六花テーマを作って愛用したらそのまま俺への愛が重くなった件について 作:白だし茶漬け
そして扱いが難しい……こんなの十代は使ってたのか。
そしてワンリミットフェスではそんな十代デッキを使っています。勿論ハネクリボーもINしてます。
大体勝率半々ぐらい。とりま石だけ貰ってトンズラだ!!
おっと、では話をこの小説に戻すとして……この辺りから予選編は終了します。
ライフ4000だからターン数が短くかつそれほど複雑では無いデュエルですが……何故前のデュエルはあんなにミスがあった!言え!俺!もう1人の俺ぇぇぇ!!
「行け!【E・HERO ネオス】でダイレクトアタック!! 」
「くそぉぉ負けたぁぁ! 」
「ふぅ……またギリギリ……結構時間をくったな…… 」
ピックアップデュエルの予選が始まって45分以上経ち、勝ち負けが続いて少し焦り始めていた。ここまで来て勝率は5割ちょっとだろうか……やってきたデュエルの回数なんていちいち数えてはいない。
そんな時に会場にあるモニターにMixさんが登場した。
『さぁ、ピックアップデュエル予選の残り時間もあと僅か!ここで少し順位の方を確認して見ましょう!』
モニターの画面がランキング画面へと変わり 今現在の順位がとの位置に見ても見やすいように表示されていた。
『第1位は〜この男!【星空彼方】選手!使用デッキは公開出来ませんが、圧倒的なパワーで強引にねじ伏せるプレイイングが目立ち、なんと全戦全勝しています! 』
彼方さんが1位なのか……パワーでねじ伏せるか……どんなデッキを使ってるんだろう。少し気になるけど、1番は顔つきだ。何だか彼方さん……焦っているような気がするけど、何かあったのだろうか。
『続いて第2位!2位はこの女性!【ロゼ・ジーク】!相手のカードを巧みに妨害し、戦況を支配しているのが目立ちますね〜。やる事がクール!この人も全戦全勝しています! 』
「ロゼが2位なのか……凄いな 」
「当然よ、1位じゃないのが癪だけど 」
「うぉっ!?レイもそうだけど、お前もいちいち何も言わずに背後に出てくるな!何か用か? 」
相変わらず皆俺をわざとビビらせるのかというぐらいいきなり背後に現れるから心臓に悪い。
「別に、花衣を見ただけだから顔が見たかっただけよ。それとも……ここでデュエルする? 」
「多分無理だと思うぞ、だって…… 」
『ERRORが発生。対面決闘者とのポイント差があり、デュエルする事が出来ません 』
デュエルディスクからエラー音と機械音声が入り、ロゼとのデュエルは拒否されてしまった。そりゃそうだ。ロゼは全戦全勝しており、こっちは勝ち負けが拮抗しているのだから。
「……貴方、大丈夫なの?今ランキングを見たらどうかしら 」
ロゼの言う通りランキング画面を見ると、いつの間にか全体ランキングの画面に戻っていた。俺の順位を確認すると……順位は26位。
「うげっ、こりゃやばいかも…… 」
「そうよ、だからもう少し危機感を持ちなさい。もっとも、私に支配されたいのなら……それでもいいけど? 」
ロゼは俺の顎をクイッと引き、妖艶な目つきで俺の事を見つめてきた。何だか挑発されてるみたいでムッとした俺はロゼの手を静かに払った。
「からかうなよ 」
「私は本気よ。この大会に優勝して、貴方の事を貰うから 」
ロゼはそう言って右手を振り、この場から去って言った。「私は本気」その言葉に嘘偽りは無く、赤い眼のロゼがさらに紅く染まっていたような気がした。
本気のロゼって目つきが鋭くなるから怖いんだよなぁ……それが俺にほとんど向けられないのが幸いと言うかなんと言うか……
「とにかく、俺も速く次に行かないと予選落ちしちゃうしな。まぁ……殆どのデュエルがギリギリの戦いだから結構時間を掛かっているのがなぁ…… 」
しかも長時間のデュエルをして負けたたのもあるのでそれも加味しての26位という順位だ。ここで負けたら後々キツイ。かと言ってデュエルしなければポイントは貰えずにどんどん順位が下がってしまう。だからこそ何とかして勝ち続け無ければならないし、時間もあまりかけないようにするべきだが、そう甘くないのがこの大会だ。
「さて、次の相手はどうしようかなっと…… 」
「すみません、もしよろしければ私と一緒にやりませんか? 」
「え、あぁはい。分かりま……した 」
何処かで聞いた事ある声に体に悪寒が走り、振り向くとそこには俺が畏怖してる存在だった。姿を隠すようにこの季節に似合わないコートとフードをしているが、そのフードの向こうの顔は忘れる筈が無かった。
「久しぶりですね〜 」
「ポルー……ションっ!お前……何でこんな所にいるんだっ! 」
「おっとっと、会って早々そんな怖い顔して何ですか、ほら笑って笑って 」
「ふざけるなっ!!お前何しにきた!また俺を狙う為に関係ない人をまきこんでいるのかっ!? 」
思わず服の胸ぐらを掴んで目が血走るような目つきでポルーションを睨むが、ポルーションは相変わらずの飄々とした顔で俺を見下げるようにして笑っていた。
「あれれ〜?良いんですか?暴力行為は失格ですよ〜? 」
「くっ…… 」
「あー苦しかった。全く、シワになったらどうするんですか? 」
仕方なく俺は胸ぐらを離すと、ポルーションはわざとらしい態度で俺の神経を逆撫でた。
「もう一度言う。何の用だ……! 」
「ま、強いて言えば人探しですね。ここに私の知り合いがいるらしくてですね、少し顔を合わせようかと 」
「知り合い……もしかして、黒いローブを来た女か? 」
「……へぇ、会ってたんですか 」
「まぁな 」
蟲惑魔達の巣で遭遇したあの黒いローブの女性はやはりポルーションの仲間だったのか。あいつからはポルーションに似た雰囲気があったからもしやと思ったが、ポルーションの態度で確信に変わった。
「あいつは何者だ 」
「私が教える訳ないじゃないですか。ん〜そうですね、教えて欲しいなら私に勝ってください 」
ポルーションがデュエルディスクを構え、俺にデュエルを挑んできた。こちらとしても断る理由は無い。それに勝てば、あの女の正体だって分かるんだ、何としてもここは勝つ……!
