六花テーマを作って愛用したらそのまま俺への愛が重くなった件について 作:白だし茶漬け
最近遊戯王に復帰して六花デッキを作ったので衝動的に書きました。
効果の処理が間違ってる所やプレミ表現があると思いますが、そこは指摘をしたり、暖かい目で見てくださるとありがたいです…(--;)
出会いは雪のように突然に降ってきた
第1話【出会いは雪のように突然に降ってきた】
俺の名前は【
そして、そのある点とは…今の状況を指している。
俺は学校から家に帰宅し、鞄を床に置いて椅子へと座り、机の引き出しから1つのデッキケースとカードフォルダーを出す。
近々、近くのカードショップで大会…と言っても小さな規模だが、デッキの最終調整は欠かせない。
俺の使ってるデッキは【六花】だ。デッキビルドパックである、【シークレットスレイヤーズ】に収録されているテーマであり、あの時当たった時から大会に出る際にはいつもこのデッキを使ってる。…まぁ、まだ組んでるデッキがこれしか無いのだが…
とにかく、ここまでは普通だ。ここまでは。
「ねぇねぇ〜もっと私を入れてよ〜!なんで1枚しか入れてないの〜!?」
俺の肩を掴み、左右に激しく揺らす紫の髪に桃色の服の上に六花模様の雪が描かれている薄いレースを着た少女の名前は【六花精 シクラン】。レベル4の植物モンスターであり、名の通り俺の使ってる【六花】モンスターの1人だ。
「いやだってレベルを2つ下げるなんてそうそう使わないし…」
「シンクロ召喚とかで役に立つでしょー!」
「いや、このデッキに合うシンクロモンスター持ってないから!」
そう。この子は遊戯王デュエルモンスターズのモンスターであるのだ。どういう訳か、実体を持って今ここに存在していた。彼女だけでは無い、他の【六花】モンスターもこのように実体を持っている。
俺は部屋の窓からベランダに出て、下の庭を見る。
そこには他の【六花】達が優雅にお茶会をしていた。
そんな俺を見つけたのは、クリーム色のポニーテールをした【六花精 スノードロップ】だった。
「おーい!花衣君も一緒にどうー?」
「今デッキの調整中だから後でな〜!」
俺はその場で誘いを断り、デッキ調整に戻った。
そして、相変わらず俺の服の袖を掴むシクランがお願いするような目でこちらを見続ける。
「ねぇ…お願い。私を使って…?」
「…2枚だったら良い?」
俺は彼女の涙ぐんだ目を見て降伏した。
きっかけはただの偶然だった。友達から遊戯王というカードゲームをやってみないかと言われて興味本意でやってみた時から、俺はその面白さに惹かれて自分のデッキを作りたいと思い、友達にたわいのない相談をしながらデッキ制作に取り掛かった。
「やっぱり最初はストラクチャーで良くね?」
「だったらこの【ABC】デッキだろ!強い、かっこいい!最強!てね。」
最初に渡されたストラクチャーの箱は【ストラクチャーデッキ 海馬瀬人】という物だった。
海馬瀬人とは、初代遊戯王の主人公である、【武藤遊戯】のライバルに値する人物だ。
作品で数々のインパクトのあるセリフがあるため、海馬MADとか見ていたのでアニメを見る前に存在は知っていた。
この【ABC】デッキはどうやら融合無しで融合召喚出来るモンスターがいて、かなり強力な効果があるらしい。
しかし、それに対抗するようにまた別のストラクチャーを持ってきた友達もいた。
「分かってないなこの【ペンデュラムドミネーション】が良いだろ【DD】の圧倒的な展開力と全ての召喚法を巧みに扱うのは良いぞ」
俺に強引に手渡ししたストラクチャーはさっき言った通り【ペンデュラムドミネーション】という物だった。
このデッキのテーマである【DD】は悪魔族メインのデッキであり、圧倒的な展開から全ての召喚法を巧みに操り、盤面を制圧する事が出来るらしい…
だが、どちらとも俺が作りたいデッキとは遠いような気がする。
「いやいやそれ使いづらいだろ!だったらこの【ABC】だって!」
「こっちだ」
「あらあら、なんだか騒がしいわね?」
「あ、店長さん!」
