六花テーマを作って愛用したらそのまま俺への愛が重くなった件について   作:白だし茶漬け

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こんにちは、なんか目新しいデッキは無いかなと遊戯王配信者さんの配信とか見てる白だし茶漬けです。
特に見るのは個人勢のvtuberさんですが、これまた面白いデッキをよく見るので、なるほどーとか、これは小説に落とし込めると発見があって人生の楽しみの1部になりました。

もし面白そうなデッキとか、使い方とかあればメッセージに飛ばしてくれるとありがたいです。
いやー、やっぱりデュエルの可能性は無限ですな( 'ω')


渡り鳥と操り人形

 

『さぁさぁピックアップデュエルもいよいよAブロックの第3試合だ!!対戦カードはこれだ!【プリム】ちゃんと【ロゼ】選手!』

 

 実況席にいるMixさんが2人の紹介をすると同時に、フィールドにいるプリムとロゼに演出の煙とスポットライトが当たった。

 

 プリムは観客席の皆に両手を振って歓声に応え、ロゼは帽子を深く被って顔を見せず、首にかけているマフラーをギュッと握りしめて精神を統一させていた。

 

「プリムとロゼの対決か……ロゼは1回デュエルしているのを見たから大体のスタイルは分かるけど、プリムは分かんないな。見た感じのだと、ストレナエと同じようにフィールドを掻き回すような感じだけど…… 」

 

 ヘレボラスの様に大人しい性格から想像のつかない程のパワーを全面的に押し出すスタイルもいるから、見た目や性格だけでプレイスタイル判断してはいけない。

 

 そして現に……ヘレボラスの制裁を喰らったボタンの頭に大きなたんこぶが出来ており、ボタンは涙を静かに滝の如く流しながらこのデュエルを見守っていた。

 

「うぅ……酷いアル。何もここまでする必要は無いのネ…… 」

 

「貴方がヘレボラスの気にしている事を言うからでしょ。自業自得よ、ボタン 」

 

「今回はエリカの言う通りだぞ、ボタン 」

 

「いやここ2階ネ……まさか聞こえるとは思わなかったのーネ…… 」

 

 まぁ確かに、ここからプリムとロゼがいるフィールドは相当遠く、大体でも50m以上はある。しかも周りには他の参加者である客もいる為、そんな雑音の中ボタンの声だけ聞こえた程ヘレボラスは自身の体の事を気にしているという訳だ。

 

「うぅ……恥ずかしいです 」

 

「……なぁ、ヘレボラスの体型あまり変わってないような気がするけどそんなに気にする事なのか? 」

 

「女の子はそういうの気にするの! 」

 

 ヘレボラスに聞こえないほど小さな声でスノードロップにそう言うと、スノードロップは頬をふくらませてそう言った。

 

(女心って奴は分からないなぁ…… )

 

 心の中で俺はそう呟き、へレボラス両手で顔を塞ぎながら恥ずかしいと連呼していた。

 

「何か声をかけて上げてください、花衣様 」

 

「えぇ?と言ってもな…… 」

 

 下手な事を言えばヘレボラスを傷付く事になる。かける言葉は慎重に選ばなければならない。女心を分からない俺が闇雲に声をかけるのは無謀というものだ。

 

「あ、じゃあこうすれば良いよ 」

 

 スノードロップが耳うちし、へレボラスの慰めの内容を終わると急に優しく俺の耳に息を吹きかけてきた。

 冷たくも心地よい風が耳から頭へと流れ出し、何とも言い難い感覚が体を突き抜けてしまい、思わずスノードロップから距離を置いた。

 

「な、何するんだ! 」

 

「あ、やっぱり耳弱いんだ。良いこと知っちゃった♡ 」

 

 スノードロップは妖しく笑っており、これ絶対後で何かやらかすパターンだろ。

 

「それより、本当に俺がそれやるのか?」

 

「これは花衣君にしか出来ないから!頑張って! 」

 

「分かった分かったから。じゃあ行ってくる」

 