そんな中、胸ポケットにいるひとひらはこちらを心配そうに見つめていた。俺はひとひらを指先でゆっくりと頭を撫で、安心させた。
「大丈夫だひとひら。……受けて立つ、デュエル開始だ 」
『デュエルスタンバイ確認、フィールド起動開始します 』
デュエルディスクから青い光がフィールドを形成し、Dバイザーも同時に起動して相手のライフと手札、そしてフィールドの状況が映し出された。
「あ、因みに今回使うデッキは勿論ここのカードですよ? 」
「当たり前だろ、さっさと始めるぞ 」
「はいはい、……良い感じに染まってますね 」
「何言ってるんだ……良いから始めるぞ 」
「はいはい……それじゃあ 」
「「デュエル!! 」」
ポルーション 残りライフ4000
Vs
桜雪花衣 残りライフ 4000
ライフが表示されたと同時にコイントスが開始され、コイントスの結果はあちらが表となり、ポルーションに先攻か後攻を選ぶ権利が与えられてしまった。
「では私は後攻を選びましょうかね 」
「何を企んでる 」
「別に?何も企んではいませんよ 」
あいつの言葉一語一句を疑ってしまい、何をしても疑いの目を向けてしまう。
俺はあの時の事を忘れないし、忘れもしない。六花や閃刀姫、そして心咲ちゃんやあの森にいた全ての動物の命を奪いかけ、下手すれば母さん含む一般人も巻き込みそうになったあの出来事が脳裏に蘇り、無意識に指先に力が入る。もしこのデッキが現実にあるものなら、その余りある力でカードを折っていただろう。
だが、目の前にあるカードは電子上の物であり、掴むことすら出来ずにいた。それが煩わしくも思い、少し苛立ちが出てしまう。
「なら良いけどな……俺のターン! 」
先攻になったが、俺のデッキもどちらかと言えば先攻向きでは無く、妨害カードがほとんど無い。
せいぜい出来ると言えば、ホープを出して相手の攻撃を無効にするか、攻撃力が高いモンスターもしくは耐性のあるを出す、または伏せカードを多く伏せるかのどれかになる。
だが俺の手札の関係上、伏せカードを多く伏せるのは無理だ。なら答えは1つだ。。
「俺は【E・HERO フェザーマン】を召喚する 」
E・HERO フェザーマン
レベル3/戦士族/ATK1000/DEF1000
「さらに速攻魔法【マスク・チェンジ】を発動。自分フィールドの【HERO】を墓地に送り、それと同じ属性の【M・HERO】をエクストラデッキから特殊召喚する!俺は風属性の【E・HERO フェザーマン】を墓地に送り、風属性の【M・HERO カミカゼ】を特殊召喚する! 」
フェザーマンの背中の翼で2つの竜巻を発生させ、吹き荒れる嵐の中フェザーマンはその嵐の中に飛び込んだ。
やがて2つの嵐の中から更に吹き荒れる嵐が2つの嵐を吹きとばせ、その中心に新たなヒーローが誕生した。
M・HERO カミカゼ
レベル8/戦士族/ATK2700/DEF1900
「このカードは戦闘では破壊されず、相手はモンスター一体しか戦闘出来ない。俺はこれでターンエンドだ 」
1ターン目 先攻終了
ポルーション:残りライフ 4000 残り手札5枚
□□□□□
□□□□□
□ □
①□□□□
□□□□□
桜雪花衣:残りライフ 4000 残り手札3枚
①:M・HERO カミカゼ
「ほぅ〜これは中々厳しそうだ。では私のターン、ドロー。ふむ、では私はカードを5枚伏せてターンエンド 」
「やっぱり罠主軸のデッキか 」
「私にはこれが性にあってますからね。さぁ、貴方のターンですよ 」
1ターン目 後攻終了
ポルーション:残りライフ 4000 残り手札1枚
②③④⑤⑥
□□□□□
□ □
①□□□□
□□□□□
桜雪花衣:残りライフ 4000 残り手札3枚
①:M・HERO カミカゼ
②③④⑤⑥:伏せカード
「俺のターン、ドロー 」
「永続罠発動!【融合禁止エリア】!このカードが存在する限り、お互いに融合召喚は出来ない!」
「なっ…… 」
「これで【HERO】の得意戦法である融合は使えません。残念でしたね〜 」
まずい、今俺の手札にはその融合を握っており、完全にこれが使い物にならなくなってしまった。だが何も出来ない訳では無い。あいつの場にモンスターはいないからこのまま攻撃すれば……
「おっと、この罠も発動しておきましょうか。罠発動【グラヴィティ・バインド-超重力の網】を発動。これでレベル4以上のモンスターは攻撃できません 」
突然フィールドにいるカミカゼが上からなにか重たい物に押しつぶされるかのように膝をついてしまい、思うように動かないでいた。こっちからでは伝わらないが、恐らくカミカゼの周りにとんでもない程の重力がかかっており、カミカゼは歯を食いしばって耐えているが、立つことさえままならならず、これではまともな動きすら出来ずにいた。
「……ターンエンドだ 」
2ターン目 先攻終了
ポルーション:残りライフ 4000 残り手札1枚
②③④⑤⑥
□□□□□
□ □
①□□□□
