六花テーマを作って愛用したらそのまま俺への愛が重くなった件について   作:白だし茶漬け

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どうも皆さんこんにちは。最近ワクチン接種を受けてした白だし茶漬けです。まだ1回目の筋肉注射を受けたので2回目に行かないとダメですが、これで少しは安心出来ますね。しかし、手洗いや消毒など予防は変わらず続けて行きます。気が緩んでいる時が1番怖いですからね。




その事実は星の瞬きのように一瞬だった

「母さん……? 」

 

炎山達の試合が始まる直前、突然母さんから連絡が来た。

 

いきなり母さんが電話を寄越すなんて滅多に無いから、俺は戸惑ってしまった。携帯はそんな俺を無視するように着信音とバイブレーションを続かせていた。

早くしないと切られるかもしれない。でもかといって炎山の試合を見ない訳には行かなかった。

 

「ん?どうしたんですか花衣さん? 」

 

苦渋の選択を迫られる中で花音が俺の異変に気づき、声をかけてきた。

 

「いや……母さんから連絡が来たんだけど……炎山の試合を見ない訳にも行かないからどうしようかなって…… 」

 

「お前のお母さん……?珍しいな。あっちから連絡が来るなんてないだろ? 」

 

俺の声に機羽も気づき、俺の家庭事情を大体知っている機羽もこれには驚いていた

 

「え?珍しいのですか……? 」

 

「母さんは海外で仕事してて、連絡は大抵はしないんだ。あるとしても、メールで仕送りしたとか、荷物が届くとかそんな感じだ 」

 

「だったらお母様と電話して下さい。大丈夫です、試合は私の方が見ていきますので 」

 

「俺も同じ意見だ。ここじゃ周りの声がうるさいだろ。早く行ってこい 」

「そうそう!家族との話し合いは大事だよー! 」

 

「ごめん、ありがとう! 」

 

電話が切られる前に急いで人混みをかき分けながら人気のない廊下まで走り、急いで俺は携帯を操作し、携帯を耳に当てた。

 

『もしもし……? 』

 

電話越しから懐かしい母さんの声が聞こえ、俺は嬉しさで一瞬言葉を失った。

 

「母さん!電話なんて珍しいね!どうしたの!? 」

 

『テレビで貴方が映っていたから、何事かと思って電話したの 』

 

「テレビで……?ちょっと待って、母さん今もしかして日本に帰ってきてるの!? 」

 

確かこの大会は全国に中継されていて、全世界には放送していない筈だ。つまり、テレビで見ていて俺を見たと言う事は今母さんは日本にいることは間違いないのだ。

 

『えぇ。今日本に帰ってきた所なの。連絡が遅れてごめんね? 』

 

「帰ってきた事が知れただけでも嬉しいよ!て事は……もう家にいるの? 」

 

『ううん、今は帰りの途中。家電量販店のテレビで貴方の事を見たから本当にびっくりしたわよ。それに貴方だけ持ってるカードって……本当に何してるのよ 』

 

「あ……あはは……その辺には訳がありまして…… 」

 

母さんがいない間に遊戯王のモンスターと過ごしたり別世界に行ったりしたよ!なんて言える訳無い。言ったら言ったらで多分頭おかしくなったの?って言われて病院に行かせられる。

 

『全く……じゃ、先に家に帰ってるわね。大会、頑張ってね 』

 

「うん、頑張るよ 」

 

携帯越しの母さんの声は聞こえなくなり、連絡が終わった音だけが鳴り、通話は短い通話は終わってしまった。だけど、母さんが帰ってきている。これだけ知れても嬉しい情報だ。

 

「よーし、折角だし優勝報告して驚かせちゃうかな〜! 」

 

良い報告が出来るようにと気分を高ぶらせながら軽い足取りで廊下を戻ると、曲がり角の人とぶつかってしまった。幸い体が地面に倒れるような衝撃ではない為、お互い何ともなく済んだ。

 

「あ……ごめんなさい! 」

 

「い……いえ!こちらこそすみません…… 」

 

俺とぶつかってしまった腰まで届いている長髪が印象的女性は何故かおどおどしており、顔を帽子で隠していた。明らかに顔を見せないようにしている素振りをしているのが変に思った。

 

「あの……本当に大丈夫ですか? 」

 

「いえ大丈夫です!失礼しました! 」

 

挙動不審な動きが逆に心配になり、俺は声をかけようとしたが女性は何も言わずにそのまま去ってしまった。

 

「……何だったんだあの人? 」

 

服装からしてここの従業員という訳ではないようだし、観客ならここじゃなくて炎山達の試合を見に行っている筈だ。もし小腹が空いたり御手洗が理由だとしたらこんな何も無い廊下にいる事自体可笑しい。まぁ……俺のように誰かと連絡したなら別だけど……

 

