クールビューティーな紗夜さんを返して(涙)   作:黒ハム

11 / 79
会議って何だっけ?

 今日はCiRCLE合同対策会議。俺は……

 

「何で会場準備しねぇといけねぇんだ……」

 

 他の皆がわいわい集まる中、机の設置、資料の配布などを一人で行っていた……マジかよ。

 というかあれ?男俺だけじゃん……うわぁ……超帰りたい。というか俺の生活極端なんだよ。周りに男しかいないか、女しかいないか、誰もいないか。もっとこう……いい感じのバランスで混ざるときはないのか?ないな。ないから悲しいな。

 

「これより第1回打ち合わせを始めたいと思います」

 

 牛込りみの発言によって会議はスタートする。司会は香澄以下Poppin' Partyの皆様。議事録(っぽいもの)担当、俺。見守り担当、まりなさん。

 そのため、俺はまりなさんの隣でパソコンと睨めっこしている。

 そしてPoppin' Party以外の皆さんは純粋な会議参加者。……大丈夫かこれ。お前ら頼むから俺の身を考えて発言しろよ?

 

「趣旨の説明」

 

 有咲によって呼ばれた香澄が趣旨の説明を始める。俺も、趣旨と打つが、

 

「はいっ!みんなでキラキラドキドキな楽しいライブが出来ればいいなって思います!」

 

 空気が一瞬にして死んだ。俺も思わず手が止まった。

 

「……悪い。もう一回言ってくれないか?このライブの趣旨」

「だから、みんなでキラキラドキドキな楽しいライブが出来ればいいなって感じです」

 

 ダメだ。どうやら聞き間違いじゃないらしい。

 

「具体的には?」

 

 さすが紗夜さん!やっぱりここはあなた様の出番ですよね!

 ……はっ!気付いてしまった。これもしや、紗夜さんの周りにポンコツを並べれば、紗夜さんのポンコツが打ち消され、常識のあり、さらにクールな一面しかなくなるのでは?そ、そうか!ポンコツというデメリットを、ポンコツを周りにおいて、ポンコツっぷりを見せないで居ればクールビューティーな一面が残るのでは?マイナスをマイナスの中に隠せば目立たずプラスが残るってわけか!こ、これは新理論として提唱、実証しなければ……!

 

「あー冬木くん」

「…………!」

「おーい」

「何ですかまりなさん。俺は今忙しいんですよ。素晴らしい新理論を見つけたのでゆくゆくは論文として纏め、クールビューティー集会にて発表しようと思います。そのために今、その理論に関し、使えそうな資料や実験データをまとめて……」

「あーうん。君、議事録担当だからその……ものすごいスピードで、そんな長文を打たないで?ね?その論文?も書くのは家に帰ってからに……」

「……ん?よく見てくださいよまりなさん。しっかりメモも打っています」

「あれ?……ま、まさか、パソコン二台同時に操ってたの……?」

「はぁ。常識ですよ?クールビューティーの為なら人は限界を超えられるんです。義務教育で習ってませんか?」

「「「…………」」」

 

 するとまりなさんと多くの会議参加者が頭を抱えていた。何故だろう。よく分かんないや。

 

「で?香澄。具体的って言われてキラキラとか星の鼓動とか……何も決まってないだろ」

「書記がしっかり仕事してた……じゃなかった、具体的なことは次回までに提出しますので……」

 

 そう言うのは山吹沙綾。まぁ、次回までに……え?次回も俺参加するのか?

 

「じゃあ、順番を。先に順番を決めましょう」

「私達は自分の演奏が出来れば順番なんて」

 

 Afterglow、希望、どこでも。

 

「最後は私たちに決まってるわ」

 

 Roselia、希望、最後。

 

「すみません……その日は仕事が入ってるの最後にしてもらえると……」

 

 Pastel*Palettes、希望、最後。

 

「最後に私たちでドーン!ってリボンのシャワーを打ったらみんな笑顔になれると思うの!」

 

 ハロー、ハッピーワールド!、希望、最後にリボンのシャワー。

 

「最後に25人全員できらきら星歌いたい!」

 

 Poppin' Party、希望、全員で最後きらきら星。

 

「……やっぱりあたしたちも最後がいいかな」

 

 Afterglow、希望、どこでも→最後。

 

「「「…………」」」

 

 結論。全員の希望が重なった。

 