□□□□□
桜雪花衣:残りライフ 4000 残り手札4枚
①:M・HERO カミカゼ
②融合禁止エリア
③グラヴィティ・バインド-超重力の網
④⑤⑥:伏せカード
まずい……あの2枚の伏せカードで俺のデッキの大半が機能停止している。
グラヴィティ・バインドでレベル4以上のモンスターは攻撃出来ず、手札に融合も使えない。俺の道はただ一つ、エクシーズモンスターかリンクモンスターを出す事だ。
グラヴィティ・バインドの効果はレベルがあるモンスターにしか適用せず、レベルの持たないエクシーズモンスターかリンクモンスターを召喚すれば何とかなる。
この盤面なら……次のターンであのモンスターが召喚が出来る。今は耐えるだけだ。
「では私のターン、ドロー。ふむ……私は永続罠カード発動、【ダメージポッド】を発動 」
「【ダメージポッド】……? 」
「このカードは戦闘ダメージが発生した時発動し、その戦闘ダメージを0にします。そして、そのターンにこのカードを破壊する事で、互いに無効にした分のダメージを与える事が出来ます。ようは、こういう事が可能なんですよ、私は【アンノウン・シンクロン】を召喚 」
アンノウン・シンクロン
レベル1/機械族/ATK0/DEF0
「バトル!私は【アンノウン・シンクロン】で【M・HERO カミカゼ】に攻撃! 」
「攻撃力0で攻撃!? 」
「この瞬間永続罠【イービル1】を発動!このバトルでは私のモンスターは破壊されない! 」
アンノウン・シンクロンは無惨にもカミカゼの放つ竜巻によって呆気なく向こうのフィールドに戻ってしまい、本来ならポルーションはカミカゼの攻撃力2700のダメージを受けるが……
「この瞬間、【ダメージポッド】の効果発動!戦闘ダメージを無効にする!ですが、その前に私は【イービル1】を発動していたことにより、無効にしたダメージが変わっています 」
「何だって……?」
「【イービル1】にはもう1つ効果がありましてね、モンスターの戦闘破壊を無効にする他……戦闘ダメージを本来受けるコントローラーのライフ-1の数値にするです。どういうことか分かりますか? 」
戦闘ダメージを本来受けるコントローラーの-1に?さっきの戦闘でダメージを受けるのはポルーションで、ポルーションのライフ4000-1という事は……
「……まさかっ! 」
「そう!相手のライフを1にするんですよ!そしてそれがダメージポッドに無効にされた事により、ダメージポッドの蓄積ダメージは3999!そして私はメインフェイズ2に行こうし、【イービルワン】の更なる発動!このカードをフィールドから墓地に送る事で、フィールドのカード1枚破壊する! 」
「しまっ…… 」
「私が破壊するのは当然【ダメージポッド】!貴方と私は3999のダメージを受ける!更に私は罠発動!【レインボーライフ】!手札を1枚捨てることで、このターン私はダメージを受ける代わりにライフを回復する! 」
「なっ……! 」
ダメージポッドから光の亀裂が走り、やがて凄まじい爆発を起こした。起こした爆発の衝撃がフィールド全域まで伝わり、俺はライフを1にされたが、対するポルーションはライフを8000近くも回復してしまった。
桜雪花衣 残りライフ4000→1
ポルーション 残りライフ4000→7999
「私はこれでターンエンド 」
2ターン目 後攻終了
ポルーション:残りライフ 7999 残り手札0枚
②③□□□
④□□□□
□ □
①□□□□
□□□□□
桜雪花衣:残りライフ 1 残り手札3枚
①:M・HERO カミカゼ
②融合禁止エリア
③グラヴィティ・バインド-超重力の網
④アンノウン・シンクロン
「くそっ……!」
ライフの差もあり、フィールドにはグラヴィティ・バインドで攻撃すら出来ない、そして融合も封じられている。残りライフ1なら、適当な効果ダメージで俺の敗北は濃厚……ここで勝負を決めなければ、魔法を嫌うあいつのデッキは恐らく罠だらけのデッキなので、確実に次のターンあいつの妨害を受けて負ける事だろう。
「いや〜絶体絶命って奴ですね。でも大丈夫、このデュエルに負けても誰の命も無くなりませんので、安心して負けてください 」
「ふざけやがって……! 」
ポルーションの満面の笑みを今はぐちゃぐちゃにしたい程感情が昂り、呼吸も荒く、頭に血が上ることが分かるぐらい全身が熱くなっていた。
「俺のターン! 」
怒りに任せてカードを引き、引いたカードは……空が使っている【イグナイト・リロード】だった。
「俺は手札から速攻魔法【イグナイト・リロード】を発動。手札のPモンスターを相手に見せ、デッキに戻してシャッフルした後、俺は見せた枚数より1枚多くカードをドローする。俺は手札の【オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴン】と【オッドアイズ・ペルソナ・ドラゴン】をデッキ戻し、カードを3枚ドロー 」