『花衣様、そんな事より早くしないとご友人のデュエルが終わってしまいますよ 』

 

「やっば……!早く行かないと! 」

 

ティアドロップの言葉で俺は廊下を走り、急いで観客席へと戻った。しかし……とにかく人混みから離れようと廊下を歩き続けたかつ、珍しく母さんからの連絡が来た驚きということから、俺はどのルートを通ったのか忘れてしまった。

 

「あれ……どこだここ 」

 

取り敢えず歩き回っても目に映るのは同じ廊下の景色であり、全く別の場所に来たという感じはしない。

 

『花衣様……これはもしかして…… 』

「……迷子だね 」

 

まさかの船の中での迷子である。いや、豪華客船なんだし、なんなら街一個分の機能を持つ船なんだ。そりゃあ構造も大きいし複雑なのも分かる。人1人迷子になるのもうなずける……筈だよね?

 

「……皆、ここまで来た道順って……覚えてる? 」

 

『すみません……カード越しでは流石に…… 』

 

「レイは? 」

 

『……ごめんなさい 』

 

ティアドロップだけでは無く他の皆も同様の意見だった。うぅ……せめて案内表記とかあればと思い、辺りを探し回るが何だかさっきよりも迷った気がした。これはあれだ。一種の迷路に迷い込んだ感じだ。

 

「だぁぁ!どうすれば良いんだ!? 」

 

最早自暴自棄になった叫んでいると、その叫び声に気づいたのか誰かの足音が近づいてきた。規則正しい足音の主は、ある1人の男性だった。

 

「ちょっと五月蝿いよ……って、あれ……君って確か……花衣君だっけ? 」

 

「え……?何処かで会いましたっけ……? 」

 

高そうなスーツを完璧に着こなしている男性は俺の事を知っている様だが、俺はこの人と面識が無い……いや、顔は何処かで見た事がある。何処だっけ……

 

「……あぁ、この格好と立ち振る舞いだから分からないんだね。コホン……どうかなされましたでしょうか、花衣様 」

 

いきなり男性は立ち振る舞いと言葉遣いを変えると、俺はようやくこの人が誰なのか分かった。

 

「あぁ!最初に船の外であった花音の執事さん!! 」

 

「はい、覚えて頂き光栄でございます 」

 

最初出会った時は執事服だったし、何よりも立ち振る舞いとかドラマでよく見る執事そのものだったから全然気が付かなった。というより、さっきまでとのギャップが凄まじい。服装とかは高級素材のせいなのかそれ程変わらない印象だが、言葉遣いや態度は一変してカジュアルになっていた。

 

「え?本当に……花音の執事さん? 」

 

「あはは、まぁ無理も無いか。僕もいつまでもあの態度って訳じゃ無いから 」

 

まぁ、プライベートまであんなにキッチリしてる人はそうそう居ないだろうな……

 

「それよりも……こんな所でどうしたんだい?確か今は君の友達がデュエルをしてるはずだけど…… 」

 

「それはですね…… 」

 

俺は事情を話すと、執事さんは親身に話を聞き、直ぐに状況を察してくれた。

 

「なるほど……じゃあ僕がそこまで案内するよ 」

 

「本当ですか!ありがとうございます! 」

 

「いやいや気にしないでよ。それに……僕も君と話がしたかったと思ってたから 」

 

「え?俺にですか……? 」

 

俺と執事さんはそこまで接点が無いのに、話す事なんてあるのだろうか……?変に思いながらも俺は執事さんの後について行った。

 

「……所で話って……何ですか? 」

 

「そんなに大したことじゃないよ。花音についてどう思ってるのかなって 」

 

「ん?花音の事ですか?というか、執事なのに呼び捨てで大丈夫何ですか? 」

 

今はこういう態度を取っているけど、この人は咲初家の執事の筈だ。ご主人様の娘である花音に呼び捨てなんて……ダメだと思うけど。そう言おうとしたその時、この人から驚くべき真実が告げられた。

 

「ん、あぁ言ってなかったね。花音は僕の娘だよ 」

 

「………………え? 」

 

「名前を言ってなかったね。僕は【咲初陽向】、花音の父親だよ 」

咲初……花音と同じ苗字だ。え?父親?ファザー?血の繋がった親子?え執事だよね?という事は妻は薫子さん?

え?ご主人と執事が結婚してその間に生まれたのが花音……で良いんだよね?へ?

