六花テーマを作って愛用したらそのまま俺への愛が重くなった件について   作:白だし茶漬け

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1ターンが……1ターンが長いっ!

という事で、花衣and焔vsウェルシーand霊香(雪女)とのタッグデュエルです。

ロマンス・タッグデュエルぶりのタッグデュエルですが頑張ります。頑張らないと行けません。

所で、皆さんこのデュエル描写をどう思いますかね?内容とかはさておき、見やすさとかは担保出来ているか知りたいので、アンケートを取ろうと思います。
是非とも意見お願いします


豊かな氷

 

 暗闇の中のデュエルフィールドには、俺と焔、そして相手はウェルシーに何と魔妖の雪女がいる。

 

 デュエルモンスターズの精霊とこうしてデュエルするのは、ピックアップデュエルの時のティアドロップ達と戦った時以来だ。

 

 焔も魔妖の妲己とデュエルした経験があると聞いてはいるが、それとはまた別次元のデュエルになりそうだった。

 

「せっかく4人いるんです。ここは2対2のタッグデュエルと行きましょう。ルールはロマンス・タッグデュエルと同じにしましょう」

 

「ロマンス・タッグデュエルの頃までも知っているのか……」

 

 もう数ヶ月前の事の筈なのにウェルシーその事さえもわかっているのか? いや、今はそんな事はどうでもいい。

 

 今はとにかくこのデュエルを早く終わらせ、クローラーを何とかしなければならない。この暗闇の鳥籠の外では、ロゼ、アザレア、カメリア、そしてアロマージ達がクローラーと戦い、傷ついたレイを治療している。

 

 それだけじゃない。俺達をここまで連れていったティアドロップ達もナチュルと蟲惑魔達と戦っている。

 

 残された時間は少ない。一気に決めるしか、皆を助ける方法はない。

 

 そんな中、暗闇を照らすかのように俺達の周りには青い炎が灯しだし、炎はデュエルを待ちわびているかのように揺らいでいた。

 

「先行後攻はそちらが決めてください」

 

「どうする?」

 

「……後攻でいこう。問題ないか?」

 

昨今の遊戯王は、大抵先行の方が有利が取れる。その理由には、妨害盤面が組みやすいという事がある。

 

下手にワンターンキルを狙うより、先行で盤面を固め、次に備える方が余程安定感があり、封殺しやすい。

 

だが、焔のデッキは先行でも戦えるが、本人曰くどちらかと言えば後攻寄りのデッキだそうだ。

 

「俺は良いぜ」

 

焔はこれといった否定はせず、お互いに頷いた。

 

「よし、後攻でいかせてもらう」

 

「あら、本当に良いの? 何も出来ないようにしちゃうかもよ?」

 

 雪女はニヤニヤと笑いながらそう言っていたが俺達は決めた事を曲げなかった。もっとも、今回俺が使う焔のアドバイスを受けて作った閃刀姫デッキは完全後攻デッキだ。

 

 先行よりも後攻の方がこちらとしては有難い。それに、早く終わらせてティアドロップ達の元に行きたいのと、レイのことが心配だ。長引かせる理由は無い。

 

「なら、私から行きましょう。さぁ、いきますよ」

 

「「デュエル!」」

 

 雪女&ウェルシー VS桜雪花衣&炎山焔

 

「では行きますよ。手札から魔法カード【ワンフォーワン】を発動。手札の【アロマージ-アンゼリカ】を捨て、デッキから【イービルソーン】を発動」

 

「アロマ!?」

 

 ウェルシーのワンフォーワンからイービルソーンがフィールドに現れたが、それよりも俺と焔はウェルシーが使うカードに驚いた。

 

 アロマにイービルソーン、そしてワンフォーワン……これだけではまだ断定出来ないが、倒れた花音を見てまさかの考えを過ぎった。

 

「お前、花音のカードを使ってるのか!?」

 

「ええ。まぁ、新しいアロマリリスさん達はこちらで補充しましたけどね」

 

 そう言ってウェルシーはゴミ箱に捨てるかのようにカードを墓地に送った。カードをゴミのように捨てた事と、花音を傷つけたのにも関わらずかのんのカードを使った事に怒りを止められずにいた。

 

