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金曜日の朝。俺は……
「冬木慧人くん。君に重要な話があるんだ」
校長室に呼び出されていた。
昨日まで続いていた合宿。そこから帰ってきたのが日付が変わる変わらないかの深夜。まぁ、本当はもっと早く帰れたのを先輩たちと寄り道していたらこうなった。自業自得とは決して言ってはいけない。
ちなみに、東雲とメイは今日、創立記念日とかで休み。先輩は授業が入っていないので休み。だから、俺だけだったのだ。今日、こうして何かしらあるのは。
「まぁまぁ、腰掛けてくれ。君も昨日までご苦労様だった」
「はぁ……」
ぶっちゃけて言うならすげぇ眠い。昨日までの疲れが押し寄せて……というより、普通に寝不足だ。マジで眠い。だから話もほとんどが右から入って左から抜けている。
さっきも二枚の紙にそれぞれ名前を書いた気がするが、何で名前を書いていたのかまるで理解していないという事態。これは1限おやすみなさいだな。うんうん。
「君がいない間に生徒会メンバーが一新されたんだよ」
「はぁ……」
虎南高校生徒会。
ここは代々、先代の生徒会メンバーによる選定で生徒会長以下役職が割り当てられる任命式を取っている。だから、生徒会に入りたいという奇特なヤツ……コホン。真面目な優等生は早い段階から生徒会メンバーに媚を売りに……アピールしている。テストでの順位とか学校行事とか部活での活躍度とか色んな方法で。勿論、生徒会メンバーだけでなく、教師陣も次期生徒会メンバーの選定会議に参加しているので、よほどおかしな生徒は選ばれない。
任期は約一年。生徒会に問題がなければ大体今ぐらいの12月から来年の同じくらいの時期まで。選定期間とかその年の生徒会メンバーによっては若干前後するがそんな感じである。
ちなみに今年の……というかこの前までの生徒会長はよくある優等生。テストなども成績トップで学級委員的な役職もこなしていたという、なるべくしてなった生徒会長。
虎南高校は生徒数だけで見れば男子が圧倒的に多い。しかし、生徒会の構成で見れば半々か、女子の方が多くなる傾向にあるらしい。その理由は男子の数が多くても、真面目な男子ばかりではないということを示唆している……と俺は考えている。
「で、君に生徒会長を任せることが決定した」
「はぁ…………ん?」
今……なんて言った?
「Sorry, one more please?」
「君が新生徒会長だ」
「Oh...Really?」
「Really.」
「OK, OK. I see. It's a surprise. It's Dokkiri.*1」
「No, No. It's a real.」
「…………はぁ!!?」
校長室が揺れた気がする。だが、そんなことはどうでもいい。はぁ?俺が生徒会長だと?ふざけるのも大概にしろよ!?……いや、待て。まだ状況は詰んでないはずだ。何処かに突破口があるはず……思い出した。確か、アレがあるはずだ。
「校長先生。異議申し立てを行います」
異議申し立て。
新生徒会が決まってから一週間、異議申し立て期間というのがある。
前生徒会メンバー並びに教師に対し、新生徒会メンバーに不服がある場合は異議申し立てをする事ができるのだ。
新生徒会メンバーに選ばれた者が行う場合は単独で、他の人が行う場合は30人以上の署名を集めた上で可能となるもの。全校生徒に対し、対象となる新生徒会メンバーの信任投票を行い、過半数が不信任或いは無効票を出した場合、その者は除名され、前生徒会メンバーが新たなメンバーを補填するというもの。もちろん、一人に対し、この投票は一回しか行われない。当然だ。何度も何度も行われても意味がなく、不信任にしないと終わらないという事態を防ぐためだ。
「残念ながら、君に対し異議申し立てを行った者たちが居て、全校生徒に対し投票を行ったが、信任率90%越え。立派な新生徒会長だよ」
「マジかよ……」
「それに、すでに先ほど君も同意したよ。ほらサイン」
そう言って見せられた紙には俺の名前が……って、さっき適当にサインしたやつじゃねぇか!?*2
「というわけで、君には新生徒会長として頑張ってもらいたい」
「めんどくせぇ……」
