六花テーマを作って愛用したらそのまま俺への愛が重くなった件について   作:白だし茶漬け

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こんにちは、ふわんだりぃずと勇者カードがマスターデュエルに来てゲロ吐きそうな白だし茶漬けです。

さて、物語パート半分、デュエルパート半分という構成なのでかなり文字数が多いですが、話のボリュームはそこまで変わってないと思います。




たった1人の家族

 

 きっと今頃、会場ではAブロック第2試合であるカンザシとヘレボラスのデュエルが始まっている頃だろう。 

 

 その証拠に、ここ2階観客席に繋がる連絡通路から観客達の大歓声が聞こえてくる。

 

 そんな中、目の前にいる彼方さんと俺はある一つの問題点に直面にしている。それが……彼の妹であり、たった1人の家族である天音ちゃんの誘拐だ。

 

 俺がこれを知ったのはストレナエとデュエルする前、つまりトーナメントが発表された時だ。その時彼方さんの服からこんな手紙が見つかったのだ。

 

 ﹁お前の妹は預かる。返して欲しくばこの大会に出場し、桜雪花衣と決勝トーナメントで戦え。勝敗はどちらでもいい。﹂

 

 一目見た時瞬間のインパクトが凄まじすぎて手紙の内容が忘れられず、今こうして話を聞いてるのが今の現状だ。

 

「それにしても……天音ちゃんが誘拐されるなんて…… まさか、監視者……つまりウィッチクラフトの誰かが天音ちゃんを? 」

 

「それには俺も考えたが……そもそもウィッチクラフト達の目的は君の監視だろ。何でわざわざ天音を狙うんだ 」

 

「じゃあ……ポルーション達とか? 」

 

「前に君の話を聞いた感じだと、そいつらは君に対してかなりの興味を持っている。さっきの事といい、天音を狙う必要性が見当たらない 」

 

「……確かに 」

 

 確かに何故天音ちゃんを狙うのがよく分からない。仮に誘拐した犯人がウィッチクラフトかポルーション達のどちらかと仮定すれば、俺の監視と俺への執着がある双方が狙うのは間違いなく俺だ。確かに天音ちゃんを狙う必要は無い。

 

 だとすれば、考えられる可能性は1つしかない。

 

「……天音ちゃんを拐ったのは別の奴、もしくはその組織の可能性がある? 」

 

「あぁ、それが妥当だ 」

 

 ここに来てまた新たな存在か……流石に周りに敵多すぎだろう……ウィッチクラフトは監視者でポルーション達は敵対関係だし、第三勢力とかだと嫌だぞ俺……

 

「頭を抱えている所すまないが、この手紙には不可解な所がもう1つある 」

 

「もしかして俺のことですか? 」

 

「あぁ。天音を返して欲しければ君と戦えって、ますます不可解だ。この手紙の差出人は、どうあっても俺と君を戦い合わせたいらしいな 」

 

 確かに、返して欲しい条件も謎だった。この大会で優勝では無く、俺と戦う事。それが天音ちゃんを返す条件なのも謎を謎を呼んでいた。

 

「俺からすれば……正直、今すぐ君と戦いたいぐらいだ。こうしている間にも、天音が何かされていると思うと……怒りでどうにかなりそうだ 」

 

 表面上では冷静な彼方さんだが、無意識に右手を力強く握っており、その力に自身の手が耐えきれずに血を出していた。そんなことも言い出しにくい空気の中、彼方さんは俺に言葉を発した。

 

「正直、俺は君達を疑っている 」

 

「はっ?何で俺達が天音ちゃんを? 」

 

「確かにそうだな。だが、俺がこの大会に出場しなかった理由を知っているのは、あの場にいた君と六花、そして閃刀姫、最後に……君が連絡した花音さんだ 」

 

 彼方さんがこの大会に出場しなかった理由って確か……天音ちゃんを1人にしてしまうという事だよな。

 

 この大会はどんな理由であってもチケットが無いものは会場には入れず、訳あってチケットを1枚余っていた俺は、彼方さんにそれを渡そうとした時に、出場しない理由を聞いた。

 

 妹を1人にしては置けない。それが、彼方さんが出場しない理由……まさか!

 

「じゃあ、この大会に出場させて貴方と俺を戦わせる為だけに天音ちゃんは俺たちの誰かが拐ったって言いたいのですか!?俺達がそんなことする訳…… 」

 

「そんなこと分かってるっっ!! 」

 

 行き場の無い怒りをぶつけるように彼方さんは連絡通路の壁に思い切り拳をぶつけ、コンクリートでぶつけた壁に小さな亀裂が走り、彼方さんは痛みを堪えて静かに血を流していた。

 

「君たちがそんな事をしないのはよく分かっている!だけど、俺がこの大会に出場しなかった理由を知っているのは君達だけだ!! 」

 

 焦りが声に出ている彼方さんは息を荒らげ、顔を合わせられづらいのか両目を片手で隠したそのまま壁に持たれて座り込んだ。

 

「……すまない、だが本当に俺は心配で仕方ないんだ。天音は……俺のたった1人の大切な家族なんだ 」

 

「彼方さん…… 」

 

 悲痛で静かな叫びが俺の胸にも届き、胸が張り裂けそうな気持ちになっていた俺は、彼方さんに何も言えなかった。いや、言える訳が無い。

 

 彼方さんは早くから両親を失って、1人で天音さんを守ってきたんだ。軽々しく大丈夫とか、心配ないとか言える訳が無い。そんな権利は……俺には無い。ただ立ち尽くすだけの俺を見た彼方さんは、自分の焦りと怒りを紛らわす為か、それとも単なる申し訳なさなのか分からないが、話を変えた。

 

「……天音が何であんな激しい人見知りなのか、知ってたっけ? 」

 

「え?いや……知りませんけど 」

 

「実は、こういう風に拐われた事が昔1度だけあるんだ 。あの日以来、天音は少し他人が怖くなってしまって今の人見知りな性格が生まれたんだ 」

 

「そうだったんですね…… 」

 

「昔に比べれば大分落ち着いた方さ。そして、その日は俺が精霊が見えた日でもあったんだ 」

 

「精霊が……? 」

 

「俺は天音のように最初から精霊が見えた訳じゃ無いからな。……天音が拐われたあの日は激しい土砂降りだった。突然誰かも分からない奴に天音は腕を引かれて連れていかれ、まだ幼かった俺は力の差に負けて道端に吹き飛ばされたよ。……今でも忘れないさ 」

 

 その時の無力感を思い出すかのように、彼方さんの目は力強くなっていった。

 

「俺はそいつの後を追った。だけどそいつはまるで風のように消え、天音の姿も見えなくなった。それでも雨の中必死な天音の名前を叫んで探し回って、ついには自分がどの場所にいるのかさえも分からなくなっていった。雨の冷たさで体も震え、体も心も疲弊仕切ったその時、一体のモンスターが俺の目の前に現れたんだ 」

 

「そのモンスターって? 」

 