「何のために……!」

俺は怒りを抑えるように歯ぎしりする程口を噛み締めた。

 

「私が使うカードと相性が良いのですよ。お友達の使うカードと相性が良いなんて、運命ですね。まさに貴方と私みたいに……キャッ///言っちゃいました」

 

 フードで顔が見えないのにウェルシーは照れている顔を冷ますように両手で頬の辺りを添え、体をくねらせていた。

 

「おいおい、随分と妄想癖がヤバい奴だな」

 

隣でウェルシーの反応を見た焔がそう言うと、ウェルシーは急に態度を冷たく取り、淡々とデュエルを始めた。

 

「妄想じゃありません。運命です。もう続けますよ。【イービル・ソーン】の効果でリリースし、花衣さんに300ダメージを与えます」

 

 イービル・ソーンが爆発し、無数の棘が俺の腕や膝に突き刺さり、そこから血が滲んで服を赤黒く染めた。

 

「花衣! 大丈夫か!?」

 

 焔が俺に駆け寄ろうとしたが、俺と焔の間に黒い炎が壁のように立ち昇った。

 

「ダメですよ、タッグデュエルでもお互いの手札は見ちゃダメですから」

 

「クソっ!」

 

「大丈夫だ……! このくらい何ともっ……無い」

 

 痛みに堪えながら突き刺さった針を抜き刺し、赤い血が噴き出した所を服の袖を破って止血した。

 

 桜雪花衣 残りライフ8000→7700

 

「【イービル・ソーン】の効果でデッキから同名カードを2体特殊召喚します。そしてこの2体でリンク召喚!」

 

 イービル・ソーンが2体右下と左下のリンクマーカーにセットされ、マーカーの中央から紫の粒子を降らせながらモンスターが現れた。

 

 そのモンスターには見覚えがあるモンスターだったが、姿が大きく違っていた。羽も服も黒く、その目には生気が宿ってない人形のような虚ろな目で現れたジャスミンがいた。

 

「ジャス……ミン?」

 

 名前を呼んでも返事は帰ってこず、そもそも名前を呼ばれた事にさえ気づいていない様子だ。

 

「お前! ジャスミンに何をしたんだ!」

 

「慌てないで下さいよ。この子はただの傀儡。貴方の知っているジャスミンとは別ですよ。本物は今頃レイさんを治療しています」

 

「別人?」

 

 ウェルシーは頷き、フィールドにいた黒いジャスミンを眺めるように見ると、ジャスミンの虚ろな目はまるで深淵にも思い、思わず目を逸らしてしまう程の恐ろしさで体がひりつく。

 

 この瞬間、今までやってきた闇のデュエルとは違う事が頭で理解するよりも早く本能で理解出来た。

 

「そして私は【ジャスミン】ちゃんの効果でリンク先にいるモンスターをリリースし、デッキから【アロマリリス-ロザリーナ】ちゃんを特殊召喚します」

 

 フィールドには、影のように黒いロザリーナがフィールドに現れた。

 

 俺の知っているロザリーナ……いや、アレは別人だ。気にする必要は無い。

 

 だがそんな考えを見透かすかのように、フィールドの黒いロザリーナは妖しい笑みを浮かべた。

 

「【ロザリーナ】ちゃんの効果でデッキから【アロマージ・ローリエ】くんをデッキから特殊召喚します」

 

 ここまではアロマージの基本的な展開だが、妙に使い慣れている感じがする気がした。

 

「そして【ジャスミン】ちゃんと【ローリエ】君でリンク召喚! LINK3【アロマリリス-ローズマリー】ちゃんをリンク召喚!」

 

 黒いローズマリーの花びらと共にアロマリリスの姿となったローズマリーがフィールドにリンクマーカーから降り立つ。

 

 やはりその姿は影のように黒く、青い瞳には闇が広がっていた。

 

「特殊召喚した【ローズマリー】ちゃんの効果により、デッキからアロマカードを手札に加えます」

 

「ここだ! 俺は手札から罠カード【無限泡影】を発動! 俺の場にカードがない場合、これは手札から発動出来る。【ローズマリー】の効果は無効だ」

 

「ですが墓地に送られた【ローリエ】君のライフ回復は使いますよ」

 

 

 ウェルシー 残りライフ8000→8500

 

 

