六花テーマを作って愛用したらそのまま俺への愛が重くなった件について 作:白だし茶漬け
現在のフィールド状況
5ターン目終了
ウェルシー:LP46200
手札4墓地8除外2デッキ22
□□①②□
□□③□□
□ □ □ □
□□□□□ ⑥ □□□□□
□□□□□ □□⑦⑧□
桜雪花衣:LP7700 炎山焔:LP8000
手札0墓地5除外デッキ35手札0 墓地30 除外8 デッキ26
①:恵みの風
②:豊穣大罪・約束された聖域
③:豊穣大罪・デーメーテール
⑥:アンデッド・ワールド
⑦:不知火ー炎舞の陣
⑧:炎転生遺物ー不知火の太刀
雪女が居なくなった事により、ここから先はこっちが望んでいた2対1の状況でデュエルする事になったが、ウェルシーのライフは46200という削り切れるのも怪しい程大きなライフになっている。
しかも、フィールドに存在するデーメーテールの攻撃力もウェルシーのライフと同じ数値になり、しかもライフが回復すればライフポイント10000につき1枚ドローした為、ウェルシーはこっちのターンにも関わらず4枚もドローしていた。
「貴方のターンからですよ花衣さん。さぁさぁ、いつものように手札0からの逆転劇を期待していますよ」
「くっ……俺のターン!」
本来は雪女のターンだが、その本人が居ないため飛ばしで俺のターンとなり、1枚のカードをドローした。
引いたカードは閃刀姫ーレイのカードだったが、そのカードにはレイの姿が描かれてない灰色のカードだった。
このカードの状態を示す事は、まだレイが意識を取り戻せていないことを指しており、このままフィールドに出すのは不可能だ。
かといってこの手札で何かをすることは不可能だ。このターンで俺に出来る事は……無い。
「その様子だと、貴方の大好きな仲間は使い物にならないようですね」
「ターンエンドだ……」
5ターン目終了
ウェルシー:LP46200
手札4墓地8除外2デッキ22
□□①②□
□□③□□
□ □ □ □
□□□□□ ⑥ □□□□□
□□□□□ □□⑦⑧□
桜雪花衣:LP7700 炎山焔:LP8000
手札1墓地5除外デッキ34手札0 墓地30 除外8 デッキ26
①:恵みの風
②:豊穣大罪・約束された聖域
③:豊穣大罪・デーメーテール
⑥:アンデッド・ワールド
⑦:不知火ー炎舞の陣
⑧:炎転生遺物ー不知火の太刀
「では私のターン。そろそろこのデュエルを終わらせましょうか」
「その前に、このスタンバイフェイズ【ドーハスーラ】を墓地から守備表示で特殊召喚する!」
「良いですよ。どうせ何をやっても貴方は私には勝てませんから」
5枚の手札の中からウェルシーが1枚のカードをフィールドゾーンに設置すると、雪女が作り出した氷の景色は崩れ去り、まるで冬から春へと季節が移り変わるかのように、辺り一面植物が生え始めたが、その植物は俺達がしる色では無く、殆どや黒や紫と言った毒々しい植物だけが咲き誇り、デーメーテールの背後にもう1つの大樹が紫の葉を産みながら現れた。
「フィールド魔法【
「またライフを回復する気か!?」
「そしてもう1つ、このデュエルで私のライフが10万に達した時、私はこのデュエルに勝利します」
「なっ……!?」
ライフが10万なんて聞いた事ない数値だが、ウェルシーの使う【豊穣大罪】なら可能だ。何故なら、今のウェルシーのライフは5万近くあり、この数値は僅か2ターン程で到達した数値だ。
次のターン、俺にダイレクトアタックしたらデーメーテールの効果によってその数値分のダメージをウェルシーは受けるが、永続罠によってそのダメージ分のライフも回復されてしまう。
流石に10万までは行かないが、次のウェルシーのターンになれば必ずその数値に達し、ライフがどれだけあろうが関係なく、ウェルシーのライフが10万に達した時点で俺達の負けは確定する。
その前に何とかしてライフ回復を止めなければならないが、その手段が俺には無い……!
