六花テーマを作って愛用したらそのまま俺への愛が重くなった件について 作:白だし茶漬け
巷ではかなりの人気組み合わせらしいです……?
今回でネームドキャラの日常回は終わり、残りの2話はちょっと僕がやりたかった事をやろうと思っています。
残りの2話には、特別なキャラを出演予定です。
俺は今、命の危機に瀕している。
いや、正確には命そのものを狙われては居ないんだが、もし下手な真似をしたら今日の夜はとんでもない事が起こるかもしれない。
こんな綺麗でどこまでも広がる良い天気だと言うのに、俺の心は曇るばかりだ。
「あの……花衣さん?大丈夫ですか?」
目の前にいる白のノースリーブのトップスにベージュのジャケットを来た少し薄緑色の髪を持った女性、先咲花音が心配そうに声をかけた。
この子は俺の知り合いの1人であり、俺と同じ精霊が見える人間の1人だ。彼女にはアロマというモンスターの精霊が居て、今は姿を隠しており、俺の六花達も姿を隠しては……おらず、多分その辺に一般人に紛れて俺と花音のデートの様子を監視している。
今は訳あって、俺は花音とデートをしているのだ。今はとある遊園地で昼飯を食べており、カップル限定メニューを初々しく食べ進めてる。
「か、花衣さん。これ食べてみてください。美味しいですよ!」
花音がフォークでケーキを刺し、そのまま俺に食べさせようとした。
「じ、自分で食べれるから良いよ」
「ダメですよ。だって花衣さんはその……私の彼氏なのですから」
そう。デートである。花音とだ。六花達と閃刀姫達が居ると言うのにデートなんかして大丈夫かと言われそうだが、はっきり言う。大丈夫な要素がどこにも無い。
もしも花音と不埒を働いたら俺は精霊達にナニをされるか分からない。というかさっきから遠くの方から視線を感じる。チラリと視線を感じる向こうの建物の1番上を見てみると、閃刀機ーベクターキャノンのスコープで俺達の事を監視しているレイが睨んでおり、近くのテーブルには変装したティアドロップとカンザシが静かにテーブルを叩いた。
花音にはバレて居ないが、溢れ出る圧で俺にはバレバレであった。もしかしたらわざとバレるようにしているのかもしれないのだが。
こうなったのには少々訳があり、時は1週間前へも遡る。
1週間前。
「花衣さん。私の彼氏になってくれませんか……?」
俺の家に来た花音がいきなり爆弾発言をし、皆の逆鱗に触れた。
「よく私の前でそんな事言えますね。私たちの事を軽く見られているのでしょうか?」
笑顔で花音の事を威圧するティアドロップ。
「面白い冗談を言いますね〜二度とそんな冗談を言えないようになぶり殺してあげましょうか?」
黒い閃刀を見せびらかすように笑顔で音を出すように強く手で叩かせるレイ。
「す、すすすすすすみません!だけど本当の彼氏って訳じゃなくて、フリというか……」
「フリ?」
ガクガクと震えている花音を助ける為に2人をなだめ、とにかく花音の爆弾発言を真意を探った。
「ええと、花衣さんにはちょっと協力して欲しい事がありまして……」
すると花音は1枚の写真をテーブルに置いた。写真は男の写真であり、俺が言うのも何だが、パッとしない男性だが、人が良さそうな男だった。
他に言うことがあるとすれば着ている物も凄く高そうという所だろうか。背景に映ってる所も大きい屋敷であり、ここに住んでいると仮定して、かなりの御曹司だろうか。
「彼は私の……お見合い相手でして」
「お、お見合い相手!?」
高校生なのにまさかのお見合いという言葉が聞くとは思わなかった。
いや、だけど花音の世界なら普通の事なんだろうか、花音は特別誇る事もせずに話を続けた。
「お見合いと言っても、私やお母様は乗り気では無いんです。そもそも私は今、家を離れてますし、お母様もこのお見合いには批判的です」
「批判的?ではこれと花衣様がどんな関係があるというのですか?」
「……相手方の親が持つ会社が、お母様の会社の主要取引の会社なのです。だからあまり強く言い返せなくて」
「なるほど。たかが見合い如きに商売相手を減らすのは得策では無いと?」
レイの答えに花音は頷いた。
まとめるとこういう事だろうか