店長さんと呼ばれたエプロン姿の女性がこっちに近づいてきた。長い黒髪に良く手入れされているのが分かる肌を見ると思わず見とれてしまう。
「あ、そういえば花衣はここ初めてだから知らないか。この人は店長さん。名前はまだ誰も知らないから皆そう呼んてるんだ。」
「え?名前を知ってる人はいないの?」
そう言うと店長さんはクスリと怪しげな笑顔をこちらに見せた。なんともミステリアスな雰囲気の女性だ…
「それがな、この人にデュエルで勝てば教えてくれるそうなんだけど、この人めっちゃくちゃ強いんだよ。もう俺は勝てる気がしないから諦めてるよ。」
「あら、意気地無し。」
「言われたな」
「お前もだろお前も」
そんな些細な会話で皆が笑うと、話がそれかけたので話を戻す事にした。皆は店長さんに俺の初めてのデッキをどうするかで相談していたと伝えた。
「成程ね…花衣君だっけ…?君はどんなデッキが良いの?」
「俺は…パックからデッキを作りたいです。」
俺はそう言うと皆は微妙な反応をした。何か不味かったのか俺は先程の発言を取り消したくなる程だった。
「あ〜…それはいきなりはキツイかもな。」
「ああ、やはり最初はストラクチャーから始めた方が良い」
「やっぱりそうなのかな…」
気まずい空気が流れる中、スマホのアラームが鳴り響いた。アラームを鳴らしたのは俺ではなく、友達の方だった。
「あ…やべ!俺バイトの時間だ!」
「俺もだ」
2人とも俺の方に目を合わせた。中途半端な所でデッキ選びを中断させる為、申し訳ないと感じてるだろう。
「良いよ。早く行っておいで。」
「ホントにごめん!」
2人はそう言って、カードショップの扉を開けて、駆け足でバイト先に走って行った。
さて…これからどうするべきか?
「ねぇ、もしこれから時間があるなら、少しデュエルしない?」
「え?でも、俺デッキ持ってないですし…」
これからどうするか迷ってた俺を察して、店長さんは声をかけてくれたが、あいにく俺は始めたてなのでデッキは1つも持ってない。
「心配しないで。お店に貸し出し用のデッキがあるし、ストラクチャーを改造したデッキもあるわ。一緒にデュエルしてこれだと思うデッキを探せば良いわ。」
「じゃあ…お願いします。」
「じゃあ直ぐに持ってくるから、ちょっとあそこで待っててね。」
店長さんは今は人がいないデュエルスペースの机を指さした。俺は言われた通りに席に座り、待ってる間スマホで初心者におすすめのデッキや各ストラクチャーデッキの特徴を調べた。
「んー…なんかピンと来ないんだよな。」
_…て。
「……誰かいるの?」
女性の声がして辺りを見渡すがデュエルスペースにはいなかった。デュエルスペースから出てカードが展示されてるショーケースの所に行っても、客はいた。女性なんて1人もいなかった。
「あれ…?空耳かな?」
_こっちに…来て…く…だ…さい
「え?こっちって言われても…」
声がした方向に顔を向けると、そこは遊戯王のパックが売られてあるショーケースだった。
背の低いショーケースを屈んで中を見ると、色んなパックが売られていた。正直、何が良いのか全然分からない。
声を頼りにするとここに来てと言われたのだが…誰もいない。店員の人もいないので、俺は背筋に悪寒が走る。
「ま、まさか…霊とかそんなの?」
急に体の体温が下がったのを感じ、ひたすら腕を擦って摩擦熱で体温をあげようとする。
そんな事をしてる時、俺は突然後ろから肩を掴まれる感覚に襲われる。
「花衣君〜?」
「いやぁぁぁぁ!呪わないでー!」
「いやいや、呪わないし出来ないから…」
俺は落ち着きを取り戻せてない中で後ろを振り返る。そこには、少し困った顔をした店長さんがいた。
「デュエルスペースに居なかったから探したけど…どうしたの?」
「あ、いや…女性の声がして、ここに来てって。」
「女性?…ここは私しか店員居ないけど…」
正直聞きたく無い答えが出て、俺は少し立ち尽くしてしまう。…いやいや、霊とかそんなのいる訳が無い。
いやいて欲しくない。俺はそういう系が苦手なんだ。
お願いします出てこないで下さい!