 

「え……えええええええええええ!?!?!?」

 

様々な考えが頭の中で電流のような衝撃と共に駆け巡り、ようやく俺は理解した時には俺は驚きのあまり叫んでいた。

 

「声大きいよ…… 」

 

「いやいやいやいやいやいやいや最初に出会った時は花音に対しても敬語だったじゃないですか!! 」

 

「あれは執事モード……というか勤務時間内だったからね。昔からやって来たせいか、自分の娘に対してもあぁなんだ。あ、勿論プライベートの時はこうして接しているよ 」

 

いやいや自分の娘に対して敬語って結構シュールだな……

 

「あの……もしかして薫子さんにもそういう態度をしているんですか? 」

 

「まぁね…… 」

 

「夫婦なのに……ですか? 」

 

夫婦なんだから主人と執事の関係は無しで接しても良いと思うんだけど……しかし陽向さんはそれどころか娘である花音にさえ執事として接していた。理由があるのかと尋ねると困るように指先で頬をかきながら話そうか悩んでいた。

 

「ん〜なんだろうな……執事長としての威厳というかなんと言うか……」

 

言葉にするのは難しいのか、陽向さんは頭を悩ませるようにしていた。

 

「話を戻すけど……花音についてはどう思ってるんたい? 」

 

「どうって……言うと? 」

 

「単刀直入に言うと、異性として……まぁ恋愛対象見てるのかなって 」

 

「うぇ!?れれ恋愛対象って……俺はそんな…… 」

 

花音の母親、薫子さんにも同じような事を言われたからそれほど驚きはしなかったが、それでもいきなり言われると心臓に悪い。俺はその後の言葉を繋げずにただ俯いきながら黙り続けた。

 

「おや、少し意地悪したかな?それとも……他に思いを寄せてる……それか寄せられてる人がいるから見づらいとかかな 」

 

「……! 」

 

ティアドロップ達が見えてるのかと俺は見開いて陽向さんに顔を振り向き、無意識にデッキケースに手を添えた。いや、そもそも今ティアドロップ達はカードにいるのだから見えるはずがない。

 

「おっと……驚かせてしまったかな。君が身につけている物からして大凡の予想はしていたけど、君の反応からしたら図星かな 」

 

どうやらこの人はティアドロップ達が見えておらず、自身の予想だけで言い当てた。勘もここまで来ると恐ろしい物だと心の中で恐れながらも、俺は心を落ち着かせた。

 

「……まぁ、好かれてると言えば……好かれてますね 」

 

「まぁ君の為にそのスーツや腕輪、花飾りに指輪まで作っているとなると、かなり愛されてるね。多分複数人いるのかな 」

 

この人本当は俺の心でも読んでいるんじゃないのかぐらいポンポン俺の事を当ててくるな……

俺の行動を見てなのか、当てた事を確信したように陽向さんは笑っていた。

 

「それで?君はその人たちの事をどう思っているんだい? 」

 

「どうって……言われましても…… 」

 

その本人達が今デッキケースの中にいるから話しづらいのと……デッキケースから伝わる圧がとんでもなくヤバいのだ。多分俺から六花や閃刀姫達の事をどう思ってるのか言うのなんてこれが初めてなのだからそりゃ皆気になる筈だ。心無しかデッキケースが重くなったような気がする……

 

それに俺が思っていることは傍から見れば凄く最低な考えだ。自分でも嫌になるし、どうにかしなきゃとも思っている。

 

しかしこのまま黙る訳にもいかない。黙り続ければ陽向さんから悪い意味だと捉えられかもしれないし、何より皆の圧を無くす方法は言うしかないだろう

 

「皆俺には勿体無いぐらいいい奴らですよ。ちょっと怖い所もあるけど、あの……その……最低な考えですけど一緒にいたいなって思ったりもします 」

 

「全員に対して……かい? 」

 

 

俺はその質問にゆっくりと頷き、陽向さんの顔色が少しくもった。

 

「そっか……いや、その考え自体はおかしくは無いと思うよ。一夫多妻制なんてあるぐらいだし、それに人の倫理価値なんて他人がとやかく言う資格は無いしね。いやその中に娘が入るとなると……う〜ん、あはは……やっぱり何だかモヤモヤするね 」

 

意外にも少し肯定的な意見で少し戸惑い、俺は鳩が豆鉄砲食らっかのような顔をしているのだろう。

 

てっきり俺は、うちの娘を差し置いてそんな人達とそんな関係をしているのかとか、浮気性なんて最低な奴とか言われることを覚悟していたのに……

 

「でも、そんな風に考えているのなら君は少し覚悟をしなければならない 」

 

安心したのもつかの間、陽向さんが真剣な表情で俺の目を見つめ、俺はその場で凍りついたように立ち止まり、陽向さんの細い目を見つめた。

 

「君がもしその人達と一生を生きるというのなら、君はその人達を平等に愛さなければならない 」

 

「平等に……ですか? 」

 

「そ、誰一人多くても少なくてもダメだ。少し言い過ぎとは思うけど、君は花を愛でるようにその人たちを愛し続け、分け隔てなく平等に無償の愛を注がなければならない。君にその選択と覚悟が出来るかどうかだ 」

 

「それは…… 」

 