畜生……誰だよ俺を生徒会長にしようなんて阿呆なこと言い出したやつ。
「で、用件は終わりですか?」
「そして、君には新生徒会長として(ではないが)初の仕事がある。それがこれだよ」
「料理……甲子園?何ですかそれ」
「少し前に3校合同で料理対決をしたのは覚えているかい?」
「あーあれですね。覚えてますよ」
オムライスをたくさん食べて、日菜と取り合いをして、クーポンもらって、そのクーポンが全部紗夜さんのポテトに消えたアレだろ?*3
「所謂本番だね」
「なるほど」
「そして、花咲川と羽丘の調理部の人たちが是非、虎南高校……特に、冬木くんに出場してほしいと熱烈なアプローチがあってね」
「あはは~お断りです」
「当然、我が校としてはそのようなアプローチを受けては」
「あはは~お断りしましたよね?」
「次も勝たせて頂きますと」
「オイコラ、俺は参加しねぇぞ」
すると、スッっと出されたのは一枚の紙。え?賄賂かな?賄賂だったらなびくな~
「既に君から、参加誓約書のサインをもらっているよ」
「ってまたかよ!?」
何と、さっき適当にサインした二枚目はこっちでした。おい、こらマジかよ。
「ちなみにこれが予選と地区予選のルールだそうだ」
そう言って紙束を渡される。え?厚いんだけど?
「予選と地区予選?何が違うんですか?」
「この大会、この地区では地区予選にも関わらず余りに参加チームが多いため、最初に振るいにかける……言わば予選の予選があるそうだ」
「なるほど……地区予選の前の予選かよ……」
「その予選を通らないと地区予選には出られない。頑張ってくれ」
「はぁ……って、またチーム戦ですか?」
「安心してくれ。全国大会までルールに目を通したが……うむ。最悪一人でも戦えないことはないぞ」
「おい。まさか単独で出ろって言わないよな?」
「それはないから安心してくれ。前のチームで参加することにしてある」
「安心ねぇ……」
「話は以上だ。質問はあるかい?」
「質問しかねぇが、一つ宣言しておく。俺を生徒会長にしたことを後悔するなよ」
そう言って俺は校長室を出て行く。
キーンコーンカーンコーン
「って、朝のHRの開始のチャイムじゃねぇか!?」
この後、教室までダッシュをしたのは言うまでもない。
「期待しているよ、冬木慧人君」
この後、校長は早々に頭を抱えることになるのだった。
放課後。今日一日授業に関する記憶はほとんどない。
「ほんと、今日一日何していたのだろうか?」
不思議だ。朝の衝撃的な事件から気付けば放課後。その間の記憶は昼休みを除いて、ほとんどない。……まさか、タイムスリップをしたとでも言うのか?
「…………寝てたでしょ」
「ほとんど爆睡だったじゃん」
なるほど。起きてないなら記憶がないのも納得できる。
ということで現在、部活動中。恒例のサッカー部ランニング中である。
「なるほど。まぁ、朝から衝撃だったからな……」
「よっ、新生徒会長」
「…………乙」
「うるせぇ」
「でも、新生徒会メンバーは苦労しそうだね」
「…………頭がこんなんだから」
「というか、他のメンバー誰か分からないんだけど」
「確か、生徒会副会長は一年の成績トップの女生徒、書記が書道部部長で」
「…………会計が一年の学級委員長をしているような女子。風紀委員長がうちの学年の成績トップ」
「……なるほど。……つまり?」
「冬木が仕事しないことを見越して、見事に優等生で固められているね」
「…………それに男子生徒だと一緒にサボりそうって理由で全員女子」
なんて生徒会だ。それでいいのか生徒会。
「でも、教師側も酷いよな。生徒会長って権力者なわけじゃん?偉いじゃん?生徒会長権限行使したら、昼休みにかなり怒られたんだけど」
「あれはお前が悪い」
「…………キャプテンも怒られていたけど、うん。あれは冬木が悪い」
「いやさ、急に焼き芋が食べたくなってさ。頑張って落ち葉とか細い木を拾って、たき火していたんだよな……何で怒られたんだろうな」
おかしい。生徒会長が許可したのに怒られた。学校清掃って名目だったのに怒られた。ちなみに、近くに居たサッカー部連中も怒られた。実に残念な話だ。次回リベンジだな。うんうん。
「あ、お疲れ様です。先輩方!」
「ドリンクです!」
そのまま走り終わって学校に帰ってくると、女生徒が二人程近づいてきた。…………ん?誰?