そんな懇願を心の中で必死にさせる。
「まぁとにかく、早く貴方のデッキ作りに取り掛かりましょうか。」
「は、はい。」
俺は店長さんに連れられ、デュエルスペースに戻る。
…それにしてもやっぱりあの声って空耳だったのかな…
_私の声に気づいてくれました…ふふふ。待ってますからね…?
声は花衣に気づかない程の小さな声で呟いた…
「さぁ、好きなデッキを選んでね?」
「と言われましても…」
どれが良いのか全然分からない為、中々選べずにいた。そしてようやく選んだ末、俺は最初におすすめされた【ABC】デッキを手に取った。
「これにします。」
「じゃあ、私はこのデッキで戦うわね」
店長さんが手に取ったデッキは自分のデッキでは無く、【DD】のデッキだった。
どうやら、店長さんは俺のおすすめを巡る討論を聞いていたらしい。だからこそ、そのデッキを選んだのだろう。
「それじゃデュエル開始ね。」
「お願いします。」
店長さんはまず、先攻後攻を決める為にコイントスの準備をした。
「表と裏、どっちが良い?」
「じゃあ、表で。」
店長は裏を宣言しコインを指で弾いた。コインは回転しながら宙に浮き、そのまま重力に従って落ちていった。
コインは机の上に落ち、コインの面は表だった。
「貴方の先攻ね。」
「それじゃ、行きます!」
先攻にドローと攻撃は許されていない。
俺は5枚の手札を睨みつけるように効果を見る。
俺の手札はこうだ。
モンスターカード A-アサルト・コア、増殖するG、
魔法カード テラ・フォーミング、トランスターン
…遊戯王に虫のあのGなんているのか…とにかく、このようになってる。ええと…確かこのデッキはフィールド魔法の【ユニオン格納庫】を出せば良いんだっけ。
しかし俺の手札にはそんなカードは無い。しかしそれを加えられる魔法カードはある。
「手札から魔法カード、テラ・フォーミングを発動!」
テラ・フォーミング 魔法カード
①デッキからフィールド魔法カード1枚を手札に加える。
「あら、運がいいわね。」
「あ、ありがとうございます…と、とにかく俺はこれでデッキからユニオン格納庫を加えます。」
デッキの中から、1枚しか入ってないユニオン格納庫を取り出し、シャッフルする。このユニオン格納庫は制限カードらしく、1枚しか入れられないらしい。そんなカードを序盤から引けてラッキーだ。
「そしてさっき加えたユニオン格納庫を発動!」
ユニオン格納庫 フィールド魔法カード
「ユニオン格納庫」は1ターンに1枚しか発動できない。①:このカードの発動時の効果処理として、デッキから機械族・光属性のユニオンモンスター1体を手札に加える事ができる。②:1ターンに1度、自分フィールドに機械族・光属性のユニオンモンスターが召喚・特殊召喚された場合、そのモンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターに装備可能で、カード名が異なる機械族・光属性のユニオンモンスター1体をデッキから選び、そのモンスターに装備する。この効果で装備したユニオンモンスターは、このターン特殊召喚できない。
びっしりと書かれたカードを効果を理解するまで読み上げ、効果を発動する。
「えーと、じゃあユニオン格納庫の効果でデッキからユニオンモンスターを手札に…とじゃあこのモンスターで。」
俺はユニオン格納庫の効果で【B-バスター・ドレイク】を手札に加えた。手札に加えたカードは公開しないといけないらしいので店長さんに加えたカードを見せた。
その後、デッキをシャッフルする。
俺はまだ召喚権を使ってない。いよいよ、モンスターの召喚だ。
「俺は、【A-アサルト・コア】を攻撃表示で召喚。…えーと効果は…」
A-アサルト・コア 光属性 機械族 ユニオン
ATK 1900 DEF 200
①:1ターンに1度、以下の効果から1つを選択して発動できる。●自分フィールドの機械族・光属性モンスター1体を対象とし、このカードを装備カード扱いとしてそのモンスターに装備する。装備モンスターが戦闘・効果で破壊される場合、代わりにこのカードを破壊する。●装備されているこのカードを特殊召喚する。②:装備モンスターは他の相手モンスターの効果を受けない。③:このカードがフィールドから墓地へ送られた場合に発動できる。このカード以外の自分の墓地のユニオンモンスター1体を選んで手札に加える。
