元ネタは分かる人には分かります。
12月25日。
今日のことは反省も後悔もしていない!……が、そう書いてると怒られるので、反省と後悔をしたことにしておこうと思う。
クリスマス当日。前日から、街や世間の賑わいはピークを迎えている今日この頃。
昨日はクリスマスパーティー(賑やかな)をしたりクリスマスパーティー(殺戮の)をした俺。そんな俺は今日……
「それではコレより、例のクソ野郎を潰す会議を始める」
「「「…………」」」
「あの……私の補習授業中なんだけど……」
虎南高校にいた。
「というかさ……」
「待て冬木。これは大切な会議だ。発言する場合は挙手をし、議長……もとい俺に発言の許可を求めるように」
「……へーい」
「冬木。発言を許可する」
「というかさ……テメェら何したんだよ?後、そもそも例のクソ野郎って誰?」
「本当だよ?授業を……」
「我々は、ソイツに不当な扱いを受けた。よって報復する。それだけだ」
「はぁ?」
虎南高校の補習は対象者は強制、残りは自由参加って感じ。また、補習者の数がアホみたいに多いので、補習のクラスがテストの結果順に分かれている。目の前に我らがキャプテンがいることで分かると思うが、ここは二年生の中でも選りすぐりの馬鹿が集まる、一番下のクラスである。ちなみに一年生、三年生の一番下のクラスよりもクラスの平均点が低いとか何とか。
また、補習のスケジュールも公開され、普段の学校の時間割のようにある程度の時間で教科ごとに区切られている。補習というか補講というか……まぁいいか。それで、俺のような自由参加組は何処のクラスで受けてもいいということになっている。だから、ここにいても問題はない。
「分かった。確かに俺たちは、お前を頼ったが、詳しく話していない。それはその反応をされても仕方ないだろう」
「むしろ来ただけありがたいと思え」
「あの……授業を……」
「俺たちのクラスは23日の終業式が終わってからヤツの手により個別に課題を出された。課題は、24日の最終コマの現代文で発表するスピーチの原稿を考えろとのこと。スピーチのテーマは各々与えられたが……」
スピーチか。確かに今後社会に出て自分の意見を周りに主張する場もあるだろうし、何かしら企画のプレゼンで話すこともあるだろう。内容は国語力などが関わってくるし、発表も聞き手を引きつけるようなものにしないといけない。たががスピーチだが……なるほどな。中々面白そうな授業をしているな。
「俺たちは各自が必死に調べて頑張った。他人のをパクらないようにか、ご丁寧に各自テーマはバラバラだったんだ……!」
「お、おう……」
「ある者はインターネットと睨めっこして必死に調べた。ある者は見たいアニメを録画してまで書いた。ある者は目の前で友人たちがいちゃついているのを尻目に血の涙を流して書いた」
「「「…………(うんうん)」」」
「しかし……しかしだ!あろうことか!あのクソ教師は俺たちの努力を踏みにじった!ヤツは俺たちのスピーチ中にスマホゲーをしていやがったんだよ!しかも音ゲーだ音ゲー!」
「…………おう」
「その上だ!その上でヤツは退屈させる方が悪いだの聞くと耳が腐るだので最低評価!しかも、その後に三時間以上に及ぶクソ長ったらしい自慢話やらなんやらで……!」
『クソォ……!ヤツさえ居なければ……!』
『アイツ、絶対、処す……処すべき……!』
『このままクリスマスまで台無しにさせてたまるかよ……!』
あー……だから、昨日のこいつらの活動は規模が小さかったのか。それに電話をかけて出なかったのも納得だ。だって、代表格は全員このクラスだから……なるほどな。……街の平和のためには、こいつらはここに監禁しておいた方がいいんじゃないか?
「というわけで、お前ら!もう我慢ならねぇ!俺たちを舐めたらどうなるか……身を以て思い知らせるぞ!」
「「「おおおおおおおぉぉぉぉっ!!」」」
「…………」
空が青いなぁ……俺はそう思いながら窓の外を見上げていた。
「…………(ちょいちょい)」
するとこの授業の補習担当の先生に呼ばれる。何だろうか?
