六花テーマを作って愛用したらそのまま俺への愛が重くなった件について 作:白だし茶漬け
一応この後の話も同時に執筆しているので、そんなに遅くはならないと思います……多分。
そうなる前に言っておきます、皆さんよいお年を!(フライング)
「……蟲惑魔の森?」
小さなジャズのBGMが流れるドラゴンメイドのカフェで紅茶を飲みながら、ドラゴンメイド達が掴んだ精霊界への扉に付いて話し合う為、俺や焔、空、そして彼方さんがここに集まっていた。
ここに来たのは、ようやく2つ目の精霊界への扉に付いての情報を掴んだ為、こうして情報を共有するために、学校が終わって真っ先にここに来た。
そうしてドラゴンメイドから出てきた言葉が……蟲惑魔の森だ。
蟲惑魔と聞いて俺はトラウマが蘇り、全身に寒気が走って震えてしまう。命をかけた追いかけっこが目の前で広がり、思い出したくも無い出来事で思わず頭を抱えた。
だが、約1名蟲惑魔に会える可能性があると知って興奮していた変態がいた。
「蟲惑魔って……あのエチチなモンスターがいる奴らだよな!? お前羨ましいぞ! そんな奴らの所に行ったなんて!」
蟲惑魔というモンスターは、どれも目のやり場に困るモンスターが多く……というか全員がそうであり、カードイラストでも官能的に描かれているものが多い。
その為、必然的に過激なイラストが多くなり、焔の様に蟲惑魔=少し破廉恥なモンスター達という構図が根付いている。
だが、その官能的な少女達の正体は疑似餌であり、本体はおぞましい肉食昆虫の餌となる人間を誘き出す為だけに作られた存在であり、官能的で魅惑的なのは確実にその身を喰う為だ。
その恐ろしさを味わってしまった俺は蟲惑魔に対しては少しのトラウマが植え付けられ、『蟲惑魔の森』というストラクチャーデッキが発売されたのを知った時、新手の嫌がらせでは無いかと思った程だ。
蟲惑魔の恐ろしさを知らない焔は一体何を想像しているのか、だらしない笑顔を浮かべていた。
「それにしてもそこに扉があったのか……気が付かなった」
「実は、前々からそこにあるとは考えておりました。精霊界とこの世界を融合させる扉である性質上、付近には必ずモンスターがいる筈ですから」
ハスキーの考えを聞いて全員納得した。確かに、メルフィーパークの時もメルフィーが迷い込んでいたから、その考えは理にかなっていた。
「なので、調査と同時にピックアップデュエルを開始したのです。おおよその予想はしても、場所が分からなければ意味が無いので」
「それにピックアップデュエルでデュエルモンスターズ自体の普及率も上がったからな。中々の経営者だな、白夜も」
レゾンというトップの企業と今デュエルモンスターズを経営している組織のトップ、天道白夜……恐らくあの大会はレゾンカードを誰に渡すのかも見極める為に開催されたとしたら……かなり先の方まで見据えている可能性もある。もしかしたら、俺が協力する未来も……いや、考えすぎか? あの人は逆に俺を倒そうとしている人だ、協力なんて考えてないだろう。
「だが場所は分かったがいつそこに行くんだ。俺達は好き勝手に動ける訳には行かない」
空の言うことは最もだ。なんせ俺達は学生……つまり、平日は学校に行かなければならない。朝から放課後の夕方までは動けず、休日だとしても焔の場合は剣道部がある。
つまり、全員動くとなれば焔の部活が休みというごく限られた状況しか無いわけだ。こればかりはどうにもならない。
……だが、一つだけ方法があるかもしれない。
「なぁハスキー、俺達がサマーライブデュエルでウェルシー達に襲われた後、ウィッチクラフト・マスターヴェールが時間を戻して襲われた事を無かった事にしたんだが、それを使えば何とかならないか?」
