六花テーマを作って愛用したらそのまま俺への愛が重くなった件について 作:白だし茶漬け
緊迫した空気の中で、私はデッキからカードを五枚引く。
デュエルの対戦相手はあの閃刀姫レイ……。
強敵ですが、花衣さんの為にここで負ける訳にはい来ません。
「空さん、今のうちに司令室に行ってください!」
ジェニーさんから貰ったデュエルディスクのおかげで、目の前にいるレイさんはデュエルが終わるまでこのフィールドから離れる事は出来ない。
そのため、フィールドの外にいる空さんはレイさんの妨害を受けずに司令室に行けるはず。
ですが空さんは私の事を心配してなのか動こうとはしないものの、こちらの目を見て静かに頷いた。
「……分かった。頼んだぞ、花音」
「はい!」
頼られた事に少しばかりの嬉しさを感じ、私でも役に立てる実感が持てた。
「ふん、貴女如き一瞬で潰せばいいんですから」
「そうはさせません。私だって、やる時はやるんです」
正直、私がレイさんに勝てると言えば分かりません。けどそれが逃げる理由にはならないし、そもそも勝てなくても良いんです。
……時間さえ稼げれば、きっと空さんが目的を果たしてくれる筈です。
「先攻は私が貰います!」
「ええ、どうぞ」
「「デュエル!」」
咲初 花音vs閃刀姫レイ
「私のターンです。私は【アロマセラフィーロザリーナ】ちゃんを通常召喚!」
アロマセラフィー・ロザリーナ
レベル1/チューナー/闇属性/植物族/ATK0/DEF0
「【ロザリーナ】ちゃんの効果でデッキから【アロマージ-ローリエ】君を特殊召喚! そして、この2体でリンク召喚します!」
上空にリンクマーカーが現れ、2体のモンスターがリンクマーカーに飛び込むと、光の先に妖精のような羽と可憐さを持ったモンスターが現れる。
「来て! LINK2【アロセラフィージャスミン】ちゃん!」
アロセラフィージャスミン
LINK2/光属性/植物族/ATK1800
「さらに墓地に送られた【ローリエ】君の効果でライフを500回復し、それによって【ジャスミン】ちゃんの効果発動! デッキから植物族モンスター【薔薇の妖精】を手札に加えます」
咲初 花音
残りライフ 8000→8500
「更に、【薔薇の妖精】は効果によって手札に加えられた時、手札から特殊召喚出来て、更にフィールドのカードが墓地に送られたので、【バラガール】も手札から特殊召喚します!」
「どちらもレベル3で片方はチューナー……」
「私は、レベル3チューナーの【バラガール】と【薔薇の妖精】でシンクロ召喚!」
フィールドに赤い薔薇の旋風が巻き起こり、薔薇だけではなく、数々の花びらが旋風と共にフィールドを彩った。
「彩る香りを慈しむ魔女よ、癒しの風と共に咲き誇れ! 来てください! 【アロマセラフィー・スイート・マジョラム】さん!」
アロマセラフィー・スイート・マジョラム
レベル6/シンクロ/光属性/植物族/ATK2200/DEF2000
「【スイート・マジョラム】さんがシンクロ召喚に成功したので、デッキから【恵みの風】を手札に加えます。更に魔法カード【アロマブレンド】を発動! 手札を1枚捨てて、私の場に【潤いの風】を表側で置きます」
これで私は毎ターン1000ライフを払う事でアロマモンスターをサーチする事が出来ますが、【アロマブレンド】にはまだもう1つ効果が残っています。
「墓地の【アロマブレンド】の効果! このカードを墓地から除外する事で、手札・フィールドのカードを使って融合する事が出来ます……けど、私のライフが相手より多い場合、墓地のカードを除外して融合する事ができます!」
さっきのターン、【ローリエ】くんの効果でライフは500上回っている……。融合素材も、問題ないです。
「私は墓地の【アロマリリスーロザリーナ】ちゃんと【アロマージ・ローリエ】君で融合! 来てください、【アロマリリス-マグノリア】さん!」
アロマリリス-マグノリア
レベル8/融合/闇属性/植物族/ATK2600/DEF1800
「まだ終わりません! 【ジャスミン】ちゃんのリンク先にいる【マグノリア】さんをリリースする事で、デッキから植物族モンスターをデッキから特殊召喚出来ます。私は【アロマージ-マジョラム】さんをリンク先に守備表示で特殊召喚!」
マグノリアさんは先程手札に加えた【恵みの風】の効果を使えば、直ぐにまたフィールドに戻す事が出来ます。
これで少しでも耐える事が出来れば……!