「【クリフォトン】だ。天音が持っているカードの1つで、初めて見た時は自分の目を疑ったよ。【クリフォトン】はまるでついて来いって言うように先に行った。宛も無い俺は必死について行ったよ 」

 

 その後、彼方さんはその時の状況を詳しく話してくれた。ついて行っている間、周りの人はクリフォトンの姿が見えない様子であることから、クリフォトンは実体化していない。つまり彼方さんはこの時突発にクリフォトンを見えたらしい。

 

「【クリフォトン】について行って辿り着いた場所は、昔よく行っていた山の展望台だった。そこに寝ていた天音ともう一体、【銀河眼の光子竜】が天音を雨に打たれないように全身で天音を包んでいたんだ 」

 

「【銀河眼の光子竜】って…… 」

 

「俺のエースモンスターだな。ま、その時の俺は【銀河眼の光子竜】は使ってないし、あれが俺と銀河眼の初めての出会いって訳だ 」

 

「それで、銀河眼デッキを? 」

 

「あぁ、銀河眼は俺を見た瞬間役目を終えた様に光となって消え、1枚のカードになって俺の手にやってきた。まるで、今後も俺を使えって言ってるようにな 」

 

「……天音ちゃんを拐った人は? 」

 

「残念だが見つかってない。警察にも一応連絡したが、証拠不十分でまともな捜査すらしてないだろう 」

 

「じゃあ、もしかしたら今天音ちゃんを拐ってる人とその人って……同一人物の可能性が? 」

 

「……あるにはあるだろうが、確信は無い 」

 

 だが、可能性は大きいだろう。何か目的があって昔天音ちゃんを拐ったのだとしたら、今度もその目的の為に拐ったのだろうか。だが、その理由や目的もまだ分からないままで状況は変わらない。

 

 どこにいるのかも、どうしているのかも分からない状況で、彼方さんは苦しんでいる。

 

「やっぱり、皆と協力して天音ちゃんを探した方が…… 」

 

「ダメだ、下手に騒ぎを起こしたら天音がどうなるか分からない。ここは俺と君だけの秘密にしよう 」

 

「でも…… 」

 

「君と俺が出来る事と言えば勝って準決勝に駒を進める事だ。次の試合はカンザシかヘレボラスと戦うことになるんだろ?だったら早く試合を見に行って相手がどんなデッキか観察するといい 」

 

「うぐっ、確かに……俺この大会で綺麗に勝った事なんて1度も無いんですよね…… 」

 

「しかも、本来なら君は負けていたからね 」

 

「えぇ!?ど、どの辺ですか? 」

 

「ストレナエが使っていた【否定ペンギン】がいるだろ?あのモンスターがフィールドにいる限り、手札に戻る効果は除外される効果になる。もしストレナエが【否定ペンギン】がいる状態で【ペンギン・忍者】の効果を使えば…… 」

 

「……完全に詰んでた 」

 

「そう、俺も予選でそういう見落としがあるのを沢山見てきたしな。だが、次の対戦相手になるカンザシかヘレボラスは、そんな事は起こらないだろうな、性格上 」

 

 確かに、2人とも見落としか無さそうだもんなぁ……

 

「そういう訳だ。俺も君も、お互い勝たなければ天音がどうなるか分からない。こんな事言うのもなんだが、負けないでくれ、絶対に 」

 

 彼方さんの負けたら承知はしない……いや、負けたら恨むと言わんばかりの強い眼差しで俺の体は緊張か恐怖なのか、彼方さんの前では動けなくなった。

 他人の命の為にデュエルしたのは何も初めてじゃない。だけど……それでも怖い。自分の危機ならまだしも、他人の危機が俺の手にかかっているのはそれ以上にプレッシャーだ。それが知り合いの大切な人なら……尚更だ。

 

 だが、今更逃げる訳には行かない。やらなければ、誰かを失うかもしれない……その怖さはあの時で充分痛感したのだから。

 

「……何だか不思議だよ。こんな話をしたのは君が初めてだ 」

 

「え、今まで誰にも話した事ないんですか? 」

 

「当然だろ?いきなりデュエルモンスターズのモンスターが見えるようになりしました。なんて誰が信じられるんだい? 」

 

 確かに……あんまりというか、絶対に信じてくれない人が大半だろう。ギリギリ信じてくれるのは、俺が出会った中では霊香と霊亡さんの2人だろう。

 

 2人は霊感が強く、除霊家という物だから霊が見えるらしく、特に霊亡さんはその霊……ここでは、精霊の声を聞けるらしい。実際、俺はひとひらの言葉を聞かせてもらったし、彼女ならば信じてくれるだろう。まぁ、かと言ってこの事を話すかは別だが。

 

「話していると、少し落ち着いてきたよ。すまない、君達の事を疑って 」

 

「い、いえ…… 」

 

「だが、心の奥底ではまだ君達に対しての疑念は残っている。俺に妹がいる事、俺がこの大会に出場しなかった理由の2つが揃っているのは、君達だけだ 」

 

 確かに、その2つの条件があるからこそ俺達は疑われたんだよな……俺達以外でその条件にあう人と言えば……もう答えは1つしかない。

 

「……あの時、店にいた客か店員にもそれは言えるんじゃ無いですか……? 」

 

「店にいた人物?……」

 

「はい、というか店員なら怪しまれずに作業しながら俺達の話を聞けるんじゃないですか?近くにいた店員さんがどんな人かは忘れましたけど…… 」

 

「確かに可能性はあるにはあるが。天音や俺、そして君との接点が無さすぎるぞ。やる理由が見当たらない 」

 

「それは確かにそうですけど…… 」

 

 彼方さんに妹がいる事、俺達の話を聞いていた2つの条件に入っているのはいるが、肝心の接点、事件とかで言うと動機が見当たらなくなってしまい、店員の線は薄まった。

 

 そもそも天音ちゃんを拐った理由が俺と彼方さんを戦わせる事っていうのが最大の謎だ。戦うだけなら予選でも可能だが、この手紙の主はわざわざ決勝トーナメントを指定している。しかも大会に優勝しろではなく、俺と戦うという事が条件で勝敗はどうでもいいというのがさらに謎だ。

 

「うーん、考えれば考える程分からないことだらけどな…… 」

 

「そもそもこの手紙の主の意図が不明だからな。考えるだけ無駄だろう 」

 

「では私から少しアドバイスをしてあげましょうか? 」

 

 透き通った声が響き渡り、俺と彼方さんは後に振り返り、逆行を背にした黒いローブ姿の奴がいた。あいつは……間違いない、蟲惑魔達の所にいた女だ。

 

 女から放つ圧に俺と彼方さんは本能で危険と感じ取り、女から一歩足を下げ、目を離さないようにしていた。

 

「そんなに警戒しないでください。私は貴方方に危害を加えるつもりはありません 」

 

「……どうかな、お前、ポルーションの仲間だろ?奴から聞いたぞ 」

 

「仲間……ですか、まぁ有り体言えばそうですね 」

 

「お前は一体誰なんだ!! 」

 

「申し遅れましたね。私の名前は【ウェルシー】も申します。以後お見知りおきを、花衣さん 」

 

 ウェルシーと名乗った女性は礼儀良く挨拶とお辞儀を交わし、ポルーションとは違った何か不気味な物を感じた。

 

「そしてそちらの方は……ええと、誰でしたっけ? 」

 

「……星空彼方だ。自己紹介はいい、お前天音の事を知っているのか? 」

 

「えぇ、既に場所の目処が立っていると言えば……どうしますか? 」

 

「なっ…… 」

 

 今1番彼方さんが欲しがっている情報を言い出したウェルシーに、彼方さんは冷静を保っているが、内心では今でも飛びつく勢いだろう。

 

 だけど……本当に信じて良いのか?そもそも何で場所を割り出したのかも不明だし、助け舟を出す理由も分からない。まずはそこから聞き出すのが1番か……?

