!!返事してぇえーーーーーーー!!」
そうなんです。オレ、遭難です。
「あ、今のうめーな……じゃねーよ!!」
我ながら自分の緊張感のなさにビックリする。
つーかマジで笑い事じゃねーし!
「ど、どこか……出口……出口プリーズ!!」
堪らず空間を四方八方に飛び回る。
……今更ながら、オレの姿がアイツと逢う直前の一番ショボい形態にもどっていたことに気付いた。
「だ、誰か……誰でもいいからこっから出してぇーー!!」
心……そう、"心"からの叫びだった。
その時。
『──応えよ』
「およ!?」
風が吹いた。
『我が声に、応えよ!!』
「だ、誰だ!? 誰かいんのか!?」
眼球のようになった体をぐりぐりと動かし音源を探す。
すると、目の前にポッカリと、楕円形の穴が空いているのを認識した。
『我が声に応えよー!!!!』
「なぬっ!?」
さらには、まるで「ここに飛び込め」と言わんばかりにさっきの声が聞こえるではないか。
「マジで!?……え、これ……マジかやったー!!」
もうなんでもいい。
このなんもない空間から抜け出せるなら。
「誰だか知んねーが待ってろー!!」
わかんねーことは今は置いとくぜ。
それよりもこの、目の前の新しい世界への風を
オレは掴む。
少なくとも、シミュレーションじゃ見つかんねー未来が待ってるはずだからな。
「
✡️✡️✡️✡️✡️✡️✡️✡️✡️✡️✡️✡️
「あ……な……」
「───お、もしかして」
「な、ななな……」
「オレを呼んだの、お前か?」
「る、ルイズが……」
「『ゼロ』のルイズが……」
「貴族を召喚したぞーーーー!!」
「なんでなのよーーーーー!!!!」
「オレ様の名は
人を愛するって意味の、
また、風が吹いた。