六花テーマを作って愛用したらそのまま俺への愛が重くなった件について   作:白だし茶漬け

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わ〜い!ランキングに乗って評価バーにも色がついたぞ〜!
デュエルのプレミを無くしていつかは赤にしたいなぁ〜!


戦士でも痛み苦しむ

…ここまで来れると俺はいつ思ったのだろうか。

ふつふつと高まる緊張と興奮が俺の鼓動を早め、血管もその鼓動に感染するように動く。手の汗が止まらず、何度もズボンで汗を拭いさろうとするが、またすぐに汗が吹き出てしまう。

 

(うぅ…なんか凄く頭がクラクラしてきた…)

 

緊張のせいか謎の目眩が襲い、俺は一旦空いている席に座って、気持ちを整える。まさか初の大会であり、参加者が多い中で決勝戦にまで行くとは思わなかった。

せいぜい行けて2回戦ぐらいと思った自分が懐かしい。

 

「おいおい大丈夫か?そんなんで決勝戦行けんのか?」

 

俺の事を心配した炎山に続き、他の皆もそういう風な顔をしていた。

 

「かか花衣さん!ここ、こんな時は落ち着いてですね!」

 

「いや…なんで貴方が緊張しているのよ。」

 

俺の倍以上に緊張している咲初を落ち着かせるようにため息を吐きながら咲初の肩を叩いた白井は見事咲初を落ち着かせた。

 

「ふふ…心配無い。貴様には特別にこの漆黒の瞳の半分を分けてやろう。」

 

もう、厨二病モードまっしぐらの河原は左手で左半分の顔を隠し、妖しく笑いながら俺に近づいてきた。それを見て呆れた機羽が、河原の服の襟を掴み、俺から離れさせた。

 

「何やってるんだ…たく…」

 

「ああ離して〜!折角いい所だったのに〜!」

 

「いや何処がだよ!?花衣が完全にポカンとしてるぞ!」

 

恐らく俺の顔は情けなく目を丸くして口を半開きしながらそのまま無の表情を崩さないでいるのだろう。

機羽に指を指され、自分の意識が戻り、俺は顔を引き締めさせる。

皆は俺の緊張をほぐそうと必死だったが、どれも上手くは行っていない。だがそれが変に感じ、俺は笑ってしまう。

 

「おいおい何笑ってるんだよ〜!」

 

自分たちの行動がバカにされてると思っているのか、はたまた笑ってる俺を可笑しく思ったのか、炎山は俺の肩を組んで脇腹を小突いた。

その光景が微笑ましいのか、他の皆もつられて笑った。

そのおかげが先程の緊張感も無くなった。

 

「あはは!…ありがとう皆。」

 

「うし!じゃあ頑張れよ。」

 

「気楽で行け。」

 

炎山と機羽から背中を押されるように叩かれると、俺は更に自信と気を引き締める。

 

「頑張ってくださいね花衣さん!」

 

「頑張りなさい。」

 

「しっかりね〜!」

 

女性陣からの応援もしっかりと受け、俺は決勝戦の机へと向かう。決勝戦と言っても、他の机とは変わりない。唯一変わっているとなると、机の周りには参加者が注目していることぐらいだ。参加者の注目を浴びる中、レイも机に到着し、何も言わずに俺を見続けた。

 

「ちょっと…ちょっとごめんなさい〜」

 

人混みをかき分ける人の店長さんの声が聞こえ、ようやく人混みの中から店長さんが現れた。

 

「ふぅ…やっぱり人が多いってこんな事になるからちょっと辛いわね…さて、それじゃ張り切って決勝戦の開始を宣言します!」

 

店長さんが高らかに宣言すると参加者の皆が決勝戦まで勝ち上がった二人を称えるように拍手を交わし、更に注目される。ました緊張感を紛らすように挙動不審に目を動かした。目を動かしてる内に店長さんと目が合ってしまい、思わず目を逸らしてしまう。

 