 

「どうして俺達にそんな情報を? 」

 

「どうしてって……貴方の為に決まっているじゃ無いですか 」

 

「は? 」

 

 天音ちゃんを助ける事が俺の為って……どういうことだ?意味が分からない。意味がわからなすぎて俺の頭の中では疑問で埋め尽くされ、隣の彼方さんも困惑していた。

 

「どういう事なんだ! 」

 

「私の行動は全て貴方の為です。それ以外に私が存在する理由なんてありません 」

 

 全く話が噛み合わないというか……遠回しに話す気が無いようだ。それでもウェルシーが言っている事は嘘のようには思えない。

 異常な献身的な圧が更に恐怖を加速させ、気を持たないと足が震えて一歩も動けなくなりそうだ。

 

「ふふ、では質問します。天音という子が何処にいるのか知りたいですか? 」

 

 ここは彼方さんが答えるべきだと目で彼方さんに訴え、俺の意思を汲み取った彼方さんは迷わず答えを出した。

 

「……教えてくれ。天音は俺の大事な……たった1人の家族なんだ! 」

 

「家族は大事ですからね。ではお話します。彼女は今……ん? 」

 

 天音ちゃんの居場所を言おうとしたその直後、ウェルシーこ背後から豪炎の球がウェルシーに襲いかかり、ウェルシーは余裕を持って右腕でその炎の球を右手で指を鳴らしただけで消滅させた。

 

 炎の球が放たれた所にはまた別の人影がたっていた。

 人影の右手はさっき炎の球を打ったせいか残火が残っており、それよりも一際目立っている背後には……大きな尻尾の様なものが逆立つ様になっていた。

 

「仕留め損ねたっ……! 」

 

 闇討ちが失敗した人影はそのまま更なる炎の球をウェルシーに撃ち続け、ウェルシーは後ろに振り返らずに炎の球はウェルシーの目の前で闇の霧のような物に包み込まれて消えてしまった。

 

 しかし、倒すつもりは無かったのか炎の球を打った人影はさっきいた場所から消えてしまっていた。

 

「やれやれ、困った人もいるものです 」

 

「さっきの奴は何なんだ? 」

 

「うーん、強いて言えば天音という子を拐ったグループの1人ですかね 」

 

「何……!?ちょっと待て、あの風貌からしてアイツはモンスターだ。それにグループって…… 」

 

「はい、天音という子を拐ったのは1人ではありません。しかし、今の話を聞かれたからにはまた場所を変えるでしょう。うーん、困りましたね 」

 

「くっ……天音……!」

 

 折角場所を知れたはずの歯がゆさで彼方さんは歯を食いしばり、悔しさをぶつけるように傷ついた右手で壁を殴った。

 

 これで状況は振り出しに戻ってしまい、最早俺たちではどうする事出来ない。相手がモンスターで複数人なら勝ち目も無い……手詰まりだ。

 

「どうすればいいんだ……! 」

 

「では、私が天音という子を助け出しましょうか? 」

 

「……お前を信じろって言うのか? 」

 

「はい、ですが花衣さんが私を信じないと言うのならば、私はもう行動はしません。どうしますか? 」

 

 まさに悪魔との取引だ。こっちとしてはまだウェルシーを信じられないし、何より、もし救出に失敗したら天音ちゃんの身に危険が及ぶかもしれない。

 ここは兄である彼方さんに判断を促し、彼方さんの判断を待った。

 俺の目を見た彼方さんは、俺と同じ事を考えているのか迷いに迷っていた。無理もない、自分の妹の危機を左右する選択だ。想像絶する苦悩や恐れは他人が感じられる程軽くは無い。

 

 長い長考の末、彼方さんは顔を上げて答えをだした。

 

「……天音を頼む 」

 

 彼方さんが出した答えは、ウェルシーを信用する事だった。……が、しかし、当の本人であるウェルシーは彼方さんの言葉はまるで聞こえないのか無反応を起こしていた。

 

「……どうした? 」

 

「私は花衣さんの言葉しか聞きません。花衣さん以外には全員蛆虫や塵芥の様な存在です。そんな存在の言う事聞けますか?聞けませんよね?それと同じぐらいなのですよ 」

 

「……花衣君、頼んだ 」

 

「こいつを信用するって事で良いんですよね? 」

 

 彼方さんはこくりと頷いた。

 

「……こっちからも頼む。天音ちゃんを救ってくれ 」

 

「はい!貴方の為ならどんな事をしてでもやり遂げます!! 」

 

 彼方さんの時とは打って変わって態度が急変し、ローブで顔をは見えないが、きっと目を輝かせているのだろう。

 

 ……何だかこいつ、レイやロゼに似ているな。顔ではなく、性格がだが。俺以外には毛ほどの興味も無く、俺に対しての心配や忠誠が凄まじく高い。だが、何故だ?

 俺はこいつを知っているような……?

 

 どこが聞き覚えがあるような気もする。……ダメだ、頭がぐちゃぐちゃで考えがまとまらない。でも、俺のこの感覚は間違ってないような気がする。確信は無いが、当たらずとも遠からずが今の現状だ。

 

 そんな中でもウェルシーは俺からの頼み事をされた嬉しさなのか舞い上がっており、鼻歌混じりで端目で見ても分かるほどの上機嫌だった。

 

「では花衣さん!行ってきますね!!貴方の願いを邪魔する者がいたら、直ぐに処理しますから! 」

 

「それはやめろ 」

 

「ヘ? 」

 

「誰も傷つけるな。天音ちゃんとここには関係ない人達は勿論、天音ちゃんを拐った奴ら全員だ。もしこれが守れなければ、さっき言ったことは無かったことにしてくれ 」

 

「花衣くん……君は…… 」

 

「……すみません彼方さん。でも俺、誰かを助ける為に誰かが傷つけられるのは御免です 」

 

 もしもここでウェルシーがこの条件が飲み込まなければ、彼方さんの意志を無下にするという事になる。彼方さんは驚いた顔を浮かべて俺を見ていたが、俺の意思は変わらない。もしここで彼方さんに許されなくても構わない。自分よがりのエゴだって分かっている。

 

 だけど、俺はもう……命を天秤に図ることなんて繰り返したくない……!

