ゼロの使-Ai-魔   作:ポロシカマン

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果たし-Ai……⑤

「ルイズ、それにアイ君……すまなかった」

 

 シエスタちゃんと談笑していると、ギーシュが突然、膝をぬかるんだ地面に立ててながらオレとルイズに頭を下げた。

 

「いきなりどうしたのよ」

「そもそも、今回の決闘は僕が始めに言い出したことだ。ルイズを侮辱した僕に注意してくれたアイ君を逆恨みしてね……」

「……そう、だったわね」

 

 居心地が悪そうにしているルイズに、シエスタちゃんがそっと隣に寄り添う。

 

「ルイズ……正直に話すよ。僕は君を下に見ることで、自分の欠点から目を反らしていた……『魔法の使えないルイズよりはマシだ』と思うことで、臆病者の自分を正当化していたんだ」

「…………ふぅん」

「僕は怠惰で、卑怯者だった」

 

 鼻声混じりの独白。

 初めて会った時とは違う、本心からの謝罪だった。

 

「今までの非礼を許してくれとは言わない……ただ、この愚かなギーシュは今後二度と……ルイズ、君の前に現れないことを誓おう」

 

 ギーシュは、静かに胸のバラに手を当てながら、目を伏した。

 

「──……。」

 

 そこから顔を背け、口元をもごもごとするルイズ。

 はぁ…………しょうがねぇなぁ。

 

「おい、ご主人タマよ」

「……なに?」

「言いたいことがあるんじゃねーのか?」

「……!」

 

 なにをびっくりしてんだか。

 バレバレだっつの。

 

「そんなにそわそわしてよ、本心隠してんの丸わかりだぜ」

「ほ、本心って何よ!!」

 

 改めて謝罪しようとしたギーシュを制し、ルイズに言葉を続ける。

 

「あるだろ?」

「ないわよ」

「……はぁー……」

 

 まー!意固地になっちゃってこの子はもー……しょうがないんだから!!

 もういい!強行手段よ!!

 

「いいかルイズ!」

「うにゅ!?」

 

 初めて会った時のように、ルイズの頬を両手で掴んで無理やりオレと視線を合わせる。

 

「オレもギーシュもシエスタちゃんも、ここにいるヤツはもうお前をバカにしねぇ!……な!」

 

 ギーシュとシエスタが、強く頷く。

 

「だから言いたいこと、全部ここでゲロっちまえ!」

「う、うぅ……」

「……なぁ、ルイズ」

 

 手を離し、ルイズと直線で視線にが重なるように、腰を落とす。

 

「オレを……信じてくれ」

「…………Ai(アイ)……」

「頼む。……お前に、後悔してほしくねぇんだ」

 

 今度はオレも、頭を下げた。

 

「…………」

「…………」

「…………わかった」

 

 その言葉を、待っていた。

 嬉しくって、つい顔を上げてしまった。

 

「ねぇ、ギーシュ」

「……なんだい?」

 

 ルイズは、今度こそ目を合わせ、ギーシュに向き合った。

 

 

「──私に……魔法の使い方、教えてほしいの!!」

 

 

 そして、腹の底から引き釣りだしたように、大きな声でそう言った。

 

「…………いい、のかい?」

「他のメイジに頼むより全然マシよ。その、あ、あんたは……」

 

 少し吃りながらも、ルイズは言葉を絶やさない。

 

「謝ってくれたから……」

「……ルイズ」

「……だから!!二度と私の前に現れないとか……逆に迷惑なのよ!つべこべ言わずに魔法教えなさいよ!!」

 言い終えて、顔を真っ赤にして、ルイズはそれを隠すように、顔を俯かせた。

 

 そんな顔に、ギーシュは気持ちのいい笑顔で返した。

 

「……喜んで!!」

 

 こうして、ルイズの一世一代の頼みごとは快諾された。

 

 

 

「──よし!いい感じに締まったところで!」

「きゃ!?」

 

 シエスタちゃんを肩を掴み、そっと抱き寄せる。

 

「ア、アイさん……!?」

「決闘も終わったことだし……約束通り、シエスタちゃんに優しく洗濯の仕方教えてもらおっかなー!」

 

 とかなんとか言いながら。すぐ横のシエスタにAi(アイ)ちゃんウインクをお見舞い。

 

「うぇえええ!?」

 

 決まった……顔が真っ赤だぜ。フゥ!