上手く時間を操ることが出来るかつ、あった事を無かった事にも出来るのなら、それさえ使えば俺たちの生活に支障をきたすことなくかなり早いペースで扉をどうにか出来ると考えたが、ハスキーの曇った表情でそれが出来ないと悟った。
「残念ですがアレは無かった事にしているのでは無く、その時の記憶を消去しただけです」
「記憶を消去……?」
「待て。だとしたらおかしいだろ。あの時携帯を見た時には、確かに時間は巻き戻っていたんだぜ?」
焔の言う通りだ。あの時、確かに俺達は時間が巻き戻ったのを携帯で確認している。それは誰がどう見ても間違い無いんだが……
「……逆か? もしかしたら、時間が翌日のその時間まで進んでいたとしたら辻褄が合う」
「空様の言う通りです。時間が巻き戻ったのでは無く、その逆、その時間まで加速したのでございます」
「加速?」
「モンスターの中には時間を司る者も存在しますが普通の人々が時間を遡行する事は禁止されています。ですが、時間を加速させて1日後に連れていくのは可能です」
「何故だ? 巻き戻した方が早いと思うが……」
「安易に過去に連れていけば、その分未来に悪い影響が及ぶ可能性があります。その為、普通の人間……精霊が見える方でも時間遡行は許されないのです」
ハスキーの言うことはごもっともだ。アニメや漫画などで主人公がタイムスリップする際、ほんの少しでも過去を改変すれば未来に何が起こるか分からないというのは、お約束だ。
1つの花を摘むだけでも、起こるはずが無かった戦争が始まると言うし……そう考えたらあんな大人数を過去に連れていく事は危険なのは俺でも分かる。
「なので、この星に生きる全ての命を持つ者には翌日まで時間を加速させました。その際、記憶等を改ざんし、傷の手当も致しましたので、貴方達から見れば、時間が巻き戻ったという認識になりますね」
「て事は……俺らいつの間にか丸1日過ごしてたって訳か!?」
「結論から言えばそうなります」
「だがドラゴンメイドやウィッチクラフトがそんな頂上的な力を持っている訳が無い。時間を加速……もとい操るモンスターと言えば……」
「*1【アルカナフォースⅩⅩⅠ-THE WORLD】がそうかな」
「あ〜あの相手ターンをスキップする奴か! なるほどな〜」
確かに効果的にそのモンスターの仕業であることは間違いないが、そうなるとつまり、ドラゴンメイド……いや、それを使役しているレゾンはアルカナフォースのモンスターも使役しているという事になる。
答え合わせを求めるようにハスキーに目を向けると、ハスキーは正解と言わずにただ頷いただけで俺たちの考えに正解をつけた。どうやら、時間の加速はTheWorldの能力で間違いなく、レゾンはアルカナフォースの力さえも思うがままに出来るらしい。
どれだけ強大な組織なんだレゾンは……。
「ともかく、時間を加速させるということは、それ程精霊界とこの世界の融合が早くなるということです。闇雲にこれを使ってしまえば、相手の思惑を叶えることに繋がります。出来れば使いたくは無いですね」
「なるほど……だが、そうなると俺たちが動ける時間は……」
「学校終わりの放課後か休日になるな」
「いえ、緊急の時以外は休日で行きましょう。英気を養い、万全な状態で向かわなければ、セブンエクリプスには勝てません。となれば……今週の土曜日、つまり4日後またここで集合し、蟲惑魔の森に向かいます」
ハスキーの提案により、蟲惑魔の森に向かうのは今週の土曜日と決まった。これで話は一旦終わり、俺達はその日までどうするかの話題に舵を切った。