 無限泡影のカードから稲妻を帯びた泡がローズマリーを包み込み、ローズマリーはその泡を受けて体が痺れたかのように地面に倒れ込んだ。

 

 これで特殊召喚時のサーチ効果と、ライフ回復によるリンク先の特殊召喚は封じた。

 

 俺の見立てではこれ以上展開は見込めない筈だが、まだ通常召喚権が残っている以上油断は出来ない。

 

「うーん、ならば私はこのカードを召喚します」

 

 ウェルシーが1つのカードをデュエルディスクに置かれた瞬間、ディスクに置かれたカードから凄まじい闇が溢れ出し、その闇は俺達にも迫り来る程だった。

 

 ただモンスターを召喚しただけだとというのにこれ程の闇を生み出すという事は、やはりセブン・エクリプスのリーダー格は伊達では無いという事だ。

 

「私は【豊穣大罪・種子(ウェルシー・シード)】を召喚します」

 

 豊穣大罪・種子

 レベル1/闇属性/植物族/ATK0/DEF0

 

 闇が溢れ、フィールドに現れたのは何の変哲もない黒い種だった。

 

 種は何かをする様子も無く、ただじっとその場に居るだけだが、それ故に不気味さが際立つ。

 

「何だ? 見かけの割にちっせぇモンスターだな」

 

 焔もこれには見かけ倒しだと鼻で笑うようにあの種を見て、俺は何か嫌な予感がしてあの種のカードテキストを見る為に目に映るホログラムを操作して効果を見ようとしたが、突然種から闇が溢れ出し、ホログラムの操作が不可能なり、ウェルシーのデュエルディスクにあるカードも闇に包まれた。

 

 焔も同じように効果を見ようとしたのか、手の動きを止めてあの種から不穏な気配を感じた。

 

「勝手に人のカードを見ちゃダメですよ」

 

「効果ぐらい見ても良いだろうがよぉ!」

 

 焔が何を言ってもウェルシーは聞かない態度を取り続けていた。

 

 アロマカードのテキストは問題なく見れる事から、大罪カードだけは見れない事になっている。ウェルシーの力なのか、それとも別の要因があるのか……ともかく、デュエルに影響を与えるのは確かだった。

 

「私は【豊穣大罪・種子(ウェルシー・シード)】1体でリンク召喚! 召喚条件は【大罪モンスター1体】! さぁ現れてください! あの方を導くサーキット!」

 

 種の上にリンクマーカーが現れ、マーカーへモンスターが向か……わず、種から溢れ出る闇がリンクマーカーを飲み込み、青いリンクサーキットが黒く染まった。

 

 黒いサーキットが種を迎え入れるかのように近づくと種はサーキットの中に入り、そこから赤ん坊の様なモンスターが割れた種をゆりかごにして現れた。

 

「リンク1! 【豊穣大罪・造ラレシ者(ウェルシー・クリエティブ)】!」

 

 LINK1/闇属性/植物族/ATK0

 

 フィールドから現れた直後に造ラレシ者は大泣きしてしまい、その鳴き声に呼ばれた様にフィールドに空いた穴からジャスミンが現れた。

 

「【豊穣大罪・造ラレシ者(ウェルシー・クリエティブ)】はL召喚された時、私のライフが貴方より多ければ、墓地から植物族モンスターか【大罪】モンスターを特殊召喚出来るのですよ」

 

「効果を無効にしないで無条件の特殊召喚は強すぎるだろ……」

 

 焔の言う通りだ。しかも大罪モンスターも特殊召喚出来るという事は、ウェルシーはその気になれば仲間のカード全て使えるという事になる。

 

 あくまでアロマモンスターと組み合わせてデュエルをしているのは、俺たちを甘くみているのかそれとも慈悲なのか……どちらにせよ、ウェルシーは本気を出していない事は確かだ。

 

 心の底では、ホッと安心したような気持ちと舐められているせいでプライドや意地がボロボロにされたような屈辱がうずまいていた。

 

「更に墓地に送られた【豊穣大罪・種子(ウェルシー・シード)】の効果発動。このカードが墓地に送られた時…………相手のライフ分だけライフを回復します」

 

「何っ!?」

 

「私は焔さんのライフ8000の数値分ライフを回復します」

 