これで俺の手札のカードは5枚。この手札なら十分に……殺しきれる。
「俺は【RR-ミミクリーレイニアス】を召喚! 」
RR-ミミクリーレイニアス
レベル4/鳥獣族/ATK1100/DEF1900
「【ミミクリーレイニアス】の効果発動!このターン俺の【RR】モンスターのレベルは1上がる、俺の【ミミクリーレイニアス】はレベル5になる! 」
ミミクリーレイニアスがスピーカーののような翼を羽ばたかせると、ミミクリーレイニアスからギター音の様な物がなると、ミミクリーレイニアスのレベルが上がった。
「更に魔法カード【星に願いを】を発動!【ミミクリーレイニアス】を対象に、攻撃力か守備力が同じモンスターは対象のモンスターとレベルと同じになる!【M・HERO カミカゼ】と【RR-ミミクリーレイニアス】の守備力は同じだ。よってカミカゼのレベルは5になる 」
これでレベル5のモンスターが2体。そしてここで全てを終わらせる。
「俺はレベル5の【RR-ミミクリーレイニアス】と【M・HERO カミカゼ】でエクシーズ召喚!! 」
星々のような光が瞬く空間に2体のモンスターが飛び込むと、その黒い空間の向こう側に赤い眼を鋭く光らせた機械の鳥が姿を現した。
「来い!ランク5【RR-エトランゼ・ファルコン】!! 」
RR-エトランゼ・ファルコン
ランク5/エクシーズ/鳥獣族/ATK2000/DEF2000
「ほぅ、これは貴方のお友達が使っているカードですかね。やはり縁があるようで。ですが、そのようなモンスターじゃ私のライフは削れませんよ? 」
「心配するな。お前に次のターン等無い 」
「ほぅ? 」
「俺は永続魔法カード【シンクロ・ディレンマ】を発動。俺の場のカードを破壊し、デッキから【シンクロン】モンスターをデッキから特殊召喚する。俺は【RR-エトランゼ・ファルコン】を破壊し、デッキから【ジャンク・シンクロン】を特殊召喚する 」
ジャンク・シンクロン
レベル3/チューナー/戦士族/ATK1300/DEF500
ジャンク・シンクロンが召喚した時、墓地からレベル2のモンスターを特殊召喚するが、俺の墓地にはレベル2のモンスターはいない。だが、場にいる事が重要だ。
「おや、お友達のモンスターを破壊して出したのがそれだなんて、薄情な人ですね 」
「……俺はカードを2枚伏せ、【RUM-ソウル・シェイブフォース】を発動!自分の墓地の【RR】エクシーズモンスターをフィールドに召喚し、それよりランクが2つ上のエクシーズモンスターを特殊召喚するっ! 」
このカードは本来、コストとしてライフを半分支払うが、俺のライフは1。だが、1でもライフの半分をコストとしても、小数点の切り上げても0.65。つまり、俺のライフは1のままとなる。
「【エトランゼ・ファルコン】のランクは5。よって、2つ上のランク7のエクシーズモンスターを特殊召喚! 」
エトランゼ・ファルコンが天高く空を飛ぶと、もうひとつの太陽の様に体が燃え盛り、徐々に姿形が龍の形へと変貌して行った。手足は赤く鋭い爪を持ち、2つの翼は灼熱のように燃えたぎっていた。
やがてその龍は力を解放するように灼熱の業火の渦を吐き出し、その渦から災い呼ぶ竜が降臨した。
「現れろ!【覇王烈竜オッドアイズ・レイジング・ドラゴン】!! 」
覇王烈竜オッドアイズ・レイジング・ドラゴン
ランク7/エクシーズ/ドラゴン族/ATK3000/DEF2500
オッドアイズ・レイジング・ドラゴンがフィールドに降臨すると、俺の心に応えるように咆哮を轟かせ、今すぐにでも目の前にいる敵を潰したいと言っているようでもあった。
「【オッドアイズ・レイジング・ドラゴン】の効果発動!こいつがエクシーズモンスターを素材にエクシーズ召喚した時、エクシーズ素材を1つ取り除き、こいつ以外のフィールドのカードを全て破壊する!! そして破壊したカード×200ポイントの攻撃力をアップする!」
オッドアイズ・レイジング・ドラゴンの翼が燃え盛り、炎を纏わせた翼で全てを破壊し尽くした。
「破壊したカードの合計は俺のフィールド3枚とお前のカード3枚の6枚!よって攻撃力は1200アップ! 」
覇王烈竜オッドアイズ・レイジング・ドラゴン
ATK3000→4200
「更にこいつは2回攻撃出来るっ!! フィールドに何も無いお前はこれで終わりだ 」
「えぇそうですね 」
何なんだあの余裕そうな表情……と言うより、やる事をやった見たいな顔をしていた。だが、今の俺はそんな事を気にもとめず、奴にとどめを刺すことだけを考えていた。
「俺は【覇王烈竜・オッドアイズ・レイジング・ドラゴン】でダイレクアタック!! 」
攻撃力がアップしたレイジング・ドラゴンは2回分の攻撃力を1回で済ませようとエネルギーを集中力させ赤と紫が入り交じった光の弧が現れ、今にも爆発しそうな程のエネルギーを秘めていた。
「お、おい……あれ、ARだよな? 」
「あ、あたりまえだろ? 」
「でも何か妙にここ熱くないか……? 」