「頑張ってね。」

 

店長さんが他の人には聞こえない程俺だけに聞こえるような声量で俺にエールを送ると、俺は思わずまたもや店長さんと目が合う。店長さんは小さくウィンクをした。

それを見た俺は、胸が跳ね上がる衝動に駆られて、またしても店長さんから目を逸らした。

あの人は無自覚なのだろうか、いつもこんな気持ちにさせる。これが大人というものだろうか?俺は大人の魅力というものを振り払うように首を振り、決勝戦に集中する。

俺はレイに近づき、挨拶を交わし、握手をしようと右手を出した。

 

「よろしく。」

 

「…やっと会えた。やっとここまで来ました…」

 

レイは何か呟き、レイは今までの淡々とした今までの態度とは裏腹に素直に俺の手を握った。そして握られた手の中から淡い白い光が盛れだした。

 

「な…なんだ!?」

 

やがて光は全てを呑み込むように俺やレイを包みこもうとしていた。俺はその光から離れようとするも、レイが俺の右手を離さないように力強く握っている為、離れることは出来なかった。

 

「花衣さん!」

 

咲初が俺を助ける為に走り出したように見えたが、今の俺にそれを気にする余裕は無く。抵抗も出来ずに光に呑まれた。

 

 

 

 

 

 

_…ごめん。俺は行かないとダメなんだ…レイ、ロゼ…何も言わずに出ていくのは悪いと思ってる。でももしも話したら俺はきっと行けなくなる…それじゃダメなんだ。だからごめんね…さよなら。

 

とても悲しそうな男の声がした。行くべき所があると言い男は共にすごした人との別れを惜しんでいた。

心が痛む。誰かも知らないのに、心が締め付けるように苦しくなる。

そして男は一粒の涙を流しながら、常闇の夜に溶けた。

 

 

_思い出した…行かないと…止めないと。またこんな気持ちになるなんて思わなかった。あぁ…やだなぁ…こんな気持ちになるなら。忘れたままの方が良かったかな…?

 

同じ声の男がまた悲しい声をしながら歩いていた。

別れを続けた心が悲しみ、嘆き、苦しんでいた。

自分のやるべき事を呪うように悔やみ、締め付ける心を掴むように胸を掴んでいた。男は花が星空で美しく輝く森の中を歩いた。

 

「…!今のは…何?」

 

まるで自分の事のように苦しかった心が今でも残っていた。悲しさ、後悔、どうしようもならないという諦め、それが混ざりあった苦しみが今も尚俺を息苦しくさせる。苦しさの余り、目を力強く閉じて抗っていた。

焼け付くような空気を肌で感じ、心がようやく落ち着いたのを感じ、俺はそっと目を開ける。目を開けた先には異様な光景が映し出されていた。

焼け付くような夕焼け、戦いがあったのか、剣や何かで切り裂かれた遺跡の柱の残骸が転がっていた。この景色…確か魔法カード"閃刀術式-シザーズクロス"に描かれている景色とよく似ている…

 

「なんだここ!?何処なんだよここ!」

 

明らかに俺の知らない世界を見た俺は、訳が分からず周りを見渡した。情けなく不安が俺の中を満たした。

 

「花衣様!」

 

「この声…ティアドロップか!?」

 

俺のデッキからティアドロップの効果が飛び出し、ティアドロップが実体化させた。

だがティアドロップは"閃刀姫-ロゼ"との戦いで力を使い果たし、実体化させる力はもう残っていない筈だ。

 

「花衣様…気をつけてください。ここは貴方の知ってる世界じゃない…」

 

そんなことは見れば分かっていた。ならここは何処だ?力を使い果たしたティアドロップが実体化出来るこの世界…まさか!