「ちょっと授業にならないから校長先生に報告するね」
「いいと思います。なんならついて行きますよ」
「ありがと……」
うん、決まった。教師一人を潰すより、アイツらを監禁しておいた方が世のため人のため俺のためになるなって。
ということで校長室……
「……なるほど」
事情を説明し終えた校長は、先生だけを下がらせる。残されたのは俺だが……
「正直に言おう。この展開は予想できたことだ」
「はぁ……で?どうするんですか?」
「…………(ちょいちょい)」
校長先生に手招きされて近くに寄る。何だろうか?
「あまり大きな声では言えないが……」
校長先生のありがたいお言葉を聞いた俺は、バカどもの集う教室に戻る。そして……
「あのクソ教師を潰すぞゴラァアアアアア!」
『『『やろうぜ会長ぉぉぉおおおおおおっ!』』』
昨日、CiRCLEが物理的に崩壊した。しかし、演奏するステージは地下にあり、奇跡的に機材とともに無事だったため、私たちは限られた時間を使い、CiRCLE最後のライブに向けて準備を始める。
一分一秒だって無駄にはできない。私たちはクリスマスにもかかわらず全員が集まり……
「何で慧人さんがサボっているんですかね……!」
サボった問題児に対し、フツフツと怒りが湧いて来るのを感じていた。
「まぁまぁ、紗夜ちゃん。慧人がサボりなんてするわけないでしょ?学校じゃあるまいし、きっと何か用事があったのよ」
「えぇ、その可能性は十分に考えられます。しかし、私に対しても誰に対してもそんな連絡はない……!」
やれやれ、あの人の自由さには困ります。これはお説教が必要かもしれませんね……!
「あはは~☆でもクリスマスで言えない用事があるって言われると、紗夜が怒るのも分かるよ~」
「何を言っているんですか今井さん。私はこんな忙しいときにサボったことを怒っているのです。決して、クリスマスを別の女性と過ごしているからここに居ないかもしれないと思って怒っているわけではありませんよ決して」
「「…………」」
((絶対それでしょ……))
「紗夜!慧人を見つけたわ!」
「弦巻さん。どこに居るんですか?」
「虎南高校よ!」
そう言うと黒服さんたちが動き出し、用意したスクリーンに何かを映し出す。
「これは……?」
とある教室。座っている男子生徒の中に慧人さんの姿はあった。
「えっと……盗撮?」
「いえ。教室に仕掛けられていたカメラからの映像をここに映しただけです」
「「「…………」」」
(((それって、ハッキングじゃ……)))
教室の四隅と前後左右の計八箇所に設置されているのだろうか?何が目的でカメラがあるのかは定かではないが、カメラに写っている生徒の服装からして……全員が虎南高校の生徒ということは間違いない。
「そう言えば、慧人さん言ってましたね。前のボイコットの一件で、多くの虎南高校の生徒が冬休みに補習になったとか」
「あー言ってたね~でも回避したんじゃなかったっけ?」
「そうですね。ただ自由参加ってことで参加できるそうですが……」
「でも、あの慧人が勉強したいから補習に参加する……なんてことするかしら」
「しないですね」
「しないよね~☆」
「あり得ないわ」
「あこもそー思う!」
「私も……」
「み、皆さん!?どうしてここに?」
「「「
「本音と建前が逆だね~って、あれ?皆揃っちゃった?」
気付けば全員が集まり、スクリーンに流れる映像を見ています。
なるほど……これは……
「授業参観に来ている親ってこんな気持ちですかね?」
「うーん、我が子が何かしでかさないかって?」
「そうね……」
(((絶対に何かやらかすでしょ)))
そう思っていると聞こえてくるのはチャイムの音。そして、教師が入ってくる……えっと、これからどうなるのでしょうかね?
