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そして土曜日になった。
『善灯高校対虎南高校。1対2で虎南高校の勝ちです』
「「「ありがとうございましたー」」」
午前9時30分。第一試合終了。
本日は何ともハードな日程を組まれた。この後、次のチームが試合し、11時から12時まで昼休憩。その後12時から俺たちの第二試合……さらに15時頃から俺たちの第三試合。今日は三試合……死ぬよ?マジで。
そして何と、今回の試合……リーグ戦なんだが、四チーム中上位二チームになると決勝リーグへ。決勝リーグは明日なので…………つまりヤバい。
「ふぅーお疲れだ。皆、しっかり休みつつ次に備えるぞ」
「だな。たく、何というハードスケジュール」
「……仕方ない。こういうこともある」
「いやレアケース。絶対レアケース」
レギュラー陣を温存……なんて芸当、俺たちには出来ず。いや、やろうとしたよ?善灯高校はこの地区ではそこまで強くない。だからキャプテン、俺、森下、千石は前半はベンチに居たが……まぁ、0対1で負けてたな。で、流石にマズかったので四人交代。流石にフィールドにまとめる役というかチームの支柱が誰もいないのはマズかったなと反省しています。
…………どれもこれも監督がいないせいだ。顧問は……来てはいるけどベンチで座ってるだけ。まぁ、あの人サッカーについてよく分かってないししょうがない。
「……後の二試合は桃山浦高校、赤巻高校の二つ。どちらも強敵」
「だなー。どっちも最初からフルメンバーで行かないと勝ち目はないよなー」
「体力なら二試合分くらいフルで走れるだけあるだろ?お前ら」
「多分な。主にあの鬼畜ランニングのせいでな」
ただ、試合で走るのとランニングは違う。そのためバカみたいに体力はあるけど、流石に二試合持つかは知らん。連続ではないからまだマシだけど。
「キャプテン。先輩」
「おぉーどうした?」
「桃山浦と赤巻ですが、5対0で桃山浦が勝ちました」
…………何だと?二つとも強豪……そんなに実力は離れていないはず。
「……やったな」
「何をだ?」
「……捨てた。赤巻は桃山浦との試合を捨てた」
「なるほどねー。上がるために」
「戦略の一つとしてはありだが……」
温存するために捨てに来たか。話によれば主戦力はベンチにずっと居たらしい。点差が離れていこうとベンチでは最初から善灯と虎南に向けて対策しているらしい。
「…………僕らも対策会議を始めようか」
「だなー」
ボードを取り出して、そこに駒とかを置いて話を進めていく。
11時。試合終了……とほぼ同時に何かコンテナ部分がでかいトラックが突っ込んできた。…………いや、事故とかそういうわけじゃなくて何かトラックがフィールドギリギリのスペースに鎮座した。そこから出て来た
「は?」
すると何か
『ただいまより。ガールズバンドによる演奏を始めます』
すると大会本部が何か言い出した。おいこらまさか……
「……なぁ。先週、急遽大会の開始が1時間早まった理由って……」
「……これだな」
「あははー粋なことするねー見ろよ。もうキャプテンなんて皆引き連れて前の方に走ってたっぞ」
「はやっ!?アイツ早くねぇか!?」
「……いや、他校や観客も同じようにやってる」
「告知でもあったのかねーまぁ、ウチの顧問アレだし」
…………何がどうしてこうなっているんだろう。
『皆さーん!今日は時間を頂きありがとうございまーす!短い時間ですが私たちのバンドで盛り上げていきましょう!』
…………何故だろう。あの司会……香澄だな。うん。何故アイツに任せたのかは知らんがそのサイドには……蘭、友希那さん、こころ、彩とボーカル陣。その後ろには他のメンバーが……何で勢揃いしてんの?ねぇなんで君たち勢揃いしているの?
「「「うぉおおおおおおおっ!」」」
凄いなぁ……まぁ、ウチのキャプテンたちが筆頭に盛り上がってるが……ん?黒服さんが呼んでる?