 

「そうですよ。ここは私たちデュエルモンスターズの世界…そして貴方と私、ロゼちゃんが出会った場所でもあるんですよ。」

 

あれの頭の中を見ているかのように考えを当てた女性の声がした。俺とティアドロップはその声の方向に向き、警戒を強めた。砂嵐の中から、姿を隠すように自分より体が大きいコートと帽子を来た女性がこちらに近づいてきた。

 

「やっと…やっと貴方をここに連れ戻しました!」

 

自分の目的を達成した喜びに満ちた彼女は来ていた帽子と服を脱ぎ捨て、その姿を遂に表した。

丈が短い上着に、白と黒の服と金色の長髪を靡かせたその女性は"閃刀姫-レイ"そのものであった。確信した。この女性は…デュエルモンスターズの"閃刀姫-レイ"だ。

 

「この姿で会うのは久しぶりですね…元気にしていましたか?」

 

「久しぶり…?俺とお前は今日初めて会ったはずだ!」

 

俺の記憶ではレイとあった覚えが無い。いや、それ以前に俺は人間でレイはデュエルモンスターズの精霊だ。俺が精霊を見え始めたのは1ヶ月前であり、それ以前には見えもしなかった。面識なんてあるはずが無い。

しかし、レイはそれが可笑しい答えと感じたのか、クスクスと小さく笑う。

 

「違いますよ?貴方は私達とずっと一緒にいたんですよ。…貴方が出ていったその時まで。」

 

さっきまで笑っていたレイの目が、抜き身の刀のように鋭くなった。その目に圧倒され、俺は一歩後ろに下がり、ティアドロップが庇うように腕を出した。

 

「悲しかったんですよ…?何も言わずに出ていくなんて酷いですよ…貴方がいたから私の日常は彩られたんです…光に溢れていたんです。戦いだけだった日常が、貴方が壊してくれた!私を救ってくれた!なのになのになのに…どうして私達から出ていったんですか!?どうして私たちを捨てたんですか!?」

 

レイから感じる怒り、疑問、悲しみが実体化するように突然の衝撃が俺とティアドロップに襲い掛かる。

 

「花衣様!」

 

ティアドロップは俺を庇うように抱き、そのまま全ての衝撃を自分で受け止めた。

 

「ぐぅ…」

 

衝撃に耐えるティアドロップの漏れた声を耳にした俺は、恐怖で手が震えた。その震えを止めるようにティアドロップは俺の手を強く握り、俺を守った。衝撃が止み、ティアドロップの状態を見る為顔を見ると、ティアドロップは笑っていた。

 

「良かった…大丈夫ですか?」

 

「お前の方こそ…大丈夫か!?」

 

「はい。貴方の為ならこれぐらいは当然です。」

 

心配かけないとティアドロップは無理な笑顔をしていた。震えていた手足が止まり、俺はティアドロップの無事で少し安心した。俺はティアドロップの手を取り、一緒に立ち上がった。それを見たレイは見たくないように手で目を塞いだ。

 

「やはり目障りですね…貴方達【六花】は!」

 

「貴方こそ、花衣様のなんですか!花衣様は人間で…」

 

「人間…とぼけないで下さいよ?貴方達だってこの世界でその人と一緒に過ごして来たんですよね?違いますか?」

 

「…それは…」

 

ティアドロップの態度から察するにレイの言ってることは本当だろう。だとすれば…俺は昔、ティアドロップやレイと一緒にいた事になる。有り得ない。俺はデュエルモンスターズの世界になんか行ったことないのだから。

 

「どんな事をしてその人をたぶらかしたのかは知りませんが…私達の大切な人を奪ったその罪は重いですよ…!」

 

レイは黒い刀を抜き、ティアドロップに剣先を向けた。

レイは本気でティアドロップを倒すつもりだ。ロゼと戦い、俺を庇ったティアドロップは戦える状態では無い。

絶対絶命のその時、デッキケースの中が光出した。

 

「ティアドロップさんだけじゃありませんよ?」

 

カードが8枚飛び出し、光出したその時、他の六花達が姿を現した。カンザシ、ストレナエ、スノードロップ、ヘレボラス、エリカ、ボタン、プリム、そしてひとひらが実体化した。