 

「おいおい忘れちゃった?……オレとのヤ・ク・ソ・ク」

「わ、わわわわ忘れてません!」

「……ホントぉ?」

「は、はい、はいーー!」

 

 もー、そんなに恥ずかしがっちゃってぇ……。

 …………お。

 

「…………。」

「な、なんでずっと、見つめてくるん……ですか??」

「……お前のキレーな目、見てたから」

「はうわ!?」

 

 …………なるほどな。

 理解してきたぜ……人間の女の子の、『良さ』ってやつが!

 

「シエスタ」

「……は、い」

「お前の……」

「……ごくり」

「お前のめ「いい加減にしろぉおおおーーーっ!!!」

「あばりゃんっ!?」

「きゃーーー!?」

「アイくぅん!!!?」

 

 怒れるルイズがダイレクトアタック!!

 オレの腹に大ダメージ!!ライフポイントが減る音!! 

 

「あわ、あわ、あわわ」

「…………」

「はー、はー…………はぁーっ…………シエスタ」

「はい……」

「本気にしちゃ、ダメよ……」

「…………うぅ」

 

 

 

 

 

「……………………………………いやシエスタの眼ってマジでカワいくね?」 

「懲りなさいよっ!!!!!」

「ブぁんッ!?」

「アイさん!!!」

「アイくぅーーん!!!?」

「……シエスタ」

「は……え、はい!?」

「もう私、服は自分で洗濯することにする!!」

「…………私でよければ、お手伝いしますよ?」

「……助かるわ!!」

「――……死ぬなぁーー!!アイ君ーー!!」

「…………」

「はッ!?……息を……していない……!!??」

「――当たり前だろオレ機械の体だから」

「アイくん……――――アイくぅーーーーん!!」

「いや生きてるの見てぇ!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「んん~、いいもの観れたわね~~!!」

「…………」

「大剣持ちの黒騎士に、雷を操るドラゴン!!……威力はもちろん、見映えまで完璧だなんて……ふふ、興味深いわ」

「…………」

「人間の男にも若干飽きが来てたところだし……ふふふ、今夜あたりにでも……」

「やめたほうがいい」

「……タバサ?」

「あの男だけは、やめたほうがいい」

「……珍しいじゃない、あんたが男の趣味に口を出すなんて。……まさかとは思うけどあんた彼を」

「違う」

「…………ふぅん」

「……とにかく、忠告はした」

「えぇ、ありがたく受け取っておくわ」

「……図書館によってから、帰る」

「うん、わかったわ。じゃね~」

「……また」

「…………ふぅ」

 

 

 

 

「何を隠してるか知らないけど、関係ないわ。手を出すなって言われて素直に引くような女じゃないわよ、私。……ツェルプストーの名に懸けて、必ずモノにしてやるわ……アイ。……フフフフフ!!」

 

 

 

 

 

 

「なんか存在しないはずの寒気がする」

「……ヴェルダンデ!!アイ君を抱擁するんだッ!!」

「うおモグラ!?……あ」

「どうだい?」

「もふもふで……いいっすね……」

「だろう~~~~~?あ、せっかくだから僕も……」

「「もふもふ~~~!!」」

「ひっどい絵面だわ……」

 

 

 晴天からから春の日、Ai(アイ)とその仲間たちの運命は、ゆっくりと動き始める。

 ……かもしんない。もふもふ。

 

 

 

 

 

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