「カードを2枚伏せて、ターンエンドです」
1ターン目終了
閃刀姫レイ 残りライフ8000
手札:5 墓地:0 除外:0 デッキ:35
□□□□□
□□□□□
① □
②□③□□
④⑤⑥□□
咲初 花音 残りライフ:8500
手札:0 墓地:3除外:3 デッキ:32
①:アロマセラフィージャスミン
②:アロマージーマジョラム
③:アロマセラフィー スイートマジョラム
④:潤いの風
⑤⑥:伏せカード
「私のターン、ドロー。魔法カード【成金ゴブリン】を発動。デッキからカードを1枚ドローし、貴女はライフを1000回復します」
咲初 花音 残りライフ:8500→9500
「私のライフをどうして……」
「ですが、これで【アロマ】達の強制効果が発動出来ますね」
「っ……まさか、それが目的!?」
アロマモンスターはライフを回復した時に効果が発動する効果がありますが、殆どが強制効果。
つまり、必ず発動しなければならない効果です。
スイート・マジョラムさんは相手のカードを破壊、マジョラムさんは墓地のカードを除外の効果があり、これは1ターンに1度しか使えない。
今、レイさんの場にはカードが無ければ、除外できるカードはさっきの成金ゴブリンだけ……。
「ですが、【ジャスミン】ちゃんの効果も使えます! ライフが回復した時、デッキから植物族モンスター【円喚妖精キクロス】を手札に加えます」
「魔法カード【増援】を発動し、デッキから戦士族のこのカードを手札に加えます」
レイさんはゆっくりと丁寧にデッキからカードを引き抜き、愛おしそうにそのカードを見つめた。
「私は……【閃刀騎カイム】を手札に加えます!」
「あれは花衣さんのカード!? どうして貴方がそれを……」
「何でって、花衣さんに託されたんですよ。私達の幸せを壊す敵を倒すって言ったら、喜んでくれました」
「そんな……」
助けようとしている人から敵意を向けられている事実を上手く飲み込めず、視界が歪む。
「花音! 今はデュエルに集中して!」
フィールドにいるジャスミンちゃんが私の体を揺らし、声をかける度に歪んでいた視界が元に戻る。
「はっ……ご、ごめんね。ジャスミンちゃん」
「大丈夫、花音は絶対に私が守ってみせるから!」
「ジャスミンだけじゃなく、私も花音の事、守りますからね」
小さいのにとても逞しいジャスミンちゃんは腰に手を当てて胸を張り、誇らしいそうな顔を浮かべる。
それを母親のように笑うマジョラムさんの笑顔で、私の心持ちが保たれる。
「ふぅー……よし、もう大丈夫!」
「なら遠慮なく。私は【閃刀騎カイム】を通常召喚!」
閃刀騎カイム
レベル4/闇属性/戦士族/ATK0/DEF0
「【カイム】の効果発動! デッキからレベル4の閃刀姫モンスターを2体特殊召喚する。デッキから【希望の絆レイ】と【閃刀姫レイ】を特殊召喚!」
カイムの周りに2人のレイさんが現れると、フィールドのレイさん達はカイムさんの隣をくっつく様にして抱き、二度と離さないと訴えかけるようだった。
「この瞬間、永続罠【恵みの風】を発動! ライフを1000払い、墓地の【マグノリア】さんを守備表示で特殊召喚します」
咲初 花音 残りライフ:9500→8500
閃刀魔法カードはメインモンスターゾーンにモンスターが居ないと発動できないのは花衣さんのデュエルを見続けて把握しています。
だけど、その制約を超えるモンスターが存在する。
それが、花衣さんだけが持つカード、【閃刀騎ラグナロク】。
(あれを出させれる前に何とかしないと……!)