 ウェルシー 残りライフ8500→16500

 

「そしてライフが回復した事により【アロマセラフィージャスミン】ちゃんの効果でデッキから植物族モンスター【アロマージ・マジョラム】さんを手札に加えます」

 

「ライフが5桁なのにサーチかよ……」

 

「更に魔法カード【アロマブレンド】を発動し、手札を1枚捨ててデッキから【恵みの風】を表側で置き、ライフが私の方が多いのでこのカードを除外して墓地のモンスターで融合召喚します」

 

 アロマブレンドはライフが多ければ墓地の植物族モンスターを除外して融合召喚する事も出来る。

 

 今あいつの墓地にはリンク召喚に使った植物族モンスターが多く存在している。素材の確保も盤面の確保も無駄が無く、今まで使った事あるかのような動きに何故か違和感を感じた。

 

 まるで何度も戦った事あるような感覚だった。いや、そんな事無い。俺はウェルシーとは今初めてデュエルしたんだ。何度もデュエルしている訳が無い。

 

 気の所為だと首を横に振ってその違和感を捨て、恐らく最後の召喚を見守った。

 

「墓地の【豊穣大罪・種子】と【アロマージ・ローリエ】でEXデッキから【アロマリリス-マグノリア】を融合召喚!」

 

 今度はマグノリアもフィールドに現れ、頭がぐらつく程の花の匂いをまとった風と共に現れ、マグノリアの白いドレスも黒く染まっていた。

 

「私はカードを1枚伏せてターンエンドです」

 

 1ターン目終了

 

 ウェルシー:LP16500 氷の魔妖ー雪女:LP8000

 手札1墓地3除外2デッキ28 手札:5墓地:0除外:0 デッキ:35

 

 □□①②□ □□□□□

 ③④⑤⑥□ □□□□□

 □ ⑦ □ □

 □□□□□ □□□□□

 □□□□□ □□□□□

 

 桜雪花衣:LP7700 炎山焔:LP8000

 手札1墓地3除外0デッキ34手札:4 墓地:0 除外:0 デッキ35 手札:5墓地:0除外:0:デッキ:55

 

 ①:恵みの風

 ②:伏せカード

 ③:アロマセラフィ──ジャスミン

 ④:アロマリリスーロザリーナ

 ⑤:豊穣大罪・造ラレシ者

 ⑥:アロマリリスーマグノリア

 ⑦:アロマリリスーローズマリー

 

 

 いきなりライフの差が倍となり、盤面も強固だ。

 マグノリアの効果でライフが相手より上回っている限り、相手の植物族モンスターは効果では破壊できない。

 

 だが、相手の効果を無効にする様なカードは無い。

 

 この形式では誰も1ターン目から攻撃する事は出来ないが、妨害は可能だ。 閃刀術式と手札誘発で多少の妨害が出来る俺から行こうとしたが、焔が声を上げた。

 

「花衣! 俺から行かせてくれ」

 

「良いのか?」

 

「まぁな。それに、最初に俺が攻撃出来た方が良いだろ?」

 

 確かに焔にこの順番を渡せば、このデュエルでは焔が1番最初に攻撃が出来る。

 

 一気に勝負を決めたい俺にとっては否定する理由が無い提案だった。

 

「任せた」

 

「よっしゃ行くぜ! 俺のターン! まずは魔法カード【隣の芝刈り】発動! ウェルシー! お前のデッキの枚数まで俺はデッキからカードを墓地に送らせるぜ」

 

「どうぞご自由に」

 

 ウェルシーのデッキ枚数は28に対し、焔のデッキ枚数は55枚。

 

 つまり焔はデッキの上から27枚ものカードを墓地に送ることができた。

 

 焔のアンデッドデッキにとって、墓地は手札当然だ。あれだけ潤沢に墓地が潤えば攻める手立ては無限にある。

 

 焔は墓地に送られたカードを確認し、少し考えた所で行動に出た。

 

「そんじゃ【不知火の鍛師】を通常召喚してそこから墓地の【馬頭鬼】の効果で墓地から除外して墓地の【ユニゾンビ】を特殊召喚するぜ!」

 

 チューナーモンスターであるユニゾンビが出できた事により、これで焔はシンクロ召喚出来る準備が整った。

 