今の花音は、お見合いを受けられている状態であり、花音はそれに乗り気では無い。だが、お見合いの相手である写真の男の親が、花音の母親の会社の取引会社であり、今後いざこざにならない為にあまり強く言えないと。
大人の世界って難しいな……だからといって、自分の子供を巻き込むのはどうかと思うが。
「でも、それが俺とどう関係するんだ?」
「実は……私にお付き合いしている人がいれば、流石に相手方もお見合いは取り消してくれるだろうと考えたので……その、あの……」
花音は俺と目線を合わせたり合わせなかったりと指をいじり、言いたい事を言えないまま顔を赤くさせた。
そんな反応にティアドロップとレイはイラつきだし、同時に机を叩いてはっきりいった。
「「言いたいことがあるならハッキリ言いなさい!」」
「はい!実は私と花衣さんが付き合ってるって相手方に言ってしまいましたっ!それで相手方は信じてくれなくて……証拠を見せろと言われて」
すると花音はロマンス・タッグデュエルで撮った写真を見せ、苦い反応をしていた。
「……あー。なるほど」
つまり、これだけでは信じられないと言われたから、俺に彼氏役になってくれという事だろう。
一応言っておくが、俺と花音は付き合って居ない。そんな事すればティアドロップとレイだけではなく、カンザシやロゼ達に襲われる事間違い無しだ。
いや、襲われるだけならまだ良い方なのかもしれない。
とにかく、付き合ってもいないのに付き合っていると嘘をつき、その嘘がバレでもしたら後々面倒な事になるのは間違いないだろう。
「花衣さんに迷惑をかけてしまった事は本当にすみません……ですがこれしか思いつかなくて。だから皆さん、お願いがあります。花衣さんを1週間だけ私にください!お願いします!」
カレンは椅子からたち、俺や精霊全員に対して頭を下げた。姿を見せなかったカンザシ達も姿を現し、話し合いをした。
数々の意見が飛び交う中、ティアドロップ達は条件付きで事を打った。
「分かりました。ですが2つ条件があります」
「条件?」
「1つ、私達も同行します。ただしそのお見合い相手という方に気づかれないようにします。貴方には迷惑をかけません。2つ目は……」
そして、今に至るという訳だ。ある時は動物園に、ある時は水族館、ある時は美術館とデートスポットという名のスポットに行き、今日は花音の提案で遊園地へと決まった。
花音のお見合い相手も恐らくティアドロップと同じようにどこからか見ているのだろうと花音が言っていたので、ぎこちないながらもこの1週間花音と過ごしたが、相手の方からの反応は無かった。
まだ疑っているのか、それとも諦めてくれたのか……いずれにせよ、花音と俺が付き合っていると相手が思ってくれない限り、この作戦は失敗だ。
まぁそもそも、そいつが見ているかどうかは分からないけど。
「それにしても遊園地か……」
「初めてですか?」
「いや、こことは違う所に何度かある記憶はある」
「そうですか。私、実は遊園地なんて初めてなんです」
「へぇ……意外だな。てっきり来たことあると思ってた」
「はい。だから結構調べたんですよ。知ってますか?夜になると、この広場でイルミネーションが始まるらしいですよ。そしてなんと、観覧車から見ると違った絶景が見れるらしいですよ」
普通イルミネーションは近場の方が迫力がある物だが、まさかの観覧車で見るとは……
「そして何と。ここに観覧車の特別チケットがあります。本っ当に苦労しました……1週間前に予約したかいがありました」
「……ん?1週間前?なぁ花音、それってどういう事だ?それじゃあまるで、最初からそれ目当てでここに来た様な気がするけど」
俺が遊園地に居るのは、花音が今日遊園地に行こうと言ってきたからだ。
だが、花音がさっきの言い方だと。1週間前、つまり、見合いの人を欺く様に彼氏役をしてくれと頼まれたあの日から、計画していたという事になる。
そうなると、花音は最初からここを目的にしていたということになる。何だが矛盾している様な気がし、花音に探りを入れると、花音は分かりやすく焦りながら話した。
「え、ええと……そ、そうです!あまりにもぎこちないと怪しまれると思うので、実は考えていました!ほら、敵を欺くには味方からって言うじゃ無いですか」
確かに筋は通っている。