「何をしようとも無駄です。私はこの3体のモンスターでリンク召喚!」
2体のレイさんが上空のリンクマーカーに飛び込み、マーカーの先から巨大なロボットがカイムの背後に現れ、カイムはそのロボットに搭乗した。
「世界終わらす力で天地を揺らし、世界を救い、今希望の光となりて世界を駆けろ! LINK3【閃刀騎-ラグナロク】!」
閃刀騎-ラグナロク
LINK3/闇属性/機械族/ATK????
「【ラグナロク】の効果! 自分の墓地、EXデッキから【閃刀姫】又は【閃刀騎】モンスターを可能な限り特殊召喚する!」
レイさんのフィールドには閃刀姫シズク、カメリア、アザレア、ジーク、そして閃刀騎のXモンスターアラシを呼び出し、ラグナロクはその全ての武装を装着した。
「【ラグナロク】は自分フィールド存在する【閃刀】モンスターの数×1,000ポイントアップする! よって攻撃力は5000!」
閃刀騎-ラグナロク ATK5000
「更に、【希望の絆ーレイ】の効果でカードを1枚ドローします」
「攻撃力5000……ですが、マジョラムさんがフィールドに存在する限り、私への戦闘ダメージは受けません」
それに、【アロマセラフィ-スイート・マジョラム】さんは私のライフが相手より多ければ、自分フィールドの植物族は対象に取れなくする効果もある。
「それで耐えられると思ったら甘いですよ。更に魔法カード【閃刀起動-エンゲージ】を発動! 効果でデッキから【閃術兵器-H.A.M.P】を手札に加えます」
「そのカードって確か……」
「そう、相手のモンスターをリリースして、貴女のフィールドに特殊召喚します。【アロマセラフィ-スイート・マジョラム】をリリースし、【閃術兵器-H.A.M.P】を特殊召喚!」
私のフィールドの頭上に、突如としてジークに似た黒いロボットが【スイート・マジョラム】を両腕のビームで焼き尽くし、私の場に入れ替わるように姿を現す。
「これで好きなように対象が取れます。速攻魔法【閃刀機-ウィドウアンカー】! 【アロマージーマジョラム】の効果を無効にします」
マジョラムさんがウィドウアンカーに拘束されて身動きが取れなくなり、私の盤面は次々と崩れ去ってしまう。
「あっはははは!! 所詮貴女の力なんてそんなもの! 【ラグナロク】で【アロマリリス-マグノリア】に攻撃!」
ラグナロクの剣が七色に輝き、マグノリアさんは虹色の光に飲み込まれて破壊されると、破壊の衝撃で体が紙のように吹き飛ばされる。
「ダメージは無いのに、この衝撃は……」
これはソリッドビジョンを使ったデュエルじゃない。本物の精霊の力を使った真剣勝負であり、実際のダメージが自分に向かう、その名の通りの決闘……。
「【ラグナロク】がフィールド上に存在する限り、他のモンスターの効果は無効になり、攻撃は出来ません。命拾いしましたね」
「くっ……」
「私は【ラグナロク】の効果発動。フィールドの【閃刀姫-シズク】をリリースして、その効果を得ます。カードを2枚伏せてターンエンド」
何とかダメージ0で耐えるものの、ここまでフィールドのモンスターはほぼ全滅してしまい、序盤から力の差を見せつけられてしまう。
「そしてエンドフェイズ時、【シズク】の効果を得た【ラグナロク】の効果でデッキから【閃刀】魔法カードを手札に加え、更にEXデッキから【試号閃刀姫-アマツ】を召喚条件を無視して特殊召喚します」
「ですが私もこの時【恵みの風】の効果! ライフを1000払い、【スイート・マジョラム】さんを墓地から復活させます」
咲初 花音 残りライフ:8000→7500
2ターン目終了
閃刀姫レイ 残りライフ8000
手札:3墓地:3 除外:0 デッキ:30
□□⑪⑫□
⑥⑦⑧⑨⑩
① ⑤
□□⑬⑭□
②③④□□
咲初 花音 残りライフ:7500
手札:1 墓地:5除外:3 デッキ:31
①:アロマセラフィージャスミン
②:潤いの風
③:恵みの風
④:伏せカード
⑬:閃術兵器-H.A.M.P.