 焔の場のモンスターのレベル合計は7だが、ユニゾンビには他のモンスターや自身のレベルを上げる効果がある。

 

 しかもそれが2回だ。つまり7〜9のシンクロモンスターが出せるという事だ。

 

「【ユニゾンビ】の効果発動! デッキから2枚目の【馬頭鬼】を墓地に送ることで、こいつのレベルを3から4にして、そのままシンクロ召喚だ!」

 

 シンクロ召喚を宣言すると、ユニゾンビが4つの緑の輪となって不知火の鍛師を包み込む。

 

 光の輪に包みこまれた不知火の鍛師は4つの星となって光を指す道となった。

 

「さぁこい! 【戦神-不知火】! そして【不知火の鍛師】のシンクロ素材の効果で【逢華妖麗譚-魔妖不知火語】を加えるぜ」

 

 光から戦神-不知火が現れると、その目には雪女が移ると、心做しか雪女に敵意を剥き出しにしていた。

 

 やはり不知火と魔妖には何かしらの因縁があるのだろうか。

 

 不知火の怒りを表すかのように戦神の刀から紅蓮の炎を渦巻き、戦神は何を言うように焔の目を見た。

 

「……あれ使えってか。行くぞ! 俺はリンクマジックの【不知火ー炎舞の陣】を発動! そしてその効果で俺は【戦神-不知火】を素材にシンクロ召喚する!」

 

 戦神が紅蓮の炎を纏い、その炎が焔の手へと移る。

 

 その炎が刀の形へと姿を変え、焔の周りには炎の円陣が創り出された。

 

「煙炎漲天! 一刀両断! 全てを断ち切る俺の切り札! 【炎転生遺物ー不知火の太刀】よ俺の元に来いっ!!」

 

 炎転生遺物ー不知火の太刀

 レベル8/シンクロ/炎属性/アンデッド族/ATK2800/DEF0

 

 不知火の太刀が焔の手に宿ると、焔の周りには9つの火柱が生まれた。焔はその中で熱さをなんともせずにデュエルを続けた。

 

「そして【不知火ー炎舞の陣】の効果発動! デッキから3枚めくり、それぞれ手札、墓地、除外ゾーンに送ることができる!」

 

 焔の目の前には3つのカードが映し出されると、焔はそれぞれのカードを手札、墓地、除外に行かせるカードを考えた。

 

「よし! 俺は【時を裂く魔瞳】を手札に加えるぜ! そんで【錬装融合】を墓地に送って【霊道士チャンシー】を除外する!」

 

 相変わらず凄い効果だ……。しかも、リンクマジックという、魔法カードでありながらリンクマーカーが付いている特別な魔法カードだ。

 

 これによりEXモンスターゾーンが埋まったとしても、焔はあの魔法カードのリンク先……つまり、あのカードの縦列ならリンクモンスターを特殊召喚出来るという事だ。

 

 デュエルのルールをねじ曲げかねない、まさに焔の様な自由奔放……いや、傍若無人なカードだった。

 

「そんでもって、除外された【霊道士チャンシー】の効果発動だ。墓地の【シノビネクロ】を除外して、こいつを特殊召喚する。そして、【シノビネクロ】が墓地から除外された時、これも特殊召喚だ」

 

 除外されたモンスター達が地面から紫色の淡い光をまといながらフィールドに現れたその姿はまさにアンデッドそのものだった。

 

 性格の割には、かなり頭使う様なデッキを難なく回しているのは、経験が物を言うのかとこの状況で少し関心してしまった。

 

「行くぞ! 俺はレベル6の【チャンシー】とレベル2の【シノビネクロ】でシンクロ召喚! 来い! 【巨骸竜フェルグラント】!!」

 

 巨骸竜フェルグラント

 レベル8/シンクロ/アンデッド族/光属性/ATK2800/DEF2800

 

「あとレベル1が2体……更に墓地の【ゾンビ・キャリア】の効果発動! 俺は手札1枚をデッキトップに置き、こいつを特殊召喚!」

 

「まぁ、随分と回るわね」

 

「まだ行くぞおらァ! 俺は墓地の【ジェット・シンクロン】の効果で手札を1枚墓地に送り、こいつを特殊召喚!」

 