 

「旦那様、お怪我はありませんか?」

 

カンザシが俺に傷が無いか確かめるように体の隅々まで俺を見る。他の六花も同じように傷が無いか確かめていた。

 

「うん、怪我はないみたい!」

 

ストレナエが怪我無いと言い出した途端、六花達は安堵の息を漏らす。

 

「俺の事は大丈夫だ。それよりもティアドロップの方を気にかけてくれ。」

 

「私なら大丈夫ですよ。やはり…お優しいですね。」

 

ティアドロップは心配無いと優しく微笑みかけた。

その笑顔がどこか懐かしくも思えたが、今はそんなことを感じている余裕は無かった。ふつふつと憎悪が溢れ出るレイの気を感じた六花達は更に警戒心を強めた。

 

「流石に分が悪いですね…これ以上その人を傷つけるのは私としても嫌ですね…どうですか?ここはデュエルで決着するのは。」

 

レイは右手で持っていた剣を天高く放り投げると、空中で剣は変形した。やがてそれは黒いデュエルディスクとなり、レイの左腕に装着された。

 

「貴方にはこれを差し上げます。」

 

レイは自分のスペアの武器なのか、もう一本の剣を俺に投げつけた。当てる気はさらさらないのだろうが、ティアドロップは氷の壁を作り出し、その剣を防いだ。

防がれた剣は地面に突き刺さり、俺はそれを抜く。

そして剣は、レイと同じように変形させ、ひとつのデュエルディスクとなった。

何か異常は無いかとデュエルディスクを触るが、何処にも異常は無い。重さが感じられないほど軽く、それでいて頑丈だ。なんの素材だ…?

 

「さぁ、デッキを差してデュエルと行きましょう。」

 

「…皆、とりあえずカードに戻ってくれ。」

 

六花達が実体化してはカードが使えないため、六花達をカードに戻してから、レイに入れるがまま、俺はデッキをディスクの差し込み口に差す。すると、デッキが自動的にシャッフルされた。アニメでもよく見た"オートシャッフル"機能だ。

 

「さぁ、決勝戦と行きましょう?」

 

「とんだ決勝戦になったな…行くぞデュエ…」

 

「花衣さーん!!」

 

デュエル開始の宣言をする前に後ろから俺の名を呼ぶ者がいた。後ろを振り返るとそこには走り続けて息切れしていた咲初がいた。

 

「さ…咲初!?どうしてここに…」

 

「わ…分かりませんよ!いきなり光に包まれと思ったら、ジャスミンちゃんやマジョラムさんが、ここは私たちの世界だと言って…そして近くで花衣さんがいるって言うから…」

 

咲初は呼吸を荒くしながら慌てふためきながら状況の説明をした。…確か咲初が走り出した姿が、この世界に来る前に見たような気がした。いや、光は店中に包み込んだ筈。だとしたら炎山達も居るはずだ。

 

「炎山達は見たか!?」

 

「いえ、ここに来るまでは見当たりませんでしたが…」

 

「いる訳ありませんよ。この世界はモンスター達との繋がりが無ければ入ることは出来ません。…そういえばそちらの方も【アロマージ】の精霊がいましたね。」

 

つまり、俺と咲初はモンスターの精霊が見れるからここに来れたと言う訳だ。つまり、炎山達のように精霊が見えない者はここには来れない。炎山達はいないということになる。

 

「まぁ良いです。このデュエルが終わったら元の場所に返してあげます。さぁ、気を取り直してデュエルをしましょう。」

 

「下がってて咲初。このデュエルは…多分普通じゃない。」

 

「はい…気をつけて下さい!」

 

咲初は言われた通りに俺の場から離れ、デュエルの行く末を見届けた。

 

「…行くぞ!デュエル!」

 

桜雪花衣 vs閃刀姫-レイ

8000 8000

 

デッキからカードを5枚ドローし、初期手札を確認する。

 