⑭:アロマセラフィースイート・マジョラム
⑤:閃刀騎-ラグナロク
⑥:閃刀姫-カガリ
⑦:閃刀姫-ジーク
⑧:試号閃刀姫-アマツ
⑨:閃刀姫-アザレア
⑩:閃刀姫-カメリア
「私のターン、ドロー!」
盤面はジャスミンちゃんと閃術兵器-H.A.M.P.スイート・マジョラムさんが残っている。この盤面をなんとかするためには、文字通り全てを破壊しなければならない。
(問題はあの伏せカードですね)
片方は恐らく効果を無効にするウィドウアンカーで間違い無い。けど、残りの片方が何かは分からない。
(ですが動かないと負けます!)
「私は永続罠【潤いの風】の効果でライフを1000払い、デッキから【アロマセラフィーアンゼリカ】ちゃんを手札に加えます」
咲初 花音 残りライフ:7500→6500
「更に【恵みの風】の効果発動。ライフを1000払い、墓地の【マグノリア】さんをもう一度特殊召喚します」
咲初 花音 残りライフ:6500→5500
「っぅ……!」
ライフを払っているだけでも体の内側から痛みが走る。さっきまで我慢していましたが、さすがに連続でコストを払うと痛みが増し、フィールドに居たジャスミンちゃんとマグノリアさんが不安そうな私を見る。
「花音!? 大丈夫?」
「だ、大丈夫……! このくらい、へっちゃらです!」
それに、花衣さんはこれ以上に痛い思いをしてきたんです。この痛みに耐えないと、あの人の元には辿り着けない……!
「私のライフの方が低いので【潤いの風】の効果でライフを500回復させます!」
咲初 花音 残りライフ:5500→6000
「ライフを回復させた事で、【アロマセラフィージャスミン】ちゃんの効果で、デッキから【アロマセラフィーアンゼリカ】ちゃんを手札に加え、【スイート・マジョラム】さんの効果も発動! 【ラグナロク】を破壊します!」
「どんなカードが来ても、花衣さんは場から離れない! 離れさせない! 【ラグナロク】が破壊される時、【閃刀姫ジーク】をリリースすることで、破壊を肩代わりできます」
閃刀騎-ラグナロク ATK5000→4000
「【マグノリア】さんの効果! 2000のライフを払う事で、場に存在する【潤いの風】【恵みの風】の枚数分カードを除外します! 対象は【ラグナロク】と【アマツ】です!」
咲初 花音 残りライフ:6000→4000
「速攻魔法【ウィドウアンカー】でそのモンスターの効果を無効にします」
ウィドウアンカーの効果でマグノリアさんを無効にしてしまい、ライフ回復時に発動できる攻撃力アップができなくなる。
……ですが、まだ終わりません。
「手札から【アサルト・シンクロン】の効果を使い、700のライフを払って手札から特殊召喚します!」
「【シンクロン】!? 植物族とはシナジーが無いのに……!」
咲初 花音 残りライフ:4000→3300
確かにシナジーはありませんが、チューナーモンスターでこの状況で使えるカードでもある。
(花衣さん、貴方みたいに私もカードを信じて、戦います!)
