六花テーマを作って愛用したらそのまま俺への愛が重くなった件について   作:白だし茶漬け

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月曜日で遊戯王5ds12話一気に見ないと満足出来ない体になってしまった……
\ゝデュエッ!


情報収集:sideハイネ

 花衣の心の闇を晴らす為、私たちはカーマの町についての情報を探し始める。

 

 ですが、目新しい情報は中々集まらず、情報収集は難航しているのが現状です。

 

 不安から大きなため息をつくきながらも、街中を歩き回り、道行く人にカーマの町の事を訪ねて見ても、結果は芳しくなく、心が折れかける。

 

「うぅ……」

「おい、泣きかけてるぞ。大丈夫か」

 

 後ろから空くんが指摘され、手で擦って涙を拭う。

 

「闇雲に情報収集をしても効率が悪い。視点を変えよう」

「例えば?」

「あそこで調べ物をしよう」

 

 空くんが指を指したのは、とある建物。

 入口はLibraryと書かれており、文字をそのまま訳すなら、図書館だった。

 

「人に聞くより、先人の知識と記録で探してもいいんじゃないか」

「確かにな。ここまで知らないとなると、そっちを頼った方が良さそうだ」

 

 空くんと十代さんの意見に納得し、私達は図書館へと足を運んだ。

 

 中に入ると、図書館にしては随分と小さく、本という本が見当たらなかった。

 代わりにあるのは薄い板が棚に綺麗に整頓され、ロボットが巡回する殺風景な場所だった。

 

 周りを見渡していると、私たちの入館を察知したロボットが1体こちらに向かう。

 

『ゴヨウケンはナンデショウか?』

「あっ、ちょっとこちらで色々と調べ物したくて……」

『トウカンのゴリヨウ、カクニン。オサガシのサイにはコチラのタブレットをの利用ください』

 

 ロボットから人数分のタブレットを貰い、ロボットはまたどこかに行ってしまう。

 手渡されたタブレットを見ると、キーワードを入力する事で、それに関連する本……と言うより、それが記されているデバイスの棚が分かるらしい。

 

 本がないのに図書館と言えるかは分かりませんが、ここでなら情報が得られるでしょう。

 

「で、では何か分かればまた合流しましょう」

 

 私達3人はそれぞれの視点で私は真っ先に……カイム。

 花衣の事について調べた。

 

 この世界であの子は一体どんな風に言われているのか、それが知りたかった。

 タブレットに閃刀姫や、内戦に関するキーワードで検索をかけ、画面を見る。

 

 数件がヒットし、早速私はそれがある場所に足を運び、デバイスを棚から取り、近くに空いている椅子に座る。

 

 まるで子供が初めて絵本を読む寸前の高揚感に似た物が私の中で飛び回り、逸る気持ちを指に乗せ、ホログラムの本を読み進める。

 

 ﹁

 閃刀騎、カーマに属する戦士であり、カーマの勝利に貢献した男。

 

 彼は噂では魔法が使えるとされており、彼の剣からは炎や氷を生み出し、次々と列強国のロボを破壊していき、カーマの勝利へと導いたとされている

 ﹂

 

「……花衣はここでも凄いことをしたのですね」

 

 自分の事のようにあの子の功績が誇らしく感じ、ホログラムをなぞる指を止められない。

 知らなかったあの子の軌跡をここで知れる事が嬉しくて、安心していると、ふと違和感が私を襲った。

 

「……名前と画像が無い?」

 

 何故かカイムの姿を捉えた画像が無い。他の閃刀姫達や、戦争時の画像ははっきりと捉えて表示されているのに、何故かカイムに関するものだけが無かった。

 

 それにここまで名前が無いのもおかしい。彼の文献はあるというのに、まるでカイムの事を皆が忘れている様にも思えた。

 

「あ、あの!」

 

 私は近くを通り過ぎたロボットに話しかけると、ロボットはピタッと私の目の前で止まってくれた。

 

『ゴヨウケンは?』

「あ、あの。ここにカイム……閃刀騎カイムについて詳しく書いているものはありますか?」

『ケンサクチュウ………………該当0。カイムというキーワードと閃刀騎に紐づくガイトウするものはアリマセン』

「そんなっ……! でもここに閃刀騎に関する事が書かれて……」

『閃刀騎にカンスルモノは計、25こカクニン。シカシ、カイムというワードはヒットシマセン』

 