「先行後攻かは貴方が決めてもいいですよ。」

 

「…だったら俺は先行をとる。」

 

この手札なら、アイツが呼び出すことが出来る。これならレイの魔法カードを一度だけだが無効化出来る。

 

「俺は魔法カード"ワンフォーワン"を発動!手札のモンスターカード、"六花のひとひら"を墓地に送りデッキから"コピープラント"を特殊召喚する。」

 

魔法カードを差し込むと、フィールド上にワンフォーワンカードが映し出され、効果が発動したという認識なのか映し出されたカードが淡く光り出す。そしてワンフォーワンの効果で"六花のひとひら"を墓地に送った後、音声認識なのか、"コピープラント"のカードが1枚、デッキからはみ出し、俺はそれを手に取って特殊召喚する。

コピープラントのカードをディスクに置くと、地面から木の枝が地面を突き破り、"コピープラント"の姿をさせ、その攻撃力が表示された。

 

コピープラント

レベル1/植物族/ATK0/DEF0

 

「うお!?」

 

あまりの出来事に俺は尻もちを着いて驚く。驚きを充分に堪能した後に俺は気持ちを切り替えてデュエルを続行する。

 

「…えと、俺は"六花精シクラン"を通常召喚!」

 

シクランのカードを場に置くとフィールドが光出し、その光の中からシクランが飛び出してきた。

 

「シクラン、出てきて悪いけどリリースさせて貰うけど…」

 

「大丈夫、花衣君の好きなようにして。私はそれを受け止めるよ。」

 

シクランは受け入れるように笑い、俺の考えを肯定した。俺は手札にある魔法カードをデュエルディスクに差し込む。

 

「魔法カード"六花絢爛"を発動!このカードは自分のフィールド上の植物族モンスターを一体リリースして効果を発動する事が出来る。俺は"六花精シクラン"をリリースして効果発動!」

 

シクランのリリースが決定すると、シクランの周りに風に乗った花が咲き乱れ、そのままシクランを包み込んだ。

 

「このカードはデッキにある【六花】モンスターをデッキから手札に加える事が出来る、俺はスノードロップを選択する。」

 

すると、デュエルディスクの中央の丸型の液晶から手札に加えられる六花カードが浮かび上がった。この浮かび上がったカードのどれかにタッチすると、先程のようにデッキから突き出すように出できて、手札に加えられるようだ。スノードロップを手札に加えるため、俺はスノードロップのカードに触れるとデッキからスノードロップのカードが飛び出し、デッキに加えられた。

 

「更に、モンスターをリリースした事により、手札に加えたモンスターと元々のレベルが同じ植物族モンスターを一体手札に加える。」

 

スノードロップのレベルは8、そしてそれに該当するのは"六花精ヘレボラス"だ。また同じようにカードが目の前に映し出され、俺はヘレボラスのカードに触れ、デッキから手札に加える。

 

これにより、俺の手札は4枚となった。そして、場には"コピープラント"が一体、だがモンスターか出せない訳では無い。

 

「モンスターがリリースされた事により、手札にある"六花精プリム"は特殊召喚出来る!」

 

先程の"六花絢爛"でシクランがリリースされた事により、プリム自身の効果で特殊召喚が可能だ。

フィールドにプリムが現れ、モンスターの攻撃力が映し出された。

 

六花精プリム

レベル4/植物族/ATK800/DEF1800

 

「更に"コピープラント"の効果発動!自分の植物族モンスター1体を対象にし、そのモンスターのレベルと同じにする。」

 

コピープラントは怪しく蠢くと、その姿形を変え、やがてプリムの型どった木へと変化させた。隣にいたプリムはそれに驚き、俺の所まで下がりそのまま怖がる子供のように抱きついた。

 

「わわ!花衣君あれ何!?なんか気味悪いよ!」

 

「心配しなくて…いいと思ううけど…」

 