「このままバトル! 【デーメーテール】で花衣さんにダイレクトアタック!」
デーメーテールの木の枝が俺のフィールドに突き刺さり、突き刺さった地面から黒い光が養分を吸うようにしてあの闇に輝く世界樹の光が増していく。
ウェルシー 残りライフ46200→92400
「そしてライフ回復により【デーメーテール】の効果発動。ライフが1万につき1枚、ドローしますね。では、9枚ドローしますね」
「イカれてるだろそのドローの枚数は……!」
焔の言う事は最もだ。これでウェルシーは前のターンと合わせると14枚ものカードをドローしているのだから。
あれだけ手札があれば、攻めも守りも自由自在。最早ウェルシーの勝ちはほぼ確定している。
「これが貴方達の限界です。仲間なんていう弱い者同士、傷を舐め合っている人たちがいくら刃向かっても、私には勝てないですよ」
「んだとごらぁっ!!」
弱い者と言われて腹がたった焔はウェルシーに怒号を向けたが、ウェルシーは気にすること無く俺を見つめていた。
いや、このデュエル……というより、俺と出会った時からウェルシーはずっと俺しか見ておらず、焔がそこに居ないかのように接していた。
受け答えこそはするが、目を合わせようとはしない様子からして、本当に俺しか興味がないようだった。
「でも花衣さん、貴方だけは違います。何故なら貴方は仲間なんて居なくても1人で全てに勝つ力があるのですから」
「1人で全てに勝つ……?」
「貴方に友人なんて要らない。仲間なんて要らない。愛する人さえも不要なのです。何故なら、貴方は1人で全てを統べるから、そのような存在なのです」
「そんな事……っ」
「もし否定するのであれば、この状況をどうにかしてくださいね。私はカードを3枚伏せて、ターンエンドです。そして手札制限によって、手札を6枚になるように捨てます」
ウェルシーの言葉を否定したせいか、彼女の態度が一変し、伏せカードが埋まった状態でターンが終わった。
6ターン目終了
ウェルシー:LP92400
手札6墓地16除外2デッキ12
⑩⑪①②⑨
□□③□□ ⑫
□ □ □ □
□□□□□ ⑥ □□⑬□□
□□□□□ □□⑦⑧□
桜雪花衣:LP7700 炎山焔:LP8000
手札1墓地6除外デッキ34手札0 墓地30 除外8 デッキ26
①:恵みの風
②:豊穣大罪・約束された聖域
③:豊穣大罪・デーメーテール
⑨⑩⑪:伏せカード
⑫:豊穣大罪・世界を統べる豊穣の木
⑥:アンデッド・ワールド
⑦:不知火ー炎舞の陣
⑧:炎転生遺物ー不知火の太刀
⑬:死霊王 ドーハスーラ
「勝てない……」
思わずそう呟き、目の前が暗闇で広がりつつあった。膝を付いて闇の世界樹を見上げる事しか出来ない俺に向かって、ウェルシーの言葉を思い出した。
_貴方は1人で全てを統べる
そうだ、今必要なのは1人でもこの状況を覆せる力だ。なんでも良い、どんなカードでもいい。
たった1枚のカードでこの状況を覆せるというのであれば、俺はどんな物だって使いこなして見せる。例えそれが、俺を蝕む物だとしてもだ。
力を欲する感情に反応するように、俺の体の内側から闇が少しづつ溢れ出し、体の底から力が湧き上がってくる。
それを見たウェルシーは身体を震えさせ、黒いローブの奥にある口の口角を上げ、悶える身体を抑えるように自分の身体を抱きしめ、興奮気味に息を荒げていた。
「そう! その闇です! 誰よりも暗く、冷たく、強大なその闇で貴方が思うがまま力を奮ってください!!」
ウェルシーが望むからそうしてやる。更に溢れる闇を解放させ、深淵から覗く何かと目を合わせた。
_そうだ、今こそお前の真なる姿と力を解放する時だ!