出来る……とは言い難い。そもそも六花達がそれを許してくれるとは難しいだろう。そもそも俺自身そんな覚悟を出来るかどうかも怪しく、俺はそのまま黙ってしまった。

 

「ここで言葉が出ないとなると、その考えは捨てた方が良いかもね 」

 

正論を言われ、俺は縮こまるように顔を俯かせて無意識に陽向さんと距離をとるように足を止めた。

 

「すみません…… 」

 

自己防衛なのか俺は無意識に陽向さんに謝罪した。足を止めた俺を見て、陽向さんはこっちに近づくとその場にしゃがんで俺の肩をポンと置いた。

 

「謝る事は無い。ただこれだけは約束してくれ 」

 

声のトーンが少し低くなった陽向さんの目はまるで別人のように真剣だった。

 

「君の道は君自身が選ぶべきだ。その中から1人選ぶのも良し、その人達全員と一生を生きるのも良い。だけど……花音の事を弄ぶような事は絶対にしないでくれ……! 」

 

父親としての願いが俺にのしかかるように、俺の肩を掴んでいる陽向さんの手が強く、重く感じられた。その重りがプレッシャーとなり、心臓が掴まれるような緊張感が背中の首筋に汗を生まれさせた。

 

「やっぱり自分の娘には幸せになってもらいたいし、君が良ければ花音の事を頼みたい。別に、花音だけを選べとは言っていない。ただ、自分や相手が苦しくなる選択はしないでくれって事さ 」

 

プレッシャーを与えるようで申し訳無いと思ったのか、陽向さんは僕から離れた。

 

「……さぁ、ここを真っ直ぐ行けば観客席に戻れる筈だ。僕は薫子の所に行かないと行けないからお別れだ。それじゃ少し早いけど……決勝戦、頑張って 」

 

そうして陽向さんはこことは別の道に消えてしまい、俺はと言うとまだ歩けずにいた。

 

「自分や相手が苦しくない選択か…… 」

 

俺は無意識に撫でるようにデッキケースに触れていた。

 

(俺に出来るのかな……カイムやカイリの時、何も言わずに離れて、みんなに苦しい思いをさせたのに )

 

今でも理解は出来ない昔の自分の行動に疑問を抱きながら、今の俺はそんな選択が出来るのかと不安を抱いていた。

重くなった足をゆっくりと動かし、俺はようやく観客席へと辿り着いた。

 

「あ、花衣さん。お母さんとはどうしでしたか? 」

 

花音が手を振って位置を示すと、俺はそこに移動し花音の隣まで歩いた。

 

「うん、今日本に帰っているらしくてもうすぐで家に着くはずだって 」

 

「それにしては元気が無いようですけど……大丈夫ですか? 」

 

「い、いや全然何にも無いよ! 」

 

花音のお父さん、陽向さんとの話をして気が滅入ったなんて花音に言えるわけもなく、俺は強引に話を終えた。

 

「そ、そうだ!今デュエルはどうなってる? 」

 

「え?あ、ええと……どう……なってるんですか?空さん 」

 

俺と同じ初心者である花音は機羽に助けを求め、機羽は大まかな状況を教えてくれた。

 

「もう終盤に差し掛かってるな。全員のライフは2000で、焔は"アンデット・ワールド"を設置し攻撃力が5000の"真紅眼の不屍竜"と"ジャック・ア・ボーラン"を場にだし、霊香は"零氷の魔妖-雪女"と"麗の魔妖-妲己"がいる。相手にはどちらもモンスターはいない。今はあの星空彼方のターンだ 」

 

確かにフィールドには何やら不気味なフィールドに変わっており、紫の霧や墓標やそこら辺に転がっている骸骨がその不気味さを強調していた。

 

「相手の使ってるデッキは何? 」

 

「彼方が"ギャラクシーアイズ"、カレンが"宝玉獣"だ。カレンの魔法・罠ゾーンに宝石があるだろ 」

 

ギャラクシーアイズか……俺の使う六花とは相性が悪いな……確かギャラクシーアイズはエクシーズモンスターに対しての強く出る効果が多かった筈……もし星空が勝ったら厳しい戦いを強いられそうだ……

 

「今はどっちが有利なの?」

「いい今は焔君たた達が有利なので、なな何とか勝ててそうですね! 」

 

「花音?何か言語がバクってるし……何か震えてない? 」

 

「いいいいいいえ!?あ、アンデット・ワールドが怖いとかそんなのではないので! 」

 

そう言って花音はアンデット・ワールドの雰囲気を見ないように目を閉じながら震えていた。うん、分かる分かる。あれは怖いわ。あの周りに囲まれている炎山達はどう思っているのだろうかと覗き込むように見た。

 

「うへ〜使っててなんだけどもうちょい何とかならなかったのかこれ?不気味すぎてデュエルどころじゃ無いんだが…… 」

 