プリムを型どった"コピープラント"は怖くないと言ってるように手招きしてるが、それは逆効果だと思うぞ…コピープラント…

 

「やっぱり怖い!」

 

「あ〜ダメだこりゃ…」

 

とりあえず何とか説得してプリムをフィールドに戻らせデュエルを再開する。

 

「…俺は、レベル4"六花精プリム"にレベル4となった"コピープラント"をチューニング!」

 

 

アニメだったらここで召喚口上とかいってかっこよくモンスターを召喚するのだろうが、俺にはそんな気はしない。一瞬言おうかと考えたが…良いのが思いつかずに諦めた。

空中でコピープラントが4つの緑の輪を作り、プリムがその中をくぐるようにすると、プリムの体が消え、新たなモンスターが生まれる。

氷の石の結晶が生まれ、その中から氷のドラゴンが生まれた。

 

「来い!レベル8"魔救の奇跡-ドラガイト(アダマシアライト-ドラガイト)!」

 

魔救の奇跡-ドラガイト

岩石族/レベル8/ATK3000/DEF2200

 

「俺はカードを一枚伏せて、ターンエンドだ。そして墓地にいる"六花精シクラン"のモンスター効果発動。このカードがリリースされたターンのエンドフェイズ時に墓地から特殊召喚される。俺はシクランを守備表示で特殊召喚する。」

 

俺の手札は3枚となり、モンスター2体と伏せカード一枚となった。

 

ドラガライトには自分の墓地に水属性モンスターが存在する時、1ターンに1度だけ魔法・罠の効果を無効にして破壊出来る。【六花】は全て水属性なので効果を発動出来る。

レイの戦法は"モンスターゲート"等で大量に魔法カードを墓地に送り、【閃刀姫】モンスターの効果を極限にまで引き上げる他、装備カードを駆使して攻撃力を更に底上げするマッチポンプな戦法だ。もしも、魔法カードを大量に墓地に送るカードを発動したら、こいつで無効にする。

 

「私のターン…ドロー。私は魔法カード"隣の芝刈り"を発動。このカードは自分のデッキが相手より多い場合、相手のデッキ枚数と同じになるように自分のデッキの上から墓地へ送る!」

 

「させるか!ドラガライトの効果発動!自分の墓地に水属性モンスターかいる時、相手が魔法・罠カードを発動した時、その発動を無効にして破壊する!」

 

ドラガライトの効果が発動した時、ドラガライトは氷の翼を広げ、その翼から氷を打ち出し、魔法カードの"隣の芝刈り"を破壊した。

これでもう一気に魔法カードを墓地に送る事はないと踏んだがレイはそんな事お見通しと言うように笑っていた。

 

「まだですよ…私はもう一枚の"隣の芝刈り"を発動!」

 

「もう一枚持っていたのか!?」

 

「そうですよ。例え無効にしても発動は免れなかったんですよ。"隣の芝刈り"の効果で貴方のデッキの枚数と同じになるようにデッキの上から墓地に捨てます!」

 

俺のデッキ枚数は初期手札を引いたことによって35枚となり、更に俺はデッキから"コピープラント"を特殊召喚し、"六花精スノードロップ"と"六花精ヘレボラス"を手札に加えた。つまり俺のデッキ枚数は32枚だ。

 

「私のデッキは55枚…よって23枚墓地に送らせてまらいますね。」

 

突如フィールドに遊戯王ZEXALで見かけた黒い陣のような物が現れレイのデッキのカードが次々とそこへ送られた。どうやら…アニメと同じようにあれは墓地という事になる。

 

「ん…中々【閃刀】カードを墓地には行きませんでした。残念です。」

 

俺はデュエルディスクでレイの墓地を確認すると、そのほとんどが【閃刀】カードでは無く、装備魔法等が大半を占めていた。これでマッチポンプ戦法は瓦解してくれるといいのだが…

 

「まぁ、貴方との時間は大切にしたいですからね…一気に終わらせるつもりはありませんからね?」

 