 私の質問に答えたロボットは行ってしまい、私はもう一度、閃刀騎に関する事を調べた。

 

 けどいくら調べてもカイムとその姿は無く、結局閃刀騎という戦士が戦いを終わらせた以上の情報は得られなかった。

 

「どうしてあの子の存在が無かった事にされているの……?」

「どうした? 大丈夫か」

 

 私の異変に気づいた空君と十代さんが合流する。

 

「……カイムの記録が、どこにも残っていないんです。名前も、画像も……まるで最初から存在していなかったみたいに」

「なんだって?」

 

 空くんが眉をひそめ、すぐに近くの端末に手を伸ばして検索を始めた。十代さんもその横でモニターを覗き込む。

 

「確かに。記録はあるのに、決定的な証拠が全部抜け落ちてる……意図的に消されたとしか思えない」

「けど、どうして? 英雄として記されていてもおかしくないのに……」

 

 私の声が震える。あの子は、確かにここで戦って、誰かを救ったはずだった。その証が最初から()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

「……ダークネスの影響かもな」

 

 すると、十代さんが何かに気づいたかのように呟く。

 

「ダークネスは、自分の世界に取り込んだ存在を忘れさせる力がある。俺の仲間たちもそんな目にあったことがある」

「だが、花衣自身もダークネスだ。これをどう説明する」

「……花衣が自らそのようにした……とか」

 

 ふと、そんな考えが過り、二人は言葉を失って黙ってしまう。

 

「もしも私があの子と同じ立場で、同じ存在だったら、きっと忘れてほしいって考えます」

 

 今でもあの子はそのことで苦しんでいると思うから。

 

「だがレイとかは忘れてないぞ」

 

 そう、閃刀姫の子は花衣の事を覚えている。これが何を意味するのかは分かりませんが、その事実と今目にしている現実に食い違いが起こり、それが混乱の一種になっている。

 私は不意にダークネスと因縁がある十代さんに目を向けた。

 

 私の混乱を悟って、十代さんは応えてくれた。

 

「もしかしたら、繋がりかもな」

「繋がり……?」

「どんな時でも、精霊との繋がりが軌跡を起こすんだ。だろ?」

 

 十代さんの傍に、相棒のハネクリボーとネオス、そしてユベルさんが他の方に見えないように姿を現す。

 一言も発さず、ただ傍にいるだけで、彼らの強い繋がりが感じられる。

 

 信頼、友情……愛。

 

 そのどれもが見え、羨ましく思った。

 

「私にはそんな物はあるのでしょうか」

 

 花衣にリカイとしての記憶も無い。

 今のあの子にとって私は敵に等しい何か。

 そんな対立した私達にはもう、昔のような繋がりは、まるで泡の様に消えてなくなっていると決めつけていると、隣にいた空君は私の隣を座る。

 

「ぶつからなければ、見えない物がある」

 

 空君は眼鏡をはずし、しかめっ面の細い目で私を見る。

 

「隣で支えるだけじゃ、相手の心の奥底は分からない。人はこうして、醜い姿を真正面に捉えることで、初めて心の奥底が分かるものだ」

「そ、空君の目は醜くないですよ!」

「そういう話はしてない」

 

 勿論わかっていますが、彼の強い目を卑下する彼を否定したかった。

 空君は眼鏡をかけ、否定してくれたことを喜んでいるのか、小さく笑った。

 

「だからぶつかるんだ。……俺も何度かしたしな」

 

 空君はそのことを思い返すかのように目を閉じた。

 

「そういえば……空君と花衣はどんな風に出会って仲良くなったのですか?」

 

 私は花衣の全てを知っている訳では無く、花衣がいかにして空君と交流したのかは分からない。

 今この時でしか聞けないと思い、思い切って聞いてみた。

 

 すると空君は黒い顔を浮かべ、口を閉ざした。

 

「……それは焔がいるときに話したい。勝手に話しまわるのは、あいつも嫌だろう」

 

 枯れるように空君は目を伏せ、その時の事を思い出していた。

 

「良い思い出でもあり、悪い思い出でもあるんだ。だから、あいつがいる所で言いたいんだ」

「……焔君の事も、大切なんですね」

「同中で、まぁ助けられたからな。その恩はある」

「恩?」

「オタクを庇ってくれた、ただの馬鹿って事さ」

 

 空君は笑い、私がみていたデバイスを手に取った。

 