「えーと…今は使えないかな。じゃあユニオンモンスターの召喚に成功したのでユニオン格納庫の効果でデッキからユニオンモンスターをこのモンスターに装備出来る…と。」
俺はデッキから【C-クラッシュ・ワイバーン】をアサルトコアの下にある魔法・罠ゾーンに装備した。
【C-クラッシュ・ワイバーン】は装備カードになった時、装備モンスターは罠カードの効果を受けない。
…しまった。ここでユニオン格納庫で装備すべきなのは【B-バスター・ドレイク】だった。
手札にある【B-バスター・ドレイク】はこのカードを装備してるモンスターは魔法カードの効果を受けないという効果を持っている。
罠カードはセットしてから発動するのが基本なので先行だとこの効果はあまり意味が無い。対する魔法カードは手札から出せるのでもしモンスターを破壊する魔法カードが出たら終わりだ。
「失敗したかな…」
「そんな事無いわ。それに、まだ回せるはずよ。」
「え?だってもう俺召喚しちゃったし…」
「特殊召喚は一ターンに何度でも召喚できるのよ。」
あ、そうだった。通常召喚は一度しか出来ないが、特殊召喚は何度でも出来た。
俺はもう一度手札を見ると、手札には【
このモンスターは手札の光属性モンスターを墓地に捨てる事で守備表示で特殊召喚出来る。
手札にある光属性モンスターはさっきユニオン格納庫で加えた【B-バスター・ドレイク】が光属性なので条件は満たしている。このカードを墓地に捨てて特殊召喚させ、墓地に行った三体のユニオンモンスターで【ABC-ドラゴン・バスター】がなんと一ターンで召喚することが出来る。
でも…もっと上手くいきそうな気がしてならない。
「ん〜…どうしよう。」
「頑張って。貴方ならできるわよ。」
店長さんは微笑んで俺の事を応援してくれた。その笑顔が眩しく感じ、俺は三枚の手札で顔を隠した。
その時、真ん中にあったトランスターンのカードが目に映る。
…そうだ!このカードを使えば…!
「俺は手札からトランスターンを発動!俺は、【A-アサルト・コア】を墓地に送る事で種族と属性が同じでレベルが1つ高いモンスターをデッキから特殊召喚出来る!」
店長さんは微笑みながら頷いてくれた。どうやら正解だったらしい。これで【A-アサルト・コア】とその装備カードとなった【C-クラッシュ・ワイバーン】を墓地に送れた。
「その効果でデッキから【
これでレベル5のモンスターが2体。…いける!
「俺は2体の
こういうのアニメではかっこいい召喚口上とかするのだろうが流石に恥ずかしいので言えない。
「エクシーズ召喚!ランク5【サイバー・ドラゴン・ノヴァ】!そしてさらに、エクストラデッキにある【サイバー・ドラゴン・インフィニティ】の効果でノヴァの上に重ねることでエクシーズ召喚出来る!」
俺は召喚した【サイバー・ドラゴン・ノヴァ】の上に【サイバー・ドラゴン・インフィニティ】を召喚した。
サイバー・ドラゴン・インフィニティ 機械族 エクシーズ
ATK 2100 DEF 1600
「さらに、インフィニティの効果はエクシーズ素材一枚につき、200ポイントアップ!」
インフィニティの下にあるカードは三枚。よって攻撃力は600アップする。
サイバー・ドラゴン・インフィニティ ATK2100→2700
「まだまだ!俺は墓地にあるA、B、Cのモンスターを除外して、【ABC-ドラゴン・バスター】を特殊召喚!」
俺は墓地にある三体のユニオンモンスターを除外してエクストラデッキからモンスターを召喚した。
まさか初心者の俺がこんな凄いコンボが出来るなんて…ちょっと感激した。
「ふふっ…凄いわね…初心者とは思えないわ。」
「ど、どうも…あ、これでターンエンドです。」
残りのカードは増殖するGだけなのでこれ以上は何も出来なかった。
「それじゃ、私のターンね。ドロー。」
店長さんは綺麗にカードをドローするとすぐ様ターンを開始した。
「じゃあ手札から永続魔法、【地獄門の契約書】を発動。その効果を今使うわ。このカードはね、デッキから【DD】と名のついたモンスターを一体手札に加える事ができるのよ。でもその代わり、私は自分のターンのスタンバイフェイズに1000のダメージを受けるの。」
店長さんは俺が知らないカードの効果を丁寧に教えながら、カードの効果を発動した。店長は自分のデッキからカード一枚取り出すと、俺にみせた。