あまりの演出なのか、観客達はこのARを現実と区別がつかなくなり、ざわめきを生み出しては冷や汗をかいていた。
「消し飛べポルーションっ!!憤激のデストラクションバーストォォ!! 」
レイジング・ドラゴンの光の弧から全てを焼き付くす程のエネルギーが一気に解き放たれ、それがビームとなってポルーションはおろかこの会場の向こう側までビームは進んでいき、そこにいた観客達はARで言うことを忘れてその場から悲鳴を上げながら逃げていった。
「……ははっ、やはり近づいてる 」
最後にポルーションは何か言ったような気がするが、その言葉は憤激の業火と共に消し去った。
レイジング・ドラゴンの攻撃は止まる事を知らずにそのまま空高くビームを曲げ、己の存在を示すようにしていた。その光景が周りのデュエリスト達と観客達を注目させ、歓声を上げていたこの空間が一気に静まり帰った。
『な、なんだなんだ!?一体あれはどうなっているんだ!? 』
そして、フィールドおろか攻撃の射線上にあった地面も抉れるように燃え尽きており、向こうにあった観客席抉れるように溶け、ARな為観客の人は無事だが、畏怖の念を植え付けられたような恐怖心を目に浮かばせながら、オッドアイズ・レイジング・ドラゴンを見た。
ポルーション 残りライフ7999→0
WINNER 桜雪花衣
『しょ……勝者、桜雪花衣選手。どうやら、花衣選手の攻撃の演出らしいです。い、いや〜凄まじい演出でしたね! 』
勝利演出と共にレイジング・ドラゴンと、レイジング・ドラゴンの攻撃によって無くなった地面や観客席の演出も戻っていき、攻撃をまともに喰らったポルーションは相変わらずの態度を取り、俺の勝利を称えるような拍手をした。
「いや〜素晴らしい。まさかあそこで逆転するなんてやはり貴方は素晴らしい! 」
「そんな事はどうでもいい。あの女の事、話してもらうぞ 」
デュエル前に、ポルーションはデュエルに勝てばあの黒ローブの女について話すと言ってくれた。ポルーションは思い出したかのように手を叩くと、意外と素直に答えてくれた。
「そうですね……彼女は私達の中で最も貴方に対し、狂信的に崇拝しています。それ故、いつでも貴方の事を見ています。今もこの瞬間でも……ね。気をつけた方が良いですよ 」
「なんだそれ……! 」
「さぁね、私も困っているんですよ。狂信的で、純情と言うべきかなんというか、それで私達の中で最も力があるのだから尚更です 」
「そいつは何処だ! 」
「これ以上は話せませんよ。一応貴方と私は敵なんでね 。では私はこれで 」
「待てっ! 」
「花衣さーん!!」
服を掴もうと手を伸ばしたが、後から花音の声が聞こえて振り返った瞬間、ポルーションは黒い霧のような物と共にこの場から消えてしまった。
「か、花衣さん!さっき凄いモンスターが出てましたが何かありましたか? 」
「……いや、あれは俺のモンスターだ。結構強力なモンスターだからその分演出が派手になっただけだ 」
「そ、そうですか……? 」
息を切らした花音に俺の口からでまかせた言い訳に納得し、花音にはポルーションの事は何も言わずにいた。
花音の性格上、この事を知れば絶対に首を突っ込む恐れがある。だから、この事は俺だけの問題にするべきだ。
そしてこの瞬間、デュエルディスクからアラームのような音が鳴り響き、ちょうど予選が終わったようだ。
『はいそこまでー!最後はなにか飛んでもない事が起きましたが、これにて予選を終了しまーす!さぁ、最後の花衣選手vsポルーション選手の試合が最後だったので順位が確定しました!では、モニターをどうぞ! 』
会場のモニターとDバイザーの画面にランキングが表示され、Mixさんは1人ずつ紹介して言った。
ランキングは順位意外隠されており、誰が出場するのか分からなくなっていた。
『まずは第1位!なんと負けが1回だけというとんでもない記録で周りに差を見せつけました!【星空彼方】選手! 』
やっぱり彼方さんが1位か……しかも敗北が1回だけ……凄まじい記録だ。
『続いて第2位!クールな態度は刺があるのか!?クールビューティな【ロゼ・ジーク】選手! 』
ここまでは掲載されていた順位と変わってないな。それにしても変な紹介だな。ロゼはどう思ってるんだろう。
『第3位!これは意外!【見下成金】選手!情報によるとかなり完成度の高いデッキを作っている模様です! 』
あいつが3位か……あいつは取り巻きを利用してカードを集めていたから収集したカードは誰よりも多い筈。しかも、あいつはレゾンカードを拾ったと言っていた。1番注意しなきゃいけない人物かも知れない。
『続いて第4位!【ティア】選手!これはまた綺麗な人だ!観客の人達と予選選手の男性は彼女の美貌の虜になってました 』
一瞬誰かと思ったが、ランキング画面にはティアドロップの姿が映されていた。なるほど、ティアドロップのティアから抜いた訳だな。それにしても4位か……結構勝ってるな。どんなデッキを作ってるんだ?