レイが目に光を灯してないまま、妖しく笑い、俺の事をずっと見ていた。全身に恐怖が走り、俺の体は細胞が震えているかのように細かく震えた。

 

「私は"閃刀姫-レイ"を通常召喚!」

 

レイは自身でもある"閃刀姫-レイ"を召喚させ、レイのフィールドで姿を表した。

 

閃刀姫-レイ

レベル4/戦士族/ATK1500/DEF1500

 

「そして、私は"閃刀姫-レイ"でリンク召喚!召喚条件は風属性以外の閃刀姫モンスター一体!その砲台で全ての敵を穿ち…殲滅せよ!リンク1"閃刀姫-ハヤテ"!」

 

するとフィールドにいるレイの体に青いノイズのようなものが混じり込み、カードに描かれている服から、鎧…なのだろうか、タイツ型のスーツへと変わった。

そして、レイの周りに緑色のアーマーが装着され、巨大なレールガンが装備された。

 

閃刀姫-ハヤテ

リンク1/機械族/ATK1500

 

攻撃力は1500…俺のドラガライトとシクランの守備力には届いていないが…レイが考えも無しに召喚したとは思えない。

 

「私は速攻魔法"リミッター解除"を発動!自分フィールドの機械族モンスターの攻撃力は二倍になる!」

 

「二倍!?という事は攻撃力が…3000に…」

 

閃刀姫-ハヤテ

攻撃力1500→3000

 

閃刀姫-ハヤテが持っているレールガンとアーマーから火花が放たれ、いかにもリミッターを解除したような感じだった。ハヤテは極限にまであげたアーマーの性能に耐えるようにもがいていた。

 

「そして、ハヤテは相手プレイヤーに直接攻撃(ダイレクトアタック)が可能!私は"閃刀姫-ハヤテ"で貴方にダイレクトアタック!ベクタードブラスト!」

 

恐らくレールガンの名前だろうか、レイがそう言うと、ハヤテはレールガンの銃口を俺に向け、弾丸を放った。

勢い良く放たれた弾丸は、地面を穿ち、俺のモンスターの間をすり抜け、俺の体を貫いた。

 

「がっは…!?」

 

桜雪花衣残りLP8000→5000

 

痛い。体が引き裂かれそうだ…痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い。

全身に走る形容しがたい痛みが俺を蝕み、俺は地面に倒れ、その痛みからもがいた。

 

「花衣君!」

 

「花衣さん!?」

 

咲初とフィールドにいたシクランは俺の安否を確認する為、俺に近づく。しかし、痛みで地面で激しくのたうち回る俺を抑え、デッキから【アロマージ】カードを取り出す。

 

「お願い…アンゼリカちゃん!花衣さんをお願い!」

 

カードが光出し、出てきたのは【アロマージアンゼリカ】だった。アンゼリカは俺の周りを飛び、黄金の鱗粉を俺に振りまき、その鱗粉のおかげが激痛が引いてきた。

 

「はぁ…はぁ…今の痛みは…何だ?」

 

あまりの激痛で痛覚以外の感覚が無くなったような痛みをこの身で感じ、その恐怖がまだ残っていた。

 

「痛いですか…?ここはデュエルモンスターズの世界ですから、ここでの攻撃は全て現実です。あ、大丈夫ですよ。命が無くなることは無いので。そして、"閃刀姫-ハヤテ"が戦闘ダメージを与えた時、私は【閃刀】カードをデッキから墓地に捨てます。」

 

つまりは質量を持ったソリッドビジョン的な何かと言うわけか…

激痛が消え、何とか立ち上がる力までは戻った俺はふらつきながらも何とか立ち上がる。

 

「花衣君!大丈夫なの…!?」

 

「大丈夫だシクラン。何とかな…」

 

安心させるようにシクランの頭を撫で、俺はデュエルを再開しようとした。シクランは向こうにいるレイを強く睨み、憎しみを増やしていく。

 