 

 そんな俺の中に眠る叫びが、確かにここにはあった。

 

「………は?何ですかそれ 」

 

 するとさっきまで上機嫌だったウェルシーの周りから黒い影が溢れ、まるでそれはウェルシーの怒りを表すものでもあった。

 

「花衣くん!離れろっ! 」

 

「部外者は黙ってて下さい 」

 

 俺を助けようと手を伸ばした彼方さんは、ウェルシーの闇のオーラに掴まれ、そのまま壁に押し付けられるようにして身動きを封じられてしまった。

 

 彼方さんは何とかして拘束から逃れようとするが、掴んでもすり抜けてしまうオーラは彼方さんの一切の抵抗を無にさせてしまい、彼方さんはただ見ることしか出来なくなってしまった。

 

「何で?何で?何で?何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で?どうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうして?どうしてなのですか? 」

 

 急に壊れた機会かのように繰り返し疑問の言葉を言いながら俺に近づき、俺の両肩を強く握ってローブの向こうに移る紫色の瞳がこちらを見つめた。

 

「私の知っている貴方はそんな事言わない。私の知っている貴方はもっと強いのです。そんな他人を考えるような人じゃありません。そんなの貴方じゃない、さっきの言葉は間違いですよね?きっと敵を殲滅し、私の身が滅びてでも目的を達成しろの間違いですよね?……ね? 」

 

 見つめられている紫色の瞳の眼光が鋭くなり、その目は見ただけで人を射殺す程強く、そして恐ろしくもあった。全身の細胞がウェルシーを恐れるように震えのが感じ、ウェルシーが掴んでいるの手がますます強くなっていた。

 

 それでも俺は自分の意志を曲げずにウェルシーの目を見続け、自分の意志を貫き通す。例えそれで今この場でこいつに手をかけられても、俺は後悔はしない。

 

「……あぁそうですか。まだ貴方はあのお方ではないんですね 」

 

「どういう意味だ。まるで俺が別の誰か見たいな言い草だな 」

 

「事実そうですよ?だって貴方は……ん? 」

 

 ウェルシーが何かに気づいた瞬間、突然ウェルシーの背後から氷の槍がウェルシーに突き進んできた。

 しかしウェルシーは表情や態度を1つ変えずに背後の氷の槍を肩手で弾くように防ぎ、槍は粉々に砕け散ってしまった。

 

 しかし、砕けた氷の破片に潜むようにまた別の影が剣を構え、赤い奇跡を描きながらウェルシー目掛けて剣を振り上げた。しかし、ウェルシーはその剣もいとも容易く親指と人差し指と中指でつまむようにして剣……いや、閃刀を防いでいた。

 

 一連の流れが止まり、ウェルシーに攻撃を仕掛けた人物の姿がようやく目に映った。そこに映ったのは紛れもなくティアドロップとレイだった。

 

「ティアドロップ!?それと……レイ!?何でここに!? 」

 

「花衣様、話は後です! 」

 

「今はとにかくこいつを無力化します!ティアドロップ!援護を! 」

 

「言われなくとも分かっています! 」

 

 ティアドロップはすかさずさっきの氷の槍とは違う、氷の刃をティアドロップの周りに無数に形成し、氷の刃は全てウェルシーに向かった。

 

 氷の刃はティアドロップの意志によって操作しているのか、ウェルシーの近くにいる俺やレイを避けながらウェルシーだけを当てに行っていた。

 しかし、ウェルシーに触れる前に黒のオーラが氷の刃を防ぎ、刃はウェルシーに触れることすら叶わなかった。

 

「今日は何だか私と花衣さんの邪魔する物が多いですね 。ですが、もう良いです 」

 

 ウェルシーはレイを蹴り飛ばし、俺を掴んでいた手と彼方さんを掴んでいたオーラを消して一旦離れ、ウェルシーは黒のオーラに包まれ、この場から去ろうとしていた。

 

「花衣さん、さっきの話は無しにします。残念ですね、妹を助けられなくて 」

 

 ウェルシーは彼方さんの見てそう言っていたが、彼方さんは不敵に笑っていた。

 

「いや、そうでも無いさ 」

 

「何ですって……? 」

 

「誰かを犠牲にして天音を助ける事は俺だって望んでないさ。そんな事したら、天音に合わせる顔が無いってものだ 」

 

「その子は貴方の大切な人では無いのですか?なら手段を選んでいる暇は無いのですよ?その子がどうなっても良いのですか? 」

 

「良くないさ!だけど……俺は俺のやり方で天音を助ける! 」

 

 何故か彼方さんは俺の事を見ると笑った。

 

「1度はお前に頼んで悪いが……そんな手段しか取れないならこっちからお断りだ!! 」

 

 彼方さんは苦しながらも立ち上がり、ウェルシーに向かってそう吐き出した。

 

「……そうですか、まぁ私には関係ありません。私にとっては花衣さんが全てなのですから 」

 

「貴方に花衣様は渡しません 」

 

「そうです。花衣さんは私のものです 」

 

「……蛆虫が 」

 

 そう言ってウェルシーは闇に呑み込まれて消えてしまった。逃げた……いや、逃げてくれたと言っても良いだろう。ウェルシーはまだ力の半分すら使ってないようにも感じ、まだまだ底が読めない。今後も注意が必要な人物だが、それよりも俺は1つ気になる事に口を出した。

 

「それにしても、お前らよく来てくれたな。俺ここにいるなんて一言も言ってないんだぞ? 」

 

 そう、ティアドロップとレイがここにいる事だ。まるで俺達の今の状況を呑み込んだかのようなタイミングで颯爽と現れ、状況を把握しなければ絶対に出来ない芸当だ。

 

「それでしたら、これのおかげです」

 

 その事について質問すると、レイが左手をクイッとあげると、俺の腰の辺りから何か小さな物がレイの手に戻り、レイはそれを俺に見せ、レイの手のひらには肉眼でギリギリ見えるぐらいの小さな機械があった。

 

「これはホーネットビットμと言って、発信機等の役割を持ってます。これで花衣さんの位置や体調は勿論、花衣さんが何を話した事もお見通しです 」

 

「へぇ〜それは凄いな……ちょっと待て、それ使って俺の日常とか探ってないだろうな? 」

 

「…………黙秘権を行使します 」

 

「おい!! 」

 

「も、もうしませんよ〜!! 」

 

『もうしない』という事はいつもこれを使って俺の事を見ているのは間違いない。まさかレイに盗聴されてとは……

 

「じゃあ、天音ちゃんの事はもう知ってるな? 」

 

「はい、まさか誘拐とまで行くとは思ってもいませんでしたけどね…… 」

 

 無理もない、俺も最初聞いた時は動揺した。

 

「どうしますか?とにかくこの事を他の皆に話して協力を…… 」

 

「いや、この話はここにいる4人の秘密にしよう。もしもそっちがわざと負けたと手紙の主にバレでもしたら天音がどうなるか分からない 」

 

 彼方さんの言うことは最もだった。俺と彼方さんが戦ったら天音ちゃんを返すと書いていたから、絶対にこの会場の何処かに手紙の主はいる筈だ。

 だから当然デュエルの行く末は見届けられており、下手な事をすれば天音ちゃんの身が危ない。ウェルシーの協力を蹴った今、天音ちゃんを助けられる方法は……全力で勝ち進む事。これだけだ。