「んじゃ、それまでデッキ調整か?」
「それが懸命だろうね。何しろ相手は俺たちの知らないカードを使うんだ。用心に越したことはない」
彼方さんの言う通り、デッキ調整に至ってはやり過ぎは存在しない。負ければ死ぬのなら尚更だ。
「デッキ調整と言えば……花衣君と空君は、それぞれアロマとRRの新規が出たらしいけど……もう手に入れたのかい?」
「ええ。一応は……」
まさかアロマ達が仲間になったのとほぼ同時期に新規が出たからな……これには驚きが隠せないが、空の方も新規も、空のレゾンカード、【RRUM】とほぼ同じカードが出たからそれも驚いた。
全てに置いてタイミングが良すぎる様な気がするが、今はそれはどうでも良く、この新しく作った六花アロマがどんな戦い方が出来るのか知るのが重要だ。
「んじゃあもうここでやらね? テーブル適当にくっつけてよ」
「それならもう準備しております故」
ハスキーの後ろにはもうテーブルが2個くっ付いた長めのテーブルに白いテーブルクロスを敷いた物が出来上がっており、あまりの手際の良さに焔は肩を上げて驚いた。
俺と空も手際の良さに驚きながらも、早速デッキケースから六花アロマのデッキを取り出した。
「こんな風にデュエルディスク無しのデュエルも久しぶりだなぁ……」
今思えば、殆どのデュエルがデュエルディスクを用いたデュエルばっかりだったから、こんなテーブルの上に置いての普通のデュエルは本当に久しぶりだ。
俺が行きつけのカードショップで初めての大会に出た時や、デュエルを始めて間もない頃以来だろうか。
これまでやってきたデュエルを思い出しながら使い続けて少し角が丸くなったスリーブのデッキをシャッフルし続ける。
最初の頃は新品のスリーブを店長さんに買ってもらったけど、尖ってたからシャッフルする時少し痛かったんだが、今はそうでも無い。
それ程使い込み、最初よりもデュエルが上手くなったと思うと嬉しさや誇らしさで思わず顔が緩み、小さな笑顔を浮かべてしまう。
そういえば、空とデュエルするのはロマンス・タッグデュエル以来だ。あの時は六花聖華カイリや閃刀騎ーラグナロクを使う事を躊躇ってしまい、空と喧嘩してしまったが、今はもう躊躇わない。
空もレゾンカードを手に入れたのもあるけど、それ以前に全力で戦いたいと俺の中でそう叫んでいるからだ。
「全力で来い、あの時みたいにカイリを使う事を躊躇ったら覚悟しておけ」
「そのつもりさ。行くぞ空」
「んじゃ、デュエル開始だな」
「ではコイントスは私が」
ハスキーが金色のコインを指で弾き、手の甲で見事キャッチしたと同時に片方の手でコインの裏表を隠した。
「表を選ばせて貰う」
「俺は裏で」
空は表を、俺は裏を選ぶとハスキーは手の甲に乗せられたコインを見せると、コインは表。つまり空が先行になった。
「先行だな。じゃあ行くぞ、花衣」
「望む所だ」
桜雪花衣 vs 機羽 空
LP8000 LP8000
もしここでデュエルディスクがあれば、空中にはホログラムでライブやフェイズ進行が表示されるが、今はそれが一切ないデュエルだ。あるのはカードとライフ計算の為の携帯機……久しぶりすぎて逆に新鮮だ。
「スタンバイフェイズ、何かあるか?」
「え? ……あ、そうか。そういうのいちいち言わないと行けないのか」
「あぁ。デュエルディスクだったら自動で進行してたからな。まぁ、今回は省力しよう。俺はまず、【スモールワールド】を発動だ。まず手札の……」
「ま、待ってくれ。ちょっと効果分からないから見てもいいか?」
「分かった。……こういうのも、デュエルディスクだったら有り得ないな」