『ほう?全員揃っているようだな……む?冬木君。君は自主参加かね?』
『はい!先生の下で勉強したくって!』
清々しい笑顔、聞くだけなら優等生を思わせる言葉に私たちは……
「「「おぇ」」」
今まで感じたことのない吐き気を覚えていた。
「ゴメン。アレは無理」
「裏があるんでしょうけど……似合わなさすぎてちょっと」
「ないわ」
『はははっ!お前らのようなバカの中にもどうやら私の講義の素晴らしさが分かるものがいたとはな!いいだろう!今日は徹底的に授業をしてやろうじゃないか!』
『そんな先生の授業を受けられるなんて光栄です!』
相も変わらず慧人さんの気色の悪い……失敬。絶対に裏のある発言。その証拠に慧人さんのこめかみがピクピクしており、コイツ、ここで潰す的なオーラをカメラ越しの私たちでさえ感じる。
(((さぁ、始めようじゃねぇか……!俺たちを敵に回したクソ野郎への制裁をよぉ……!)))
とりあえず、教師の気分を上げさせ、俺がいることを許可させた。……ほんと、自分で言ってて吐きそうになったが……まぁいい。さぁ、
「今日は……」
pipipi
「誰だ?授業中はスマホはマナーモードが原則……しかも私の授業だぞ?」
そう言って音の鳴った方へと歩く先生。
「ここから聞こえたなぁ?なんだ?着信でも来たか?」
「スマホはいじっていません」
狙われたのはキャプテン。確かにアイツの席から音が鳴ったし……
「はっ!じゃあ、さっきの音はどう説明するんだい?」
「トランシーバーの受信音です」
「トランシーバーぁぁああああ!?」
「あーあーこちらキャプテン。会長、何か御用ですかい?どうぞー」
「あーあー俺だ俺。とりあえず繋がるかテストしてみたかった。どうぞー」
「そうですかい。繋がったならよかったです。どうぞー」
「よし、じゃあこれで切るか。どうぞー」
「じゃないわ阿呆ども!この距離で!この間隔で!トランシーバーでやり取りする馬鹿がいるか!」
「「ここに居ます!」」
「クソどもがぁ!」
「先生!そんなカスども放っておいて授業しましょう!」
「そうですよ!そこのクズどもに構うだけ時間の無駄です!」
そう言って俺とキャプテン以外のこのクラスにいる
「ッチ!次使ったら没収だからな!」
「「ういー」」
「はぁ……全くこれだから……!」
と、教壇に戻っていく先生。
スッ……
「そこ!昼食が足りなかったのかい?」
その道中で、こっそりと食事をしようとしたアホを指摘する先生。そのまま壁の役目を果たしていた教科書を取り上げる。そこにはおにぎりが隠されていた。
「バレないとでも思ったか?授業中の飲食は禁止だぞ?」
スッ……
「って言っただろ!貴様もか!」
「オレたちだけじゃないッス!こいつらも同罪です!」
おにぎりを食っていたやつの隣で菓子パンを食っていたやつが、
「全員動くな!今から一人一人確認してやる!」
なんと言うことだ……
そして明らかになっていく、皆の昼ご飯。
『ハンバーガー』
『親子丼』
『ラーメン』
『鮭(丸々一匹)』
『鍋(下からカセットコンロの炎)』
「ちょいまてやぁあああああああああああ!」
「「「何か問題でも?」」」
「特に最後の二人!お前ら何がしたいんだよ!」
「「ご飯が食べたい」」
「そういうことを言っているんじゃねぇよ!」
「はっ、まさかアンタともあろう人が、俺が熊のように生魚を食うバカだと思ったんですか?」
「どこからツッコめばいいか分かんねぇんだよ!?」
「んじゃ、教えてやろうか!」
パチンッ!