 

「幸いにも君たち2人はBブロックだ。君達は君達で全然で戦ってくれ 」

 

「当然です。私は誰にも負けませんからね! 」

 

「はい、私も負けるつもりはございません 」

 

「言いましたね? 」

 

「はい、言いました 」

 

 既にティアドロップとレイの勝負心は滾っており、見えない火花が2人の間でバチバチと走らせていた。

 

「そこまでだ2人共、それでこれからどうしますか彼方さん 」

 

「そうだな……もうここにいる理由も無いし、試合を見てお互い勝つ事に集中しよう。君は今やっている試合を見て次の対戦相手の対策とか考えなくちゃ話にならない 」

 

「分かりました。……勝たないとですね、しかも彼方さんの初戦って…… 」

 

「見下ですね。花衣さんのデッキを奪った事のあるあの下衆がまさか参加しているとは思いませんでしたが 」

 

 そう、しかもアイツは手駒を使って自分のデッキの完成度を高めていた。恐らく今いる参加者の中で1番自由度が高く、安定しているデッキだ。しかも……あいつは確か……

 

「それじゃあ俺はもう行くよ。君と関わっている所を手紙の主に見られたりしたら困るからね。じゃ、また会おう 」

 

「待って下さい!見下はレゾンカードを持っています!だから……気をつけて下さい 」

 

 レゾンカードという言葉を聞いた彼方さんはその場で足を止め、ゆっくりとこっちに振り返ると小さく笑いながら親指を上げた。

 

「心配するな。俺はあんな奴には負けないさ 」

 

 彼方さんはただそう言い残し、向こう側の環境席に行ってしまった。

 

「では、私達も行きましょう 」

 

「そうだな 」

 

 俺達は彼方さんとは反対方向の道に戻り、ストレナエが待っている所に足を運んだ。

 

 通路を抜けると連絡通路から聞こえてきた大歓声が耳どころか体全体に伝わり、その瞬間フィールドには意外なモンスターがバトルしており、どうやらそれなりのターンが経過し、デュエルは中盤辺りに差し掛かっていた。

 

 フィールドにはそれぞれ一体ずつモンスターが存在しており、今はヘレボラスのターンとなっていた。

 

「私のターンドローです! 」

 

「相手のスタンバイフェイズ時【ドグマガイ】の効果により、貴方のライフは半分にさせます! 」

 

「くっ……! 」

 

 フィールドにはD HEROドクマガイとあと一体は……何だあれ?列車のような物が空中で線路を作りながらフィールドを走っており、しかも列車の割にはやけにいかつい装甲をしているような……

 

「あっ!花衣くーん!こっちこっち〜!! 」

 

 向こうからストレナエの声が聞こえ、声を頼りにストレナエがいる席を見つけると、ストレナエだけではなくプリムやシクラン、ひとひら、エリカ、ボタン、スノードロップ、ロゼもそこにいた。

 

「結局、こうして皆集まってしまったな 」

 

「良いのでは無いですか?私達は昔も今もずっと一緒にいましたから 」

 

「ねぇねぇ〜!立ってないでこっちに座ろうよ〜 」

 

 ストレナエは俺の腕を引っ張ってストレナエが座っていた席まで案内した。

 

「ここに座って座って! 」

 

「え?ここストレナエが座っていた席だろ? 」

 

「良いの良いの! 」

 

 半ば強引にストレナエに席を座らされ、俺はしぶしぶ席に座るとストレナエは透かさず俺の膝の上に座った。

 あまりの行動に俺や皆は目を丸くさせてストレナエと俺を見た。

 

「えへへ〜特等席〜!」

 

「あー!!ずるいー!私も花衣君の膝に乗りたいのに〜!! 」

 

 地団駄を踏んでいるプリムをストレナエは見せつけるように更に俺に密着し、勝ち誇った笑みを浮かべていた。

 膝の上に幼い少女を乗せているという字面的にも絵面的にもやばい事が起こっており、周りの人達も微笑ましい目で見たりもすれば、少し蔑んだ目や羨ましそうな目をしている人だっていた。そんなこんなである意味の注目の的、しかもさっきまでデュエルしていた2人だからその注目は留まる事を知らなかった。

 

「うぅ、視線が四方から感じられる…… 」

 

「大丈夫ですか花衣さん?もし周りの奴らが邪魔なら私とロゼちゃんが始末しましょうか? 」

 

「お前が言うと本気になりそうだからやめろ。別に大丈夫だから、それよりもカンザシとヘレボラスのデュエルはどうなっているんだ? 」

 

「そ、それなら今までのヤツをメモしてるよ。見てみる? 」

 

 シクランが書いたのメモを見てみると、今現在のフィールドはこんな感じだ。

 

 

 4ターン目 後攻

 

 カンザシ:残りライフ 3000 残り手札1枚

 

 □□⑤④⑥

 □②①③□

 □ □

 □⑦□□□

 □□□□□

 

 ヘレボラス:残りライフ 4000 残り手札1枚

 

 ①:D-HERO ドグマガイ

 ②:D-HERO ディスクガイ

 ③:D-HERO ドローガイ

 ④、⑤、⑥:伏せカード

 

 ⑦爆走特急ロケット・アロー

 

 

「こんな感じだよ。あの【爆走特急ロケット・アロー】の攻撃力が5000あって、カンザシさんはなかなか攻撃が出来ない状況だよ 」

 

「こ、攻撃力5000!?そんなものがフィールドにあったら倒せないじゃないか…… 」

 

「ですが、あのモンスターが存在する限り、自分は魔法と罠は発動も出来ないし、セットも出来ないの。それにエンドフェイズに手札を全部捨てなくちゃならないから、ちょっと苦しいかも 」

 

「しかもカンザシのフィールドには【D-HERO ドグマガイ】がいるネー。さっきあれを召喚してヘレボラスのライフを半分にさせたからまだまだ分からないヨ 」

 

 シクランとボタンの解説により、状況は大体把握できた。攻撃力5000のモンスターと、相手のライフを半分にさせるモンスターか……

 

 このターン、ヘレボラスはドグマガイを倒さなければライフが一気に2000となり、魔法も罠も発動出来ないとなってはキツいだろう。しかもあのロケット・アローというモンスターには耐性らしい効果も無く、今の状況であのモンスターを残すのは得策では無いだろう。

 

 手札も1枚で魔法と罠が発動出来ない中でどう動くか……

 

「私は手札の【深夜急行騎士ナイト・エクスプレス・ナイト】を召喚します。このカードはリリース無しで召喚でき、その場合このモンスターの攻撃力は0になります 」

 

 深夜急行騎士ナイト・エクスプレス・ナイト

 レベル10/機械族/攻撃力3000→0/DEF3000

 

 フィールドにまた巨大なライトが前を照らし、巨大な列車の上には鎧を装備した騎士が上に乗っていた。列車を馬のようにして乗っているのか?あれは。

 

「……あれ?というかあれ、特殊召喚じゃないのか? 」

 

「いえ、あれは通常召喚ですよ。それに発動する効果では無いので問題なく使えます 」

 

「へぇ…… 」

 

 そうか、発動しない効果ならロケット・アローの効果を無視してモンスターの効果を使えるのか。まだまだ知らない事がいっぱいだな。

 

「私はレベル10のロケット・アローとナイト・エクスプレス・ナイトでオーバーレイ! 」

 

『おおっとここでエクシーズ召喚だ!レベル10同士ということはランク10の重量級のモンスターが出てくるぞ!! 』

 

 ランク10……!俺の中で最も印象深いのはやはり空のアルティメット・ファルコンが思い浮かばれた。あれと同格のエクシーズモンスターがこの場面で来るとなれば、状況はヘレボラスに傾く。筈だが、カンザシはまるで問題ないというか、この事を予測していたのかのように不敵に笑っているようにも思えた。何かあるのか……?