 スノードロップのアドバイスを受けた俺はへレボラスの隣の席に座り、ヘレボラスの肩を叩くとゆっくりとだが涙目のヘレボラスはこっちに顔を向いてくれた。

 

「な……何ですか? 」

 

「ちょっと来てくれ 」

 

 ヘレボラスの手を掴み、ヘレボラスはいきなりの事で戸惑っていたがそんな事はお構い無しだ。立ってとお願いするとヘレボラスはビシッと立ち上がり、そのまま俺はスノードロップのアドバイスに従って取り敢えずは人気の少ない所へと移動する。

 

 スノードロップから貰ったアドバイスは、さすがに人目のつくところじゃ出来ないしな……

 

 1番奥の1階へと繋がる通路の所で足をとめ、俺はへレボラスを背にして両手を壁につき、これからやることに覚悟を決めるように心の準備を始める。

 

「か……花衣さん?ここで一体何を……?」

 

「……ふぅ、よし。ヘレボラス、ちょっと失礼するぞ 」

 

「へ!?かかか、花衣さんっ!? 」

 

 ヘレボラスの背中と足に触れ、足を持つ左腕に力を入れてヘレボラスの足を上げ、同時に背中を支える右手も力を入れ、ヘレボラスを持ち上げた。

 持ち上げたと言っても、俺とヘレボラスの目線はほぼ一緒になっている横抱きの状態、いわゆるお姫様抱っこという物だ。

 

 抱いた瞬間ヘレボラスの全体重が腕にのしかかったが、思ったより軽かった。勿論、ストレナエやプリム、シクランと比べると重いが、持ち上げた時の苦しさこの状態を維持する事が辛いと感じられなかった。

 

 目線が近いからヘレボラスの顔がハッキリと分かり、熟したりんごの様に真っ赤にしたヘレボラスは足をジタバタとさせ、ついつい落としそうになった。

 

「っとと……なんだ、やっぱりそんなに重くないじゃないか 」

 

「どどどどどどうしてこんな事を!? 」

 

「いやスノードロップがこうしたら喜ぶって言ったから……俺だって恥ずかしいさ。お前が嫌ならすぐにでもやめ…… 」

 

「……我儘が許されるなら、もう少しこうしてたいです 」

 

 恥ずかしさを押し潰すようにヘレボラスはすっと俺の首まで手を伸ばし、そのまま俺の頭の後ろで両手を組むと、ただでさえ近かったヘレボラスとの距離が縮まり、目の奥まで見えそうで、互いの息がかかる程近くなった。

 

 へレボラスから何だか花の甘く清々しい匂いがし、思わずヘレボラスの近くでその匂いを嗅いでしまった。

 

「花衣さん……? 」

 

「ハッ!ご、ごめん!嫌だったよな!というか何してるんだ俺……良い匂いしたからってこんな…… 」

 

 言い訳を考えてもやってしまった事に変わりなく、とにかく謝って謝り倒した俺にヘレボラスは俺の頭を引き込み、互いの額が触れ合わせるようにした。

 

「へ、へレボラス……? 」

 

 あまりの行動に腰を抜かし、俺はヘレボラスを抱いたまま壁に持たれかけながら腰を落とし、俺の腰が地面についた後にヘレボラスは俺の手から離れ、そのまま俺の腰を押し付けるように座り、俺の背にある壁に手を置き、俗に言う壁ドン見たいな体制になってしまった。

 

 逃げ出そうにもヘレボラスの重量感のある体に腰を押さえつけられているから足が動いても立つことも出来ず、更に俺の視界もヘレボラスの常任の数倍ある豊満な2つの胸が埋め尽くされ、あと数cmへレボラスが体を前に出せば俺よ顔がそれに触れる距離だ。

 

「お、おーいヘレボラス?」

 

「す、すみません!つい……嫌でしたら直ぐに押し退けても大丈夫ですので…… 」

 

「いやお前が俺の腰の上に乗ってるから動けないんだけど…… 」

 

「え……? 」

 