『続いて第5位!【ボタン】選手!中華系で元気な子ですねー!あの口調私は好きです! 』
ボタンが5位か。まぁ性格的に火力高そうなデッキ使ってそうだから、数をこなしてのこの順位なのだろう。
『第6位!【エリカ】選手!うーんこれは美しい大和撫子!個人的に和傘をさして歩いて欲しい! 』
その人氷の傘を持って俺の隣を歩く時あるんですよ。って言ったらどうなるかな……ボタンに続いてエリカが6位……これはもしかしたら……
『第7位!【カンザシ】選手!これまた美しい大和撫子!礼儀正しく清楚な感じがまたたまりませんね〜! 』
(清……楚? )
俺はその言葉を聞き、カンザシの今までの行動を思い返してみた。
_旦那様、お背中流しましょうか?
_旦那様本日は寝かせませんよ?
_旦那様はワンちゃんになったんですか?ふふ、可愛いですね
「……清楚って言えるかなぁ、あれ 」
「旦那様?一体何を考えているんですか? 」
「いいいいえ!何でも無いです! 」
背後からカンザシが殺気を隠した笑顔で俺の背中に手を当てていた。
「ふふ、でも私の事を考えているらしいので許してあげます 」
「そ、そりゃあ良かった…… 」
『第8位!【スノー】選手!明るい雰囲気ながらも儚さも漂わせる人ですね〜!美しい! 』
これは……スノードロップか。しかしまぁ相変わらずの紹介だが、殆どの人がそう思っていることだろう。現にスノードロップの周りには這い寄るようにというか、狙っている男性に囲まれていた。
だが、スノードロップは意外とガードが固い。スノードロップは周りの人を綺麗にあしらい、俺を見つけると笑顔でこっちに手を振ってきた。……が、今反応したら周りの人にどんな目で見られるか分からない。ここはすまないがスルーしておこう。
『第9位!【レイ・カガリ】選手!結構ガンガン行く戦術が目立ちました!しかし不服な順位なのか口を尖らせています! 』
ここでレイが出てきたのか、言っちゃ悪いがロゼが3位ならもう少し上かなと思ったが……何か理由があるのだろうか。
『第10位!【宝石カレン】選手!しかし顔を見るからしてThe不服!悔しそうな顔をしています! 』
あ〜……あの人プライド高そうだもんなぁ……。
でも、予選の順位なんてものは大抵宛にはならない物かもしれない。確かに順位高い=デッキの完成度やプレイングの上手さに繋がるかもしれないが、次の決勝はトーナメント戦だ。順位の優劣なんて無いし、1位でも最下位でも、分け隔てなく出れるからあまり気にしないのもありかもしれない。
『さぁ徐々に順位が狭まっていくぞ!決勝に行くのは誰か!第11位は〜【ヘレボラス】選手!デカァァィィ!説明不要! 』
いやもうちょいまともに紹介しろよ。もっと他に良いところあるだろ。
「第12位は何と子供!【シクラン】ちゃんです!うーんその初々しい反応は私の心に効きます!可愛い! 」
もうこうなっては止めようがないな。うん、現にシクランも困惑して近くにいたヘレボラスにしがみつくようにしていた。
『続いて13位は何と同率!【ストレナエ】ちゃんと【プリム】ちゃん!これまた小さな女の子ですね〜2人とも明るく天真爛漫で見ているだけで癒されますね〜 』
「やった〜! 」
「同じ順位だね! 」
向こうでスノードロップの見守られながらストレナエとプリムはハイタッチして喜んでいた。
そして、俺は酷く焦っていた。現段階で14人の決勝進出者が出たが……まだ俺が出ていない。何なら花音も出でいない。隣にいる花音は両手を強く握って神様に祈りながらブツブツと呟いていた。
「お願いしますお願いしますどうか花衣さんだけは出場出来ますように……どうか花衣さんだけは出場出来ますように〜……! 」
ここまで自分も決勝に進出していないのに、花音は俺の心配をしていた。だったらこっちも花音が決勝進出出来るようにと祈っておこう。
そうして固唾をのんで、俺はMixさんの発表を聞いた。
『さぁ、残す事あと2人!第15位は〜なんと!これも同率なので一気に紹介します!最後の決勝進出者はこの2人だ! 』
モニターには一気に2人のデュエリストが表示された。
その2人の名前は、【先咲花音】。そして、【桜雪花衣】の2名だった。
「や…… 」
「やりましたよー!花衣さんっ!本当に良かったですー!! 」
嬉しさのあまりか隣にいる花音が俺に飛び込むように抱きついてきた。
様々な花の香りが心地よく鼻を通り、一瞬脳裏に花畑が映ったような気がした。
「ちょ、花音!? 」
「へ?……あっ、す……すみません!つい嬉しくて。その、ええと決して貴方に抱きつきたかった訳じゃ無くてその…… 」