空がスモールワールドという魔法カードを渡し、早速効果テキストを眺めたが……長い。
長いし分かりにくい。手札のモンスターを見せてデッキからモンスターを見せて……それでその後モンスターを手札に加えるとか書いてあるが、同じ言葉の繰り返しで理解が出来ず、初っ端から混乱した。
「ええと、これどういうことだ?」
「ふっ……確かに初見で理解は難しいな。良いか、俺はまず手札から【RR-ファジー・レイニアス】を見せる。そして、次はデッキから同じ闇属性の【多次元壊獣ラディアン】を見せるぞ」
いきなりRRとは全く関係ないモンスターが飛び出して来たが、どうやらそれを手札に加える訳では無く、空は空にデッキからカードをサーチし始めた。
「最後に、【多次元壊獣ラディアン】と同じ闇属性【RR-トリビュート・レイニアス】を手札に加え、見せたカードは裏側除外する。これで一連の処理は終わりだ」
「えーと……何がどうなった?」
「【スモールワールド】は手札に見せたカードの内、攻撃力、守備力、種族、属性のどれか1つが同じモンスターをデッキに見せ、その後、デッキから見せたカードとはまた同じ条件のモンスターを手札に加えられるカードだよ。今の場合は闇属性という共通の物があったから、サーチ出来たね」
「なるほど……」
よく見ると、確かに1枚目と3枚目には闇属性と鳥獣族が被ってるが、2枚目と比べてみると共通部分が闇属性だけだ。
つまり、種族が違うけど属性さえ同じならばどんなカードでもサーチ出来るという事か。扱いやデッキ構築の難易度は跳ね上がるが、使いこなす事が出来れば手札事故を起こさなくて済みそうだ。
「もう良いか? 次にさっき手札に加えた【トリビュート・レイニアス】を加え、効果で【RR-ミミクリーレイニアス】をデッキから墓地に送り、【ミミクリーレイニアス】の効果でデッキから2枚目の【ファジー・レイニアス】を手札に加え、自身の効果で特殊召喚する」
「おーお、相変わらず無駄がねぇなおい」
「空君のプレイスタイルは最終盤面を完成させて相手を完封するスタイルだからね。この展開が通ってしまったら花衣君の勝ち目は薄くなる」
確かに、しかも空には相手モンスターの効果を無効化するレゾンカード、イグニッション・ファルコンが存在する。アレを出される前に何とかするしか、俺の勝ち目な無い。
その前に、今空の場にはレベル4モンスターが2体……RRという事は、間違いなくエクシーズモンスターが出てくる。
「俺は【ミミクリーレイニアス】と【ファジーレイニアス】でランク4の【レイダーズ・ナイト】を特殊召喚する。こいつは【RR】モンスターとしても扱う事が出来る」
「?? ランク4と言えば【フォース・ストリクス】じゃないのか?」
てっきりそれを出してまた別のRRモンスターを手札に加えると思ったが……それをする必要が無い程手札には充分なモンスターが居るという事なのだろうか?
困惑が続く中、空はこれから面白くなるという笑みを浮かべた。
「俺は【レイダーズ・ナイト】の効果で素材を取り除き、コイツよりもランクが1つ上の【幻影騎士団】、【RR】、【エクシーズ・ドラゴン】Xモンスター1体を、自分フィールドのこのカードの上に重ねてX召喚扱いとしてEXデッキから特殊召喚する」
「そしてこのターン【ファジー・レイニアス】の効果を使ったらこのターン【RR】モンスターしか特殊召喚出来ない」
「て事はランク5の【RR】Xモンスターしか出せないという事か? あれ、でも確かランク5って……」
俺の記憶が確かなら、RRのランク5のXモンスターはどちらかと言えば相手モンスターがいる状態で初めて効果が使えるモンスターしかいないはずだ。はっきりいって今この場に出すメリットは無い。