「演出が凝りすぎるのも考えものね。私もこればかりはごめんだわ 」

 

どうやらアンデット使いの2人には少しばかり不評のようだ。まぁ確かにあんなフィールドで戦ったら少なからず気が滅入りそうだ。星空の方はどうなんだろ……

 

「かかか彼方!私の腕を組む事を許しますわ!さぁ、私の隣に来なさいまし! 」

 

「いや別に俺はいいんだが 」

 

「は……はぁ!?じょ、冗談ですわよね!?こんな不気味な世界で私1人なんて…… 」

 

「えーん!お兄ちゃん怖いよぉぉ!! 」

 

「あぁはいはい。大丈夫だから天音!ほら、キャラメルだよ〜 」

 

星空の方は大丈夫そうだが宝石さんと天音ちゃんの方はダメみたいだった。宝石さんは表面上は強く保っているが腕と声が震えていて今にも助けを求めるように星空を見つめていた。

 

「あれ?というかなんで天音ちゃんがいるの? 」

 

「知らない場所で妹を1人にしておく訳には行かないからと言っていたな。1回戦の時もああやって傍に置いていたぞ 」

 

「成程ね 」

 

「い……いやいや、落ち着くのよ私……私はカレン・シェーネフラウ・エーデルシュタイン。高貴なエーデルシュタイン家の令嬢なのよ……強く気高く美しく振る舞わないと……! 」

 

「……はぁ、仕方ないな。悪いがこのターンで終わらせてもらうぞ 」

 

「お、言ってくれるじゃねえか!」

 

星空の挑戦的な態度に炎山は寧ろワクワクしており、星空もそれに応えるように口角を少し上げて笑っていた。

 

「俺は魔法カード"アクセル・ライト"を発動。俺はデッキからレベル4以下の"ギャラクシー"モンスターを特殊召喚する……が、俺はこのターン通常召喚は出来なくなる。俺は"銀河眼の雲篭(ギャラクシーアイズ・クラウドラゴン)"を特殊召喚する 」

 

アクセルライトに描かれた七色の光から現れたのは、ドラゴンと言うにはかなり小さいドラゴンであった。まぁ小さいと言っても成人男性ぐらいの大きさなのだが……

 

「更に俺は魔法カード"フォトン・サンクチュアリ"を発動。自分フィールドに雷族/光属性/レベル4/攻撃力2000のトークンを2体守備表示で特殊召喚する 」

 

星空のフィールドに白く輝く光の玉が2つ現れた。攻撃力2000のモンスターが2体……そしてギャラクシーということは……

 

「俺はフォトントークン2体をリリースし、手札から"銀河眼の光子竜(ギャラクシーアイズ・フォトンドラゴン)を特殊召喚! 」

 

2つの光が混じり合うと、流星群のような星の渦が発生し、光の中でもハッキリと分かる龍が光の渦をかき分けるように咆哮でそれを吹き飛ばした。

 

銀河眼の光子龍

光属性/レベル8/ドラゴン族/ATK3000/DEF2500

 

「更に俺は"銀河眼の雲篭(ギャラクシーアイズ・クラウドラゴン)"の効果発動。このカードをリリースし、手札か墓地からギャラクシーアイズモンスターを特殊召喚する。俺は墓地から銀河眼の残光竜を特殊召喚する 」

 

小さな龍が光を纏いながら成長し、銀河眼の光子龍と同じ大きさになり、まるで同じモンスターが2体存在しているのようであった。

 

「げ!これは不味いな…… 」

 

「言った筈だ、このターンで終わらせるって。俺はこの2体でオーバーレイ! 」

 

2体の龍が溶け合うように身を寄せ合うと、アフターグロウが粒子となってギャラクシーアイズの体を纏い、新たな装甲と全身が光出した。

 

「現れろ!NO62"|銀河眼の光子竜皇《ギャラクシーアイズ・プライム・フォトンドラゴン》!! 」

『グォォォォォ!!!! 』

 

銀河眼の光子竜皇

ランク8/光属性/ドラゴン族/ATK4000/DEF3000

 

ギャラクシーアイズが咆哮をあげると同時に体が眩く光出した、毒々しいアンデット・ワールドの雰囲気が浄化されるように紫色の霧が晴れていった。

だが演出の為、まだ場にはアンデット・ワールドが存在する。よって炎山の真紅眼の攻撃力は5000のままだ。

真紅眼は自身の領土を消させないように、銀河龍に向かって咆哮を食らわせていた。

 

2匹の龍の咆哮は例え現実の物でも無くても迫力は本物のようであった。ビリビリと体全体に声が届き、声だけで衝撃波が来るような迫力だ。

 

