クールビューティーな紗夜さんを返して(涙)   作:黒ハム

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高評価をいただき感謝です!
タイトルの通り、ホラー注意?


我らゴーストバスターズ!

「あっちから面白そうな匂いがするわ!」

「あ!今るんっ!って来た!」

「モカちゃんはパンを食べます~」

「めんどくせぇから帰っていいか?」

 

 上からこころ、日菜、モカ、俺というよく分からない四人組。その本当によく分からない四人組は今、深夜の羽丘女子学園に居た。

 どうしてこうなったのか?順を追って簡単に説明していこう。まず、発端はこころである。こころが『学校の怪談に出て来る幽霊さんに会いたいわ!』と言い出した。それを隣で聞いていた日菜が『面白そう!今度、ウチの学校に忍び込んで調査しよう!』と答えた。そしてこころは『皆で行けばきっと楽しいわ!』と言い出し、いつものバンドメンバーなどに声をかけたが、まぁ、ホラー系が苦手な人は当然断るし、そうでなくても、深夜の学校に忍び込むという背徳感がある人とか面倒って思う人とかは断る。結果、多くの人が断った。しかしそんな中、モカだけは『面白そ~ですね』と答え参戦。

 しかし、問題が発生した。こころ、日菜、モカ。果たしてこの三人が深夜の学校に忍び込むとなったらどうなるのか?……下手したら学校が崩壊しかねないとのこと。そこで、何故か俺まで召喚される事になるのだが……『学校は壊さないでください……!』とつぐみ以下Afterglowのメンバーや、リサ姐などにはっきり言われた。どうやら、俺も危険人物らしい。悲しい。

 で、結局色んな意味でヤバい奴らが集まってしまった結果、出来上がったのがこのヤバい四人パーティー。残念なことにまとまりもなければ制御する人間もいない。これは幽霊側も絶対に出て来たくないだろう。

 

「というか、お前ら何を持ってきただ?」

「あたしはこの虫取り網よ!これで幽霊さんを捕まえるの!」

 

 やめろ。それで捕まるのは虫だけだ。

 

「あたしはね~この縄だよ!これで捕獲だね!」

 

 やめろ。多分、窓ガラスが割れる。

 

「モカちゃんはパンです~あ、あげませんよ~?」

 

 お前はピクニックに来たのか?

 

「そういう慧人は何を持ってきたの?」

「あぁ?サッカーボールだな」

「あはは~そんなものじゃ幽霊は捕まえられないよ~」

「けーとさんの持ち物が一番不思議だね~」

 

 全く、お前ら三人よりはマシだろ。こっちは練習しながらだったり、後は何かあったときの武器として持ってきているんだから。

 

「で?まずはどこ行くんだよ」

「そうね!音楽室はどうかしら!」

「美術室に行こうよ~」

「モカちゃんは調理室がいいです~」

「はぁ?体育館じゃねぇのか?」

 

 全員の意見が一致しない。残念すぎるだろ。

 

「意見が割れたわね……あ、じゃあ花子さんに会いに行きましょう!」

「なるほど、3階のトイレに行くんだね!よし行こう!」

「いいねぇ~行こう行こう~」

「へいへい。入り口で待っているから行ってこい」

 

 とりあえず、決まった……過程は凄い謎だが。とりあえず、ここは女子校なので、女子トイレしかない。よって俺は入り口で待つことにする。誰も使っていないとはいえ女子トイレには入りたくない。おい、女子校に侵入していることは仕方ないからな?入りたくて入ったわけじゃないんだ。

 

「というか、居るわけねぇだろ……」

 

 そう思いながら紗夜さんに報告を入れる。というのも、日菜が何かやらかさないか心配だけど自分では行けないから報告してほしいと。同様にAfterglowのメンバーや美咲とかにもモカやこころが問題を起こしていないかを報告する。美咲に関しては……まぁ、報告するならこの人だろってことだが、全く……心配なら着いてこりゃいいのに。何も起きるわけがねぇのにな。

 

「で?どうだったんだ?」

「特に何もなかったわ!」

「そうそう。何かあると思ったのにね~」

「徒労ってやつですな~」

「そうですね……」

 

 出て来た女子四人がそう答える。…………ん?女子四人?