溢れていた闇と、ウェルシーのモンスターにあった闇が俺の体の中に入り込み、体の内側が爆発しそうな熱さと苦しさが身体中を駆け巡る。
だがこれさえ耐え抜けば、求めていた力が手に入る。そうすれば……そうすれば、どうなるんだ?
俺、なんの為にこんな力求めたんだっけ……?
「寝ぼけてんじゃねぇぞ花衣っ!!」
隣から焔の怒鳴り声が聞こえたと同時に、右頬から殴られた衝撃が伝わった。
いや、実際に殴られた? 誰に? 殴れた方に目を向けると、そこには右手を俺に突き出し、鋭い目を俺に向けた焔がいた。
全くの意識外からの攻撃で拳に乗せた痛みが鋭く脳や身体に突き刺さり、拳の重みで俺は少し吹き飛ばされて情けなく地面に倒れてしまい、同時に俺の中にあった闇外に漏れ出すと溶けていくように消えた。
「てめぇ諦めてんじゃねえだろうな!? ざけんな! 俺はまだ諦めてもねぇし、おめぇも諦めんじゃねぇ!!」
「焔……でも、こんな状況で……」
「お前の帰りを待って今必死に戦っている女達が居るんだろっ!? お前と一緒に信じて戦っている女達も居るだろ!? お前は、その女達を悲しませたいのか!? そのカード、よく見てみろよ!!」
焔に言われて手札にあった閃刀姫ーレイのカードを見ると、さっきまで灰色のだったカードが少しづつ色を取り戻し、両手でカードをもって覗き込むように見つめた。
レイの意識が蘇りつつあると理解した俺は思わずカードを抱きしめるように顔を近づけ、感傷に浸って涙さえも流した。
「レイも、ロゼも、アザレアも、カメリアも、ティアドロップ達も諦めてねぇ。だったらお前が諦めちゃあ話にならねぇだろ」
さっきまで鋭い目を向けていた焔の目が優しくなり、今度は拳ではなく開いた右手を笑顔で差し伸べた。
「俺も諦めちゃいねぇよ。お前に出来ないことは俺がやる。俺が出来ないことをお前がやれ。それがダチでもあるし、仲間なんだろ?」
「……そうだったな」
心が澄んだ晴れの様になった俺は焔の手を握り、力を借りて立ち上がった。
「俺はひとりじゃ何も出来ない。だからこそ皆の力でここまで来たんだった……こんな事言うのもなんだけど、焔、力を貸してくれないか?」
「たりめぇだ。勝ったら飯でも奢れよ」
「悪いけど、彼女達が作ったご飯を食べたら彼女達が怒る。別のにしてくれ」
「言ってくれるじゃねぇか」
焔と拳を突き合わせ、お互い笑顔でウェルシーに立ち向かうと、ウェルシーはその光景が気に入らない様子だった。
興奮していた感情は消え去り、震える手は怒りの物だとはっきり分かるほどだった。
「そうですか……まだ仲間とやらに縋るのですね。貴方には必要無いものだと言うのに」
「いや、絶対に必要なものだ。仲間達の絆がある限り、俺達は絶対に負けない!」
「貴方はそんなに弱い人じゃないのに……仕方ありませんね。なら、デュエルを進めてください」
「やってやるぜ! 俺のターン! ドロー! ……よし、俺は【炎舞の陣】の効果でデッキトップ3枚めくって、1枚手札に加え、残りは墓地と除外させる!」
焔は3枚の内1枚のカードを手札に加えると、焔は一瞬俺に目を向けた。
「俺はカードを2枚伏せてターンエンドだ」
7ターン目終了
ウェルシー:LP92400
手札6墓地16除外2デッキ12
⑩⑪①②⑨
□□③□□ ⑫
□ □ □ □
□□□□□ ⑥ □□⑬□□
□□□□□ □⑦⑧⑭⑮
桜雪花衣:LP7700 炎山焔:LP8000
手札1墓地6除外デッキ34手札0 墓地31 除外9 デッキ22
①:恵みの風
②:豊穣大罪・約束された聖域
③:豊穣大罪・デーメーテール
⑨⑩⑪:伏せカード
⑫:豊穣大罪・世界を統べる豊穣の木
⑥:アンデッド・ワールド
⑦:不知火ー炎舞の陣
⑧:炎転生遺物ー不知火の太刀
⑬:死霊王 ドーハスーラ
⑭⑮:伏せカード
攻撃を仕掛けなかったのは、デーメーテールと