 

「私はランク10の【超弩級砲塔列車グスタフ・マックス】を召喚!! 」

 

 超弩級砲塔列車グスタフ・マックス

 ランク10/機械族/ATK3000/DEF3000

 

 2つの列車が光となり、ワープゲートのような紫の門を開くとそこから列車どころかまるで戦車……いや、要塞の様な列車が2本の線路を使ってフィールドにゆっくりと現れた。

 

「【グスタフ・マックス】の効果発動!エクシーズ素材を1つ使い、相手に2000のダメージを与えます! 」

 

 グスタフ・マックスの上部が変形し、中から超巨大な大砲の砲口がカンザシに向かれ、グスタフ・マックスのオーバレイユニットが大砲に装填されるとエネルギーが目に見えてチャージする事が分かるように光が砲口に集中し、最大に溜まった瞬間砲口から白色のビームがカンザシを呑み込んだ。

 

「くっ……きゃぁ! 」

 

 カンザシ 残りライフ2000→1000

 

「まだです!私は【グスタフ・マックス】を素材にもう一度エクシーズ召喚! 」

 

『おおっとこのタイミングでさらなるエクシーズ召喚!

 このターンでケリをつけるつもりだァァ! 』

 

「私はランク11【超弩級砲塔列車ジャガーノート・リーベ】を召喚!! 」

 

 超弩級砲塔列車ジャガーノート・リーベ

 ランク11/機械族/ATK4000/DEF4000

 

 グスタフ・マックスが線路を空に進んでそのまま空まで自分を走らせると、グスタフマックスが変形するように列車からとうとう本物の戦車の様な姿形へと変わり、フィールドの大半をしめた巨体が空から落ちていき、鳴り響く轟音と共にフィールドに降り立った。

 

 これが現実なら巨体の着地の衝撃でこの会場自体が壊れていたが、ホログラムだからそれは逃れた。

 

「それにしても、ヘレボラスがあんなパワー系のモンスターを使うなんて意外だな。繊細なスタイルだと思ったけど、意外とパワーでごり押す系のスタイルなんだな 」

 

「え〜意外かな?私達の中で1番力が強いのヘレちゃんだから意外でも無いかも 」

 

「えっ、そうなのか!? 」

 

「うん、だってヘレちゃん怒らせたら怖いよ〜?素手1発で岩とか壊せるし 」

 

 スノードロップの話を聞いて絶対に敵に回さないでおこうと心に誓った。そして怒らせた事があるのかストレナエとプリムがカタカタと体を震えさせ、自分の中にあるトラウマが蘇っているようだ。……何も聞かないでおこう、俺の為にもストレナエとプリムの為にも。

 

 まぁでも、確かによく考えたらヘレボラスは素の攻撃力が2600もあるからまぁ頷けると言えば頷ける。事実その攻撃力で何度も世話になった事もあるから、納得は出来る。

 

「それにヘレボラスは体も大きいし、後最近少し太ったかもって言ってたからそれも相まってかなり強くなってるネ!……胸もかなり大きいのも癪ネ 」

 

「それは知らん 」

 

 話をデュエルに戻すとジャガーノートの攻撃力はドクマガイを上回っており、これでドクマガイを破壊出来る。だけど何なんだあのカンザシの余裕は……?

 余裕そうにカンザシは赤を主軸とし、白色で花々を描かれている扇子をゆっくりと仰ぎ、ヘレボラスの展開を見守っていた。

 

「随分と余裕そうですね……? 」

 

「はい、何故ならこうなることは分かっていましたから 」

 

「ど、どういう事ですか? 」

 

「貴方の運命は私の手のひらだと言うことですよ 」

 

「運命……?ともかく、このターンで決着をつけます!【ジャガーノート】の効果発動!エクシーズ素材を取り除き、このターン攻撃力が2000アップします! 」

 

 超弩級砲塔列車ジャガーノート・リーベ

 ATK4000→6000

 

「バトルです!【ジャガーノート】で【ドクマガイ】に攻撃です! 」

 

『この攻撃が決まればカンザシ選手のライフは尽きるぞ!この勝負あったかー!? 』

 

 ……いや、終わってない。何故ならカンザシはまだ笑っているからだ。カンザシは仰いでいた扇子を閉じると、伏せていたカードを発動した。

 

 

「私のターン、私は速攻魔法カード【瞬間融合】を発動!」

 

「【瞬間融合】!? 」

 

『おおっとここでまさかの融合カードが来たぞ!?これはあの数多くの決闘者を苦しめたあの不死鳥が出てくるのか!? 』

 

「それが【D-HERO フェニックスガイ】の事でしたら、残念ながら私は持っていません。なので代わりにこの方に出てもらいましょう。【フュージョン・デステニー】の効果で、私はフィールドの【ディスクガイ】、【ドローガイ】そして【ドクマガイ】を融合し、【D-HERO ドミネイトガイ】を守備表示で召喚! 」

 

 D-HERO ドミネイトガイ

 レベル10/戦士族/ATK2900/DEF2600

 

 灰色の鎧とマントをなびかせ、颯爽と現れたのは見た事ないD-HEROだった。D-HEROは何度か見た事あるが、あんなの初めてだ。どんな効果を持つんだ……?

 

「攻撃は続行します。私は【ジャガーノート】で【ドミネイトガイ】に攻撃します! 」

 

 ジャガーノートの大砲から放たれた砲撃はドミネイトガイの装甲をいとも容易く貫き、ドミネイトガイはあっさり倒されてしまい、あまりの規格外の攻撃にフィールドは砂煙に覆われた。

 

 砂煙がようやく晴れると、何故かカンザシのフィールドには三体のモンスターが存在していた。

 

「【ドミネイトガイ】は破壊された時、墓地にいるレベル9以下のD-HEROを3体まで特殊召喚出来ます。私は【ダイヤモンドガイ】【ドレットガイ】【ドリルガイ】を全て守備表示で召喚しました 」

 

 D-HERO ダイヤモンドガイ

 レベル4/戦士族/ATK1400/DEF1600

 

 D-HERO ドリルガイ

 レベル4/戦士族/ATK1600/DEF1200

 

 D-HERO ドレットガイ

 レベル8/戦士族/ATK????/DEF????