「私は、【魔道賢者ケプラー】を加えるわ。そしてこの子を通常召喚。」
DD魔道賢者ケプラー 悪魔族/ペンデュラム
ATK 0 DEF 0
「ええ!?攻撃力0!?」
俺は攻撃力0のモンスターを攻撃表示で召喚した店長さんに驚いた。しかも1回しか出来ない通常召喚にわざわざこのモンスターを召喚して何をする気なんだ…
「攻撃力が0だからって甘く見てはダメよ?私はケプラーのモンスター効果を発動。このモンスターが召喚に成功した場合、このカード以外の自分フィールドのDDカードを一枚手札に加えるか、デッキから【契約書】カードを一枚手札に加えられるの。私はデッキから【契約書】カードを一枚加えるのを選択して…【魔神王の契約書】を加えるわ。」
店長が見せたカードは魔法カードでこれまた永続魔法だった。それにしても何か不気味なカードだな…
「そしてこれを発動…このカードはね、決められた悪魔族融合モンスターの素材を墓地に送ることでその融合モンスターを特殊召喚出来るのよ。つまり、融合無しで融合召喚出来るの。でも、これも私のターンに1000のダメージを受けるの。」
「なんだそのカード!?でも特殊召喚するならこれを発動させます。手札から増殖するGを発動。相手が特殊召喚する時、俺はデッキからカード一枚ドロー出来る。」
これで全ての手札を使い切り、俺は何も出来ないが、増殖するGの効果で店長さんが特殊召喚する度に俺は手札を補充できる。仮に特殊召喚しなくてもケプラーの攻撃力は0、しかも二枚の契約書によって店長さんは自分のターンに2000のダメージを受ける。
ドラゴン・バスターの攻撃力は3000。インフィニティの攻撃力は2700。さらに契約書で2000だから…合計で7700のダメージだ。つまり俺は次のターン、攻撃力300以上のモンスターを召喚出来れば俺の勝ちだ。もしかしたら俺、勝てるかも?
「ふふっ…それじゃ次はお姉さんの番ね。私は魔神王の契約書の効果で手札にある【DDネクロ・スライム】とケプラーで融合召喚。【DDD烈火王テムジン】を融合召喚。さぁ、特殊召喚したから貴方はカードを一枚ドローして?」
「あ、そうだった。」
俺は増殖するGの効果でデッキからカードを一枚ドローする。引いたカードは【チキンレース】と言うフィールド魔法だった。持っていても仕方が無いので俺は【ABC-ドラゴン・バスター】の効果をここで使う。
「ドラゴン・バスターの効果発動。手札を一枚墓地に送ることで相手モンスターを一枚除外する。烈火王テムジンを選択して除外する。」
「んん…破壊でフィールドに離れた訳じゃないから効果は使えないわね。でも残念。私は手札にある【DDスワラル・スライム】の効果発動。このカードと手札にある【DDヴァイス・テュポーン】でもう一度【DDD烈火王テムジン】を召喚。」
「えぇ!?」
俺は驚きながらも、Gの効果で一枚カードを引く。しかし、店長さんはこれだけでは終わらなかった。
「さらに、さっき墓地に行った【DDヴァイス・テュポーン】の効果。このカードは墓地に送られた時にレベル8以上の「DDD」融合モンスターカードによって決められた、このカードを含む融合素材モンスターを自分の墓地から除外して融合召喚できるのよ。」
「あ、なんかやばい気がする。」
「じゃあ、墓地のテュポーンと勿体ないけど、スワラル・スライムを素材にして【DDD烈火大王エグゼティブ・テムジン】を召喚。」
「…増殖するGの効果でカードをドロー。」
「さらに、私はテムジンの効果発動。このカード以外の【DD】と名のついたモンスターが召喚した時、墓地から【DD】モンスターを特殊召喚するわ。」
今店長の墓地にあるのは一枚の【DDネクロ・スライム】だけだ。さっき使ってたスワラル・スライムとテュポーンはさっきので墓地から除外され、ケプラーはペンデュラムモンスターなのでエクストラデッキに置かれている。
それにしても手札4枚でここまで出来るとは…流石と言うべきだろうか。
「インフィニティの効果で無効にはしないのかしら?」
「え?あぁ…はいしません。だからワンドローっと」
店長が言ったことは【サイバー・ドラゴン・インフィニティ】のモンスター効果の事だ。このカードはオーバレイユニットを一つ使う事によって、相手のカード効果を無効にして破壊できる効果がある。
…ちょっと待て、それだったら最初の【地獄門の契約書】を発動した時にこれを使えば楽に勝てたのでは無いのか?
