クールビューティーな紗夜さんを返して(涙)   作:黒ハム

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今回の話、敢えてサブタイトルを付けるなら、
『千聖の追求、慧人の悩み』
ですかね。
サブタイトルが見えなくて気になる方は、上の部分をクリック&ドラッグしてみると?(ちなみに見えないのは仕様です)
というわけでどうぞ。


惚気回?(慧人ver)

 皆様は昼寝から目が覚めると、お腹の上に女の子が乗っていたことはありますか?

 

「……千聖の……幽霊か」

 

 俺はあります。

 

「勝手に殺さないで頂戴」

「病んだ紗夜さんの手によって天に召されたかと……」

「本当に起きそうだから。頼むから病せないで頂戴」

「…………何で千聖がここに?」

「気付くのが遅いわよ。昨日L○NEしたわよね?」

 

 …………ああ。

 

「俺、昼寝するって言ったはずだけど」

「つまり、暇なのよね」

「…………おやすみ」

「寝せないわよ」

「ぐー」

「寝かせないわよ。きゅっ」

「……っ!!」

「あら、どうしたのかしら?」

「何、可愛らしい効果音を口で言って首絞めてんだよ!殺す気か!」

「なるほど。じゃあ、口と鼻を塞げば良かったのね」

「窒息させる気満々じゃねぇかこの野郎」

「あ、もちろん私の口で塞いでもいいのよ?」

「キスで殺しにかかるとかお前も死ぬぞ」

「お前を殺して私も死ぬ……!」

「いやふざけんなよおい」

「でも、本気で抵抗しようとすれば抵抗できたでしょう?」

「はぁ……そうだけどさ……」

「ふふっ。それに私が貴方を殺るわけないでしょう?」

 

 それはどうだろうか?この女なら本気で俺を殺りにくる可能性はある。

 

「ちょっと、そこは黙らないでもらえる?」

「…………で、何の用だよ」

「そうね。脱ぎなさい」

 

 皆様は何の用?って聞いて脱ぎなさいと返ってきたことはありますか?

 俺はそっとスマホに手を伸ばし、電話を掛ける。数コールの後に出た相手は……

 

「――もしもし、警察ですか?不法侵入してきた少女に急に脱ぎなさいと言われました。セクハラではないでしょ……」

「洒落にならない冗談はやめて!」

 

 スマホを取り上げられて画面を見る千聖。そこには、

 

『はいはーい。警察だよ☆んーその声は千聖かな?もーそんな強引なことしちゃダメだよ?』

「本当に電話を掛けてたの!?そしてリサちゃん誤解だからね!」

『ふむふむ。それが言い分かぁ……じゃあ、見逃そう!それとダメだよ?慧人くん。……浮気は』

「してねぇです。コイツに言ってください」

『そう?じゃあ、仲良くね二人とも。これから練習あるから~またね~』

 

 切れる電話。すると、千聖がとても安堵した表情と疲れた表情の混ざったよく分からない顔を見せる。

 

「どうした?お疲れか?」

「えぇ……誰かさんのせいでね」

「それは大変だー今すぐ家に帰って休むべきだー」

「却下よ」

「はいはい。で?脱げって言ったけど、上?下?それとも全部?」

「上よ」

「じゃあ、お前も上を脱げよ」

「はぁ?」

 

 何で怒っているのだろうか?

 

「主は言いました。『右の頬を殴られたら右の頬を殴れ』と」

「それ、『右の頬を殴られたら左の頬を差し出せ』でしょ?」

「おっと、この人元ネタが分かるタイプの人だった」

 

 ちなみにこれはかの有名なイエスの言葉である。

 

「いや、『汝の敵を愛せ』とか意味が分かんないんで」

「そうね。でも、それくらいの愛情を持ってということなのよ」

「敵に向ける愛情とか生憎持ち合わせてねぇよ」

「あら奇遇ね。私も持ち合わせていないわ」

「敵は潰すか染める。そっちの方が楽」

「敵は排除して進むか服従させた方が楽に進めるわ」

 

 お互いに無言で頷く。どうやら俺たちは似たもの同士らしい。

 