「いつの間にか俺たちの話になったな。カイムの事を調べていたらしいが、俺達は別の物を調べていた」

「別の物?」

「列強の事を少しな」

 

 列強……この世界でその言葉を指すのは、カーマと戦争をした国だった。でも、何故列強の事について調べていたのか、その意図までは理解出来なかった。

 

 そんな頭が疑問で埋め尽くされている私を見て、空君は言葉足らずにきづく。

 

「カーマに閃刀姫たちがいるのならば、近づく奴らに対しての防衛処置はあるはず。それに対抗するとしたら……」

「列強が持つカーマのデータって事さ」

 

 さも自分も考えたと十代さんは胸を張っていますけど、ネオス達の様子を見るに、空君の入れ知恵なのは目に見えており、苦笑いを浮かべるしか出来なかった。

 

「ともかくそういう事だ。敵の敵ならば、俺達よりも握っている情報はあるはずだ」

「でも、列強も防衛装置の様なものがあるのでは?」

「俺もそう思ったんだが、どうやら列強はカーマに負けた時から施設がほぼ破壊されていているらしい。今はもぬけの殻だ」

 

 私は言葉を失ったまま、デバイスの画面をただ見つめていた。

 

 カイムの記録を探し、何も得られなかった自分と比べて、空君たちは前に進んでいる。

 それなのに──私は、何もできていない。

 

「私、全然役に立ってないですね」

 

 そう呟いたつもりはなかった。けれど声は漏れてしまい、口を閉じた時には遅く、空君は呆れた様に息を吐く。

 

「それは無い」

 

 ぽつりと低く、でもどこか優しい声が返ってきた。私は顔を上げ、空君の表情を見つめる。

 

「俺たちはそれぞれに出来ることをやってる。お前が調べたことだって、無駄じゃない」

「でも……!」

 

 言いかけた私に空君は何も言わず、真っ直ぐ私を見た。

 有無を言わさない迫力に言葉を飲み込んでしまい、彼の意志の強さが伝わってきた。

 

「人にはゴミに見える小さなネジも、ナットも、ボルトも、俺から見れば欠かすことが無い大事なパーツだ。それと同じだ。どんなに小さくとも、1つ余れば機械は壊れる」

 

 空君は息を整え、また言葉を繋ぐ。

 

「ネジにエンジンの役割は出来ないが、エンジンはネジの役割を果たせない。人だって、自分に出来ないことを他人にやらせる。そして、自分にしか出来ない事をやる生き物だ」

「自分にしか……」

「あんまり、自分を卑下するな」

 

 途中から照れくさそうに空君はそっぽを向いてしまうと、十代さんは彼の背中をビシッと叩き、彼の言葉に感銘したかのように笑った。

 

「君、見た目の割に熱い男なんだな」

「言うな……!」

 

 空君はメガネを押し上げ、何も答えなかった。

 彼の言葉で胸の突っかかりが無くなり、不思議と体も軽くなった様な気がした。

 

「ありがとうございます。空君」

「そのぐらい、分かってろ」

 

 言葉とは裏腹にその声は優しく、彼なりの不器用な優しさが垣間見えた。

 

 すると、私の内ポケットの宝玉が輝き始める。

 これは……ジェニーさんからの連絡を意味する輝きだった。

 

「はい、もしもし。すみません今図書館でして……あまり長話は……」

『あ、そうなの? じゃあ簡潔に言うわ』

 

 ジェニーさんが言うには、どうやらカーマの町に花衣達がいる事はほぼ確定しており、場所も把握出来たとの事。

 

 しかし空君の予想通り、防衛装置などが作動しており、迂闊には近づけないとの事。

 そこでジェニーさんは、罠に関して知識がある人物の助っ人を求めていた。

 

 助っ人が欲しいから、お願いだけどラビュリンスのお姫様に連絡してくれないかしら?』

「へ? 私があの人に……ですか?」

『ちょくちょく姫様のドレス仕立ててるし、仲良いでしょう?』

「あれは仕事で交流しているだけで仲良くは……」

『じゃ、よろしく〜』

「え!? も、もしもしー!!」

『警告、図書館デハ、おしずか二』

 

 言うだけ言って切ってしまい、図書館にも関わらず大きな声を出してしまうと、通りかかったロボットに注意された。

 

 状況が分からない空君と十代さんは首を傾げ、私に説明を求める。

 