 レベル1のチューナーが現れ、焔が呟いた所を正しければ残りチューナーは1体出せば目的は達成出来る筈だ。

 

「そんで持って墓地の【錬装融合】の効果発動! こいつをデッキに戻してシャッフルして……1枚ドロー!」

 

「ねぇまだ終わらないのかしら?」

 

「まぁな。俺は【時を裂く魔瞳】発動! これで俺は通常召喚が2回出来るぜ! 俺は手札から【グローアップ・ブルーム】を通常召喚!」

 

 フィールドにはレベル8とチューナーのレベル2と1が2体であり、合計レベルは12だ。

 

 連続シンクロ……? いや、確か3体のチューナーでシンクロ召喚が出来るモンスターが1体いる。

 

 条件は揃っている。

 

 焔のフィールドにいるチューナーが赤い炎の輪となり、その中心にレッドデーモンが包み込まれ、レッドデーモンが炎となってその姿を変えていた。

 

「王を迎えるは三賢人。紅き星は滅びず、ただ愚者を滅するのみ! 荒ぶる魂よ天地開闢の時を刻め! シンクロ召喚! 好き勝手に荒ぶってこい! 【スカーレッド・スーパーノヴァ・ドラゴン】!!」

 

 言霊に反応する様に、三体の賢人の力を借りたレッドデーモンは、その姿を紅の星のように現われさせ、この暗闇さえも照らす紅蓮の炎を纏うような姿を見せた。

 

 スカーレッド・スーパーノヴァ・ドラゴン

 レベル12/シンクロ/ドラゴン族/闇属性/ATK4000/DEF3000

 

「おっしゃきたぁぁぁ! いや〜こいつ出すの苦労したわ」

 

 確かに、ここまでスカーレッドを出す為に焔は墓地をフル活用して召喚した。しかもほぼアンデッドモンスターでだ。

 

「というかお前、さっきの口上は……」

 

「ん? こいつデッキに入れたら彼方の奴が、『このモンスターにはこういう口上あるから是非デュエルディスクを使って召喚する時は言って欲しい』って、目を輝かせながら早口で言ってたぜ」

 

「そういえば彼方さんってドラゴン族好きだったな……」

 

 とにかく、これは強力な妨害だ。

 

 スカーレッドは相手モンスターの効果を使った時に、自身を除外して相手モンスター全てを除外する効果がある。

 

 効果を無効にする訳では無いが、相手の盤面を全て除外させるのはその後の展開にも大きな影響を受けるのは間違いない。

 

 しかもスカーレッドは効果では破壊されないから場にいるだけでも抑止力にはなる筈だ。

 

「更にこいつの攻撃力は墓地のチューナーの数×500アップする! 俺の墓地にはチューナーが6体! つまり3000アップだ!」

 

 スカーレッド・スーパーノヴァ・ドラゴンATK4000→7000

 

「攻撃力7000ねぇ……」

 

「更にシンクロ素材で墓地に送られた【グローアップ・ブルーム】の効果で【アルグールマゼラ】を手札に加え、2枚目の【馬頭鬼】を除外し、墓地の【戦神ー不知火】を特殊召喚し、墓地の【屍界のバンシー】を除外してデッキから【アンデッドワールド】を設置! カード1枚伏せて終わりだ。ふぃーやったやった」

 

 

 2ターン目終了

 

 ウェルシー:LP16500 氷の魔妖ー雪女:LP8000

 手札1墓地3除外2デッキ28 手札:5墓地:0除外:0 デッキ:35

 

 □□①②□ □□□□□

 ③④⑤⑥□ □□□□□

 □ ⑦ □ □

 □□□□□ ⑭ □□⑧⑨□

 □□□□□ □□⑩⑪⑫

 

 桜雪花衣:LP7700 炎山焔:LP8000

 手札4墓地1除外デッキ35手札1 墓地27 除外8 デッキ26

 

 ①:恵みの風

 ②:伏せカード

 ③:アロマセラフィ──ジャスミン

 ④:アロマリリスーロザリーナ

 ⑤:豊穣大罪・造ラレシ者

 ⑥:アロマリリスーマグノリア

 ⑦:アロマリリスーローズマリー

 