「何でしょう?」
「すみません。このようなことに」
「……いや、謝ることはないんですけど……」
「実は、冬木様がこちらの大会に出場すると聞いたこころ様が」
待って。千聖もだけど俺それまりなさんにしか言ってない。
「『そこで演奏したらきっと盛り上がるわ!』とおっしゃって」
ですよねー。
「さらに他の皆様も次週にある『さ~くる合同ライブ』の前舞台としてちょうどいいと」
あー流されたんですねー。
「後は権力でこれです」
流石弦巻家だぁー。ほんと、ヤバい権力の持ち主だ。そりゃ大会運営側も逆らえないわなぁ……
「バンド、メンバー紹介も終わったようです」
ホントだ。紹介が終わって一組目のポピパが演奏を始める。……なるほどな。先週もたえと香澄は聞いたがやっぱりポピパで五人揃うと違うな……後Roseliaとも雰囲気が違う。
次はアフグロ……彼女たちの曲が始まる。ポピパのポップな曲からアフグロのロックへと移り変わる。会場の熱も段々と上がっていく。
そしてパスパレ。アイドルバンドだからか知名度が高いのか出ただけで盛り上がる。だが、曲もその盛り上がりを冷めないぐらい凄かった。
四番目はハロハピ……やっぱ改めてみるとミッシェルの存在感……!ミッシェル……!ダメだ。ミッシェルだけ見てたらよく考えなくても……あーなんだこの心配感……。別の意味でドキドキだわ……。
最後はRoselia。彼女たちはウチの高校で見たからね。ウチのサッカー部が一番盛り上がってる。まぁ、先週はウチの学校、ガールズバンドの話題で持ちきりだったからなぁ。紗夜さんに劣情を抱いたやつは片っ端からぶちのめしたけど。いいか?紗夜さんは神だから崇めるものだ。そんな対象で見るやつは全員(ピーーー)。
『ありがとうございました』
『短い時間でしたが楽しかったです!』
『この後も頑張ってください!』
……どのバンドもやっぱすげぇな。って気付いたらもうこんな時間かよ。
「試合開始まで残り20分を切ったか」
「よし、アップするぞ!」
「「「おう!」」」
彼女たちの演奏で何だか力をもらった気がする。そうだな……やってやろうか。
そして試合開始5分前。俺らにとって二試合目。アップをしていた桃山浦高校、虎南高校がベンチに一旦下がる。
「よぉ。テメェが相手かクールビューティー狂」
「あぁ?久しぶりだなぁ。クソ金髪ロリコン」
そこには俺と決して浅くない因縁の相手がいた。
「相変わらずクールビューティークールビューティー騒いでんのか?」
「テメェこそ、ロリコンこじらせてんじゃねぇのか?」
「「あぁっ!?」」
メンチを切る俺たち。
この男、東雲とは中学が一緒だった。その頃からよくお互いの信念が相反するものだったため、ぶつかり合ってる。
ロリコン……ロリータコンプレックス。この男は幼女や少女――特に金髪の――をこよなく愛している。無論、見た目さえそうであればいいので合法ロリも行けるらしい。
ちなみに本人は金髪ロリータ教なるよく分からんものを掲げている。え?お前ナニそれ?
「ははっ!テメェには、金髪ロリの良さが分からねぇとか、生まれ変わってやり直した方がいいんじゃねぇのか?」
「そっちこそ、クールビューティーの良さが分からねぇとか、一度頭を開いて医者に診てもらった方がいいだろ?」
バチバチと火花が飛び交う俺たち。
『キャプテン。冬木先輩が向こうの選手と……』
『ほっとけ。アイツのクールビューティーのスイッチが入ると手に負えん』
『キャプテン。あのバカ、向こうの選手と……』
『無視しろ。東雲が金髪ロリについて語り出したら止まらん』
ちなみに誰も止めようとしない。
「相変わらずテメェとは話が合わねぇなぁ……!」
「合うわけねぇだろこの人間の恥が……!」
「あぁ?ロリコンのどこか恥だこの野郎!」
「ロリコンは皆恥だろうが!」
「んなこと言ったらクールビューティー好きは変態だろうが!」
「あぁっ!?変人とはよく言われるが変態は聞き捨てならねぇぞコラァ!」
「はん!ロリのその愛おしさが分からんようなバカにつける薬はねぇんだよ!」
「クールビューティーのその神々しさに気づけぬ阿呆ほど哀れなものはねぇんだよ!」
「「あぁ!?やんのかこの野郎!」」
「何やら騒がしいと思ったら……」
「慧人くんだったね☆」
演奏を終えたRoselia。着替えなどを済ませた彼女たちは、紗夜の意向によりそのまま慧人の試合を見るべく残っていた。
「…………あれでいいの?」
「何やら面白そうなことになってるわね!」
「あこ。あれは見ちゃダメだ」
「わわっ。おねーちゃん……」
ちなみに他の四バンドもついで感覚で慧人たちの応援をするために残っていた。彼女たちはこころの黒服さんたちが全員送迎するので、後ろには護衛も兼ねて黒服さんたちが並んでいる。並んでいる黒服さんたちの威圧感が凄いため、誰も近寄ろうとはしない。
「いいかこのバカが!金髪ロリはこの世の神秘だぞ!」