「って、何で寝起きからこんな話してんだよ」

「あら?違う話がよかった?」

「というか、さっきの話だ。そもそも俺が寝てる間に脱がせりゃ良かっただろ」

「…………!」

「今、その発想はなかったわって顔しただろ。何で乗ってんだよ」

「だって……そこに慧人が横になっていたから……」

「オイコラ。それってどういう意味だ」

「だって……慧人を見下せるから」

「うわぁ……流石女王様」

「あら?それとも、この体制だと貴方の剣が私の鞘に入っているように見えるから、の方が良かったかしら」

「うわぁーそれっぽい言葉で隠しているけど全然隠せてねぇ……というか本当にやってやろうかおい」

「……遠慮しておくわ。貴方なら本気でやりかねないもの」

 

 失敬な。やるわけねぇっての。

 

「で、どーせ、アレだろ。脇腹の傷跡が見たいとかそんなんだろ」

「あら?よく分かったわね」

「服に隠されている部分で、お前がそういうのに目覚めてないと考えると、一つしかないからな」

「そうね。なら……」

 

 すると、自身の服の裾の部分を持つ千聖。そのままゆっくりとあげていき目に映るのは彼女の綺麗なお腹部分。

 

「腹が黒くない……だと?」

「あら?腹黒と言いたいのかしら。見ての通り黒くはないわよ」

「あ、中が黒いのか」

「さぁ、どうかしらね」

「それにしても綺麗なお腹で。スタイル維持とかも頑張っているんだろうな」

「えぇ、水着撮影もあるから常に気にしているわ」

「もう冬だぞ」

「冬でもよ。いい?その油断が命取りになるの」

「それを誰かさんにも言ってあげろよ……で、いつまであげてるんだよ」

「あなたが下ろす許可をするまでよ。この部屋は暖房がついていて温かいから」

「ならさっさとおろせ」

「あら?もういいのかしら?もっといいのよ?」

「そうかよ……なら」

「ひゃっ!ちょっ、触るなら触るって先に……」

「なるほどな。もう少し柔らかいかと思ったがアイドルとかバンドで体力とか筋力使うお陰か、しっかり筋肉もあるんだな。それでいて硬過ぎず……」

「け、慧人……?そういうのは少し恥ずかしいというか……」

「何だ?語ろうと思えばそうだな。後五分は語れるぞ?」

「え……?」

「さっき、お前は俺が許可するまであげ続けるって宣言してたし……まさか下ろさないよな?」

「…………うぅっ」

 

 宣言通り五分間。白鷺千聖の腹部について語った。当の本人は途中から『これが羞恥プレイ……』だの『もうやめて……』だの赤面し、涙目ながらに呟いていたが全て無視した。

 そして五分後、下ろす許可をすると、下ろして、俺の上からどいて、近くにあった掛け布団を取り上げ、そこにくるまっていた。何だ?寒かったのか?

 

「…………鬼畜

 

 ぼそっと言われたがイマイチ理解ができなかった。

 

「……けがされてしまったのね。きっとそうね……」

「いや、お前はもともと汚れてるだろ」

「慧人?私の何処が汚れているって?」

「心」

「……はぁ。怒っても無駄そうだからいいわ」

「そうだな。理不尽な罵倒ほどムカつくものはない」

「……この話はもういいわ。約束通り見せなさい」

「へいへい。ほらよ」

 

 適当に服をあげお腹を見せる。

 

「……凄いわ……引き締まっている……ってそうじゃないわ」

 

 掛け布団ごと動きながらマジマジと眺めている。

 

「触っていいかしら」

「どうぞ」

 

(筋肉が凄……ってそうじゃない。この傷。思ったよりも大きい……自然についたものじゃない。何か……そう)

 

「確か手術したって言ったわね。いつの話?」

「さぁ、どうでしょうね」

 

(おそらく高校に上がる前ね。まりなさんから今まで慧人が手術、入院したとか話は聞かなかったし。中学時代についたのだとしたら跡として残っているレベル……深い傷なら命に関わるレベルね。自殺?いや、自殺なら他にも自傷の跡があっても不思議じゃないしこんな脇腹を刺すなんて方法を選ばない……だから、他者によってつけられたもの)

 

「何やらかしたの?」

「ちょっとミスしただけですよ」

「……はぁ。ちょっとのミスで命が関わるって……」

「まぁ、気にしないでくださいよ」

「そう」

 

 ……この目は諦めていなさそうだな……やれやれ。

 