 

「いや、最後の奴誰だよ」

「この子はね!花子っていうらしいのよ!」

「何か、三番目の個室にいたよね~もう、こんな時間までダメじゃん!」

「まぁまぁ~そう堅いこと言わないであげましょうよ~」

「あ、そう」

 

 どうやらトイレで花子さんって言う人を見つけたらしい。スマホのライトを当てると、若干透けて見えるのは気のせいだろう。影が薄いっていうのを極めるとこうなるのか?

 

「というか、トイレに居たのに引っ張り出してきたのかよ。いいのか?」

「何かね!面白そうだから仲間に引き入れたの!」

「そうそう!るんっ♪って来たからね!」

「同じ一年生同士仲良くしましょ~」

「そ、そうですね……」

「……まぁいいか。まともな面子を引き込んだようだし次行くか」

 

 凄い苦笑いというか、こんなはずじゃない感を出しているのは気のせいだろう。引きずり込むつもりが逆に引っ張り出されたとか?

 とりあえず、新しい仲間を加えたと言うことを報告しておく。つぐみが『あれ?花子って名前の一年生なんて居たっけ?』とか言い出しているけど知るか。

 

「あ、理科室の骸骨見に行こうよ!」

「いいわね!賛成よ!」

「おっけ~」

「へいへい」

 

 そして最初にあげた候補に無かったが、次は理科室というか骸骨を見に行くようだ。もう完全に楽しんでるだろうな。俺たちって。

 

「知ってるわ!ここの人体模型も動くのよね!」

「そうそう!骨の模型だけじゃなくて人体模型も動くらしいんだよ!」

「おもしろそ~行こう行こう~」

「って鍵どうするんだよ」

「鍵ってコレの事かしら?」

「何かね、さっき拾ったの」

「運が良かったよね~」

 

 ……鍵を拾った?……あぁ、黒服さんたちか。大変だな……あの人たちも。

 

「あ、あのー……あなたも驚かないんですか?」

「驚く?何に?」

「い、いえ……何でもないです……」

 

 何というかこの子……普通に肌白くね?まるで生きてないみたい……まぁ、そんなわけねぇか。生物の気配がしないのは不思議だけど。

 

「行くわよ!」

「突撃ー!」

「おぉ~!」

「はいはい。静かに行こうな?」

 

 ということで理科室をバーンって開けるが……まぁ、何もねぇよな。というか月明かりだけだが……意外と明るく感じるな。あ、人体模型に隣には骸骨……まぁ動くわけねぇか。

 

 ドンッ

 

 すると背後の扉が閉まる音がする。

 

「慧人?もう少し静かに閉めてちょうだい」

「俺じゃねぇよ。モカだろどうせ」

「モカちゃんじゃないです~日菜先輩では?」

「えぇ~あたしじゃないよ~こころちゃんじゃなかったの?」

「「「……?」」」

 

 どうやら違うらしい。そうなると残りは……

 

「「「あ、花子(ちゃん)か」」」

「……え?違うんですけど…………」

「あらそうなの?まぁ、何でもいいわ」

「ね~扉を閉めてくれて感謝感謝~」

「とりあえず探索しよー!おー!」

「はいはい。夜遅いし静かにな」

 

 何だよここの理科室。自分で扉が閉まるとかセルフサービスか……ちょっと羨ましいな。

 

「…………ん?そこ!」

 

 何か気配を感じたので腕を振るう。すると、何かに当たった感触がし、その何かは倒れてしまう。

 

「あ~けーとさんが人体模型を倒した~」

「慧人!人体模型さんがかわいそうじゃない」

「やっちゃったね~内臓が飛び出ちゃってるよ」

「悪い悪い。何か気配を感じたからさ」

「あれ~?さっきまでそこにありましたよね~?」

「きっと誰かが動かしたのよ。それよりも早く戻してあげましょう」

「いいねぇ~立体パズルの時間だね!」

「うわぁ……それにしても結構散らばったな……」

「まずは皆で拾いましょう」

「「「おぉ~」」」

 

 全く、誰だよ動かしたやつ……はぁ。そのせいで拾う羽目に……あ、心臓発見。

 

「…………」

「あ、これは目か。悪い悪い。そっちまで飛んでいったか」

 

 何か心優しいやつが目の部分を渡してきた……?いや、お前も拾ったなら人体模型の方に持って行けよ。何で俺に渡してんだよ。

 

「ふっふ~ん。パズルは得意なのだよ~」

「あたしにかかれば簡単に終わるね!」

「これで全部かしら?」

「だろうな。あ、これ心臓と目の部分だ。後は任せた」

「……あ、はい」

 

 何か女子たちが楽しんでやっているので、俺は少し離れたところで見守る。

 ついでに現状報告っと……

 

 ツンツン

 

「なんか用か?……ん?」

 

 すぐ右隣に骸骨が居たが……まぁ、いっか。コイツが動いたわけでもねぇし。

 とりあえず、四人の様子を写真で撮るが……?