しかも召喚・特殊召喚もすれば、ウェルシーのフィールド魔法の効果でライフを回復させられてしまう。
つまり焔は俺に託したんだ。あのアイコンタクトと笑顔は、俺に信頼を寄せた笑顔とターンでもあったんだ。
「頼むぜ花衣!」
「……あぁ、行くぞ! 俺のターン!」
このカードが、逆転へと繋ぐカードになる事を信じて俺はデッキからカードを1枚引いた。
ゆっくりとドローしたカードを表側にすると、そのカードはその名の通り、逆転へと導くカードだった。
だがこのカードを使う為には、手札とフィールドにカードが無ければならない。つまり、レイが使えなければ意味が無い。
(レイ……)
レイに会いたい。その一心でカードにそう願ったその時だった。レイのカードが光り輝くと同時に、灰色だったカードが復活し、カードからレイが飛び出してきた。
「花衣さんっ!」
「レイっ!!」
飛び出して来たレイを受け止めてレイを抱きしめ、レイも同じように背中まで腕を回して俺を抱きしめた。
お互いの体温を感じ合うかのように力強い抱擁が続き、再会した喜びでレイは目に少しの涙を浮かべていた。
「やっと、花衣さんに会えました!」
「あぁ、よかった……無事で!」
もう一度レイと抱き合ったその時、手札のレイのカードの輝きがより一層増すと、レイのカードが変化した。
そのカードの名は、【希望の絆ーレイ】。
これはティアドロップ達と同じようにカードが新たに生まれ変わったのか?
カード効果も、描かれているレイの姿も新たに変わっており、その名の通り希望が秘められている力を感じる。
「さぁ花衣さん、私の新しい力を使ってください!」
「あぁ、行くぞ! 俺は手札から【希望の絆ーレイ】を特殊召喚!」
希望の絆ーレイ
レベル4/闇属性/戦士族/ATK1500/DEF1500
「【希望の絆ーレイ】は、自分の墓地にレイ以外の【閃刀姫】が存在する時、手札から特殊召喚出来る! そしてこのレイが特殊召喚された場合、デッキ、墓地、除外ゾーンから【閃刀騎ーカイム】を特殊召喚できる!」
「ですがモンスターが特殊召喚されたのでフィールド魔法【
「させっかよ! 俺は罠カード【
「無駄です。もう一方の伏せカードのカウンター罠【神の警告】。ライフを2000払い、貴方の罠を無効にして破壊します」
ウェルシー 残りライフ92400→90400
豊穣大罪・デーメーテール ATK90400
「それを待ってたぜ! 俺はカウンター罠【レッド・リブート】を発動! 相手が罠を発動した時、その効果を無効にして破壊し、相手はデッキから罠を1枚選んでセット出来るが、お前の魔法・罠ゾーンはもう埋まってる!」
魔法・罠ゾーンが全て埋まっているのなら、デッキから罠をセットする事はできない。ウェルシーはレッド・リブートの効果で罠をセットする事は出来ない。
「しかも、【レッド・リブート】の効果でお前はこのターン罠を発動する事はできない! つまり、お前の永続罠【
ドーハスーラをリリースして焔は不知火の刀を振って残りの伏せカードとフィールド魔法を破壊し、刀の炎が世界樹を燃やし尽くした。
これでライフが10万に達したとしてもウェルシーはデュエルに勝利する事無いかと思われたが、世界樹は何故か破壊されずにいた。
「残念ですが、私が手札制限で墓地に送ったモンスター【
ウェルシー 残りライフ90400→91900
「だがこれで特殊召喚の猶予と戦闘ダメージの回復は無効にしたぜ。思い切り行け! 花衣!」
「任せろ! 【希望の絆ーレイ】の効果で墓地の【カイム】を特殊召喚する! こいつの攻撃力は0な為、お前のライフは回復しない!」
ウェルシーのライフ10万まで残り8100……閃刀姫モンスター5体分だ。それ以上モンスターを特殊召喚してしまえば、ライフは10万に到達されてしまう。
それまでにこの手札の魔法カードを発動させる事が出来れば良いが……!