「調査するなら勝手にどうぞ。ヒントをあげておくと知っているのは俺を除いて三人だけです」

 

 正確には違うが、三人と言って問題はないはずだ。

 

「内二名はあなたたちの誰かと面識がある。これは絶対ですよ」

「そう」

「ただ、それを知ってしまえば、関わりを断ちたくなりますよ」

「分かった。……でも、その上で宣言するわ。あなたの過去には興味がある。ただ、それを知って今のあなたを否定するつもりはない。例えどんな過去を持っていようと、今の慧人との関係を変えるつもりはないわ」

「……はぁ、波風立てずに行きましょうよ。というか俺なんかの過去どうでもいいでしょうに……」

「ふふっ。そうではないかもしれないわよ?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「なぁ、千聖。俺、凄い悩みがあるんだけどいいか?」

「えぇ。いいわよ」

 

 場所はリビング。ソファに並んで座り、ミニテーブルにはクッキーと紅茶が入ったティーカップがある。

 いつも通りの千聖の愚痴も一段落した頃。俺はある悩みを口にする。

 

「俺ってさ。クールビューティー教にいる資格があるのかな」

「…………は?」

 

 その悩みには思わず千聖の手も止まって、固まってしまうほど衝撃的なもののようだ。

 

「いやいや何を言っているのこの男は。え?本編外で?あんなにも私にクールビューティーとは何か語ってくるくせに何言い出したの?は?意味分からないんだけど、え?どうしましょう。これは精神科に連れて行くべきなの?それとも脳外科?いや、一層のこと教会に行ってお祓いを……」

 

 そして、思案顔で本音というか考えていることがダダ漏れである。あまりの衝撃でポーカーフェイスが崩れたようだ。

 

「……いやさ、最近思うんだよ。俺らの周りの女子って喋らなければクールビューティーって人は紗夜さん以外にも居るじゃん」

「そうね。友希那ちゃんもだし、たえちゃんも見た感じそうじゃないかしら?後はモデル仕事中のイヴちゃんとか…………後、その条件だと薫も」

「流石我が同士よ」

「誰が同士よ」

「でも、彼女たちに対して信仰することはないんだよな……」

「そうね。でも、中身がクールではないからじゃないの?」

「そんなこと言ったら今の紗夜さんにクールさがあるか?」

「…………皆無ね」

「…………でも最初に会った時以上に慕っている。不思議じゃないか?クールさがほとんど見られないのに……」

 

 クソ。だが、このままでは先輩の言うようにポンコツキュート教に……!違う。そうじゃないんだ。そうじゃないはずなんだ。

 

「ポテトを食べ足りなくて駄々をこねていた彼女の姿を見ても、お菓子作りを一緒にして頑張っている姿を見ても、病に伏して弱っている姿を見ても。どれもクールな振る舞いとは違うもので、クールビューティーを信仰する者にとってはマイナスにしかうつらないはずなんだ。だが、俺の中にはマイナスなんて欠片も思っていない。そんなありのままの彼女を慕いたいという気持ちがあるんだ」

 

(……私は悩みと言う名の惚気を聞かされているのかしら)

 

「なぁ、千聖。俺はどうすればいいんだ?」

「…………」

 

 無言で紅茶を一杯啜る彼女。そしてその後は、笑顔を向けてきた。

 

(何でこの二人は付き合ってないのかしら。紗夜ちゃんの惚気もそうだけどこの男も深掘りすれば相当よ)

 

「そうね。昔の、あなたが出会った頃の紗夜ちゃんの方が、きっと今よりもクールビューティーという言葉にふさわしいんでしょうね」

「そうだな」

「じゃあ、慧人。聞くけど今と昔の紗夜ちゃん。あなたはどちらが好き?どちらと一緒に居たい?」

「……どちらが…………?」

 

 クールビューティーに相応しいのはきっと出会った頃の紗夜さんだろう。振る舞い、空気などポンコツさが垣間見えている今よりも断然前の方が相応しい。

 

「きっと私と出会った頃の貴方ならこの問いは即答できていたはずよ」

 

 前の方がいい。確かに昔の……前の俺は即答できただろう。

 でも、今の俺にはそんなこと言えない……一体何故だ。

 

「じゃあ、質問を変えるわね。あなたは昔の紗夜ちゃんに戻ってほしい?昔の冷たく誰も寄せ付けない空気、行うこと全てが理知的だった彼女に。きっと、あなたが頼めば戻ってくれるわよ」

