もう少ししたら去年のクリスマスの復刻が来るはず……紗夜さんを狙ってガチャを回します。
予定では12月15日に後編、12月25日に???編を投稿します。
目の前に広がるのはCiRCLEの成れの果て。建物は完全に崩壊し、残っているのは瓦礫の山。
「…………」
その光景をまりなさんは顔を青ざめながら見ていた。そして……
「……職探ししなきゃ」
絶望に打ちひしがれていた。地面に膝をつき、立っていられなくなるほどのショックを受けていた。
「あははー……何もなくなっちゃった」
「あぁっ!?こころちゃん!?美咲ちゃん!?」
「……っ!?慧人さん!?大丈夫ですか!?」
そして、巻き込まれた二人と自ら飛び込んだ一人を心配し、瓦礫の山へ近付こうとする彼女たち。しかし……
ヒュン!
「……大きな瓦礫が……」
「お空に飛んでいって……」
「打ち上げ花火?」
「いや、ちげーだろ!」
「あ、落ちてきますよ……」
ドンッ!
大きな瓦礫が突如として空へと舞い上がる。そして、急降下してきたソレは大きな音を立てながら地面に墜落し、粉々になる。その先に居たのは……
「怪我はねぇよな?お嬢様方?」
「凄いわ!流石ね慧人!」
「いやー……この人は何なんですかね……」
片足を振り上げた状態で居た慧人と、両脇に抱えられたミッシェルとこころの姿だった。
「あ、アレ……?今の瓦礫って……」
「慧人がね!ビュン!って蹴り上げて、ドカーンって蹴り壊したのよ!」
「「「…………」」」
「ちなみにその前は、瓦礫が降り注ぐ中やってきて、あたしたちを抱えて瓦礫を避けていましたよー」
「「「…………」」」
「あ?そんなの普通だろ?」
「「「いや、普通じゃないから」」」
謙遜する気もさらさらなく、平然と言ってのけた慧人に何人かがツッコミをいれる。
「でも、CiRCLEが……」
三人が無事だと分かり安堵するも、CiRCLEが崩れ、瓦礫の山となったことに変わりはない。
大勢が悲観に暮れる中、一人だけ行動を起こす者がいた。
「CiRCLEはまだ生きてる!」
「ふざけている場合じゃねぇだろ!?」
そう宣言すると香澄は瓦礫を両手でどかし始める。
「香澄、離れろ」
「え?」
そんな様子を見ると、慧人が香澄をどかして、
「邪魔」
ドンッ!
彼女の目の前の瓦礫を蹴り砕き、砂塵を巻き上げながら近くを吹き飛ばした。
「コレを見て!」
吹き飛ばされ、見やすくなったところを指さす。そこには……
「ステージと機材は無事……!」
なんと地上に見えていた部分は跡形もなくなっていたが、奇跡的に地下にあるCiRCLEのステージと機材は全て無事だったのだ。
「ほんとだ!」
「これならライブできるかも……」
「よっと」
その言葉を聞くと、一人ステージの方へと飛び降りる慧人。
「慧人さん。大丈夫そうですか?」
が、彼が今更地下に飛び降りたくらいで心配するものは誰もいない。
「とりあえず、近くで見てみても大きな破損や問題はなさそうです。安全確保と瓦礫の撤去……数日あればライブ出来るようにすることは可能かと」
「じゃあ、やろう皆!だって、こんなにキラキラしているもん!」
(どういうこと?)
心の中で疑問に思う慧人。が、口に出すことはしなかった。
「そう言えば、私たちはどうやって降りればいいのかしら?」
「そもそも、慧人くんもどうやって登ってくるの?」
「「「あ……」」」
「ん?跳べば行けるだろ?」
「「「いや、無理だから」」」
「そっかー!けーくん頭いいね!」
「いい案ね!それでいきましょう!」
「はいはい、危ないからやめよーね?」
「とりあえず階段探すわ。無理そうなら梯子だろうな」
「それで、私を誘うなんて……どうかしたのかしら?」
「……ん?ああ、やっぱりお前かなって」
CiRCLEからの帰り。隣を歩く千聖に対し、俺はそう答えた。
あの後、階段を見つけ、地上までのところで塞がっていた瓦礫を蹴り壊して開通することに成功。今日が12月24日で、もう日数が残っていないということで、明日からは全員でライブに向けて動くことになった。
今日はもう暗くなってきたので解散したが、俺は千聖に声をかけ、二人きりで帰ることにして現在に至る。
「ふふっ、
「
千聖とは建前で適当な話をしつつ、アイコンタクトで情報を交換していく。どうやら、気付いていたか。
「
「
「
「
「
「
「
「
「
「
「
…………おかしいな。何というか……建前も本音も途中から話がおかしくなってないか?