右手を挙げ、指パッチンをする。音が綺麗に鳴ったのを確認して立ち上がる。
「ということで冬木慧人による、三分クッキングのスタート!」
「「「YEAH!」」」
「今日の料理はなんすか!会長!」
「いい質問ですね。今日は鮭をさばいて鍋にぶちこもうと思います」
「「「Foooooooooo!」」」
「その間に皆さんは野球部部長の持ってきた鍋を堪能してくださいね」
「おい!いい感じに煮えてるぞ!」
「やったな!食おうぜ皆!」
「じゃねぇんだよ!つぅかどっから持ってきたそのまな板と包丁!」
「From 調理室」
「無断で持ち出したんか!」
「許可は取りました!」
「何で許可が降りているんだよ……!」
「そんなことより先生!」
「なんだ!」
「ラーメンが伸びてしまいます」
「知るかぁあああああああああああっ!」
先生の絶叫を聞きながら、鮭を捌いていく。ふっ、場所がたとえ教室だろうと俺のやることは変わらないぜ。
「後はその鍋に入れて、煮えたら完成です!」
「流石だぜ会長!」
「すげぇテクニックだ!」
「なんて早業だ!」
「そこに痺れる憧れるぅっ!」
「えぇい!テメェら全員!荷物検査じゃボケェええええええええ!」
グツグツと鍋が煮えている中、荷物検査により、俺たちの持ち込んだものがバレた。
そして、先生が教壇で頭を抱えていた。
「お前らなぁ……まだこれは分かる」
そういって出したのは、ゲーム機や漫画、ラノベ、トランプ、写真集、エロ本などなど……ふむ。
「せんせー俺はそんなもの持ってきてないんで、優等生ですね」
「んな訳あるかこの阿呆が!」
ダンッ!
教壇を思い切り叩きつける先生。なんだろう。栄養が足りていないのか?もしかして、昼食食べ損なったとか?
「コレらはさっきので分かる!」
そう言って見せたのは……
『トランシーバー×2』
『鮭の頭(さっき切り落としたヤツ)』
『包丁&まな板(しっかり洗っといてね)』
『ガスボンベ(予備)』
「…………ふむ。これらが分かれば残りも分かるのでは?」
「わかるかあぁぁっ!」
そう言ってヤケクソ気味に出したのは、
『掃除機』
『消火ホース(消火栓から引っ張ってきた)』
『ストレッチャー』
「あはは~たまたま鞄に入ってたんですよ」
「んなわけあるかぁあああ!サイズ的にも諸々無理があるんじゃボケェええええええええ!」
「冗談ですよ。俺の鞄は四次元ポケットじゃねぇです」
「だろうな!冗談じゃなかったらテメェを病院送りにしていたわ!」
「おい皆!俺たち全員病院送りだから早退できるってよ!」
「よっしゃぁ!皆!荷物を纏めろ!帰るぞ!」
「どうする?救急車何台呼ぶ?」
「面倒だし徒歩でいいだろ」
「動くなバカども!そんな喜々として病院に行くヤツが居るか!」
「やれやれ、生徒の小粋なジョークが通じないですね」
「「「うんうん」」」
「テメェらの冗談は冗談に聞こえねぇんだよ……!というか、何で消火ホースをここまで引っ張ってきて誰も怒らなかったんだよ……!」
「許可は取りました!」
「何で許可が降りてんだよ……!ほんと、マジで」
「ところで知ってますか?俺って気を使える真面目な優等生なんですよ」
そう言って立ち上がり、前に行って掃除機を受け取る。そして……
ブォオオオオオオ
コンセントに差し込んで掃除機を起動する。空気の出る先を窓の外に向けて、どんどん吸っていく。
「鍋をしたら煙が出ますよね?煙くさくなったら嫌ですよね?だから掃除機で換気です」
「ヒュー!流石すぎだぜ!」
「優等生の鑑!」
「んなわけあるかぁああああ!」
「そして、冬は乾燥しやすい。万が一火災になっても被害を最小限に出来るよう既に消火の準備を整えています!」
「リスク管理完璧かよ!」
「これなら安心して鍋ができるな!」
「なんで現代文の授業で火災が起きるんだよぉぉぉおお!」
「更に!先生がツッコミ過ぎて倒れてもいいように!倒れた先生を運ぶ用意は万全です!」
「先生のことを思いやれる生徒の理想図!」
「よっ!虎南高校一の優男!」
「いらん準備じゃ馬鹿野郎がぁあああああああああああああっ!」
酷いなぁ。ここまで完璧に準備したものをいらないとは。
「ともかく!全部没収じゃクソどもがぁ!」
「「「な、なんだってぇぇぇええええ!?」」」
「あ、いいですよ?だって、全部学校とかの備品だし」
「没収だ没収!テメェらには過ぎたモノだぁああああ!」
「何だとこの横暴教師!」
「ふざけんじゃねぇぞコラァ!」