「あのバカ火力にはさせねぇよ!俺は"ジャック・ア・ボーラン"の効果を発動! 相手メインフェイズに、自分または相手の墓地のアンデット族モンスター1体を対象として発動し、そのモンスターを自分フィールドに特殊召喚するぜ! 」

 

今炎山のフィールドにはアンデット・ワールドがある。アンデット・ワールドは全員のフィールドと墓地のモンスターをアンデット族にする効果があるから、炎山は誰の墓地からでもモンスターを特殊召喚出来るという事になる。

 

「悪いがそれはごめんだ。罠発動"次元障壁"を発動。モンスターの種類を1つ宣言し、宣言したモンスターターンお互いに召喚出来ず、効果も発動出来ない。俺が宣言するのはシンクロモンスターだ 」

 

「うへぇ……"炎神-不知火"出そうと思ったのによぉ。んじゃどうすっかな…… 」

 

頭を掻きながら炎山は唸り声を出しながらも悩みに悩んでいた。

 

「うっし、俺は"麗神-不知火"をモンスターゾーンに召喚するぜ。と言っても、こいつの除外されてるシンクロモンスターをリンク先に召喚する効果は次元障壁で使えねぇけどな」

 

ジャック・ア・ボーランは青い炎と共に消えてると同時に、茜色の炎からは"麗神-不知火"が現れた。こう言っては何だか出で立ちがアンデット・ワールドと大分釣り合っていない……

 

「でもこっちの効果は使わせて貰うわよ。墓地からモンスターが召喚された事により私は"零氷の魔妖-雪女"の効果発動。貴方のモンスターの攻撃力を0にしてその効果を無効にするわ 」

 

雪女は自身の効果のトリガーとなった麗神-不知火の周りを笑いながら飛び交った後、ゆっくりと冷たい息を吐いた。冷たい息はギャラクシーアイズの足元に氷を生み出し、ギャラクシーアイズは氷漬けにされてしまった。

 

「これであの攻撃力11200ていうとんでも火力は出せないわよ 」

 

「……?どうしてあのドラゴンの攻撃力が11200になるのでしょうか? 」

 

「"銀河眼の光子竜皇"と"銀河眼の残光龍"の効果だな。銀河眼の光子竜皇はダメージ計算時にオーバレイユニットを取り出す事によって、フィールドにいるエクシーズモンスターのランクの合計×200アップする。この場合エクシーズモンスターは"銀河眼の光子竜皇"だけだから攻撃力は1600アップして5600になる 」

 

「でもそれではあと5600足りませんよ 」

 

「そこでさっき素材になった"銀河眼の残光竜"の出番だよ〜あのモンスターがオーバレイユニットとしてバトルフェイズ中に墓地に送られると、何と!自分フィールドのNoの攻撃力は倍になるんだよ。よって銀河眼の光子竜皇の攻撃力は11200になる! 」

 

「へ〜かなりお強いカードなんですね! 」

 

機羽と河原の説明で納得言った花音は、銀河眼の強さを改めて実感していた。確かに強力だが、ほとんどの銀河龍には効果耐性が無く、先程見たいにかなり妨害を受けやすい。付け入る隙があるとすれば……そこかな。

 

呆気なく氷漬けされた"銀河眼の光子竜皇"を見つめた星空は、万事休すかと見つめて……はいなかった。むしろ笑っていた。まるでこうなる事が分かっていたかのように……

 

「その程度で俺の銀河眼が止められると思っているのか? 」

 

「何ですって……? 」

 

「俺は"銀河眼の光子竜皇"を素材にもう一度オーバレイ! 」

 

"銀河眼の光子竜皇"が目を輝かせ、雪女が作り出した氷を打ち破ると同時に体のそうこうが光出し、その形を変化させた。関節部分だけを覆っていた鎧は黒深く色を変え、全身を覆うように姿形を変えていた。

全身の鎧が整うと同時に、まるで戦艦のような主砲を背負い、完全武装となった銀河眼へと変化した。

 

「俺はエクストラデッキから"ギャラクシーアイズ・FA・フォトン・ドラゴンを召喚!このカードは自分のギャラクシーアイズモンスターに重ねて特殊召喚出来る! 」

 

ギャラクシーアイズ FA・フォトン・ドラゴン

ランク8/光属性/ドラゴン族/ATK4000/DEF3000

 

「"ギャラクシーアイズ FA・フォトン・ドラゴン"の効果発動!オーバレイユニットを1つ取り除き、相手フィールドの表側表示カードを1枚破壊する。俺が選ぶのは"アンデット・ワールド"! 」

 

FAと化した銀河龍はその全ての武装をありったけ使うように、ビームの嵐を起こすと、アンデットワールドが無慈悲にも焼き放たれた。ビームの嵐は観客席であるこっちにも躊躇なく打ち続け、ホログラムだと分かっていても心臓に悪い演出だ。多くの観客達は興奮しながらも自身の身を守るように体を丸めたり、その演出を見たいと釘付けになっていた。