花衣さんみたいには上手く出来なくても、私は私にしか出来ない戦いで、目の前の恋敵に立ち向かう。
「レベル2のチューナーモンスター【アサルト・シンクロン】とレベル8の【アロマリリス-マグノリア】さんでシンクロ召喚!」
2つに輝く輪の中にマグノリアさんが通ると、一筋の光がレベルと同じ数の星と共に広がっていき、光の向こうから薔薇の騎士がフィールドに舞い降りた。
「来てください! 薔薇の騎士【フルール・ド・バロネス】!」
フルール・ド・バロネス
レベル10/風属性/戦士族/ATK3000/DEF2400
「【バロネス】の効果発動です! 相手カード1枚を破壊します! 私が選ぶのは、【ラグナロク】!」
「フィールドの【アマツ】をリリースすることで、その破壊を肩代わりします」
「ですがこれで【ラグナロク】の攻撃力は下がります」
閃刀騎-ラグナロク ATK4000→3000
「このままバトル! 【バロネス】で【ラグナロク】に攻撃です!」
「相打ち狙いですか?」
「いいえ、違います! 伏せていた速攻魔法【星遺物を巡る戦い】を発動! 【アロマセラフィースイート・マジョラム】さんを除外し、相手モンスターの攻撃力を除外したモンスターの攻撃力分ダウンさせます!」
除外したマジョラムさんの攻撃力は2200。その分の攻撃力を下げるという事は、ラグナロクの攻撃力は800に下がり、これで私のモンスターでラグナロクを倒す事が出来る。
閃刀騎ラグナロク ATK3000→800
「これで【バロネス】の攻撃力が上回った! 破壊させて貰いますよ!」
バロネスが放った槍がラグナロクのコクピットを貫き、ラグナロクは跡形もなく爆発してしまう。
爆風がレイさんの所まで届き、彼女の周りにはボロボロになった閃刀姫の装甲とラグナロクの破片が飛び散る。
閃刀姫レイ 残りライフ8000→5800
「【ラグナロク】が破壊された時、墓地のカイムさんを復活させます!」
「そうはさせません! 【フルール・ド・バロネス】の効果で、その効果を無効にします!」
これでレイさんのフィールドに残ったモンスターは【カメリア】と【アザレア】の2体のみ。
【ラグナロク】が存在しなくなったことで、EXモンスターゾーンからメインモンスターゾーンへと変わり、閃刀魔法も発動しないはず……。
その向こう側にいるレイさんは顔を俯かせたと思えば、私に向けて憎悪に満ちた目を睨ませる。
「よくも……よくもよくもよくもよくもよくもよくも……」
呪詛の様に繰り返される言葉の一つ一つがまるで刃物のように私に襲いかかり、体の熱が奪われるようだった。
「私の花衣さんを……私の希望と繋がりを……許さない。貴女を絶ッ対に許さないっ!!」
レイさんから溢れ出る圧に押されながらも、震える手で私はデュエルを続けた。
(何とかなった……と思いたいですが)
「ターンエンドです。そして【星遺物を巡る戦い】の効果で除外した【アロマセラフィースイート・マジョラム】さんは除外から戻ります」
2ターン目終了
閃刀姫レイ 残りライフ5800
手札:3 墓地:10除外:1 デッキ:30
□□□□□
□□□⑦⑧
① □
④□⑤□□
②③□□□
咲初 花音 残りライフ:3300
手札:1 墓地:5除外:3 デッキ:31
①:アロマセラフィージャスミン
②:潤いの風
③:恵みの風
④:アロマセラフィースイート・マジョラム
⑤:フルール・ド・バロネス
⑦:閃刀姫-アザレア
⑧:閃刀姫-カメリア
「私のターン、ドロー!」
力強くドローしたレイさん、ドローしたカードを見ると勝ちを確信した笑みを浮かべた。
あの笑みを見た私は嫌な予感をし、バロネスの効果を使った。
「【バロネス】の効果発動! このカードをデッキに戻し、墓地のレベル9以下のモンスターを特殊召喚します。私は【アロマージ・マジョラム】さんを守備表示で特殊召喚!」
更に私の手札には墓地のアロマモンスターの攻撃力分のライフを回復するアンゼリカちゃんもいる。
これでライフを回復すれば、私のライフはレイさんよりも上回り、マジョラムさんの効果でダメージは受けなくなる。
だけどそれはライフが上回った時の話。
「私は手札の【アロマセラフィーアンゼリカ 】ちゃんを墓地に送り、墓地の【マグノリア】さんの攻撃力分、ライフを回復します」
咲初 花音 残りライフ:3300→6100
「更にライフが回復した事により、2体の【マジョラム】さんと【ジャスミン】ちゃんの効果発動します。デッキから植物族の【バラガール】を手札に加え、【スイートマジョラム】で【アザレア】さんを破壊、そして墓地の【ラグナロク】【カイム】【カガリ】を除外させます!」