 

(だって、紗夜ちゃんは、あなたに好かれるためならそうするだろうから)

 

「そんなことない」

「へぇ。どうして?」

「確かに、昔の方がクールビューティーに相応しい。でも、そうじゃないんだよ。ポテトが狂いそうなほど好きなポテ狂で。にんじんアンチ過激派で。ギターに没頭して、ギターを弾く姿がすげぇ格好良くて。何だかんだで優しいのに、不器用なところがあったりして。努力家で、何事に対しても手を抜かず、徹底的にやっていて。少し抜けていて、時々見せる笑顔が可愛くて……それが俺から見えている今の紗夜さんなんだよ」

「…………」

「それに前まで、精神的に追い詰められて、ずっと苦しんでいたから。もう二度と、爆発して、自己嫌悪に陥ってほしくないから。もう二度と、彼女の涙を見たくないから。何かに追い込まれている彼女より、今の自由にしている彼女の方がいいから……だから前を向いている彼女に昔に戻ってほしいなんて、そんなこと思うわけがない。そんなこと思えるわけがない」

「ふふっ……全部答えを言ったじゃない」

「はぁ……?」

「後は自分で見つけなさい。いくらでも相談には乗ってあげる。でも、答えを出すのはあなたの役目よ」

「俺の役目……か」

「一つアドバイスをするなら……あなたにとってクールビューティー教と紗夜ちゃん。どちらが大切かしら。後は、クールビューティー教に居る資格って本当にあるのかしらね?」

「資格があるか……だと?」

「えぇ。クールビューティー教って、要はそういう人が性癖ドストライクの変態集団でしょう?」

 

 この女……今、一瞬で俺らに喧嘩を売らなかったか?

 

「おい、千聖。夜道には気をつけろよ」

「ふふっ。背後から襲って強姦でもする気かしら?」

「いや、そこまでは誰も言ってないぞ?」

「襲うなら慧人一人にしてちょうだい。それで避妊はしてほしいわね。後、場所は慧人の部屋かホテルか……あ、私の部屋の何処かでお願いね。嫌よ?初めてが路地裏とか公園とかトイレとか」

「すみません千聖さん。何かがおかしいことに気付いてください」

「そうね……背後からなんて言わず、正面から襲ってほしいわ。それに、襲うというより優しくと言うのかしら?そんな性欲の捌け口みたいな使われ方されたくないわ。もちろん、貴方以外にはお引き取り願うけど」

「…………話を戻してください。逸らしてすみませんでした……」

「そうね。戻しましょうか」

 

 すると一呼吸置いて真面目な空気を出す。ただ、もう修正不可能な気がするのは内緒だ。

 

「でも、『Like』の好きと『Love』の好きは別だと思うの。クールビューティー教はクールビューティーな人たちが好きであって、そうじゃない人を好きになっても問題ない。違うかしら?」

「なるほどな……」

「だから後は考えなさい。……まぁ、あなたが本当に知りたいことはもう一つの方でしょうけど」

「はぁ?もう一つも何もねぇんだけど?」

「いえ、正確には悩んでいることかしら?」

「どういう意味だよ」

「紗夜ちゃんの隣に立つ資格はあるのか?傍に居る資格があるのか?ってところだと思うけど」

「…………エスパーかよ。お前」

「ふふっ。エスパーよ」

「…………」

 

 俺はそっと手をスマホに伸ばす。そして……

 

「もしもし救急車ですか?すぐ近くにエスパーを自称する頭のネジが吹っ飛んだ奴が……えぇ、今すぐ病院に運んで……」

「誰が頭のネジが吹っ飛んだ奴よ」

 

 スマホが取り上げられる。

 

「流石に今回は何処にも掛けていなかったようね」

「いや、こんなことで電話かけられる方が可哀想だなと思って。今回は遠慮しました」

「今回はって……まぁいいわ」

「へいへい。でも、よく分かったな?」

「貴方を見ていたら分かるわよ」

 

(紗夜ちゃんに対しても、Roseliaの他の子たちに対しても……それから、私に対しても。この男は距離が近いようで何処か遠い。こちらから踏み込ませないようなラインを引いて、あちらから一歩を踏み込まないように枷を敷いている。一体、何があなたを縛り付けているのか。答えはきっと、あなたが隠そうとしていることの中にあるはず)