だが明らかに焦っている花音が気になるが……別段気にする事では無いだろう。俺は気にも止めず、花音との食事を続けた。
それにしてもこの料理美味いな……まるで俺の好みに合わせているかのように食べやすい。
花音も楽しそうに料理をたべており、思わずこっちの頬も緩んでしまう。
しかし周りに精霊達の反応がいる事を忘れてはならない。こっちには振り返ってはこないが、まるで背中に目でもついているかのような圧を放つティアドロップとカンザシ、そして限定スイーツを物欲しそうに見ているストレナエとプリムとシクラン……は問題無いな。
それとスノードロップとヘレボラス、エリカやボタンも近くにいる。意外と目立つ変装してるなぁ……逆にレイ達が全く見えない。
閃刀の技術で姿を消しているのか、それとも本人自身のスキルなのか分からないが、今の所レイしか見当たらない。
「ん?花衣さん。どうしたんですか?」
「ああごめん。ぼうっとしてた。後、これ持ち帰る事って出来ないかな。ストレナエやスノードロップとかに食べさせたらきっと喜ぶと思うから」
俺はまだ手をつけてないスイーツを指を指し、ストレナエ達にあげる為にわざと残した。
すると花音は何を思ったのか一瞬暗い顔を浮かべ、その後何事も無かったかのように微笑んだ。
「……はい。ちょっと聞いてきますね」
花音は席を立ち上がり、店内にいるスタッフに持ち帰りが可能かどうか聞いてくれた。頼みを聞いたスタッフはどこかへと行き、大きめの箱と袋を持ってきて花音に渡し、それを俺に渡してくれた。
「どうぞ、花衣さん」
「あ、あぁ。元気が無いけど大丈……」
「大丈夫です」
「そ、そうか……?」
大丈夫と言われても花音はこれ以上何も言わずに黙々とケーキを食べ続けた。ここまで何も言わない花音も珍しく、何だか怖いぐらいだ。
「か、花音?」
「何ですか?」
言葉の節々に怒りの圧を感じる。花音はただ微笑んでいるだけなのに、天地が揺らぐ程の壊さがあり、背筋が思わず凍りつく。
「お、俺……何かした?」
「花衣さんは別に何もしてませんよ?花衣さんは誰にでも優しいのは良くわかってますから」
怖いながらも少し悲しげな花音の顔を見た俺は、ズキリと胸の奥に針が刺さったかのような痛みを覚えた。
とにかくストレナエ達に渡すケーキを渡された箱に入れ、空気が少し悪いながらも食事を終えた俺たちは、夜のイルミネーションの時間まで適当なアトラクションで時間を潰した。
そして夜。人々はイルミネーション目当てで広場へと向かう中、俺達は観覧車の方へと歩いて行った。
しかし気になる事があった。観覧車から見えるイルミネーションも格別だと言うのに、それ目当ての人がほとんど居ない所が気になった。
チケット制とは言え、観覧車といういくつもの席がある中で、花音だけ持っているというのはおかしい気がする。
それに、目立たないようにしているが、ティアドロップ達もこの観覧車に向かっていった。こうなるとティアドロップ達もチケットを持っているという事になる。
……どういう事なんだ?疑問が増殖する中、花音と俺はチケットを帽子を被っている係員に渡し、観覧車の中へと誘導されて。
「それでは、素敵な夜をお楽しみください。お嬢様と王子様君」
「……?」
帽子を被った係員さんは顔を見せずに不敵に笑い、どこかで聞いた事ある様な声と思いつつも、観覧車の籠の中で揺られながら、夜の空へと登っていく。
花音は俺と向かいの席を座り、何も言わずにじっとこっちを見ていた。
気まずいから何かしら喋りたい気持ちではあるが、こういう時何を言えばいいか分からないし、花音も少し怒ってもいた。そんな状況で密閉された空間で2人きりとなると、少し重苦しい。
このままでは心が窒息してしまう。そうならないように勇気を出して声をだそうした。
「「あの……」」
間が良いのか悪いのか、花音も同じように俺と同じタイミングで声を出し、また気まずい空気が漂った。
「か、花衣さんから良いですよ?」
「あ。あぁ……ありがとう」
俺は一息飲み、花音に思い切り頭を下げた。
「ごめん!」
「え……えぇ?」
困惑する花音に顔を向け、誠心誠意謝る。理由がどうであれ、俺のせいで花音を傷つけたのなら、何がなんでも謝るべきだと思ったからだ。