「
潤んだ瞳で見つめてくる千聖。……おい、コイツ結局性欲のことしか頭にないぞ?さては、お前を選んだ理由を一切理解してないな?
「
「
「ちげぇよ阿呆」
「え?違うの?」
「いざとなったら面倒ごとにする覚悟だよ」
「それは違うと思うわ。暗い路地裏、クリスマスイブの夜、愛し合う男女が二人きり……もうするしかないのよ」
「何がするしかないだアホ」
「何を言っているの?ポーカーならもうワンペアツーペアどころじゃなくて、ロイヤルストレートフラッシュ並に揃っているのよ?」
「揃ってねぇしテメェ、何気に愛し合うとか嘘をついているんじゃねぇよ」
「そんな!私とは身体だけの関係だったの!?」
叫ぶド変態にツッコミを入れようとしたが……
『へへっ、だったらそんな男よりもオレたちと遊ばないか?』
『朝までたっぷり可愛いがるからよぉ……』
……どうやらお客様がやってきてしまったらしい。というか、全員黒ずくめだな……あいつらと同じ衣装か。
「で?とりあえず殴ればいいか?」
手を軽く振って腕を伸ばす。何人がかりで束になろうが負ける気がねぇけど。
『ま、待ってくださいよ!』
すると、黒装束の集団の中から一人出てくる。
「どうした?命乞いならさっさと済ませろよ」
『冬木生徒会長じゃないですか』
「あ?」
『なんだ、会長だったなら言って下さいよ。敵だと思ったじゃないですか』
「あーなんだ。お前ら虎南高校のバカどもかよ」
『そうですよ。あ、冬木会長もこちら側に来ます?一緒に見回りをしましょうよ』
そして、話しかけてきたやつが近づいてきて手を差し出す。
「失せろ」
『ガハッ……!?』
ドゴッ!
俺は伸ばしてきた腕を右足で蹴り飛ばすと身体を捻って、左足で後ろ蹴りを放つ。そいつはそのまま吹き飛ばされて、黒装束の集団の何人かを巻き込みながら、壁に激突した。
「慧人?何もそこまでする必要はなかったんじゃないの?結構な距離吹っ飛んだわよ」
「別に」
俺はやつを蹴り飛ばした際に落ちたものを拾う。
「スタンガン。改造されているんだろうな。大方、俺が握手に応じた瞬間に気絶なり動きを止めて、コイツを攫おうとしたんだろ?そんなことしようとしてきた相手に、かける情けはねぇよ」
「確かに、演技は0点だったわね。明らかに裏があるって思ったもの。ダメよ?信用させるためには言葉とか仕草に気をつけなきゃ」
「それとさ、テメェは……いや、テメェらの中に
もっとも、気配すらごまかさないといけないから、そんなのは不可能に近いだろうけど。それに、今の忠告も肝心の相手は伸びているだろうから聞こえてないだろうが。
『ッチ、そこまでバレていたか……!』
『とある方の情報で虎南高校が黒装束で襲うって聞いたからよ……』
『便乗して全ての罪を被ってもらおうと思ったが……』
いいように使われてんじゃねぇよバカどもが。
『へっ、秘密を知ったからには生かしておかねぇ』
『大人しく女を置いて逃げな』
『こっちはまだまだ人数も武器もあるんだぜ?』
そう言って各々が武器を取り出す……やれやれ、クリスマスイブだってのに、物騒なもの出しやがって。
「千聖。俺の傍から離れるなよ」
「え?そ、それって……プロポーズ?」
「は?」
「だって……この先もずっと俺の傍に居ろっていう……」
「…………」
武器とかを見て騒がれると確かに困るが、何というか……こういう反応も困るな。うん。
「はぁ……その話の続きは全て片付けてからだ」
「……そうね。ご両親へのご挨拶も済ませないと……」
「…………お前、一回黙ってろ」
「ふふっ、じゃあキスで黙らせてほしいわ」
あのさ、今の状況知っている?目の前には武器を持った黒装束の集団。で、暗い路地裏で目撃者もいない。ここで俺が負ければ、お前は明らかに社会的にも精神的にも死ぬぞ?知ってるのか?