花音は顔を赤く染め、何も言わずに顔を隠してしまい、そんな花音を見た俺もなんだか恥ずかしく気まずい気持ちになってしまった。俺と花音の間の空気が心做しか熱くなっていき、変な汗と鼓動が止まらない。
「なんだかラブコメの波動を感じます 」
いきなり俺と花音の間にレイが割り込み、俺と花音はその驚きでさっきまでの空気が変わり、気まずい雰囲気はレイのおかげで無くなった。……が、近くにいるカンザシ含めてのなんとも言えない空気は拭えなかった。
「見せつけてくれますね花音さん、もし対面に来た時はよろしくお願いしますね? 」
「か、カンザシさんの顔は笑っているのに何だか怖いです…… 」
「2人ともそこまでだ。せっかく全員決勝進出したんだ、今は喜ぼう 」
「ははは、中々愉快そうだね 」
すると聞いた事ある男性の声が割って入り、振り向くとそこにはグリュックさんがいた。
「あ、グリュックさん! 」
「やぁ、決勝進出おめでとう。……と、なんだい?君の周りには綺麗な女性が沢山いるね。どういう関係だい? 」
「えと、私と花衣さんはお友達で…… 」
「つがいです! 」
「伴侶です 」
「花音の言うことが正しいです 」
「随分と愉快そうだね、君の人生 」
同情なのか、あるいは哀れみか。いやこの人の場合面白がっている様子で笑っており、グリュックさんは一人一人に挨拶を交わしていた。
というより、グリュックさんが決勝進出しなかったのが意外だ。この大会において1番の優勝候補は圧倒的な運があるグリュックさんだと思っていたけど……やはり運中心のデュエルでは安定しなかったのだろうか?
「あの、グリュックさんは決勝進出出来なかったようですが…… 」
「ん、俺かい?というより俺は4戦しかやってないからね。そりゃあ決勝には進出出来ないよ 」
「よ、4戦!? 」
「俺の目的は、あのロマンス・タッグデュエルの人達と戦いたかっただけだからね。まぁ、俺の狙いは君だけだったけど、あそこにいた全員が参加してるのを見てからついでにさ 」
「という事は……花音はグリュックさんと戦ったのか? 」
「は、はい。まぁ、その人の運に負けてしまいましたが…… 」
花音は面目無いという顔をしていたが、この人の前では仕方ないと片付けられるのがグリュックさんの恐ろしい所だ。俺もいきなりこの人の運に翻弄されてギリギリの所で勝てたから……本当に勝ったのが奇跡な程だ。もし次戦うとしたら、今度は負ける自信しかない。
「はは、君も中々なものだったけどね。……ある意味では……ね 」
突然グリュックさんの花音を見る目の色が変わったかのように思えたが、やはり気の所為なのかグリュックさんはいつも見たいな飄々とした目をしていた。
「あ、そうだグリュックさん。カレンちゃんはどうでしたか? 」
「ん?あぁあの子ね。あの子程純粋な子は中々居ないと思うよ?俺の運を見る度に、貴方の運を超えてみせますわ!とか言っていたけど、俺の運に呆気なくやられてたよ 」
何かそういう場面が容易に想像出来るような気がする……その後きっとこんなの無理ゲーですわ!とか、イカサマですわ!とか言う未来が見える。
「でも1番ガッカリしたのはあの星空君だね、……正直言って落胆した 」
「え、彼方さんがですか?どうして…… 」
「なんというか……彼からは焦りしか感じられなかったよ。俺との勝負なんて眼中に無いって感じだ。あの子の引きには何も無いし、何も感じなかった。あの子は普段からああいう感じなのかい? 」
「いやそんな事…… 」
そんな事無いはずだ。よく会う人柄ではないけど、彼方さんはそんな焦る様な人では無い。
「ま、とにかく彼には呆気なく勝ったよ。……さて、俺はこれで失礼するよ、決勝頑張れよ 」
グリュックさんは颯爽とこの場から離れ、恐らくは観客席に向かったのだろう。
しかし彼方さんの様子がおかしい……か、一体あの人に何があったんだ?それに、ポルーションの言っていた言葉が気になる。
_彼女は貴方の事をいつでも見ています。今この瞬間でも……ね
つまり、あいつもこのピックアップデュエルに参加しているって言うのか?だが決勝戦は俺の身内ばかりだし……ならばこの数百人以上が集まるこの会場内の何処かにいるって事なのか?
そう考えると、何時どこで襲われるか分からない恐怖と焦りが汗が上がってしまいそうだ。
「旦那様、安心してください。必ず私が貴方の事を守ります 」
「私【達】ですよ。間違えないで下さい。カンザシさん 」
どうやらカンザシとレイ……いや、皆もかなりあの黒ローブの女の事を警戒していた。そんな暗影の中、時間は進んでいき、ピックアップデュエルの決勝トーナメントが始まろうとしていた……
_待っててくださいね?