「ああああああ!やってしまったぁぁぁ!最初から地獄門の効果無効にすれば良かったぁぁ!」
「良くあることよ。それに…私実は二枚持ってたの。」
店長さんは可愛らしく小さく舌を出して、一枚の手札を俺にみせた。それは正しく、もう1つの【地獄門の契約書】だった。
つまり、仮に無効にして破壊しても、もう一枚飛んで来るという訳だ。
「ええ〜!?」
「ふふ。貴方面白いわね。やっていて楽しくなっちゃうわ。私は手札にあるラミアの効果発動。この子は自分のフィールドにある【DD】モンスターか契約書を一枚墓地に送ることで特殊召喚出来るのよ。…因みにこれは召喚の為の効果だから、インフィニティでは無効化出来ないわよ。」
「え、そうなんだ…」
うーん、中々複雑な所もあるんだな…この先やって行けるか不安だ…俺はその事を顕にするように肩を落とす。
「そう考え込まないで。まぁ、たまに例外があるって思えば良いから。じゃあチューナーモンスターのラミアを特殊召喚。」
「特殊召喚…あ、Gでワンドロ…っと。」
これで手札は三枚となった。Gの効果を発動したのは4回だが、ドラゴン・バスターの効果を使って今は三枚だ。
…なんだろう。手札が増えてるのになんだか嬉しい気がしない…
「そして、私はレベル1のネクロ・スライムとレベル8の烈火王大王エグゼティブテムジンにレベル1のラミアをチューニング。シンクロ召喚!レベル10【DDD
DDD超死偉王ホワイテスト・ヘル・アーマゲドン 悪魔族 シンクロ ペンデュラム
ATK 3500 DEF 3000
「攻撃力3500!?なんか1ターンで凄いのでたよ!?」
こちらで最も高い攻撃力は【ABC-ドラゴン・バスター】の攻撃力3000だ。これでは敵わない。
「あ、因みにこのモンスターがフィールドにある時は他の【DD】モンスターは効果の対象にはならないわ。」
「え?それってどういう…」
「貴方の効果はもう私のモンスターには受けないってこと。」
「………詰んだ?」
「うーん…多分。」
結局効果も発動出来ないとなればどうすることも出来ず、俺はそのまま負けてしまった。
その後もデッキの特徴を掴むために何戦かしたが全て圧倒的な敗北を突きつけられ、俺は店の端っこで体育座りでいじけてしまう。
「え…と、ごめんね?私ちょっと本気出しすぎちゃった…」
「いえいえ…俺が不甲斐ないだけですから。」
こんな事言うが流石に堪えた。まさか相手のライフを削れずに完封負けするとはこれまた心にくる。
そんな俺を見て心配した店長さんはある提案をする。
「じ、じゃあ!今日は花衣君の記念すべきデビュー戦という訳で特別にストラクチャーデッキとパックを何個かあげちゃおうかな〜?」
「あはは…だったら凄く情けないデビュー戦ですね…」
「だ、だったら!これは私と花衣君だけの秘密のデビュー戦という事で…ほら、元気出して!」
店長さんは俺の近くにある机の上に素早くいくつものストラクチャーデッキとパックのBOX箱を並べた。俺に気づかせるようにわざと大きな音を立てながら綺麗に並べていく。
「さぁさぁ!好きな奴を選んでね!」
「じゃあ…お言葉に甘えて…」
並べられたデッキとパックを見つめ、どれにするか俺は大いに悩んだ。
するとまたあの声が聞こえてきた。
_…こです。
「またこの声だ…もう何なんだよ…」
俺は声を聞こえなかいように耳を塞ぐが意味が無く、まるで声は俺の頭…いや心に語りかけてくるようだった。
_ここです。さぁ、手を取って下さい…!