「はぁ……」
何というか……すげぇやる気が失せた。
「そんな!ヤる気を取り戻さないとこの後のお楽しみがなくなっちゃうじゃない!」
「うん。元からねぇから安心しろ」
『ゴチャゴチャとうるせぇ!』
『黙ってくたばってろ!』
「分かったわ。猥談でもしましょう。そうすれば途中からヤりたくなるわ」
「よし、真面目な話をするか。これは物理の話になるが……パンチの威力ってのは重さと速さの積。まぁ、力積の話だな。衝撃という一点を考えるなら重さよりも速さに重きを置いた方が、最大値は高くなる」
「そうなのね」
「だからなんだって話だが」
「本当よ。(ピーー)に関することを話した方が余程有意義だわ」
俺は斜め後ろから聞こえてくる戯れ言を無視しながら、迫り来る不良たちに対し左足を前に出し、右足を後ろに下げ、足を開くようにして立つ。拳をしっかり握りしめ、右肘を引きながら右腰も同時に引いて身体を捻る。
「安心しろ。本気は出さない。この一撃で全員を沈めるが……悪く思うなよ」
一呼吸置いて……
「はぁっ!」
次の瞬間パンチを放つ。そして、もとの体制に戻す。
すると、バタバタと倒れていく相手。数秒後、目の前の黒装束は全員倒れた。
『『『…………』』』
「え?」
「気絶したな」
「今のパンチ……見えなかったんだけど。そもそもパンチをしたの?」
「したけど?スーパースローカメラでもあれば分かるんじゃね?」
「いやいやいや慧人。落ち着いて頂戴?人間のパンチを見るのにスーパースローカメラが必要なのよ?あなたボクサーだったかしら?」
「ん?あー言ってなかったな。俺、右腕が機械で出来ているんだよ」
「え?」
「だからジェット噴射で不可視のパンチを放てるんだよ」
「え?」
「ま、冗談だけど」
「え?」
「ん?千聖?」
「え?」
「おーい」
「え?」
どうやら、頭の中がショートした様子の千聖。やれやれ……コイツならこういう姿を見ても大丈夫だと踏んで連れてきたが失敗だったか……
「とりあえず、あのバカどもに偽者が現れたことを伝えるか」
そう思ってキャプテンに電話をかける……が。
「出ねぇなあのバカ」
アイツらも集団で動いている以上、電話……通信手段に関しては敏感になっていると思ったのに。ましてや俺というある意味最大の敵からの電話……こっちの様子を知るのにうってつけなのに出ない。……まぁ、気にはなるが、別のところに電話をかける。そっちは数コールしないうちに出た。
「あー俺だ。後片付けを頼みたい。だから他の暇人たちにも伝えとけ。…………え?喧嘩なら何で言わなかったんですか?って?んなの言うかよ。とりあえず、これから本拠地乗り込むから……何?今から人集めるから連れて行ってください?嫌だよ。お前らは後片付けだ。場所は…………」
そして、場所だけ伝えて電話を切る。どうせ、俺が止めようとアイツらは来るだろうが……その前に片付けるだけだ。
「今の電話の相手は?」
「ん?あーこいつらを更生してくれる調教係たちというか……ま、そんな感じだ」
「ふーん」
「で?俺は乗り込むから、帰るなら送るけど?」
「ふふっ、人を囮に使っておいてよく言えたわね?」
「気付いていたか……まぁ、気付くよな」
「……最後まで付き合うわよ」
「そうか」
「だって、あなたが必ず守ってくれるんでしょ?それに、どうせ終わってから電話なんてかけないでしょ?嫌よ。ないとは思うけど、考えて不安になるのは」
「ま、見ても楽しくねぇけど……安心しろ。お前には指一本触れさせねぇ」
「えぇ。触れていいのはあなただけだもの」
「いや、それは支障しかねぇだろ」
「ふふっ、そうね。いつでもどこでもどんな場所でも、許可しているのはあなただけよ」
「いや、そこまでいらねぇよ」
「そんな……!」
がく然とする千聖。はぁ……本当に信用されているというか何というか……
「じゃあ、行きましょうか。夜のデートに」
「随分と物騒なデートだなおい」
俺の腕に両手を回し、胸を当ててくる千聖。何だろう。傍目から見ればカップルに見えなくもないような……
「やっぱり、このままホテルに行くべきじゃないかしら?」
「いや、行かねぇから」
人にはオーラがある。普通の人には見えないモノだが、確かにそこに存在している。
オーラとオーラは惹かれ合ったり、離れたりし、その人の存在感を示す一つのモノ。
オーラさえ見れば、相手の力量は測れる。だから、自身より弱いオーラを持つモノを少しずつ仲間に引き入れた。数が増えてきたタイミングで、自身より強いオーラを持つ者も引き入れていく。そうして、オレはこの集団を纏めるトップに立った。
だが……
「ここか」
その男が入ってきたとき、初めてオーラが見えなかった。夜の闇と同化したのだろうか?驚きはしたものの、背景と同じ色だから見えなくなっているのだろう。隣の女のオーラは、金色の明るいオーラにドス黒いオーラが垣間見える……腹黒い人のオーラがする。戦闘力は低い。
「たくさん居るわね」
「こんなもんだろ」
その男はこちらの数を見てもたいして驚いた様子はない。ただの道に迷ったカップル……ではなさそうだ。その事を察すると同時にドサッと何かが落ちる音が響く。
「見張りに人員を割く余裕があるくらいだし」
それは見張りとして立っていた奴。一人だけがこちらに向かって投げ捨てられたが、恐らく他の見張りも全滅しただろう。こちらの人員もそれを分かってか武器を構えて、今にも突撃しようとしている。
『『『…………っ!?』』』
男が目を見開いた瞬間、恐怖が襲った。そして、見てしまった。オレたちのオーラが、黒い何かに塗りつぶされていく様を。
ドサッドサッ
「二人だけ……流石にまだ難しいか……」
何かが落ちる物音がすると同時に、気付けば二人が倒れ込んでいる。そんな様子を見て、ポツリと何かを漏らす男。一体何が起きているのか分からない。他の奴らも戸惑いを隠しきれていない。しかし、その男はこちらを待ってくれるほど甘くはなかった。
「
次の瞬間、男が手を握り、軽く腕を振るう。その動作と同時に、オレたちのオーラは、黒い何かに吹き飛ばされた。
何が起きたか分からない。あの男が何をしたのかも一切分からない。ヤツは何者だ……?本当に人間なのか?