 

「更にドレットガイの効果発動。このカードの攻撃力はフィールド上のD-HEROモンスターの攻撃力分となり、特殊召喚したターンは私のD-HEROのモンスターは戦闘では破壊されず、戦闘ダメージも0になります 」

 

 D-HERO ドレッドガイ ATK3000

 

「これでは攻撃しても無意味ですね……ですがこのまま終わる訳には行きません。私は墓地にいる【無限起動スクレイパー】を墓地から除外し、墓地の地属性かつ機械族のモンスターを5体デッキに戻し、その後カードを2枚ドローします 」

 

「そのカードらは……【ジェット・アロー】の効果で捨てたカード達ですか。やはり、ただ闇雲にフィールドに残した訳では無いのですね。ならばこの瞬間、罠発動【ドロー・ディスチャージ】 」

 

「このタイミングで罠……? 」

 

「相手が効果によってドローした時、そのカードを確認してその中にモンスターがあった時、そのモンスターの攻撃力の合計分貴方にダメージを与えます。さぁ、手札を見せて下さい 」

 

 ドロー・ディスチャージによって手札が公開され、公開された2枚のカードは魔法カードの【メテオストライク】と罠カードの【聖なるバリア-ミラーフォース-】だった。

 

「あら、残念です。」

 

「よ、良かった……私はカードを1枚伏せて、ターンエンドです 」

 

 4ターン目 後攻終了

 

 カンザシ:残りライフ 1000 残り手札1枚

 

 □①□□□

 □②③④□

 □ □

 □⑤□□□

 ⑥□□□□

 

 ヘレボラス:残りライフ 4000 残り手札1枚

 

 ①伏せカード

 ②D-HERO ダイヤモンドガイ(守備表示)

 ③D-HERO ドレッドガイ(守備表示)

 ④D-HERO ドリルガイ(守備表示)

 

 ⑤超弩級砲塔列車ジャガーノート・リーベ

 ⑥伏せカード

 

 

 ライフは拮抗しているが依然状況はヘレボラスに傾いている。ジャガーノートの攻撃力アップは永続効果であり、攻撃力は6000のままとなっている。

 カンザシのモンスターの中で今1番攻撃力が高くなっているのはドレッドガイの3000であり、まだまだ攻撃力は届かない。

 

(私が握っているカードは【メテオストライク】。これを使えば【ジャガーノート】は守備貫通の効果を得るからライフを削れる筈です…… )

 

 ヘレボラスの様子を見る限り、次のターンで確実に決める手筈が整ったようだ。つまり、カンザシはこのターンで何かしらの対策、もしくは勝負を決めなければヘレボラスの攻撃で負けることもある。

 しかし、あの手札の枚数ではそれも上手くいかない。絶望的な状況だが、果たしてどうなる……?

 

「私のターン、ドロー。どうやら何か策があるようですが、無駄ですよ。私は魔法カード【ミスフォーチュン】を発動、貴方の【ジャガーノート】を選択し、元々の攻撃力の半分のダメージを受けてもらいます 」

 

 ジャガーノートの元々の攻撃力は4000。よって、その半分の2000のダメージをヘレボラスは受けた。

 

 ヘレボラス 残りライフ4000→2000

 

「で、ですが、その効果を使ったターン、カンザシさんのモンスターは攻撃出来ません。次のターンで私の勝ちです! 」

 

「そうですね、まともに次のターンが来ればの話ですが 」

 

「ど、どういう事ですか? 」

 

「こういう事ですよ。私は罠カード【ブレイク・ザ・デステニー】。私のフィールドの【Dragoon D-END】またはレベル8以上の【D-HERO】一体を破壊します。私はレベル8の【D-HEROドレッドガイ】を破壊。そして、ヘレボラスさん、貴方は次のメインフェイズ1をスキップさせます 」

 

「そ、そんな! 」

 

『そ、そのカードは確かカンザシ選手の初めのターンでずっと伏せていたカードだ!まさかこの人は初めからこのような状況を予見していたというのか!? 』

 

「えーと、ごめん。つまりどういう事だ? 」

 

 みんな驚いているけどいまいち状況が飲み込めない……ええと、メインフェイズ1がスキップされると言うが、バトルフェイズとかドローフェイズは健在だからそこまで脅威ではないと思うけど……そんな時、ロゼが答えてくれた。

 

「メインフェイズ1がスキップされるという事は、モンスターや魔法を使えずにそのままバトルフェイズに入るということ。つまり、まともな下準備が出来ずにバトルさせらるって事よ 」

 

「えーと…… 」

 

「……例えば、貴方の手札に通常魔法があればいつ使いたい? 」

 

「そりゃあ、メインフェイズ1に使いたい……あ 」

 

「そう、メインフェイズ1が使えないとなると、ヘレボラスの手札の【メテオストライク】が使えない 」

 

 という事は……ヘレボラスは速攻魔法をドローしない限りは絶対に次のターンカンザシにダメージを与える事が出来なくなる。まさに勝ち筋の運命を潰されていた。

 

「そして私は、【ダイヤモンドガイ】の効果発動。デッキの1番上を確認し、それが通常魔法なら次の私のメインフェイズに発動可能になります 」

 

 カンザシは余裕の笑みを持って引いたカードを公開すると……引いたカードは2枚目のミスフォーチュンだった。

 

「通常魔法、発動確定です。私はこれでターンエンドです 」

 

 5ターン目 先攻終了

 

 カンザシ:残りライフ 1000 残り手札1枚

 

 □□□□□

 □①□②□

 □ □

 □③□□□

 ④□□□□

 

 ヘレボラス:残りライフ 2000 残り手札1枚

 

 次はヘレボラスのターンだが……ブレイク・ザ・デステニーのせいでメインフェイズ1が飛ばされ、モンスターの召喚も魔法カードの発動も出来ず、まともな動きが取れなくなっていた。

 例えるなら、ヘレボラスは今カンザシの手のひらで転がされるている赤子の様な物だった。

 

「くっ……私のターン、ドロー……! 」

 

「【ブレイク・ザ・デステニー】でメインフェイズ1をスキップさせます 」

 

 これでバトルフェイズに以降したが……ヘレボラスは手札を見ると、このバトルフェイズを終了させた。

 

「私はメインフェイズ2に移行し、魔法カード【ブラックホール】を発動。この場にいる全てのモンスターを破壊します! 」

 

 フィールド中央にブラックホールが生まれるとその場にいるモンスター全員がブラックホールに飲み込まれ、フィールドは更地になってしまった。

 

「なるほど、私の【ミスフォーチュン】の効果を不発にさせる気ですか 」

 

「ちょっと苦肉の策ですけどね…… 」

 

 なるほど、対象になるモンスターがいなければダメージを受けないが……ヘレボラスのフィールドはがら空きだ。いくらライフが2000あっても厳しい状況だ。

 

「私はこれでターンエンドです」

 

 5ターン目 先攻終了

 

 カンザシ:残りライフ 1000 残り手札1枚

 

 □□□□□

 □□□□□

 □ □

 □□□□□

 ①□□□□

 

 ヘレボラス:残りライフ 2000 残り手札1枚

 

 ①:伏せカード

 

 

「私のターン、ドロー。残念ですが、【ダイヤモンドガイ】の効果で墓地に送った【ミスフォーチュン】の効果は発動しません。なので代わりにこのカードを発動します。魔法カード【死者蘇生】! 」

 

「【死者蘇生】!?一体何のモンスターを…… 」

 

「私は貴方の墓地に存在する【グスタフ・マックス】を頂きますよ 」

 

「【グスタフ・マックス】を……!? 」

 

「えー!?攻撃力4000もある【ジャガーノート】じゃないのー? 」

 

 ストレナエとヘレボラスの驚きはこっちも分かる。俺も死者蘇生でモンスターを蘇生するのなら、攻撃力がなるべく高い物を選ぶのは当然だ。それなのにカンザシはわざわざグスタフ・マックスを選んだのは何か理由があるのか……?