 

やがて砲撃の嵐が止むと、アンデット・ワールドはまるで最初から無かったかのように消滅していた。

 

「よし、天音これで怖くは無いだr」

 

「うぇぇぇん!!怖いよぉ!お兄ちゃんが使うモンスターは怖いよぉ〜! 」

 

「グハッ……! 」

 

きっと漫画なら星空の上に《ガーン》という文字が頭の上にぶつかり、星空はまるで針が胸に刺さったかのようにその場に力無く膝をついてしまった。

 

まぁ確かにまだ小さい子が至近距離であのビームの嵐をホログラムでも見せられたら確かに怖いな……

天音ちゃんはまたまた泣き叫んでしまい、大事に持っているぬいぐるみを強くだきしめていた。

 

『おおっと彼方選手!最愛の妹を怖がらせまいと奮闘したがまさかの逆効果だった!これは痛い! 』

 

「うぐっ……俺はお前の為にやったのに……! 」

 

MIXさんの言葉でトドメのダイレクトアタックを刺せられ、星空は何故か戦意喪失してしまった。

 

「ちょっと彼方!!その程度で挫けるなんて情けないですわよ!ほら、しゃんとしなさいな! 」

 

「アンデット・ワールドにビビってたお前には言われたくないが……その通りだ。……そんなに怖いかな……?ギャラクシー・アイズモンスター…… 」

 

なんか最後呟いていたが何とか立ち直った星空はバトルを再開した。

 

「済まないデュエルを再開しよう。"アンデット・ワールド"が破壊された事により、俺のフィールドと墓地のモンスターはドラゴン族に戻り、君の"真紅眼"の攻撃力は下がる 」

 

「あぁ、5000から3900に下がるな。うへぇキツっいな 」

 

「そして、ドラゴン族に戻ったから俺はこのカードを使える。俺は"RUM-アストラル・フォース"を発動!自分フィールド上のランクが1番高いモンスターと同じ属性、同じ種族でランクが2つ上のエクシーズモンスターを特殊召喚する 」

 

今星空のフィールド上には"ギャラクシーアイズ FA・フォトン・ドラゴン"しか存在しない。

つまり、ランクが10で光属性勝つドラゴン族のエクシーズモンスターを召喚出来る訳だが……

 

「俺が出すのはこいつだ!来い!"No.99 希望皇龍ホープドラグーン!!" 」

 

「そいつが来るのか……! 」

 

上空に現れた銀河のような穴に"ギャラクシーアイズ FA・フォトン・ドラゴンが飛び込むとそれとは入れ替わるように全く別のドラゴンが装甲を受け継いだように姿を表した。

 

No.99 希望皇龍ホープドラグーン

ランク10/光属性/ドラゴン族/ATK4000/DEF2000

 

「"ホープドラグーン"の効果発動!1ターンに1度、自分の墓地のNo.モンスター1体を守備表示で特殊召喚する。ただしこの効果で召喚したモンスターの効果は無効にされる。俺はFAの効果で墓地に送った"No.62銀河眼の光子竜皇"を召喚する 」

 

墓地から"銀河眼の光子竜皇"が召喚されたが、守備表示で効果は無効にされている。攻撃しようにも出来ない状態でどうするつもりだ……?

 

「俺は、"銀河眼の光子龍皇"を素材にエクシーズ召喚!見せてやる、銀河の輝きと光波を!俺はエクストラデッキから"|銀河眼の光波刃竜《ギャラクシーアイズ・サイファー・ブレード・ドラゴン》を召喚!このカードは、ランク8のギャラクシーアイズモンスターに重ねて特殊召喚出来る!」

 

銀河眼の光波刃竜

ランク9/光属性/ドラゴン族/ATK3200/2400

 

「"銀河眼の光波刃竜"はオーバレイユニットを1つ使って相手モンスターを破壊できるが…… 」

 

「俺の"麗神-不知火"がいる限りシンクロモンスターは効果では破壊されない 」

 

「そして私の雪女を破壊しても墓地の餓者髑髏が自身の効果で復活するわ。つまり貴方が実質破壊できるのは"麗神-不知火"だけよ 」

 

確かに、ここで雪女を破壊しても攻撃力が3300の餓者髑髏が蘇生され、"銀河眼の光波刃竜"では攻撃出来ない。

"麗神-不知火"を破壊しても、"真紅眼の不屍竜"の効果で攻撃力は4000となり、ホープドラグーンと相討ちになってしまう。

 

つまり、星空はどのモンスターを破壊しても必ず炎山か白井のどちらかは残るのだ。このターンでケリを付けることは出来ない。

 

「俺は魔法カード"エクシーズ・ギフト"を発動。自分フィールド上にエクシーズモンスターが2体以上存在する時発動出来、オーバレイユニットを2つ取り除く事でカードを2枚ドローする。俺は"銀河眼の光波刃竜"とホープドラグーンから1枚ずつ取り除く 」