「た、タイトル!タイトル決めましょう!」

 

 結果、諦めた。諦めてタイトルに走るが……

 

「好き放題言ってくれるなぁ……!」

 

 最初は香澄がキラキラパーティー!って言って、あこちゃんが中二臭いのを出して、そしたらはぐみがミッシェルと愉快な仲間たちと路線変更。更に千聖が商店街の皆様から希望を取るって言い始め、もうまとまりが見えなくなったところでリサ姐が好きなフレーズを言い合ってそこから作ればと提案。

 そしたら何と皆がマジで好き放題言ってくれる結果に。そのせいで論文まで手が回らず両手でPCの処理速度の限界にチャレンジすることに。

 おい日菜、お前おねーちゃん言い過ぎだろ。他の奴らも何でミッシェルとかコロッケとかああ打つ側の気持ちを考えてくれ……!

 と、皆が好き放題言う中、香澄が両手で机をば-ん!

 

「「「…………!」」」

 

 お、皆が静かになった……え?でも、香澄……お前何を言うつもり……

 

「私、おなかすいたかも!」

 

 …………あーそう来たか。そしてそのまま日菜の提案でファミレスに行くことに。リサ姐も賛同し、皆で移動して……やっぱり、真面目な常識人たちが流されていく……いや、あの中にそもそも常識人いたっけ(疑問)?いないな(確信)。

 全く……俺くらいじゃないか、常識人なの。はぁ、これ本当に決まるのか?

 

「今日の会議意味あったのかな!」

 

 俺は本日の議事録の最後にこう書いた。第1回合同会議、何も決まらず終了と。

 

「じゃあ、俺は今からちょっとクールビューティー協会に提出する論文を作成するんで失礼しまーす」

「あ、うん。お疲れーじゃないです。片付けまでしっかりと……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「これより、定例部会を開催する」

 

 翌日、放課後、雨。今日は外で部活ができないので、空き教室を借りて会議を行う。ちなみに定例と付いているがほとんどやってない……不定期の間違いだろ?

 と、ツッコミを入れたいがキャプテンが神妙な面持ちをしていたので黙る。

 

「議題はこれだ」

 

 そして、議題を書く。えーっと?

 

「『部員のL○NE事情~女子編~』おい、俺たちサッカー部。何阿呆なことで会議開いてんだ」

 

 昨日の会議といい、どうやら俺の周りには残念なことにまともな会議が出来る環境は存在しないようだ。

 

「阿呆なことだと?とても重要なことだ。いいか?俺がキャプテンになってから、何処かの誰かはサッカーより女を優先している節がある。これは我らサッカー部にとって由々しき問題。故にここで我らサッカー部は何をするべきかを示す。いい機会じゃないか。なぁ冬木?」

「本音は?」

「女子とイチャコラしている奴は羨ましいんじゃボケェ!」

 

 黒板を拳でドーン!

 ダメだ。私怨であふれてやがる。

 

「だが、冬木だけとも限らん。他の部員も時折サボっているからな。ここはキャプテン自らが道を正そうというわけだ。文化祭も近いし、結束を高めておくに超したことない」

 

 他の部員たちもバツの悪そうな顔をするものも何人か。

 

「ちなみに、俺よりもL○NEで女子の友達が多いやつは全員有罪だ」

「「「…………」」」

 

 マジで言ってるの?

 

「そういうキャプテンは何人ですか?」

 

 お、後輩ナイス。そうだよな。そこ知らないと話進まないよな。

 

「俺か?……フッ…………」

 

 そう言うと軽く笑って、

 

「ゼロだぁっ!」

 

 叫んだ。

 

「おいキャプテン。俺たちはお前のバレンタインに親以外から貰ったチョコの数を聞いてるんじゃねぇんだぞ?」

「ふんっ」

 

 そう言うとスマホを投げ渡してくる。

 

「なら見てみろ」

 

 ということで俺が操作、後ろから他の部員がのぞき込む形で見る……えーっと。

 

「…………」

「…………」

「…………」

 

 お、男しかいねぇ……!