「もらうね」
「…………ありがとう」
「ありがと……?」
そのまま、俺たちは歩いて行く。一方女生徒たちは、他の奴らが帰ってくるのを待っているみたいだが……
「誰?」
「お前がいない間に入部したマネージャーたち」
「へーマネージャー……ん?今、冬だよな?何で今ごろ?」
「…………理由はこの二つのどちらか、或いは両方だと思う」
「二つ?」
「一つは次期生徒会メンバーに入るためかな。ほら、うちの生徒会の人選のシステム的に会長に媚を売っておけば選ばれやすくなるし」
「…………もう一つはサッカー部の知名度が上がった影響。今年だけでサッカー部は色々と活躍しているからね……良くも悪くも」
「なるほど……道理でキャプテンがさっきから燃えているわけだ」
「安心してよ冬木。あの二人が入部してから、ずっとあんな感じだから」
「…………ちなみに、他の部員たちも」
そう言って指さした先には走り終わった部員たち。この前まではへばっていたり休んでいるはずなのに、もうボール蹴って自主練習をしている。……なるほど。単純だな、こいつら。
「おい、冬木」
「何だよキャプテン」
「遂にお前にも、このサッカー部の新たな協定を教えなければならないようだな」
「協定?」
「そう。協定だ……いや、掟と言った方がいいか?」
嫌な予感がする。そう思っていると、気付けば(アホな)部員たちに囲まれて、森下と千石に逃げられた。
「いいか。これからお前に告げるのは、絶対にマネージャーに手を出さない。紳士の協定だ。破れば……」
「破れば?」
「……お前は畑の肥料になると思え」
「…………」
周りの部員の見る目が……何だろうね。うん……こいつら、ダメかも。知ってるかい?サッカーってチーム競技だよ?俺たち仲間だよ?よく、そんな目を向けられるね。ぶちのめすぞ?
「「「その1。マネージャーと個人的な関係を持ってはならない!」」」
「「「その2。マネージャーと二人きりで登下校してはならない!」」」
「「「その3。マネージャーに過度な労働を強いてはならない!」」」
「…………」
その4……その5……と何か全員で息を揃えて叫んでいる……どうしよう。とりあえず全然頭に入ってこないんだが……いつから、このサッカー部は阿呆の集まりになったんだ?……いや割と最初からか。
「以上が紳士の協定。掟だ……貴様はこのサッカー部の中で一番この掟を破る可能性があるからな……!」
「あーはいはい。まぁ、なんでもいいわ」
とりあえず、ドリンクをマネージャーに返して、練習開始。
「……人、多くね?」
パス練ということで、四人でパスを繋げているが……何か視線を感じる。
「あー知らないのか。お前の情報ダダ漏れだぞ」
「は?どういうこと?」
「…………無名の高校から代表選手登場。他校の偵察、ウチの学校の観客……今、大注目だよ」
「お前のファンクラブは作らせねぇ……男は許す。女子のファンクラブは許さん」
「……マジ?というか、校長にしか言ってないのに、何でもうバレてんの?」
「バレバレだったね。お疲れー」
「…………名前だけ顧問が何か大変そうらしいよ」
「お前が有名になればその分、サッカー部が有名に……!ゆくゆくは女子たちがきっと……」
「おい。ファンクラブは作らせないんじゃないのか」
「お前個人のは許さん。サッカー部全体のは許す」
……有名……ねぇ。何も起きねぇといいけど。
その後も部活動は、合宿前よりも良くも悪くも熱が入っていた感じがした。
『やっほー。遅かったね♪』
『部活だ部活』