「……外に出ましょう。少し、ある人に連絡するので」

 

 不安しか無かった。けど、ジェニーさんの言いたい事は分かる。いくら罠の存在を知っていても、それを乗り越える為の技量と経験が私達には無い。

 

 ならばこそ、罠の事を熟知しているあの方にどうにかして協力を取り付け無ければならない。

 

 私たちは外に出て、晴天の晴れの中とは裏腹に、私の心の中は曇り空の様に陰ってる。

 

「今から、連絡しますのでお待ちください」

 

 深呼吸で間を空いて、私はラビュリンス様に意を決して連絡する。

 

「……ラビュリンス様にお電話を」

 

 宝石に向かってあの人の姿をイメージしながら名前を呼び、甲高い呼び出し鈴の音が数回鳴ると宝石の向こうから声が鳴る。

 

『あら、久しぶりじゃないの。泣き虫裁縫師』

「あ、いつもお世話になっております……あの、本日はとある件でご協力お願いしたいと思いお電話を……」

 

 目の前に彼女は居ないのに、まるでそこにいるかのように頭を下げる。

 

『協力? 私に?』

「カイを……助けてほしいのです」

 

 縁のある名前を告げると、向こうのラビュリンス様は息をのみ、少し黙る。

 

『……へえ? あのガキが見つかったのです?』

「お願いします! あの子を助けるために、貴方の力が必要なんです!」

 

 沈黙が続き、ふと彼女の怒号を思い出す。

 

 _もう、会えない……? はっ? えっ……なんで? 

 _勝手にいなくなるなんて……無責任よっ! 

 _あんな奴知りませんわ! 絶交よ絶交! 

 

『勝手にいなくなって、その挙句助けるって……そんな義理はありませんわ』

「勝手なのは分かっています。ですが、頼れるのは貴方しか……」

『あんな奴なんか知りませんわ』

 

「知りません、で済むなら……きっと、こんなに胸が痛むことはないでしょうね」

 

 わざと淡々と、けれど滲む感情を抑えきれずに言葉がこぼれる。

 ラビュリンス様の沈黙が、逆に彼女の心を映すように重たく響いた。

 

『……泣き虫のくせに、そういう時だけ強くなるんだから。ホント、昔から変わらないわね』

 

 一拍ののち、くぐもった吐息のような声が宝石の向こうから届いた。

 それは怒りでも嘲りでもなく──悲しみが混じった、どこか遠い日の懐かしさを宿した声だった。

 

『……あーもう、ズルい言い方するわね、あなたは』

 

 少し鼻を鳴らすような声音とともに、ラビュリンス様は言葉を続けた。

 

『どうやって手伝えばいいの?』

「ありがとうございます……! あの、まずこちらに来ていただけますか? 前にお渡ししたカードを使えば、こちらにこれますので」

『ああ、あれね。取っておいて正解だったってわけ。ですが、私は行けませんから、代わりにアリアスが参りますわ。そ れ と!』

 

『見つけたら私の元に連れてきなさい! それじゃ!』

 

 

 姫らしい態度で安心し、電話の向こうで聞こえる準備の音に、私はほっと胸をなでおろした。

 

「それで問題ありません。……ありがとうございます」

 

 通話が切れ、宝石の輝きが収まった。

 だけどその温かさは、しばらくの間、手のひらに残っていた。

 

「どうだった?」

「協力してくれるそうです。……本当に良かった」

「協力者はラビュリンスか?」

「はい。罠に関して、これ以上頼もしい人はいないですから」

 

 内心ホッとすると、全身の力が抜けてしまい、ぺたりと地面につく。

 

「はぁぁ……本当に良かったですぅ〜!」

「……時間だな。俺たちも戻るぞ」

 

 懐かしい記憶の声が、心の奥底から泡のように浮かんでくる。

 

 _行こっ! ハイネお姉ちゃん。

 

 あの頃の無邪気な笑顔、真っ直ぐな瞳──今も忘れられない。

 

 彼の手を取り立ち上がった瞬間、ふわりと背中を押されるような感覚がした。

 それはまるで、過去のあの子が今も私の背中に触れてくれているような、そんな錯覚。

 

「はい。戻りましょう」

 

 情けない大人かも知れませんが、私は貴方や貴方の大切な人達を守ってみせます。

 

 それが、今の私がやるべき事なのだから。

 

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