「俺は【希望の絆ーレイ】と【閃刀騎ーカイム】でリンク召喚! 召喚条件は【効果モンスター2体!】来い! 【閃刀姫ーカメリア】!」
閃刀姫ーカメリア
LINK2/リンク/闇属性/戦士族/ATK1500
「やっと召喚してくれたけど、花衣。私に召喚口上とか無いの?」
「え? 今それ言うのか? 後で良いか……?」
「うん。約束」
「……あぁ、そう言う事か」
カメリアは、絶対このデュエルに勝ってまたいつものように生活しようと言っているんだ。本当にカメリアは自分の気持ちを何かで隠しながら言うのが好きな女だ。
「話している所申し訳ありませんが、フィールド魔法の効果でライフを回復させて貰います」
ウェルシー 残りライフ91900→93400
「だが【カメリア】の効果発動! 自分の墓地の魔法カードが3枚以下の場合、デッキから【閃刀】魔法カードを墓地に送る。俺は【閃刀起動ーエンゲージ】を墓地に送る」
俺の墓地の魔法カードはブラックホールとキアノスの手札コストに捨てた魔法カード1枚とカメリアの効果で捨てたカードの計3枚だ。
だが、俺にはもう一体カード効果を発動できるモンスターがいる。
「俺は【希望の絆ーレイ】の効果発動! このカードが【閃刀姫】又は【閃刀騎】Lモンスターの素材として墓地に送られた場合、デッキからカードを1枚ドローする!」
これで手札の枚数とフィールドのモンスターの効果はクリアした。あとは……俺のデッキにかけるだけだ。
「俺は魔法カード【大逆転クイズ】を発動!」
「【大逆転クイズ】!?」
「自分フィールドのカードと手札を全て墓地に送り、俺はデッキトップのカードの種類を宣言する。カードの種類が宣言した物と同じなら、俺とお前のライフを入れ替える!」
ただし間違えれな不発となり、ウェルシーに勝つ事が出来なくなる。しかも仮にここでライフを入れ替えられたとしても、ウェルシーは次のターンでまた更にライフを回復する手段を残してある。
つまり、大逆転クイズの効果を発動させるかつ、このターンで決着をつけなければならない。
俺のデッキには、焔が使った罠カードレッド・リブートもあり、閃刀姫ーレイのカードは3枚入っている。その中の1枚は希望の絆ーレイになったから残りは2枚……だが、俺のデッキは魔法カードが多く入っている。
確率的には魔法カードがデッキトップにある可能性が高いが、結局は3分の1……コイントスよりも確率が下なのは間違いない。
確率の高い魔法カードを宣言するのが無難だが……何故かこの時、俺はある確信があった。
「俺は……モンスターカードを宣言!」
宣言したと同時にカードを捲り、全てのプレイヤーに見せるようにカードを表側へとゆっくりと回すと、やはり来たかと心の中でニヤリと笑った。
「やっぱり、肝心な時でお前が来てくれるよな。レイ」
俺が引いたカードは、閃刀姫ーレイ。モンスターカードだ。
「馬鹿なッ……! どうして!?」
「決まっている。これが互いを想い合う俺達の絆の力だ! 【大逆転クイズ】によって、俺とお前のライフは入れ替わる!」
大逆転クイズのカードから嵐が吹き荒れ、世界樹の葉が全て散り、世界樹は葉のない枯れ木へと姿を変えた。
ウェルシー 残りライフ93400→7700
桜雪花衣 残りライフ7700→93400
「まさかライフが入れ替わるなんて……」
「まだ終わらない! 俺は【大逆転クイズ】によって墓地に送られた【錬装融合】の効果発動! このカードをデッキに戻し、カードを1枚ドローする! ……よし、手札から【貪欲な壺】を発動! 墓地の【レイ】【ロゼ】【カイム】【ラグナロク】【カメリア】をデッキに戻し、2枚ドローする」