「お前がリーダー格か」
ゆっくりとその男は近づいて来た。気付けば辛うじて立っているのはオレだけで周りは地に伏している。たった一撃……いや、たった一回腕を振るっただけでこの様だ。
「一つ教えてやる。俺とお前では次元が違う。格上のオーラを格下が見られるわけがねぇだろ」
「……っ!?」
「どういうことなの?慧人」
「つまり、こういうことだよ」
次の瞬間、その男の後ろに影が現れる。その影は徐々に大きく、形を作っていく。そして……
「あ……ああぁっ……!??」
この時、オレは最悪の絶望を目の当たりにした。
「いや、どういうことなの?いきなり悲鳴を上げながら崩れ落ちて気絶したけど」
「まぁ、威圧したらこうなったってことで」
「ふぅーん……私も身につけてみたいわ」
「身につけてどうするんだよ」
「無能なプロデューサーを威圧して、悲鳴を上げさせながら心をへし折りたいわ」
……その仕打ちはあまりに可哀想だな。
「さてと、帰るか」
「いいの?ここの人たち放置で」
「五分もすれば回収屋さんが来る。心配しなくても大丈夫だろ」
「ふーん」
そんな感じで帰路につく。そして当たり前のように腕には千聖がくっついている。
「それにしても、囚われた女の子とかいなかったわね」
「そりゃぁ、コイツらも犯罪集団じゃなくて所詮不良の集まり。いくら
「なるほどね。数少ないチャンスを待っていたのね。きっと彼らには最高のエサに見えたんでしょう。私を落とせば、あわよくば繋がりで他の子も落とせる……屑ね」
「心配するな。そういう屑を更生してくれる奴らが回収してくれるから、きっと次会ったときはもっとまともになっているさ」
「ただ、黒装束のお陰で顔は分からなかったから、次会っても気付かないけどね」
確かにな。顔は分からないが、オーラは分かった。多分、大丈夫でしょ。
「それにしても、スリリングで刺激的なデートだったわね」
「そうか?」
「えぇ。そして、デートは最後まで……よ?」
「知るか。帰るぞ」
「そんな!」
何か言っている千聖を連れて俺は帰るのだった。
「せめて、ホテル……間違えた。イルミネーションぐらいは見に行きましょうよ!」
「…………少しだけだぞ」
「やった♪」
少し寄り道をして……
慧人くん
ついに目を見開くだけで相手を気絶することに成功したやべーやつ。
その前に、目に見えないパンチで敵をなぎ倒したやべーやつ。
そもそも、そこそこのサイズの瓦礫を空高く蹴り上げ蹴り壊したやべーやつ。
千聖
向こうでもこっちでも、どんな時でも変態なのは相変わらず。
その上、アイコンタクトで意思疎通出来るようになりました。
慧人くんのパンチが見えなかった時には流石に固まった。
その後は夜のデート(健全)に行ったらしい。
紗夜さん
最近、出番が少ないのでは?と疑問に思い始めたメインヒロイン。
一応、要所要所ではしっかり出ているが足りない様子。
君が主役なのはクリスマス編の4話目だから……え?次回?次回も出番はあるよ……うん。
不良のトップ
とある方の話に乗った結果、やべーやつが襲撃に来た。
仲間を失い(?)精神的ダメージ(?)を負い、やべーやつの仲間に回収された。
彼は一体どうなってしまうのか……