 

「花子の奴だけ何か綺麗にうつらねぇな……まぁいっか」

 

 どうにもぶれるような……というか、そもそも居ないような……まぁ、どうでもいっか。他三人は綺麗に写ってるし。

 

 ツンツン

 

「ん?……あれ?お前動いたのか?」

 

 すると今度は左隣に骸骨が居たが……まぁ、動けるわけねぇか。

 

「かんせ~」

「いやぁー面白かった!」

「そうね!今度、ウチの学校の人体模型でもやってみようかしら」

「いやいや、やるなっての。ほら行くぞ」

 

 ということで、人体模型とついでに骸骨を元の位置に戻して、鍵を閉めてから理科室を出る。

 

「んー幽霊さんは恥ずかしがり屋かしら?一向に会えないわね」

「だよね~あーあ、これじゃあ、おねーちゃんに土産話ができないよ~」

「モカちゃん、パンが尽きておなか空いてきました~ぐー」

「時間もいい頃合いだし、そろそろ帰ろうぜ。親も心配するだろ」

 

 コツコツコツ

 

 すると、前の方から足音が聞こえてくる。それと共に懐中電灯の光が……

 

「マズいね~アレ、警備員さんの巡回だよ。見つかると面倒なことになるね……」

「どうします~?逃げますか~?」

「慧人。何とか出来るかしら?」

「へいへい。任せとけ」

 

 恐らくあの曲がり角の先……階段付近に居るな。ここは二階……

 

「お前ら。この高さならいけるよな?」

「問題ないわ」

「おっけー」

「無理です~」

「よし。ならいい」

「……え?」

 

 窓のカギを開けておく。すると、音が徐々に近づき、光が大きくなってきている。そして、懐中電灯らしきものが見え、警備員さんの帽子が見え始めた瞬間。

 

「行けっ」

 

 ボールを軽くあげてボレーシュートを放つ。ボールは綺麗に直撃した。

 

「へぶっ!?」

 

 小さな悲鳴が聞こえたが、気にすることなく、跳ね返ってきたボールを回収し、モカを抱えて窓枠へダッシュ。窓を開けて飛び降りる。こころ、日菜も無事飛び降り、靴を履き替え……

 

「「「お待ちしておりました」」」

 

 校門付近に待機していた黒服さんたちの下へ。夜も遅いので俺たちも送ってくれるようだ。

 

「あら?花子はどこかしら?」

「そー言えば居ないね」

「あちゃー逃げ遅れたかー」

「まぁ、普通の女子に二階の窓枠から飛び降りる発想はねぇよな」

 

 というか、いつまで居たっけ?理科室から一緒に出た……よな?まぁいいや。

 

「でも楽しかったわ!幽霊さんに会えなかったのが残念ね」

「だよね~あー会いたかったな~」

「そうですよね~」

「まぁ、簡単に会えたら苦労しねぇだろ」

 

 とそんな感じで俺たちは家に帰るのだった。

 

 

 

 

 

 後日談をすると、俺が気絶させた警備員が言うには、突如飛来してきた物体に当たって意識を失い、意識が戻ると、動く人体模型や骸骨に会ったとかなんとか。あー……気絶したショックで幻覚かな?可哀想に。

 後、黒服さんたちによれば今回、一切付いてきていないし、手も出していないそう。全く、鍵を落とすとは警備がザルじゃないか?

 また、つぐみが花子って名前の一年生は居ないと言ってきた……じゃあ、アイツは一体誰なんだろう?

 まぁ、何でもいいが、とりあえずあのメンバーで行くとまとまりがないということが分かったので、第二弾以降は遠慮願いたいな。うん。




皆様の予想は当たりましたか?

というわけでこのメンバー、お化けに会っても動じないとかそういう次元じゃない。
お化け側が困るようなことしかしてこないという、向こうからすれば一番厄介なメンバーだろうなぁ。
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