「ラグナロクが戻ってきたぁ!」
「戻ってきたのは【ラグナロク】だけじゃない! 俺は【閃刀騎ーカイム】を通常召喚し、効果でデッキから【閃刀姫ーレイ】と【閃刀姫ーロゼ】を特殊召喚する! これで【ラグナロク】の召喚条件は整った! 一緒に行くぞ!」
フィールドにリンクマーカーが現れ、カイム達がマーカーに飛び込むと、カイムの周りに白い装甲が纏い、全ての閃刀姫の装備を背負った姿がフィールドに現れ、闇が広がるフィールドに光を灯した。
「想いが集う時が希望の光となり、今こそ世界を駆けろ! リンク3【閃刀騎ーラグナロク】!!」
閃刀騎ーラグナロク
LINK3/リンク/光属性/ATK0
「【ラグナロク】の効果発動! 俺のメインモンスターゾーンは全てエクストラモンスターゾーンとなり、EXデッキから【閃刀姫】または【閃刀騎】モンスターを召喚条件を無視して可能な限り特殊召喚する! 俺は【アザレア】【カガリ】【シズク】【ハヤテ】そして【合体術式-エンゲージ・ゼロ】を特殊召喚!」
俺のエクストラモンスターゾーンが全て埋め尽くされ、この瞬間ラグナロクの攻撃力はフィールドの閃刀姫モンスターの数×1000。つまり、攻撃力は5000となった。
閃刀騎ーラグナロク AT5000
「更に【閃刀騎ーラグナロク】の効果発動! 自分フィールドのモンスターをリリースする事で、【ラグナロク】はそのモンスターと同じ効果を得ることが出来、更に特殊召喚された効果を発動する事が出来る! 俺は【合体術式-エンゲージ・ゼロ】をリリースし、その効果を得る!」
「行くよロゼ!」
「任せて」
ラグナロクの前にレイとロゼの2人が巨大な白い大剣を持ち、大剣に施されたラインが青く光ると、レイとロゼは息を合わせてデーメーテールに向けて大剣を振り下ろした。
振り下ろされた大剣にデーメーテールは対抗して巨大な大剣を振り上げ、大きな鍔迫り合いが始まった。
互いに一歩も引かない鍔迫り合いは、あまりにも強大すぎて発生する衝撃波も大きく、近くにいる俺達を吹き飛ばす勢いだった。
それでも何とか堪えてたち続け、レイとロゼの勇姿を見届けると、後から現れたアザレアとカメリアがレイ達の傍に駆け寄った。
「だらしないぞ! そんなのでマスターの役に立てるのか!?」
「私達も手伝う……!」
4人の閃刀姫が力を合わせて、エンゲージ・ゼロを更なる姿を変えさせた。白い大剣が虹色に光輝くと、デーメーテールの大剣に亀裂を走らせ、巨体の身体に膝をつかせていた。
「これが私達の! 絆の力っ!!」
最後の力を振り絞ったレイ達はついにデーメーテールの大剣を壊すことに成功し、デーメーテールは力尽きたかのように身体を灰色に染め、膝をついてそのまま動かなくなった。
「【合体術式-エンゲージ・ゼロ】は、特殊召喚された場合、相手の攻撃力2500以上のモンスター1体の効果を無効にする
「……【デーメーテール】は、ライフが1万以上の場合のみしか効果を受け付けません。効果がなれば、その攻撃力は0」
閃刀騎ーラグナロク ATK5000→4000
豊穣大罪・デーメーテール ATK7700→0
「バトルだ! 【ラグナロク】が相手に与える戦闘ダメージは倍になる! これでトドメだ! 行けラグナロク!」
ラグナロクが背中に装備されていた巨大なレーザ砲の銃口をデーメーテールに向け、銃口から青い光が集まり始めていた。
「全てを終わらせる一撃! ラグナロク・フェイズ!!」
チャージを終えたと当時にラグナロクは巨大なビームを放ち、青いビームに焼かれたデーメーテールは悲鳴すらも上げずに塵となり、そのまま背後にあった世界樹をも焼き尽くし、この空間を覆っていた闇さえも消し飛ばした。