 

いざデッキから2枚ドローしようとした星空だが、何故か天音ちゃんが星空のズボンを引っ張っていた。

 

「ん?どうした天音 」

 

「ねぇねぇ、私もカード引きたい 」

 

「え?……わかったよ 」

 

星空は膝を曲げて天音ちゃんにデュエルディスクを近づけさせ、天音ちゃんはデュエルディスクに装着されたデッキの1番上に指を置いた。どうやらデュエルを間近に見てカードを引きたがっていたようだ。

 

「よーし……ドロー! 」

 

思い切りカードを2枚引いた天音ちゃんは星空にカードを返すと、星空はカードを見た後褒めるように天音ちゃんの頭を撫でた。

 

「……よし、凄いぞ天音。お前のおかげで勝てそうだ 」

 

「本当に!?えへへ……頑張ってね! 」

 

「あぁ、お兄ちゃんに任せとけ 」

 

星空は立ち上がり、2枚のカード内1枚を炎山と白井に見せるようにカードを裏返した。

 

「俺は速攻魔法"破滅のフォトンストリーム"を発動!俺の場にギャラクシーモンスターが存在する時、相手モフィールドのカード1枚を除外させる!俺は"零氷の魔妖-雪女"を除外!」

 

「しまった……! 」

 

「餓者髑髏はリンクモンスターを戦闘もしくは効果で破壊された時にしか復活出来ない。だがこの効果は除外……残念だったな 」

 

銀河眼である"銀河眼の光波刃竜"の口からフォトン・ストリームが雪女に直撃し、雪女は除外されて白井の場はがら空きとなった。

 

「更に俺は魔法カード"コンセント・レイト"を発動。俺はホープドラグーンを対象にし、守備力分攻撃力をアップさせる。ホープドラグーンの守備力は2000、よってホープドラグーンの攻撃力は6000となる 」

 

「嘘だろ……! 」

 

「さぁ行くぞ!懺悔の用意は出来てるか!! 」

 

「……っ!今のフレーズって!まさか……! 」

 

星空が出したあの言葉を言った瞬間、"銀河眼の光波刃竜"は白井に、"ホープドラグーン"は"麗神-不知火"に銃口を向けていた。

 

「俺は"銀河眼の光波刃竜"で霊香にダイレクトアタックし、"希望皇龍ホープドラグーン"で"麗神-不知火"に攻撃!これで終わりだ! 」

 

伏せカードも何も無い2人には、この攻撃を止めることは不可能だった。

 

「くっそぉぉぉぉ! 」

 

「……完敗ね 」

 

炎山 焔 白井霊香 残りライフ 2000→0

 

『決まったぁぁぁぁ!決勝に進出したもう1組は銀河眼の扱う星空彼方と宝石獣を扱う宝石カレンことカレン・シェーネフラウ・エーデルシュタインだぁ! 』

 

「どうやら、あの人達が決勝の相手のようですね!花衣さん、頑張りましょ……ってあれ?花衣さんはどこに? 」

 

「そういえば……さっきまでいたのに……何処に行ったんだあいつ 」

 

 

 

 

 

 

いつの間にか俺の足は走り出していた。俺の胸はざわめき続け、確認しなければならない真実をたしかめるため、息を切らしながら俺は走り続けた。

階段をおり、試合会場へと続く廊下にたどりつくと、試合を終えた星空達が歩いていた。

 

「ん、花衣君か?どうしたんだそんなに息を切らして 」

 

「お……お前が最後に言ったあのセリフ!あれって……お前が考えた言葉か!? 」

 

「…… 」

 

すると星空は俺の言葉の意味を理解したのか、態度を変え、目を細めた。

 

「……カレン、天音と先に戻ってくれ。俺は花衣君と少し用事が出来た 」

 

「え?良いですけど……天音までなのは珍しいですわね 」

 

「ちょっとな……天音、カレンと仲良くしていてくれ 」

 

「はーい。でも早く戻ってね? 」

 

「あぁ。すぐ戻る 」

 

星空と手を繋いでいた天音ちゃんは宝石の手を握り、そのまま自分の部屋へと戻って行った。廊下に緊迫した空気が走り、俺と星空は互いの目を見つめあった。

 

 

 

「……先程の質問の答えだが。おそらく君と俺は同じような存在だ 」

ここまで(〜90話)出てきたレゾンカードの中で強いと思うのは?

  • 六花聖華ティアドロップ、カイリ
  • 閃刀騎-カイムと閃刀騎-ラグナロク
  • 銀河心眼の光子竜
  • RRRリノベイルイグニッションファルコン
  • 炎転生遺物-不知火の太刀
  • 常闇の颶風

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