ぞくっと、俺の体が槍にでも貫かれたかのような感覚と声が襲いかかり、俺は何故か向こうにある森へと体を向けた。
「何だ?今の…… 」
会場から離れた深く暗い森の中で、2人の男女が人知れずに話していた。1人はポルーションであり、もう1人は謎の女性だった。
「ふぅ、やっと見つけましたよ。全く貴方は本当に単独行動が好きですね〜そんなにあの人の事が好きなんですか? 」
「………… 」
彼女は何も言わずに首を縦に振った。
「言う必要無しですか、はいはい、貴方の狂信的な態度には脱帽しますよ 」
「……何しに来たのですか、あの方を監視するのが私の役目な筈です。邪魔をしないでください 」
「監視?はは、そう言えばそうでしたね。貴方が勝手に言い出した事ですがね 」
「私が1番あの方を理解しているんです。あの方の理想、信念、考え、行動、言動、真意……全て私が全て理解しているんです。だから私が適任なんですよ 」
「はいはい、饒舌ご苦労さまですよ。ところで、そろそろあの人目覚めそうですけどどうしますか? 」
「あの方が目覚めるのでしたらそれはあの方の意思です。尊重すること以外ありますか?無いですよね?それともあの方に仇なすのでしたら貴方の存在を抹消しますよ? 」
彼女は右手に黒いオーラをポルーションに向けるとポルーションは笑っていたが内心で冗談では無いと心の中で呟きながら彼女から距離をとった。
それ程彼女が恐ろしいのだ、例え自分が全力を出してもこの女には勝てない。そういう存在なのだ、彼女は。
「はいはい分かりました分かりました。本っ当に怖いですねぇ。きっかけを作ったのは私ですよ? 」
「えぇ……そうですね、本当に憎たらしい。本来それは私の役目だったのに……私ならもっと確実に、母親が我が子を起こすかのように優しくて甘い目覚めをさせたのに……貴方と来たらあの方に命の危機まで晒しておいて……!! 」
彼女の声がどす黒く濁りだし、ローブで顔は見えないが、確実に目を血走らせ、頭の血管が浮き出るほどの怒りの表情を浮かべていた。
命の危機を感じだポルーションはすぐさま逃げる体勢を裏で整え、平静を装って彼女との話を続けた。
「いやだって私にはあれしか取り柄が無いわけですよ。まぁ、そのように産み出されたのが私ですがね。貴方だってそうでしょ? 」
「……そうですね。所で、貴方は何しに来たんですか? あの方にわざと負けたのもバレバレでしたよ 」
「おや、やはりバレてましたか。でも私が負けたおかげであの人が勝ち上がったから大丈夫です。あと、ちょっと向こうに動きがあったので報告しようかなと 」
「……レゾンですか。まぁ、あの方が目覚めかけますからね。それで、具体的な動きは? 」
「どうやらあっちもあっちであの人を目覚めさせるらしいですよ。最も、かなり強引なやり口ですがね 」
「……あぁ、そういう事ですか 」
彼女はポルーションから事情も聞かずに納得し、ポルーションは目的を果たしたのか、この場から離れようとしていた。
「では私は失礼しますよ。貴方は貴方であの方のお隣でも狙っていて下さい 」
そう言ってポルーションは黒い渦の中へと消えていき、黒い渦も塵のように消えていった。
「隣……?ふふ、私があの人の隣なんて恐れ多いことです。ましてやあの方に隣なんていらないんですよ。あの方は誰よりも気高く、雄々しくて……あぁ……早く貴方に会いたいです。その器から抜け出して、私が崇拝する貴方に……はぁぁ……早く……早く! 」
昂る感情が体が出ないように彼女は自身の体を捩らせながら腕を強くつかみ、体の中から暴れ出す感情を抑えていた。彼女はそんな感情を押し殺しながら目の前に小さな黒い渦を形成し、その向こう側に見える人物……花衣を見つめた。
「あぁ……待ってて下さいね。今すぐに私がその偽物の姿から解放してあげますね。そして……貴方の周りにいる存在を全て……ふふふ、うふふふ……あっはっはっはっは!!!! 」
彼女の狂気に満ちた笑いで彼女の中にある感情が闇へと具現化するように、体の内側から外へと放出していった。その危険極まりない存在を森の中にいた動物と虫たち、挙句の果てには植物までもが今にも逃げ出したいと思っている程だった。
そして、その狂気は花衣に無意識に届いていた……
新キャラ紹介
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全てが謎に包まれている謎の女性。
黒いローブでその身を包み込み、六花、閃刀姫、ウィッチクラフト、蟲惑魔達の猛攻を難なく躱した存在。
ポルーションと同じ組織に加入しており、その実力はポルーションよりもはるかに凌ぐ力を持っている。
【ある方】を狂信的に崇拝しており、彼女の行動原理となっており、それ以外のことに関しては興味どころか害と認識している。
ここまで(〜90話)出てきたレゾンカードの中で強いと思うのは?
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六花聖華ティアドロップ、カイリ
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閃刀騎-カイムと閃刀騎-ラグナロク
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銀河心眼の光子竜
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RRRリノベイルイグニッションファルコン
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炎転生遺物-不知火の太刀
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常闇の颶風