「そんなことが許されるわけねぇだろ!」
「
「調子に乗ってんじゃねぇぞ!」
「えぇい!全面戦争じゃボケェ!」
「あ、鍋がいい感じになったぞ」
「おう、バカどもが騒いでいる間に食おうぜ」
「くぅ……アホ面を拝んで食う飯はうめぇぜ……」
騒ぎ立てる生徒たちと教師。もはや教室中がうるせぇな。
そう思い、静かにスマホを弄ること何分か。
「冬木慧人!」
「へーい、何でしょーかー」
「キサマだけはスピーチをしていなかったな!今すぐスピーチをしろ!その評価によって貴様らの処遇を決める」
「ふむ……少し待ってください。原稿を書きます」
そういうことで、俺は掃除道具入れに隠しておいた道具を取り出し……
「…………(サラサラサラ)」
「な、何で筆で巻物に書いているんだこの男は!?」
「何言っているんですか?今時の男子高校生の流行ですよ?」
「なわけあるか!」
「ほら、他の奴らも見てくださいよ」
「…………(ちょんちょん)」
「…………(スッ)」
「…………(サラサラサラ)」
さっきまでの大騒ぎとは打って変わって、皆が静かに巻物に文章を筆で書き連ねる。
「お前らいつの時代の人間だ!?」
「「「由緒正しき現代っ子です」」」
「んなわけあるかぁああああああっ!」
「先生。そもそもノートにシャーペンや鉛筆で字を書くのが普通だと思っていませんか?今のご時世、タブレットでノートを取る生徒もいるなど、技術の発達によって今まででは考えられなかった方法が生み出されていく。時代は移ろい行くものです。ノートに字を書くのはあなたの常識であり、それはもう我々にとっては時代遅れなのです」
「「「…………(うんうん)」」」
「今の時代は巻物に筆で書くことですよ!」
「時代逆行してんじゃねぇか!?」
そんなツッコミをよそに俺は教壇の上に立つ。
「コホンコホン。僭越ながら、
「「「…………(し-ん)」」」
「ここに
そう言うと俺は手元にある原稿を読んでいく。
「虎南高校に通うとある教師。彼は自称あの優秀なA大学を、しかも学年主席で卒業した……と我々生徒には自慢するように言っている。それを盾に自分に従えとか自分は絶対とか言うが、実際は近所でそこそこのレベルのB大学を卒業している。しかもB大学には三浪してようやく入り、在籍中には単位が足りなく留年している。大学院に通っていたのは当然嘘であり、実際は浪人と留年によってそこまで年齢が変わらなくなったのだ。ここまで来ると教師になれただけ奇跡である」
「なっ……ど、どこでそこを……!」
「さらにその教師は我々のことを、阿呆だのバカだのクズだのゴミだの動物園の猿の方が賢いだの幼稚園児の方がまともだの野生に帰っているなどと罵る。しかし、その教師の頭はここにいるほとんどのやつと同レベルだと私は思う。明らかに見下しているが実際は同じ目線に立っている。違うのは歳だけだと言えよう」
「…………」
「更には、交際経験はゼロ。モテていたというのは嘘であり、そんな事実はない。それどころか、そのナルシストな振る舞いには周りはうんざり。彼を好きだと豪語する人間はおらず、隠れて実はというパターンも皆無。この補習にも渋々という感じで参加を表明していたが、実際の狙いはこの後に行われる忘年会に参加しやすくするためである。ちなみに、そこでとある女性教師を口説き落とそうとしているが……」
「も、もうやめてくれぇ……!」
「おやぁ?俺のスピーチもこいつらのスピーチと同じように、音ゲーしながら聞き流せばいいじゃないですかぁ?あれぇー?もしかして、聞き流せないんですかぁ?あー、だって事実ですもんねぇ?残念すぎるけど、全部
「…………っ!」
「アハハ、いいですね~その顔。いやー俺のスピーチって人を動かす才能でもあるんですかね?ねぇ、クソティーチャー?アンタは産休をとった先生の替わりに穴埋めとして来た先生。いやぁ、ウチが馬鹿高校だって侮りましたね?ねぇ?自分が馬鹿だと言っていた相手にやられる気持ちはどんな気持ちですか?ねぇねどんな気持ちですかぁ?あー、そう言えば、ここに来る前の学校でも何か起きたんですよね?確か……」
そう言うと、俺につかみかかって来る先生。
「テメェ!それをどこで!」
そして、そのタイミングで……
「失礼するよ。何でも補習がうるさいと……」
校長先生登場。さて、問題です。入ってきたら先生が生徒の胸ぐらを掴みあげていかにも殴りかかろうとしています。さぁ、どうなるでしょうね?