プレイングミスと思ったその時、空がEXデッキから見せたカードは、俺が全く知らなかった新しいRRカードだった。
「俺はランク5の【RR-ブレイブ・ストリクス】を特殊召喚する!」
「【ブレイヴ・ストリクス】……!?」
RR-ブレイブ・ストリクス
ランク5/エクシーズ/闇属性/鳥獣族/ATK2000/DEF2500
カードイラストを見ると青い装甲に梟を感じさせる翼にはエメラルド色に輝く装置が組み込まれ、如何にもフォース・ストリクスが進化した様に感じさせるカードだ。
「【ブレイヴ・ストリクス】の効果発動。X素材を1つ取り除き、デッキから【RUM-スキップフォース】を手札に加え、発動。【ブレイヴ・ストリクス】よりランクが2つ上の【RR】Xモンスターを重ねてX召喚できる。俺はランク7の【RR-アーセナル・ファルコン】を特殊召喚」
「あれって確か……フィールドから離れた時、好きな【RR】Xモンスターを出せる奴か?」
「それだけじゃない。俺は【アーセナル・ファルコン】のX素材を1つ取り除き、デッキからレベル4の【RR-ノアール・レイニアス】を特殊召喚する」
「また新しいカード!?」
RR-ノアール・レイニアス
レベル4/闇属性/鳥獣族/ATK1600/DEF500
「【ノアール】の効果で自身を対象にし、対象と違うレベルの【RR】をデッキから手札に加える。俺はレベル1の【RR-ペイン・レイニアス】を手札に加える」
「どんだけサーチすんだオメェ!」
焔が俺のセリフを代弁してくれた。しかもサーチを繰り返しているおかげで空の手札が全然減っておらず、仮にここで止められたとしても空の手札なら必ず最終盤面を完成させる未来しか見えない。
と言っても、俺の手札に空の展開を止められるカードは無い。あったら最初から使っている。
「さらに【ペイン】の効果で【ノアール】を対象に取り、攻撃力か守備力の低い数値のライフを払い、対象のモンスターと同じレベルで特殊召喚する」
機羽空 残りライフ8000→7500
「これでまたレベル4が2体……」
「いいや、【アーセナル・ファルコン】がいる事を忘れるな。俺は【アーセナル・ファルコン】と【ペイン・レイニアス】でLINK2の【RR-ワイズ・ストリクス】をリンク召喚する」
「【アーセナル・ファルコン】がフィールドから離れたという事は……」
「その通り、まずは【ワイズ・ストリクス】のL召喚成功時の効果でデッキからレベル4の【RR-ミミクリー・レイニアス】を特殊召喚し、EXデッキから【RR-アルティメット・ファルコン】をX召喚し、【アーセナル・ファルコン】はその下に置かれる」
RR-アルティメット・ファルコン
レベル10/エクシーズ/闇属性/鳥獣族/ATK3500/DEF2000
「おっ、でたでたRRのお得意戦法。先行アルティメット」
「エクシーズモンスターが特殊召喚された事により【ワイズ・ストリクス】の効果発動。デッキから【ЯRUM-レイド・ラプターズ・フォース】をセットする」
「2枚目のライズランクアップマジック……!」
空の持っているレゾンカードもライズランクアップマジックという名称だけど、今伏せたあのカードはレゾンカードでは無く、純粋な新規カードだ。
まさか空のレゾンカードが誰でも使える様になるなんて、思いもしなかった。
「因みにこれは速攻魔法だ。本来ならセットしたターンには使えないが、【ワイズ・ストリクス】でセットしたカードはそのターンでも使えるが、今は使わない」
(ということは俺のターンで使うつもりか……?)