 

 というより、そもそもヘレボラスの伏せカードは十中八九ミラーフォースだ。カンザシが攻撃を仕掛けたその時、ミラーフォースでグスタフ・マックスは破壊されてしまう。何をするつもりだ……!?

 

「私は手札から魔法カード【オーバレイリジェネレート】を発動。このカードを自分の場にいるエクシーズモンスターをこのカードの下に重ねてエクシーズ素材にできます 」

 

 これにより、グスタフ・マックスにオーバレイユニットが1つ宿った……という事は、グスタフ・マックスの2000バーンの効果が発動する。

 

「そんな…… 」

 

「残念ですが終わりです。【グスタフ・マックス】の効果発動。エクシーズ素材を取り除き、相手に2000のダメージを与えます。貴方の伏せカードは【聖なるバリア-ミラーフォース】。防ぐ手立てはありませんね? 」

 

「……負けました」

 

 カンザシの嗜虐心がにじみ出る笑顔と目付きでヘレボラスは負けを悟り、そのままグスタフ・マックスの砲撃を受け、そのままライフが消し飛ばされてしまった。

 

 ヘレボラス 残りライフ2000→0

 

 WINNER カンザシ

 

『決まったぁぁぁ!!勝者は自分と相手の運命を操作する【D-HERO】を使う、カンザシ選手だ!! 』

 

 勝者が決まって観客達は歓声を上げ、トーナメント表が映し出されたモニターが変化し、カンザシが2回戦の駒に進んだ。

 

 これにより、俺の次の対戦相手はカンザシで確定した。カンザシの使うデッキは見た限りでは【D-HERO】……俺のデッキの大半である【E-HERO】とは似ても似つかない物だ。何だか運命的な物を感じるな……

 

「うぅ……まさか自分の使うモンスターの効果で負けるなんて………流石ですね、カンザシさん」

 

「貴方も手強かったですよ。いきなり【ジェット・アロー】が出てきた時は焦りましたから 」

 

 カンザシとヘレボラスはデュエルの終わりにお互いを褒め称えるように握手を交わし、2人は一緒にフィールドから降りてこの2階観客席へと向かっていった。

 

「いや〜良いデュエルだったね! 」

 

「うんうん、大きな列車も見れたし凄かったね! 」

 

「それよりもどうですか花衣様、対策は取れましたか? 」

 

「……正直勝つビジョンが見えない 」

 

 あのデッキトップ操作やスタンバイフェイズ1をスキップする効果とかどうやって対応すればいいんだ?出来るとすれば効果を無効にする事だが……残念ながら俺のデッキには、効果を無効にするカードはほぼ無い。引けるかどうかすらも怪しい限りだ。

 

「でも、やるしかないからな 」

 

「では期待していますね、旦那様 」

 

 後ろからカンザシの声が聞こえて後ろに振り返るともうカンザシとヘレボラスがこの席に移動していた。

 

「おぉ、お疲れ様2人とも 」

 

「ありがとうございます旦那様 」

 

「うぅ、花衣さんにみっともない所見せてしまいました…… 」

 

「別にみっともないとか思ってないよ、2人ともよく頑張ってたよ 」

 

「旦那様…… 」

 

「花衣さん…… 」

 

「あら、花衣さんったら無意識に女性たらしこむのがお得意ですね 」

 

「いやたらしこもうとしてねぇよ!! 」

 

 エリカの冗談に反発すると、俺の反応を見てエリカはクスリと笑った。……こうして見るとなんかカンザシとエリカって似てるんだよなぁ。巷で言うSっ気?って言うのか?そんなものが滲み出てる。

 

『続きましては第3試合、【ロゼ・ジーク】選手VS【プリム】選手のデュエルです!御二方はフィールドまでどうぞー! 』

 

「あ、私の番だ!じゃあロゼ、一緒に行こ! 」

 

「一応貴方の敵なんだけど…… 」

 

「いいのいいの!じゃあね花衣君!頑張っくるね! 」

 

「あぁ、2人とも頑張れよ 」

 

 プリムはロゼの手を引いて席を離れ、フィールドまで歩いって行った。

 

「行ってしまいましたね。所でボタンさん?少し貴方に話があります 」

 

「ン?どうしたノ〜?ヘレボラス…… 」

 

 ヘレボラスがボタンに話があると言うと、いきなりヘレボラスの体から体が震える程の圧が溢れ出し、ヘレボラスの笑顔の裏は、飛んでもなく恐ろしい程の怒りが点っていた。

 

「ボタンさん?貴方私のデュエル中に私が気にしている事を言いましたよね?よりにもよって花衣さんの目の前で。最近太った事は花衣さんに内緒にしようと思ってたのに…… 」

 

「え"、き……聞こえてたノ? 」

 

「私そういうのには敏感なんです。ここでは何ですしちょっと向こうでお話しましょうか 」

 

「いや良い…… 」

 

「お は な し し ま し ょ ぅ ね ??」

 

 ヘレボラスはボタンが座っている席を片手で少し掴んで椅子に亀裂を走らせると、ヘレボラスはボタンの腕を無理やり掴むとそのまま一通りの少ない連絡通路まで連れていった。

 

 しばらくしてボタンの叫びが俺達の耳に入り、何か壁に激突したような物凄い衝撃音が聞こえた。それからまもなくしてヘレボラスとボタンは戻ってきたが……ボタンは涙目になり、頭には大きなたんこぶが出来ていた。

 間違いなくヘレボラスがやった物だろう。

 

「うぅ……やっぱりヘレボラスのパワーは凄まじいネ…… 」

 

(絶対にヘレボラスの気にする事は聞かないようにしよう…… )

 

 俺はこの時そう心に誓いながらAブロックの第3試合を開始されるのを待った……

 

 

ここまで(〜90話)出てきたレゾンカードの中で強いと思うのは?

  • 六花聖華ティアドロップ、カイリ
  • 閃刀騎-カイムと閃刀騎-ラグナロク
  • 銀河心眼の光子竜
  • RRRリノベイルイグニッションファルコン
  • 炎転生遺物-不知火の太刀
  • 常闇の颶風
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