「……今回は私の負けですね。ふふふ……」
ウェルシー 残りライフ7700→0
WINNER 桜雪花衣 炎山焔
デュエルが終わったリザルトが表示された瞬間、謎の空間が消えて元の蟲惑魔の巣へと景色が戻ると、いつの間にか壁一面にあった氷が溶けてあり、気温も通常の気温へと戻っていた。
「……? ウェルシーはどこだ?」
さっきまでいたウェルシーの姿がどこにも見当たらず、辺りをくまなく探してもやはりウェルシーの姿は無く、代わりに倒れていた花音がいた。
「花音!!」
急いで倒れた花音に傍によって身体を起こし、意識を失っている花音の脈を測った。
ドクン……と脈が動くのを確認し、花音が無事だと言うことに安心した俺は、ホッと息を撫で下ろしたと同時に、ウェルシーの声が反響しながら聞こてきた。
『その方は勝利のお祝いで譲ります。またどこかで会いましょうね、花衣さん』
姿見えないが、恐らく笑ってウェルシーはこの場を去っていった。最後の最後まで掴み所がない女だったが、やはりセブン・エクリプスのリーダーだけあって相当な実力者だった。
もしレイと焔が居なかったら、負けていた事だろう。焔も流石に応えたのか、デュエルが終わったと同時に寝転がるように仰向けになって倒れた。
「ああああ終わったぁぁ! もう動けねー!!」
「そうだな……けど、デウスクローラーと扉の件は終わってない。アザレア、カメリア、デウスクローラーは任せるぞ」
「了解した」
「うん、分かった」
「マジョラム、花音を頼む。俺はレイとロゼと一緒に扉を何とかする」
「わかりました」
花音を一旦マジョラムに任せ、俺はレイとロゼと一緒に奥へと走っていき、アザレアとカメリアは機能不全のデウスクローラーを完全破壊した。
爆発音が後ろの方から聞こえ、どうやら破壊は上手くいったようだ。後はこの先にある扉を封印する事が出来れば問題ない。
洞窟の通路を走っていくと、何故か急に周りの床や壁に植物が生えている所があり、奥に進む度に植物の量が増え、奥の方から風の冷たさが感じられた。
風が感じられるということは、洞窟から出られると言うことだろうか? そんなことを考えていると、洞窟の奥から太陽の光が見え始め、やはり出口があった。
俺達は洞窟の外に出ると、そこには別世界の様な自然に満ち溢れた場所へと出てきた。
陽の光によって植物は明るく輝き、近くには小さな池と滝があり、昆虫達ものどかに生息していた。
「何なんだ? ここ……」
幻想的な場所ではあるが、周りの雑草と比べると明らかに種類が違う植物が生えており、まるで元々あったこの空間が、無理やりこの場所に貼り付けた様な印象を受けた。
いや、実際にそうなのだろう。もしこの場所がナチュル達が元々生息していた場所だとすれば、近くに目的の扉があるに違いない。
「花衣さん、あれは……」
調査しているとレイが扉を見つけたようだ。扉は池の中央に浮かんでいるかのように存在し、扉と言うよりかは時空の裂け目の見た目だった。
裂け目からはここと同じような景色の広場が見え、どうやらここが侵食地なのは間違いないなかった。
ハスキーに渡されたカードを手に取り、時空の裂け目に向かってカードを投げつけると、カードは空気を割くように真っ直ぐ裂け目へと飛び、裂け目の中へと吸い込まれていく。
吸い込まれたカードが砕け、破片が裂け目を塞ぐかのように埋め込まれていき、裂け目は無くなって裂け目があった所は元の空間に戻って行った。
「これで……いいのか?」
レイが異変を解決したか確認するために、ホーネットビットで裂け目があった場所を調査し、ロゼがデータを解析した。