「俺がいつ何をして花音を傷つけたか、理由とか分からないけど。知らずに傷つけてしまったから謝ろうかなって思って……別にこれで許してくれるとは思っては無くて……ええと、なんて言うか……ごめんな」
結局謝り倒すしかない俺だが、花音は何をおかしいと思ったのか、笑った。
「ふふ……いえ、ごめんなさい。実は、私も謝らないといけない事があるんです」
「え……?」
すると花音は1週間前に見せたお見合い相手の写真を見せた。
「実は……これ、嘘なんです。お見合い相手なんていません。これは私の知り合いの写真なんです」
「…………はっ?」
いきなりサンダーボルトとライトニングストームを撃たれたかのような衝撃で頭が真っ白になり、体を椅子に思い切り持たれてしまった。
「嘘って……どういう事だ?」
「羨ましかったんです。ティアドロップさん達が」
「羨ましかった?」
「はい。ずっと貴方の隣で居る事がです。私も、出来れば貴方の隣に居たいですから」
「えっ?そ……それって……」
言葉が出せない。
まるで産まれたばかりの赤子に戻ったかのように呂律が回らない中、観覧車が頂上になった瞬間、ガコンという音と共に動きが止まった。
そしてその時、花音の後ろの背景が徐々に光りだし、美しい色とりどりの花火が打ち上がった。
そして、その背景に輝く花音の微笑みは花のように美しく、心を奪われるようであった。
宝石水色の瞳、透き通る様な白い肌、腰まで届きそうな程長くて綺麗な銀緑の髪が一層綺麗に見え、心が惹かれる。
そんな中でも花音は自分のペースで歩くかのように、打ち上がる花火を見ながら話を続けた。
「この1週間、お見合い相手を欺く為にお付き合いをしましたが、全部私の為だけの嘘だったんです。本当は、貴方と一緒に時を過ごしたかっただけです」
すると花音は立ち上がり、俺が座っている所まで行くと、ケーキが入っている籠をさっきまで座っていた所に戻し、俺の隣に座ると顔を肩に持たれさせた。
「だけど……花衣さんはいつも必ずどこかで離れてみていたティアドロップさん達の方を気に止めていました。美術館の時も、動物園の時も、今日だって、皆さんの為にケーキまで用意しましたよね?」
「あっ……そうか、それが原因かぁ……」
確かに花音からすればあの行動は怒るのも無理もない。今目の前にいる人間より、違う人の事を考えていると言っているようなものなのだから、それは怒るに決まっている。
自分の節操の無さやデリカシーの無さで馬鹿な自分を殴りたいと思いつつ、手で顔を覆って大きなため息をはいた。
「……ほんっっとうにごめん」
「謝らないでください。それに、私もちょっとティアドロップさん達の事を気にかけていましたし、あちらも気にかけるようにしたかもしれせん。現に、皆さんも観覧車にいることですし」
花音は後ろにある観覧車の籠に指を指すと、そこにはストレナエが大きく手を振っており、カンザシも振袖を小さく振っていた。
「やっぱり皆もこの観覧車に?でも、この時間の観覧車ってチケットが無いと……」
「チケットは全員分私が買い占めて皆さんに渡しましたし、実はこの観覧車……この時間だけ貸し切っているんです」
「ど、どういう事だ?」
「観覧車に乗る前に帽子を被った係員さんが居ましたよね?あの人、お父様です。そしてお父様に頼んで、今これを動かしてるのはお父様なんです。頂上で止めて、最高の景色を貴方と見る為に」
やばい……頭が回らない。言っている事は分かるがやる事のスケールが多すぎて理解が追いついてない状態だ。
ええと……あの帽子の人が陽向さん、つまりは花音のお父さんで?ティアドロップ達にもチケットを渡して?もう何が何だか分からなくなってきたぞ……
「ふぅ、薫子に似て随分と大掛かりな事をやるようになったなぁ……母親に似たのかな」
「聞こえてるわよ〜?あ・な・た?」
「ぶっふぉ!?な、なんでここに!?」
「あら、私ここの大株主なんだから、今日やることなす事は聞いてるのよ?」
「あぁ……そうでしたね……」
「ふふ、昔の事を思い出すわね。貴方を落とす為に遊園地を貸し切ったり、船を貸し切ったり、そうそう他にも……」
「はは……それと比べれば、これはささやかな物かな」