夜になってNFOに久しぶりにログインをする。今日はバイトもなく帰ってきたため、速攻でNFOを開く。何か明日も部活やるぞー!ってキャプテンたちが張り切って言ってて……何だこの熱の入りよう……って感じだ。一週間前とは大違いだ。
NFOでは俺の(アバターの)前に三人が座っていた。一人はぽんちゃんで、残りは……
『学校もあって、ご苦労様だな』
『……大変』
男のアバターであるトウウン、そして女のアバターの皐月である。まぁ、中身はアイツらなんだけど……地味にこの4人がここで揃うのは久しぶりだったりする。全員がマイペースにログインするため中々4人で揃うことがないのだ。
『で?リーダー直々の招集って?』
『いや~このギルドもさー大勢力になってきたわけじゃん~』
『確かに、傘下ギルドの数ならNFOトップだろうな』
『……ただし、ギルド名は見ないものとする』
……人の性癖の数だけギルドがある……なんて残念なんだウチのギルドの傘下。
『ここら辺でさ~ちょっと名をあげるために動いてもいいかもと思って♪』
『まず、アンタのその口調を俺たちの前でやめろ』
『右に同じ。中身を知っているオレたちからするとキツい』
『……吐きそう。トウウン、エチケット袋』
『今から渡しに行って間に合わないだろ……』
『お前ら、揃いも揃って……はぁ』
いや、呆れたいのはこっちだっての。他のプレイヤーが見ているときにはごまかすが、今は4人だけ。やめてほしいにもほどがある。
『でも、何度か名前が乗ったりしているだろ?』
『……頭のおかしいギルドランキングトップ。傘下のギルド数ランキングトップ』
『というか、俺のギルドは一応お前らの傘下なんだけどな』
そう、トウウンの言うとおり、俺、ぽんちゃん、皐月は同じギルド。トウウンはギルド「CBPC、傘下、金髪ロリータ教」のギルドリーダー。ちなみに、この男。傘下のギルドのリーダーの中でもトップに君臨していたりする。
『……後は時々イベントで上位層に顔出ししている』
『そう、そこだ。上位層にいるけどトップではない』
『間違いなく原因は俺たち含め全員がエンジョイ勢ってことだぞ』
ウチのような阿呆な名前のギルドのメンバーにガチ勢はいない。楽しく自由に各々が布教活動をし、時々性癖の違いからギルド対抗戦が行われる始末。残念極まりないのだ。
『そこでだ。各々、イベントで名をあげて欲しい』
名をあげるか……なるほど。要するに、布教活動頑張れってことか。
その後は何もなく流れ解散。
『じゃ、適当なイベントクエスト行ってくるわ』
『……お風呂』
『街角演説してくるね~』
と、全員が消えていった。
「いや、間違いなく悪い意味で有名なんだけどな……」
特に街角演説に行ったあのバカリーダーのせいで。
そう思いながら俺は俺で、手元にある二つの資料を読むことにする。
一つは生徒会での資料。もう一つは、料理甲子園の資料。
「何というか……忙しくなってきたな」
そう思いながら、りんさんとあこちゃんから一緒にクエスト周回しないかと言うチャットが来たのでそれに乗ることにした。
作者は英語ができません(←ここ重要)。だから英語の部分は大目に見てください。
注釈機能をつけてみました。ちなみにこの話の紗夜さんの出番はそれで終わりです。
あらすじにも追加しましたが、とある方の素晴らしい案により、これまでの話も含め本文中に何かギミックを仕込んでいる話には「☆」マークをタイトルの後ろにつけることにしました。今回のギミックはこの注釈機能です。
次回は、とある方たちが襲来するようです。