「ちっ……」
主要のカードを墓地に送れたのは大きい筈……。
大丈夫、落ちつければ勝てる。なのに、胸騒ぎが痛むように収まらず、無意識に後退りをしてしまう。
「そういえば貴女とデュエルした時、そこにいる女の子をサンドバッグにして勝ちましたよね」
レイさんが言っているのは、私と最初にデュエルしたあの時の事です。
レイさんの戦術は閃刀姫に数々の装備魔法を装備し、圧倒的な攻撃力でねじ伏せるパワー系のデッキであり、私は歯が立たず負けてしまった。
その時、ジャスミンちゃんに2回攻撃されて負けてしまい、その事が鮮明に蘇る。
ジャスミンちゃんもその時の事を覚えているのか、体を強ばらせて身構えていた。
「今度もそのモンスターをサンドバッグにしますよ。私の花衣さんを倒そうとする罪、ボロボロにしても許しませんから!」
そうして怒りに任せたレイさんは、一枚のカードを発動した。
「永続魔法【
「閃刀魔法カード!? でも、六花って……」
突然フィールドを包み込む風花が現れ、フィールドが氷の花畑へと変貌していく。
「これが私と花衣さんの愛の力! 誰にも、何にも、邪魔はさせません!」
「こ、これは一体……!?」
氷の花畑によってフィールドが支配され、レイさんのフィールドにいたモンスターが姿を消していた。
そして、入れ替わる様にフィールドにいたのは、除外した筈の【閃刀騎ラグナロク】だった。
「どうしてラグナロクが!?」
ラグナロクだけじゃない。いつの間にかフィールドにはカガリ、ジーク、アザレア、カメリア、そして閃刀騎グレンがフィールドに現れており、その装備をラグナロクが纏っていた。
「言った筈ですよ。誰にも邪魔はさせないって。更に速攻魔法発動【閃刀終結ーラグナロクフェイズ】!」
「それは……前のターンで手札に加えていたもの!?」
閃刀騎ラグナロク ATK5000→13000
見た事無いカードによってラグナロクの攻撃力は跳ね上がり、白い大剣が白銀の炎と氷、風、土、光、そして闇をまとい、七色に光り輝いた。
「【閃刀終結ーラグナロクフェイズ】は、【ラグナロク】がいる時のみ発動できるカードです。このターン、【ラグナロク】の攻撃力は自分フィールドのモンスターの攻撃力分アップさせます」
「で、ですが、【アロマージ-マジョラム】さんがいる限り、私は戦闘ダメージを受けません!」
いくら戦闘ダメージを倍になっても、受けなければ意味が無い。
次のターンで勝負を決めると意気込み、マジョラムさんの効果が発動しようとしたその時。
彼女は堪えきれない笑みをおもむろに浮かべた。
「ふふふ……アッハッハ!! 【閃刀終結ーラグナロクフェイズ】は相手の表側表示のカード効果をこのターンまで全て無効に出来るんですよ」
「じゃあマジョラムさん達の効果は……」
「全て無効になってます! さぁ、これで終わりです!」
この攻撃を止める手段は私の手には……もう無い。
絶望に打ちひしがれる様に両膝をつき、七色に輝く攻撃がジャスミンちゃんに向かおうとしていた。
「大した力も無いくせに、私に勝とうなんてするからですよ。さぁ、終わりです! 【ラグナロク】で【アロマセラフィ-ジャスミン】を攻撃!」
「っ……だめぇぇ!」
思わず私は、ジャスミンちゃんを助けようと走り出した。何か出来るなんて思っていない。ただ純粋にジャスミンちゃんを助けたい一心で、私はフィールドに足を踏み入れ、そこにいたジャスミンを抱きしめる。
「花音!?」
「……!」
その場にいたマジョラムさんは私とジャスミンちゃんを守る為、私達の前に光の壁を作り出す。
ですがラグナロクの攻撃はそれよりも遥かに強力なのか燃え盛る白い炎が、私のフィールドの全てを燃やし尽くそうとしていた。
(ごめんなさい……花衣さん)
閉じた瞳の裏で、彼の姿が走馬灯の様に映った。私の視界が白に染まった。
新規カード紹介
閃刀終結ーラグナロクフェイズ
速攻魔法
このカード名の効果は1ターンに1度しか使えない。
①:自分フィールドの【閃刀騎ラグナロク】を対象にして発動できる。
相手フィールドの表側表示カードの効果をすべて無効にし、自分フィールドのモンスターの攻撃力の合計分、対象のモンスターの攻撃力をあげる。
自分の墓地に閃刀魔法カードが6枚以上存在する場合、相手はこの効果に対して効果を発動できない。
オリカをまとめた章が欲しい?
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欲しい!
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別に( *¯ ³¯*)