「ようこそ実力至上主義の教室へ」に勘至上主義のオリキャラが登場したら   作:shieru

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1話

綾小路side

 

入学式。オレは学校に向かうバスの中で座席に座ってゆらゆらと揺られていた。速いスピードで景色が変わりゆくのを意味もなく車窓から眺め、ざわざわとした車内の音を聞きながら過ごしていると、やがてバスはある程度混雑してきた。

乗り合わせたほとんどの人は、高度育成高等学校の制服を見に纏った同い年の者たちだ。

時間が過ぎていくに連れてバスは混雑してきて、オレの近くに立つ老婆は今にも転びそうなほどに足元がフラフラしていて危なっかしい。こんなに混むのは今日だけなんだからわざわざこの時間に乗る必要もないだろうに。運良く席を確保できたからいいものの年長者にとっては辛い時間となることだろう。

なんて穏やかな気持ちで他愛もないことを考えてうつらうつらしていたが、

 

「席を譲ってあげようって思わないの?」

 

という一言で閉じかけていた目を開いた。びっくりした。オレが怒られたのかと思ったが、どうやらオレの近くの優先席に座っている男が怒られているようだった。

優先席にどっかりと優雅に、豪胆に腰を下ろしたガタイのいい同じ制服を着た金髪オールバックの男。一回で目に入る情報量が多い。彼の目の前にはOL風の女性が立っていて、どうやら先程話した老婆のことをかわいそうにおもって怒っているようだ。

 

「そこの君、おばあさんが困っているのが見えないの?」

 

わざわざめんどくさいことだ。静かな車内でその女性の声はよく通り、周囲の人からの視線も集めている。その声の方がオレに取っては迷惑なんだが。

 

「実にクレイジーな質問だね、レディー」

豪胆に座っていた男は怒りや無視、もしくはないと思うが素直に譲るのかと考えたが、そのどれでもなくニヤリと笑いながら会話をすることに決めたようだ。

 

「なぜこの私が老婆に席を譲らなければならないんだい?どこにも理由はないが」

 

確かに法律で決められてはない。まあ、雰囲気的には譲るのが正しいんだろうな、ここは。というかわざわざ口論する方が面倒じゃないか?まあ、あの男がいいならいいけど。女性の方も論点がずれ始めて態度に怒り出してるし。嫌なバスに乗り合わせたなあ。

 

そんなことを考えていたら。

 

『私の席でしたら座ってください、おばあさま。どうぞこちらへ』

 

「ありがとうねぇ。わざわざ立ってくれてありがとう。飴ちゃんでよかったらどうぞ。」

 

『いえいえ、私が立ちたいって思っただけですから。わあ、ありがとうございます!気をつけてくださいねー』

 

どうやら俺の斜め前の女子高生が席を譲ったようだ。なのにあの女性はまだ金髪高校生を睨みつけてる、ほら言ったことが。席を譲る譲らないの問題は解決したはずなのに自分が恥をかいたことに怒りを覚えてる。偽善、ありがとうございました。

ところであの女子高生、なんだか親近感を感じるな、不思議だ。まあ、同じ学校で同じ学年なんだからまたいつか出会うだろう。




むずがじいーーー
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