「貴方を…許さない!」

 

「許さない?…それはこっちのセリフですよ。私とロゼちゃんの希望を奪ったお前達を許さない…!私は、メインフェィズ2で"閃刀姫-ハヤテ"を素材にリンク召喚!召喚条件は…水属性以外の閃刀姫モンスター1体!その蒼の盾で全てを拒絶し、守るべきものを守れ!リンク1"閃刀姫-シズク"!」

 

フィールドのハヤテがアーマーを脱ぎさり、今度は巨大な青い盾があるアーマーを装着し、フィールドに誕生した。

 

閃刀姫-シズク

リンク1/機械族/ATK1500

 

「閃刀姫-シズクの効果で貴方のモンスターは私の墓地にある魔法カード1枚につき攻撃力・守備力が100ダウンします。私の墓地の魔法カードは27枚…よって2700ポイントダウンさせてもらいます。」

 

シズクが巨大なビームバリアを展開すると、俺のモンスターの攻撃力が下がってしまう。

 

魔救の奇跡-ドラガイト ATK3000→300

六花精シクラン DEF1800→0

 

「私はこれでターンエンドです。そしてエンドフェイズ時、シズクの効果でデッキから同名カードが無い【閃刀】魔法カードを一枚加えます。私は"閃刀術式-シザースクロス"を手札に加えます。」

 

「相手のエンドフェイズ時に、ワンフォーワンの効果で墓地に送った"六花のひとひら"の効果発動…このカードが墓地に存在する時…相手エンドフェイズ時に墓地から特殊召喚する…戻って来い…ひとひら…」

 

弱々しくひとひらの名を出すと、俺のフィールドに1輪の白い花が咲き、その花からひとひらが飛び出した。

 

六花のひとひら

レベル1/植物族/ATK0/DEF0

 

ハヤテの攻撃がまだ効いているのか、俺は膝をついてしまう。胸に残る小さな痛みが、じわじわと俺を蝕むように、俺に襲い掛かり、立っていられない程だ。

ひとひらが俺の顔の近くまで飛び、俺の事を心配し、その思いが溢れるように涙も溢れていた。

 

「大丈夫だよ…ひとひら…まだ…ライフがあるからいけるよ…」

 

小指でひとひらの涙を拭いさり、頭を叩かないように優しくひとひらの頭を撫でて心配かけないようにしたが、ひとひらの顔は暗いままだった。何とか暗い顔を無くそうと俺は力を振り絞って何とか立ち上がる。

まだまだデュエルは終わってないのだから…

 

「続けるよ…ひとひら。」

 

ひとひらはコクリと大きく首を縦に振り、フィールド上に戻った。

とは言え、まだ痛み自体が引いていないので若干苦しい。言うなれば俺の余力とライフは繋がってるとイメージした方が良いだろう。現に削られたダメージ分、何だが力が抜けるようであった。

 

「痛いですか?苦しいですか?私はずっと戦場でその痛みに耐えたんです。貴方がいたから…貴方が治してくれたから私は戦えた。でも貴方がいなくなって、私は体と心が痛くなりました。苦しくなりました…でも…今は貴方がその痛みを感じているんですよ?」

 

「だから腹いせに俺を痛ぶろとしてるわけか…?」

 

「いたぶる…?違いますよ〜もう貴方には攻撃しませんよ。その代わり…【六花】達を殲滅します。」

 

レイの次のターゲットは【六花】になった。このデュエル…一体どうなるんだ…このデュエルモンスターズの世界の中で、俺は不安に狩られながらもカードを一枚ドローした。

ここまで(〜90話)出てきたレゾンカードの中で強いと思うのは?

  • 六花聖華ティアドロップ、カイリ
  • 閃刀騎-カイムと閃刀騎-ラグナロク
  • 銀河心眼の光子竜
  • RRRリノベイルイグニッションファルコン
  • 炎転生遺物-不知火の太刀
  • 常闇の颶風
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