「ざけんな阿呆が!クールビューティーこそ全人類の宝だろうが!」
当然であるがあの二人の言い争いは彼女たちにも聞こえている。
「まぁ、冬木先輩だし」
「そうだね。冬木さんだし」
「ケイトさんですからね」
が、普通なら引いてもおかしくない発言も、常日頃からその片鱗を見せていた為に彼女たちは一切動じてなかった。
「……ふっ。だが慧人よ。ついにオレは天使を見つけたんだよ」
「…………お前。天使を見つけたとか頭わいてんじゃねぇのか?」
「ああぁっ!?テメェ自分は女神を見つけたとか言ってただろうが!」
「ああっ!?女神と天使を一緒にしてんじゃねぇぞカスが!」
慧人は残念であった。自分が今までどれだけ頭のおかしな発言をしていたか分かってないようだ。
「だってさ!おねーちゃん!」
「さすが紗夜さんです!」
勿論彼女たちは慧人の言う女神が紗夜であることは知っている。
「で?その天使は誰なんだよ」
「ふっ。教えてやろう……白鷺千聖様。それが天使の名だ」
「……………………え?ごめん。それってさっき演奏していた……」
「いかにも」
「………………まぁ、あの人小さいし。胸も小さいし。金髪だし……お前の感性ドストライクだよな」
「???珍しくお前にしては話が分かるじゃないか?どうしたんだ?」
まさかここで知り合いの名前が出て来るとは思わなかった慧人。そして……
「…………ねぇ紗夜ちゃん」
「どうしましたか?」
「あなたの信者。消していいかしら」
「どうぞ」
静かに微笑む千聖。そこには静かな怒りが感じられた。
「ただやめといた方がいいぞ。あれは天使というより堕天使だからな」
「あぁ?テメェの腐りきった心には正しい現実が見られないのか?」
「はぁ?テメェこそその朽ち果てた脳で正しく判断できてないんじゃねぇのか?」
言い争いがヒートアップしていくが試合の時間は迫っていく。
「この続きは試合で証明してやる。覚悟しろよクソ信者」
「上等だロリコン終末期」
二人は各々のベンチへと帰って行く。
「いや~バチバチだったね~」
「どっちもおもしろーい~」
「慧人さん以外にもああいう人って居るんだね!」
「いいなぁ。私のこともこうキラキラ!って感じで見てくれる人いないかな?」
「いやあれは異常だろ」
観客席で盛り上がっている彼女たち。ただここで残念なことに気付いてしまう。
「…………ねぇ。彼らの応援は居ないのかしら」
「そう言えば……」
「向こうの高校はあんなに観客がいますよ」
指さす方には制服を着た女子たちだったり、横断幕を持った男子生徒だったり、カメラを構えている人だったりと、桃山浦高校を応援している人たちの集団が居る。
だが、虎南高校には居なかった。そう。彼女たち以外誰も居ないのだ。
「多分、触れちゃいけないことだと思うよ……」
「あはは……そういうことだよね」
「あぁ、何と儚いこと何だろうか」
「そんなの私たちが負けないくらい応援すればいいのよ!」
「だよね~けーくん!頑張れー!」
「ファイト~」
「声出したらカロリー使うから痩せるよね!」
「え?あ、そ、そうだね……」
「そうなのか……?」
「あれ?ミッシェルは?」
「ミッシェルはお手伝いがあるってさ」
……何かウチを応援する観客がいる。わぁー珍しいって思ったらアイツらだった。
「ようやくウチにも応援団が……」
「キャプテン。冬木先輩の応援がほとんどです」
「何だと!?くっ……お前ら!やってやるぞ!」
「やれやれ。応援一つで熱くなるなんて……」
本当にこいつら単純だな。
「ねぇ、紗夜。紗夜も声出してみたら?」
「ブシドーです!サヨさん!」
「声出すとスカッとするッスよ」
「そうね。頑張ってください。慧人さん」
…………。
「お前らぁ!気合い入れてけ!」
(((うわぁ……単純)))
この瞬間、大勢の心が一つになったことを俺は知らない。
そんな感じで整列し、挨拶を済ませた俺たちはポジションに着く前に円陣を組む。
「ふぅーいいかお前ら」
キャプテンが静かに目を閉じる。そして、目を開くと共に声を上げる。
「勝つぞ!」
「「「しゃぁぁっ!」」」
こうして試合の幕が開けたのだった。
次回以降少しサッカーします。(誰得とか言わないで)
20話超えてきたしそろそろキャラ紹介的なの出そうか考え中。
惚気回やるけど相手誰にする?
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リサ姐
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千聖
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日菜
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花音
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先輩