 

「あ、先輩!この人女の人じゃ……」

「いや違う!これあの人の母親だ!」

「え?じゃあ本当に母親以外に女の人のL○NEが……」

 

 いたたまれない空気になった。ま、まさか……本当にゼロとは思わなかった。

 

「…………すまん」

 

 俺はそっと返す。そして、

 

「さぁ、皆帰るぞー」

「「「おー」」」

 

 そのまま帰ろうとする……だが。

 

「おいおい逃がすわけがないだろう?」

 

 キャプテンが帰り道を塞いだ。

 

「…………面倒だ。僕から進言しよう」

「ほう、千石か」

 

 千石。クラスメートでもある。あの嫉妬しない組の片方である。

 

「お前はさっき女子の友達って行った。兄弟姉妹は当然除くよな?」

「ああ」

「除くと何人か居るが……奴らは友達ではない」

 

 …………は?

 

「証拠に会話も事務的な事ばかり。俗に言う、連絡用に追加しただけだ」

「ならば無罪」

 

 …………えぇ……おい、千石の口角が少し上がってるぞ?こいつ、絶対お前のこと騙すのチョロいって思ってるぞ。

 

「じゃあ次俺行くわー」

 

 軽い口調で言ったのは森下である。

 

「カノジョは友達じゃない。だから俺もゼロー」

 

 ちなみにちょっとチャラい系のクラスメートである。こいつが嫉妬しない組のもう片方である。

 

「……の割には何人か居るようだが?」

「あー元カノ元カノー」

「…………」

 

 黙り込むキャプテン。ちなみに、森下はあからさまな棒読みであることから、さっきのは嘘だろう。

 

「……お前がトップだったら有罪。それ以外は無罪」

「あいよー」

 

 ……なるほど…………このキャプテン。さてはチョロいな?

 

「というわけでだ、冬木ーゴー」

「…………どうせお前がトップだ」

 

 すると既にキャプテンから判決を受けた二人が俺を差し出す。なるほど……これが狙いか。

 

「ふっ……細かくは数えていないが俺は30を超えている」

「よし、死刑」

「待て待て」

「何がおかしい?」

「もう有罪通り越してる」

「そうだったな。極刑に処す」

「落ち着けっての。いいか?超えているように見えるだけだ……まずキャプテン。この学校の女子のは連絡用だ。後、年増は女子じゃないよな?」

「そうだな」

 

 よし、まりなさん除外。この学校のやつも減ったから一気に25まで減った。

 

「女神様はそもそも人じゃないよな」

「はぁ?」

「おいテメェ、まさか女神様を人間と一緒にしてんじゃねぇよな?あ゛ぁ゛?神聖で高潔な存在だぞ?おいこらテメェ舐めたこと言ってるとぶっとば」

「分かった分かった。お前の面倒なスイッチが入ることは分かったから次行け」

「あと、魔王も人じゃないよな?」

「お、おう……」

 

 これで二人っと。

 

「姉妹は入らないから姐さんって慕っている人も違うし、あ、ゲーム仲間も友達というには少し違うよな。それにネコと音楽ガチ勢も違うな」

「お、おう……?」

 

 これで四人。

 さて、後19っと。このペースなら行けるな。たたみかけよう。

 

「ゆるふわ、るんっ、フヘヘ、ブシドー、キラキラ、ウサギ、チョココロネ、パン屋娘、インドア派、ダイエット、赤メッシュ、ソイヤ、大食い、珈琲店娘、黒服付き、儚い、ふえぇ、コロッケ、ミッシェルも違うよな」

「待て待て。お前今のは無理が……」

「……何が違うのかが分からん」

「よし、許そう」

 

 森下と千石は無視するものとする。そうすると、なんと残念なことに、

 

「じゃあゼロだ」

「それはおかしい」

「…………?」

 

 おかしい。キャプテンは何を言ってるのだろう。

 

「今の超絶理論により、ゼロとなったはずだが?何か不満でもあるか?」

「いや、お前がゼロなのはおかしい。よって嘘をついてるものとみなし有罪」

「な、暴論だろお前!」

「いやー今のは冬木が悪い」

「……処されろ。僕たちの分まで」

 

 旗色が悪いか……よし。

 俺は鞄とスマホを持って逃走した。

 

「逃がすなぁっ!」

「「「おぅ!」」」

 

 どうやら今日の鬼ごっこの舞台は学校らしい。

 

「さて、じゃあ帰るかー」

「…………眠い」

 

 ちなみに二人は助けてくれないらしい。悲しい。

 後日、何故か千聖とまりなさんから聞かれた。何か余分なこと言ったかっと。特に覚えていないので無視した。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。