 

「まぁ、人の隣に立つ資格。人の傍に居る資格。果たしてそんなものが本当に必要なのか?その答えを出すのはあなたたちよ」

「…………」

 

(この問題の答えは何処にあるのか。答えは何なのか。第三者ではきっとその答えを出すことが出来ない。だからその問いに彼女はどう答えるか、あなたはどう答えるか。二人で出すしかないのよ)

 

「難しいな……」

「そうよ。テストみたいに答えがあるとは限らないもの」

「そういうものか……なぁ、ついでにもう一ついいか?」

「あら?私のスリーサイズについてかしら?」

 

 おかしい。この女の返答がマジでおかしい。……待てよ?こうやって、表面上では頭のおかしなことを言いながら、裏では何か深く考えているのか?まさか、この発言は何か考えていることを悟らせないようにしているためのブラフか?…………いや、今はなんでもいいか。

 

「……お前って男女経験が豊富なタイプ?」

「生憎プライベートではゼロよ。貴方以外の異性とまず関わってない。だから恋人は勿論、男友達は悪友含めて一人しか居ないし、セフレもいないわ」

「おい」

「それに、キスもしたことなければ、私は処女よ」

「いや最後も。絶対いらない情報が混ざっているだろ」

「だから人に恋するとか、付き合いたいという気持ちはまだ分からないわ」

「でも、お前の場合はアイドルだから恋愛は禁止じゃ……」

「あら?私たちのグループよ?」

「……あ」

 

 なるほど。この女が事務所に圧をかけると。マジで女王様じゃないかこの野郎。

 

「……でもお前レベルになると大変そうだな」

「何がかしら?」

「いいや。今話題のアイドルバンドの一員兼女優。更にはおなか真っ黒の女帝様と来た」

「ねぇ、最後おかしなのが混ざらなかったかしら」

「だからお前のファンでも、付き合いたいと声を大にして言うやつなんていないだろ」

「そうね。まぁ、まだ高校生と言うのもあるんでしょうね」

「だから大変そうだなって」

「確かにね。メディアとかいろいろ気にしないといけないとか」

「あまりの毒舌に心が折れないかとか新たな扉を開かないかとか」

「……デート一つとってもお忍びだし」

「尻に敷かれないかとか」

「……ねぇ、慧人。私とあなたで心配する点がズレていると思うのは気のせいかしら」

「は?だって、お前って手に入れたいものはどんな手段を使ってでも、手に入れるタイプだろ?」

「そうね。否定はしないわ」

「だから、そんな女王様に気に入られた人は大変だなーって」

「……ふふっ。ねぇ、慧人。私、あなたのことが気に入っているから私のために働いてくれるかしら?」

「はっはっはっ。その程度の圧で俺が屈するとでも?」

 

 しばしの間、笑顔の千聖と対峙する。その目は笑っていなかった。

 

「はぁ。まぁいいわ。そう言えば慧人。明日はCiRCLEで会議があるのだけど来るのかしら」

「あー明日は無理だな。明日からなんだよ。アレ」

「なるほど。とうとうアレなのね」

「えぇ」

「……頑張りなさいよ。応援しているわ」

「そりゃどうも。……応援しているなら、前日くらい休ませろよ」

「それは断らなかった貴方にも非はあるわよ」

「ひでぇ。でもまぁ、こうして誰かと話してた方が意識しなくていいんだけど」

 

 そう言いながら俺は千聖の頭の上に手を置く。

 

「ふふっ。すやすやと気持ちよさそうに昼寝していてよく言うわね」

 

(寝顔の写真撮ってたし、紗夜ちゃんに送っておこっと)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 一方その頃。

 

「今井さん」

「何?紗夜」

「少しお話ししたいのですが、お時間は大丈夫ですか」

「平気だよー」




ということで、惚気回という名の色々とあった二人です。
この二人はこの二人でなんだろう?ちょっとよく分からないですね。
次回、千聖と慧人の裏で繰り広げられる、リサ姐と紗夜さんの会話です。

後、最近魔法のボタンがはやっているんですかね?
この作品はそんな流行にあえて便乗せず、真摯に頼んでみます。
ということで、もしよろしければこんな作品ですが評価していって下さい……!
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