 ⑧:スカーレッド・スーパーノヴァ・ドラゴン

 ⑨:戦神ー不知火

 ⑩:不知火ー炎舞の陣

 ⑪:炎転生遺物ー不知火の太刀

 ⑫:伏せカード

 

 

 

「ふん、随分と1人回ししたわね。ふわぁ……眠くなったわ」

 

 雪女は手足を伸ばして欠伸をしており、余裕そうな表情を浮かべていた。

 

 焔の伏せカードは恐らくさっき手札に加えていた逢華妖麗譚-魔妖不知火語だ。

 

 確かこのカードは、お互い墓地以外のモンスターからしか特殊召喚出来ないという、相手の展開をほぼ出来なくさせるとんでもないカードだ。

 

 あれが発動させたら最後、雪女はほぼ何も出来なくなるとは思うが、雪女のあの余裕が気になる。

 

 余裕と言えばウェルシーの方にも少し気になる。……何故妨害を仕掛けてこないんだ? 

 

 恵みの風の効果でライフを回復し、ライフ回復による強制効果でアロマージ・マジョラムの効果を使えば、焔の墓地のカードをアロマモンスターの数……つまり、4枚の墓地を除外して焔の展開を妨害する事が出来たはずだ。

 

 それなのにも関わらず、ウェルシーは何もしなかった。何かの作戦なのかは分からないが、これも不気味に感じずにはいられなかった。

 

 焔は雪女のあの余裕に対して強がりと思っているのか全く警戒していない。俺の杞憂だと思いたいが……不安が拭えない中、雪女は霊香の白い指を1枚のカードに置いた。

 

「私のターンね」

 

「このスタンバイフェイズ、俺は墓地の【ドーハスーラ】を特殊召喚し、そして【戦神ー不知火】をリリースして罠発動! 【逢華妖麗譚-魔妖不知火語】! これでお互い墓地からしか特殊召喚できない!」

 

 フィールドの不知火の武部と入れ替わるように、地面からドーハスーラという巨大な骸骨の頭を纏った胴体が龍の様に長いモンスターが地中から現れた。

 

 あまりの大きさで体のほとんどが地面に埋まっており、全長だけならスカーレッド・ドラゴンのよりも大きいかもしれない。

 

 魔妖不知火語の効果で墓地から特殊召喚出来なくなったが、焔にとってはそんなの関係ない。これで雪女は墓地からしか特殊召喚出来なくなり、勝ちをほぼ確信した焔を嘲笑った。

 

「まさか、それで勝ったつもりなのかしら。ふふ……やはりとんだお馬鹿さんね、焔」

 

「あぁ……?」

 

「なら見せてあげる。絶対に溶けない、心まで凍らせる雪女の零氷をね」

 

 雪女の背後から絶対零度の冷気が俺達に襲いかかるように吹き荒れ、雪女は1枚のカードをゆっくりと俺達に見せるようにした。

 

 そのカードは明らかに他のカードとは違う1枚だと言うのは明らかだ。

 

 冷気は更に吹き荒れ、俺達だけじゃなくフィールドのモンスターさえも凍りつきそうだった。

 

 腕を前にして顔を守り、狭くなる視界の中で暗闇は氷の空間へと変わっていく。

 

 壁や床は氷となり、その中で雪女は1枚のカードを発動した。

 

「フィールド魔法【魔妖壊劫ー絶氷氷襲(ぜっひょうこおりがさね)】!」




新カード紹介

【豊穣大罪・種子】
レベル1/闇属性/植物族/ATK0/DEF0

①:このカードが表側に存在する限り、相手はこのカード以外のモンスターを攻撃出来ず、このカード以外効果によって対象にする事と選ぶ事が出来ない。

②:このカードがフィールドから離れた場合発動できる。相手LPの数値分、自分のLPを回復する

【豊穣大罪・造ラレシ者】

LINK1/闇属性/植物族/ATK0
【召喚条件:大罪モンスター、または植物族モンスター1体】

・このカードは攻撃対象に出来ず、効果によってフィールドから離れない。

①:このカードがL召喚に成功し、ライフが相手より多い場合発動出来る。自分の墓地から植物族モンスターか大罪モンスター1を体特殊召喚する。

②:1ターンに1度、自分のLPが回復した場合発動できる。自分のデッキから【大罪】カードを1枚フィールドに表側で置くことができる。

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