「Good bye fu○king teacher」
「コイツ……!」
舌を出し、中指を立てて小声で声をかける。そのことにブチ切れる先生。
そして、拳を振るわれるタイミングで先生を突き飛ばし
こうして、クリスマス補習潰し作戦……いや、クソ教師排除作戦は終了した。
授業とは思えない騒動を見ていた彼女たち。皆が呆れたり、笑ったりしている中……
「今井さん」
「な、何かな……?」
「ちょっと慧人さんをシメてきますね」
「い、いってらっしゃい……」
一人だけ明らかに怒っていた。
ちなみに、この時の紗夜の様子は、鬼神が目覚めたようだったと語られるのだった。
一方、そんなことを知らない慧人は校長室にいた。
「えぇ、ありがとうございました。では、これで……」
「今の電話の相手は?」
「まぁ、あの教師の経歴を調べてもらったり、短時間で道具を用意してくれた協力者たちです。ちなみに、この後の処分も頼んでいますのでご安心を。黒服さんって俺は呼んでます」
「なるほど。その人たちにもお礼を言って欲しいが……よく排除してくれた」
「いえいえ、校長先生もカメラで見ていたとはいえ完璧なタイミングですよ」
「まぁ、流石に大切な我が生徒、先生たちからもクレームがあったからねぇ。それにしても流石の暴れっぷりだよ」
「お褒めにあずかり光栄です。生徒会長ですので、教師であろうとなんであろうと、学校を脅かす危険は全て排除しますよ」
「それに、補習が潰れたお陰で、彼らの宿題を三倍に、そして出来ない者には補習に来させる名目も生まれた……これで学力の改善が図れるといいんだけどねぇ」
「ククッ、校長先生も悪ですねぇ」
「君こそ。なかなかの悪だねぇ」
「いえいえ、先生には及びませんよ」
「「あっはっはっは」」
『やはり、あの先生ではダメでしたか』
『まぁまぁ。収支をすればあの男はマイナス……元々、消えてもらう予定だったから、手間が省けたよ』
『それでも先生。一教師を葬ったというのは事実。……中々やりますね』
『委員長。どうやら、昨日の襲撃も失敗に終わったそうです。情報によると冬木慧人たった一人で壊滅させたとのこと』
『やれやれですね。せっかく、色々と情報を流してあげたと言うのに』
『所詮は烏合の衆ってことだろ?ヤツを倒すにはもっと強大な戦力を集める必要があるな』
『……次の作戦の練り直しですね。出来れば私たち風紀委員会が動く前に、彼には消えて欲しいのですが』
『期待しているよ。君たちの正義なら、必ずあの悪を打ち倒せるはずだよ』
『『『はい』』』
次回、虎南の魔王VS花咲川の狂犬……クリスマスになにしてんだこいつら。
ということで、最後はクリスマスらしい(ここ三話に比べて)話にしたいですね(願望)
慧人くん
補習をお祭りに変えた主犯の自称、優しさ溢れる善良生徒。
校長と結託し、教師一人を葬った自称、真面目な優等生。
鬼神の接近をまだ知らない平和な自称、普通の生徒会長。
サッカー部キャプテン、以下補習組。
昨日の恨みを晴らせて上機嫌。ついでに鍋はおいしかった。
しかし、彼らは知らない……宿題が三倍になったことを。
???
やっぱりあの教師は使えなかったと反省。
そもそも不良集団も使えなかったと反省。
慧人くんは彼らの存在に気付いて居ない様子です。
紗夜さん
鬼神、覚醒。ポンコツではなく風紀委員の血が目覚めた様子。
クリスマスに他の女と居ると思って内心は焦っていた模様。
ちなみに、ライブ準備の名目で慧人くんと過ごせると思っていたのは内緒。