「なるほど……あの時、2つ目の条件でティアドロップ達は観覧車のチケットを貰ったのか」
「はい。どうやらティアドロップさん達には、お見合い相手なんて居ないことがバレていた様でして」
それにしてもよくアイツらは気づいたな。同じ女同士、嘘が分かるのか?だがこれで観覧車の件の疑問は晴れたが、わざわざティアドロップ達がチケットを貰う理由が分からない。
俺はその理由を花音に聞くと、花音も分からないのか首を振った。
「そうか、分からないのか……」
「ですが、もう考えないで下さい。今は、私のターンです」
グイッと花音は俺に体を擦り寄せ、腕を組んでは胸が潰れる程強く抱き締めた。
「お、おい!」
「嫌……ですか?」
上目遣いの花音を見てしまった俺は断るに断れず、そのまま潰れた柔らかな胸の感触を感じさせられながら、外のイルミネーションの輝きを一緒に眺めた。
遊園地の生えていた木に巻かれていた電球が色とりどりに光ってまるで光の植物園となっており、アトラクションの建物にはプロジェクションマッピングで桜が咲き誇り、夜桜が遊園地を覆っていた。
「わぁ……綺麗ですね、花衣さん」
「あぁ。本当だな」
確かに綺麗だ。景色も、何もかも。
「今の観覧車のように、この時間が止まればいいのに……」
花音は再び俺の体に寄り添い、移り変わる景色では無く、俺の方をじっと見ていた。
流石にこんな近くに視線を感じてはこっちも気になって花音の方を見てしまい、互いに互いを見つめ合う形になった。
本当に時間が止まったかのように、時間の進みが遅く感じる。互いの息がほんの少し届く距離で、腕を伸ばせば直ぐにでも触れられる距離でもある。
何かを期待するかのように、花音は目を潤わせ、潤しい唇の口角をほんの少し上げていた。
「花衣さん。私の事、どう思ってますか?」
「え!?どうって言われても……」
いきなり凄い事を言う花音に俺は悩みに悩んだ。
もしここで回答を間違えれば俺は六花達に何されるか分からないし、花音にも悲しませるような答えはしたくない。悩みに悩み、何とかして口から答えをひねり出そうと頭を絞り、答えを出した。
「き……嫌いでは無い」
「あ、それ知ってますよ?常套句って奴ですよね」
「うぐっ……」
「でも。それは私にもチャンスがあるって事ですよね?」
すると花音は顔を近づけ、俺の耳元で囁いた。
「私も負けるつもりはありませんから」
熱い吐息で花音はイメージとはかけ離れた妖艶な笑みが見えたような気がした。
目の錯覚なのかどうか分からないが、もう一度見る為に花音を見ようとしたその時、止まっていた観覧車が動き出した。
「……あぁ、動き出してしまいましたか。危ないですもんね」
少し残念そうに花音は微笑み、観覧車が下にたどり着くまで夜景を彩った光り輝く光景を見続け、俺もそんな花音を見続けた。
こうして、俺と花音の1週間は終わった。
ティアドロップ達と過ごす日常とは違って何の変哲もなくて、平凡で、楽しかった。
またいつか、こうして過ごせる日が来るのだろうか。まぁ、そつなったらまたティアドロップ達に何かとされると思うが……
「……悪くないな」
歪でもいい。これが俺の日常だ。
誰かと一緒に居て、誰かと笑い合う。昔の俺だったら絶対に考えられなかったこの日常を、ずっと大切にして生きたい。
この後ティアドロップ達の事をどうしようかと考えながら、ゆっくりと下りる観覧車の中で見える光景を見続けた。
今回の裏話:ネームドキャラのデッキについて
今回は彼方さん、心咲ちゃん、奈美ちゃん、霊亡さんのデッキについての裏話です。
実はこの4人のデッキ、それぞれ妹が使っているデッキなのです。(霊使いに至っては、まだ製作途中)
妹はデュエル始めたてなので、それなりに簡単な物を勧めた記憶がありますが、何とその中でも銀河眼やメルフィーを選び、滅茶苦茶驚いた記憶があります。
そこからふわんだりぃずという禁忌を手にしたので、底知れぬ恐怖を感じますねこれは……
オリカをまとめた章が欲しい?
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欲しい!
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別に( *¯ ³¯*)