「ん、大丈夫。裂け目があった空間から発せられていた空気の分子が元に戻っているから、問題は解決した筈」
「後はクローラーだけか……」
その時、上着のポケットにある携帯から着信音が鳴り、画面を見ると空からだった。
「空か?」
『連絡を取れているのなら、無事な様だな。上空から確認した限りでは、クローラーの機能は全て停止している。良くやったな。焔はどうだ?』
「そうか……焔なら疲れてその辺で倒れてるよ」
『それを放置しているという事は、無事な様だな。後で座標を送るから、そこで合流しよう』
「了解」
そう言って通話を終了した。
クローラーが停止したという事は、この森での騒動は一応解決した事になる。事態が一段落して強ばっていた力が一気に抜け、ようやく心身ともに休めることが出来た。
「ティアドロップ達は大丈夫だろうか……」
「あの人達なら問題無いと思いますよ。なんなら、今すぐお送りしましょうか?」
「そうしたいのは山々だけど……焔と花音を連れてからだな」
今回の騒動は色々起こったが、花音の救出が何よりの喜びだ。ウェルシーに何かされたせいなのか、まだ意識は取り戻せてない。
だが、花音の意識を取り戻すことが出来れば、ウェルシー達の目的や攫われた理由も分かり、これからの対策になる筈だ。
だが今は、少し休みたかった……。本当に良かったし、とても疲れてしまった。
思わず力が抜けてレイに身体を寄せてしまい、レイは身体が触れると、俺の体を支えるように身を寄せ、腕を組んだ。
「お疲れ様です。……少し休みますか?」
「いや……でも、支えてくれ」
「勿論、ずっとそばで支えますよ」
「花衣、私もいる。除け者にしないで」
ロゼも反対側の腕を組み、まさに両手に花の状態になった。だが、少しロゼの力が強い方だけどな……。
「何故、わざと負けたんだ?」
ウェルシーの仲間である、灰色の髪を持った女性にしては少し身長が高めであるアルムがウェルシーに向けてそう言った。
アルムも一連のデュエルを見届けており、彼女はそれを確信していた。そして、ウェルシーはそれを聞いて隠すようにして笑った。
「わざと負けた? まさか、私は本気で……」
「あの伏せカードと、お前が捨てたカードを持っていればお前は勝っていた。何故だ」
アルムが右手を伸ばすと、黒い手がウェルシーのデッキを手に取り、デュエルでウェルシーが意図的に使わなかったカードを見せた。
「アルムちゃんは鋭いですね。……あのまま勝っても意味が無いからですよ」
「……ほう?」
「あの人は言わば物心がついていない子供です。あの状況で闇に染めたとしても……邪魔者が居ましたから」
「それは……六花と閃刀姫か?」
「それもありますが。もっと別の存在です」
「それはなんだ?」
「あの人の中にいる、ドラゴンです」
新規カード紹介
希望の絆ーレイ
レベル4/闇属性/戦士族/ATK1500/DEF1000
・このカードは『閃刀姫ーレイ』としても扱う。
このカード名の①②③の効果は、1ターンに1度しか発動出来ない。
①:自分フィールド、又は墓地にこのカード以外の『閃刀姫』又は『閃刀騎』モンスターが存在する場合、このカードは手札から特殊召喚できる。
②:このカードが召喚・特殊召喚に成功した場合発動できる。自分のデッキ、手札、墓地、除外ゾーンから、『閃刀騎ーカイム』を特殊召喚する。
③:このカードが『閃刀』Lモンスターの素材又は『閃刀』Xモンスターが効果を発動する為に墓地に送られた場合発動出来る。自分はデッキからカードを1枚ドローする。
オリカをまとめた章が欲しい?
-
欲しい!
-
別に( *¯ ³¯*)