「おいおい、お前なんかが僕に勝てるわけねぇだろ!!あまちゃんが!!」
小学校で引退したデュエルモンスターズ。
特に理由はなかった。いつの間にかカードを触る機会が減り、気づいたら押入れの中に全部突っ込んでいた。
その後近くの公立中学に入学して部活にも入ることなくダラダラと過ごしていた。
俺、
そんなつまらない日々に終わりを迎えさせた人物がいた。
(どうも、
角野飛鳥
一見、可愛らしいお嬢様系な彼女。
黒髪ロングはまさにその代名詞ともいえるだろう。
顔立ちは整っているし、話し方も上品だし。
彼女が教室に入ってきたときの男子の反応から見ても、かなりレベルが高い。
角野が座った席は廊下側の一番後ろ。俺はその二つ前だ。だからって何かが変わるわけではない。
それなのに、なぜ。
転校生、角野飛鳥が俺のクラスに来た日の帰り。
俺はいつも通り自宅への帰路についていた。
本当にいつも通り帰っていたんだ。
「おい!……よぉ、負け……だから………と金出せよ。なぁ!!」
(ん?なんかえらく喧嘩してるみたいだな、ここらへんじゃ珍しいなぁ。ちょっと見に行ってやろ。)
細い路地になっている場所だった。
近づくにつれ徐々に叫び声も大きくなっていく。
「これが賭けデュエルってわかっててやってんだもんなぁ、そんならちゃっちゃと出すもん出せよ!!」
「いやぁ、勘弁してよぉ。ね、こんなことせずに早く家に帰りなよ。」
叫んでいるのは、大き目なレンズのサングラスをつけ、黒のレザーコートと青色の強いジーンズを履いた小柄の少年。
一方暴言を吐かれているのは180cmはあると思われる、長身の青年。大学生ぐらいだろうか。彼は少年の威圧により地面にへたり込んでいる
(これって結構ガチ目にヤバい喧嘩じゃん、結構面白いかも。こっからじゃよく見えないなぁ、もちょっと近づいてみるか。wktk)
「そうか、じゃぁ早く家に帰るためにおっさんにはここで死んでもらおうかな。知ってるか?この世界にはな、遊びで済まされないことがあんだよ!」
その叫びと共に少年の背後から影のようなものがヌクっと起き上がっていた。
少年の姿勢を模した影のようなものはどんどん膨れ上がり、そのまま俺の少し後ろまで覆い囲ってしまった。
(なんだこれ、何も見えねぇぞ。どうなってんだ?てか、さっき見えたあれってまさか…)
「わ、うぁ、ぎゃ、ぎゃー、ややや、やめて、ごめんなさいごめんなさいごめなッ」
突如響く長身の男の悲鳴が聖夜の耳を震わせる。
全力の叫びがしばらく続き、電源が切れる如く叫び声は止んだ。
(え?どうなったんだ、さっきの奴もしかして死んじまったのか?やばいやばいやばいやばい!!逃げないと、殺される!)
「そこのお前、逃がすと思うか?」
「ッ?!」
「こっちに来いよ。こいつの死に顔、笑えるぜ。ま、お前もすぐにこうなるんだけどな!!」
聖夜は毎日つまらない日々を送っていた。
そんな自分が嫌いで嫌いでしょうがなかった。
中学生活をこのまま堕落し過ごすことが許せなかった。
何もしようとしなかったのは自分だというのに。
「殺してみろよ、カードでな!」
(さっきあいつの後ろに見えた影のようなもの、あれを俺は前見たことがある。俺の勘が当たっていれば…)
「へー、いいねぇ。よくわかってんじゃん。楽しめそうだよ、神池聖夜!」
そう言いレザーコートを脱ぎ捨てた。
聖夜は自分の名を口にされ少年を凝視する。
「お前は……。」
その姿には見覚えがあった。
整った顔立ち。
長く艶のある黒髪。
話し方は上品ではないけれど間違いない。
「角野飛鳥」
「そうだよ、覚えててくれたのかい。まぁ君にはすぐに消えてもらうことになるんだけどね」
別人ではないらしい、こいつはいったい何をしているんだ。
とりあえずこの場を切り抜けないと。
小学校でデュエルモンスターズを引退したわけだが、お気に入りのデッキだけはどうも手放せなかった。以来ずっとかばんの奥の奥に入れていたデッキ。
(もう一回力を貸してもらっていいかな、頼むぜ!)
「俺は負けない、やることが見つかった。お前を倒すということがな!」
「おいおい、お前なんかが僕に勝てるわけねぇだろ!!あまちゃんが!!」
ありがとうございました
【遊戯王オリジネーション】の第一話 ギャップ持ちのお嬢様はごめんだぜ story編
でした。
改めて、初めまして。るるにゃです。
完全とまではいきませんが遊戯王を題材としたオリジナル作品でございます。
毎話story編とデュエル編に分けて投稿します。
基本的にデュエル編ではあまりセリフはいれません。
なのでデュエルだけ見たいという方はデュエル編だけ見ていただければokです(*^。^*)
これから投稿頑張りますのでよろしくお願いします<m(__)m>