(ああもう!五月蝿いな!ここか!?)
俺は何処からも誰からも分からない声に苛立ちを感じ、声が一番良く聞こえた場所に手を当てる。
そこは一つのボックスのところで、名前は【シークレットスレイヤーズ】だった。
「あら?花衣君、それを選ぶの?確かにそれはデッキビルドパックだからそれだけでデッキが組めるけど…当たるかどうか分からないわよ?」
確かに、テーマが決まっていたとしても当たらなければ意味が無い。それもピンポイントに一つのテーマを当てるのは不可能に近い。
「…でも俺、これに呼ばれたような気が…」
「呼ばれた?」
店長さんはポカンとした表情で俺を見た。それはそうだ。カードに呼ばれただなんて、アニメでも無ければ到底有り得ないのだから。
…でも呼ばれた感じは到底嘘とは思えなかった。こんな非現実的な現象を目の当たりにして、少しの高揚感のせいか、俺はこの声を信じる事にした。
「あの…このパック貰えますか?」
「…そこまで言うならあげるけど…この1boxしか無いわよ?」
「大丈夫です。」
俺はこの【シークレットスレイヤーズ】1boxを貰い、早速パックを開けることにした。
ボックスの中にあるパック数は15個。
これで目当てのカードを当てる確率はとてつもなく低い。だけど…何故かそんな心配はしてなかった。
箱を開け、パックを全て机に並べる。まず一パック手に取り、端っこの方を丁寧に縦に切る。
入ってたカードは…全て【六花】と名のついたカードだった。
「わ、全部【六花】ってそんな事もあるのね〜」
「そんなに凄いことなんですか?」
「普通は大体バラバラのテーマが入ってるから、こんなの結構凄いことよ。」
俺はそんな些細な奇跡を実感せずに二パック目も開ける。…二パック目も【六花】だけだった。奇跡は続いた。三パック目もその次も、それが続いて14パック目も…【六花】だった。
「あら…?こんな事あるのかしら…」
「いえ俺にも分かりませんよ…普通のデッキもエクストラデッキもこれだけで出来ましたし…」
各種六花モンスター、魔法、罠が3枚以上とその中に混じっていた植物モンスターが数枚で構築したデッキが俺の目の前にあり、エクストラデッキもパックに書かれている【六花聖 ティアドロップ】が二枚だけで、あとは全て三枚ずつとなった。
「あと…一パック。」
これももし【六花】だけだったら俺は流石に恐怖を覚える。こんな所で人生全ての運を使ってしまってるのではないか後々心配になってくるほどだ。俺は、そんな思いで最後の一パックを震えながら開ける。
「一枚目…えーと、黄金郷?六花では無い。」
「まぁ…これまでほとんど六花だったからそれでも凄いけどね。」
そんな話をしながら4枚目までカードを確認すると最後の五枚目が他とは違う輝きを放った。
「うわ!?何だ!?」
一枚のカードが白い光を放ち、まるで俺を包み込むかのように広がった。俺は咄嗟に目を腕て隠したが、眩しさは感じられなかった。
俺はそっと腕を離すと、さっきので輝きが無かったかのように消えた。俺は光出したカードを見ると、それは【六花聖 ティアドロップ】のカードだった。しかも、他とは何だが光り方が違うようだが?