「俺はレベル4の【ミミクリー・レイニアス】と【ノアール・レイニアス】でランク4【RR-フォース・ストリクス】をX召喚し、効果発動。素材を1つ取り除き、デッキからレベル4の【RR-ブルーム・レイニアス】を手札に加える」
「【ブルーム・レイニアス】……? 新しいカードか」
それにしても、さっき出てたノアール・レイニアスも新しいカードだ。
ノアールにブルーム……黒と咲くという意味を持つカードだが、まさか……あの人の事を指しているのか? そう考えると、こ思わずクスリと笑ってしまった。
「どうした? なにかあるのか?」
「いや、ちょっとある人を思い出しただけだ」
事情知っている彼方さんに目を向けると、彼方さんも同じような笑顔をしていた。そう、今の世界俺と彼方さんしか知らない、ノアールとブルームの意味を……。
「そろそろだな。これで終わりだ。俺は速攻魔法【ЯRUM-レイド・ラプターズ・フォース】を発動する」
「ここで使うのか!」
「このカードは、フィールド含む【RR】モンスターと、墓地に存在する【RR】モンスターを2体以上対象にして発動でき、対象にしたモンスターのランクの合計と同じ【RR】Xモンスターを出す事が出来る」
「フィールド含む墓地……?」
フィールドいるエクシーズモンスターは、ランク10のアルティメット・ファルコンとランク4のフォース・ストリクスだけだ。
アルティメット・ファルコンは使えないとして、ランク4のフォース・ストリクスは確定だ。となると墓地にいるのは確か…… ランク5のブレイヴ・ストリクスを合わせたら、そのランク合計は9だ。
だけど、ランク9のRRモンスターなんて存在したか? 空のプレイングミス……いや、それは考えられないと確信したその時、空はもう1枚のカードを見せた。
「俺の墓地にはもう一体の【RR】が存在する。忘れたのか、最初に出したXモンスターを」
「最初に出したXモンスター? ……あっ!」
「そう、【レイダーズ・ナイト】は【RR】モンスターとして扱う効果がある! これでランク合計は13。つまり、ランク13のXモンスターを特殊召喚できる!」
「嘘だろ……? 1ターン目でアイツが来るのか?」
本来、1ターン目では絶対に出せないあのモンスターが来るという事は、空の完全制圧が完成するという事になる。
「大人気ないな……」
「褒め言葉として受けとっておく。俺はランク13の【
RRR-リノベイル・イグニッション・ファルコン
ランク13/エクシーズ/鳥獣族/闇属性/ATK4000/DEF4000
「出た……レゾンカード……!」
「本来なら専用のカードしか出せなかったカードだけど……あれも【RRUM】として扱うのならば、問題ないって事か……」
デュエルディスクを使用していないただのデュエルだから俺に対してはなんの影響も無いが、こう対面で出されると言葉に出来ない威圧感がある。
テーブルの上に置かれたイグニッション・ファルコンがカードから飛び出し、俺に牙を向けられるオーラが目に見える程に圧が強く、巨大な壁として立ちはだかる。
その壁は言うなれば殺意の塊だ。もしも将来、こんなカード達ばかり相手にされると思えば、命がいくつあっても足りない。だけど乗り越えるしない。
俺が生き続ける為にも、もっと強くなる為にも、この壁は必ず乗り越え無くてはならないのだから。
「カードを2枚伏せてターンエンドだ。そして【アルティメット・ファルコン】の効果により、お前に1000ポイントのダメージを与える!」
桜雪花衣 残りライフ8000→7500
1ターン目終了
機羽 空 残りLP7500
手札:2 墓地:5 除外:3 デッキ:20
①②□□□
□③□④□
□ ⑤
□□□□□
□□□□□
①②:伏せカード
③:RR-アルティメット・ファルコン
④:RRR-リノベイル・イグニッション・ファルコン
⑤:RR-ワイズ・ストリクス
桜雪 花衣 残りLP7000
手札:5 墓地:0 除外:0 デッキ:40
「1ターン目から凄い盤面だなぁオイ」
「相手モンスターの効果の発動を無効にするのと、見えない妨害が3枚……殆どの決闘者だったらサレンダーしそうな盤面だね」
それだけじゃない。ワイズ・ストリクス以外の2体のモンスターは『他のカード効果を受けない効果』がある。
これの対抗策は殆ど無く、俺のデッキでの突破方法は戦闘や六花の風花という、相手プレイヤーに対してリリースを強要させる手段しかない。
妨害が多くて辛いが……俺はまだ、カードをドローしていない。
ここで諦めるのはいくらなんでも早すぎる。
「突破出来るのなら、やってみろ」
そう言って空は、レンズの向こうにある漆黒に輝く目で俺を見つめ続けた。
まるで俺がこの盤面を突破する事を期待する反面、自分が勝ったことを確信しているような、そんな目だった。
その目を当てられた俺は、ただ静かに対抗心という炎を燃やした。
こうして書いてみると、公式の新カードとオリカがアホみたいに相性いいのが怖いでしゅ
オリカをまとめた章が欲しい?
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欲しい!
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別に( *¯ ³¯*)