「わ!これシークレットレアよ!花衣君凄いわね!」
シークレット言うからにはかなりの値打ものだろう。
だが、始めたばかりの俺にはまだその価値が分からず、また当たってしまったという感じしか無かった。
「さて、これで全部開け終わったけど…デッキ、完成したわね。どう花衣君、これで良い?」
俺は目の前に完成されたデッキの中身を確認する。
デッキはほとんど【六花】と名のついたカードと植物族で固められていたデッキだ。
しかし、俺が気にしていたのはそこじゃない。このデッキの誰かが、俺の事を呼びかけていたのかだ。
今はその声がせず、何も聞こえなかった。
「やっぱり…ただの空耳かな。」
「え?何か言った?」
「あ、はい。これで大丈夫です!」
「じゃあ、ストラクチャーの代わりにスリーブとデッキケース、後植物族のモンスターカードを少しあげるわね。」
店長さんは商品棚からスリーブとデッキケース、それと特別に植物族モンスターを少し俺に渡してくれた。
「あの、今更何ですけど良いんですかこんなに?」
「良いのよ。私が好きでやってる事だし、子供にお小遣いを渡してるようなものよ。」
「あ、ありがとうございます!じゃあ、早速…」
俺はカードにスリーブを入れ、デッキをケースの中に入れると、もう遅い時間なのでそのまま帰ることにした。
夕日が綺麗な茜色の空を作り出す空の中、家に着く。
普通の家庭が持ってる普通の一軒家であり、扉の鍵を開ける。
「ただいま〜…」
返事が無い暗闇だけが返ってくる。当然だ。俺の親は今、海外で仕事をしている。もう高校生だから一人で暮らすのは大丈夫だと言ったのは俺だが、やはり寂しさもある。俺は二階の自分の部屋に上がると、鞄を置き、制服の上着とネクタイをハンガーに掛けたあとベッドに寝転がる。
「結局あの声は何だったんだろうな…」
俺はあのカードショップで聞いた声のことを思い出した。俺を呼んでいた女性の声…結局謎のまま帰ってしまった。だが、それよりも嬉しい事があった。
俺の初めてのデッキが完成した事だ。自分の運だけで掴んだデッキは、何よりも嬉しかった。俺はデッキケースからシークレットレアのティアドロップを一枚取り出してそれを見つめる。
「お前が俺のエースカードって事になるのかな…?よろしく、ティアドロップ。」
_はい。不束者ですがよろしくお願いします。
「え?」
カードショップで聞いたあの声がまた聞こえ、俺は思わずカードを離して周りを見る。離したカードが突然光り出し、俺の部屋を白く照らした。あまりの眩しさに俺はまた目を隠し、光が収まるまで目をつぶり続けた。
…もう大丈夫だろうか?腕の隙間から光は感じられない。俺はそっと目を開けると、信じられない光景が目に映った。
俺の目の前にいたのは、雪のような白く長い髪を持ち、上の部分は黒、ドレス部分が紫と、まるでウェディングドレスのような格好をしたその人は、俺がさっきまで見ていたカード、【六花聖ティアドロップ】だった。
「…幻覚でも見てるのかな。」
俺は目を擦ったり、頭を叩いたりした。しかしティアドロップは急に俺の頬をそっと触れる。少し冷たいその手だが、確かな人肌の温もりがそこにはあった。
「幻覚じゃありませんよ?ちゃんと私はここにいます。」
「…え?…えええええええええ!?」
これが、俺とティアドロップの出会いだ。
そしてこの出会いがトリガーとなったのか、他の六花モンスター達もティアドロップと同じように実体化させ、今では俺と住んでいる。
あの時から早一ヶ月、俺はずっと六花デッキを使ってきた。
「…改めて思い返すと現実離れしてるなぁ。」
「あら、今だって現実離れしてますよ?」
ベランダの後ろからティアドロップの声を聞き、俺は後ろに振り返る。
「ふふ、さぁそろそろ晩御飯にしましょうか。」
「もうそんな時間か、いつもありがとう。ティアドロップ。」
「良いんですよ。だって私は貴方の物なんですから。」
「ん〜、なんかそう言われると変な気分になるな〜。じゃあ俺は皆を呼んでくるよ。」
俺はベランダから部屋に戻り、庭にいる皆にご飯の時間だと伝える。
「そう。だって私は貴方の物…そして貴方は私を見つけてくれた…愛しい人。…誰にも渡しませんからね?勿論、貴方達にも絶対にね…ふふふ…」
ティアドロップは庭にいる六花達を見て、妖しく微笑んだ。その目には光が灯らないまま…
ここまで(〜90話)出てきたレゾンカードの中で強いと思うのは?
-
六花聖華ティアドロップ、カイリ
-
閃刀騎-カイムと閃刀騎-ラグナロク
-
銀河心眼の光子竜
-
RRRリノベイルイグニッションファルコン
-
炎転生遺物-不知火の太刀
-
常闇の颶風