 試しに必死に押し退けようとしてもやはり腰に力が入らない。というか入れるのに力が入れてないように思える程さらに上に乗られている力があるから結果的に動けない。それを知ったへレボラスは微かにだが息を荒らげ、紫の髪を少し乱れさせ、乱れ前髪の向こうの目がほんの少し昂揚した目になっており、心做しか息も少し荒くなっているような気がした。

 

「……重い体も、少しは良いのかもしれませんね 」

 

 その目を見た瞬間、俺がいま置かれている立場と状況を悟った。

 今俺は、ヘレボラスがその気がなくても俺を押さえつけられている状態だ。力も適わず、ヘレボラスがほんの少しでも俺に近づけば胸が俺の顔に当たり、俺の理性は押し潰されるに違いない。

 

 逃げ道も無く、汗のむせる匂いと熱い吐息のヘレボラスが今にでも俺との距離が縮まり、数秒で互いの唇が重なるその刹那、へレボラスはその瞬間我に返ったかのように顔をまた赤く染めて俺の体から離れた。

 

「す、すすすすみません花衣さん!私ったらなんてふしだらな事を……あぅ…… 」

 

「いや……大丈夫。と、とにかく席に戻ろうか 」

 

「は、はい…… 」

 

 熱くて気まずい雰囲気の中、俺とヘレボラスは皆がいる所へと戻った。

 

 歩いている中、ホッとしている俺と、少し残念がっている邪な俺がいるのはきっとあれは夏の暑さのせいだ。そうであって欲しい。

 

 体の内側も外側も熱くなっている中で皆の所に戻ると、新しく3人の姿が目に映った。

 その3人とは彼方さん、カレンさん、そして花音の3人であり、声をかける前に花音が俺の存在に気づいて声をかけた。

 

「あ、花衣さん!やっと会えました〜って、あれ?ヘレボラスさんと一緒に居たんですか? 」

 

「あ、あぁ。ちょっとな! 」

 

 花音が話を探られる前に話をとぎらせ、花音は首を傾げて俺の行動に疑問を持ち、それは他の六花達も動揺だった。

 

「ん〜?怪しい……ヘレちゃん、花衣君と何してたのー? 」

 

「な、何もしてません! 」

 

「へ〜?」

 

「そ、それよりもどうして花音や彼方さんがここに?それにカレンさんまで…… 」

 

 怪しむスノードロップの話をとぎらせて強引に話を切り替え、彼方さんに話題を拾ってくれと訴えるように力強い目を彼方さんに向け、痛いほどの視線を受けた彼方さんは小さく笑い、俺の話に合わせてくれた。

 

「大変だな君も……俺はここに来るつもりは無かったんだがカレンと試合を見ている途中で迷っている花音さんを見掛けたんだ。それで、花衣君達がいる所まで案内したって事だ 」

 

「なるほど……てか花音、俺が試合に出るまでは皆と一緒に居たような…… 」

 

「ええと実は……御手洗に行ってて、実はカードを探している時にちょっと……あはは……ごめんなさい 」

 

「あぁ…… 」

 

 まぁ確かにカードを探している最中にトイレに行く時間は無いよな。それは仕方がない。

 

「全くちゃんとして欲しい事ですわ!貴方の私はBブロックの第1試合……このデュエルの次の次にやるのですから! 」

 

「わ、わかってるよカレンちゃん!ちゃんと試合前に済ませるし、準備も万端で行くから! 」

 

「それでこそ私のライバルですわー! 」

 

 お嬢様らしい口調と高笑いでその場の空気を支配し、カレンさんは空いている席に堂々と座った。……あれ、そこ俺の席じゃ無かったっけ?

 そう言おうとすると近くにいたティアドロップがカレンさんの肩を叩き、笑顔でカレンさんに圧を向けていた。

 

「すみませんがそこは花衣様の席です。退いて貰いますでしょうか? 」

 

「あら、ごめんあそばせ。失礼したわね、彼方のライバル 」

 

「いや別に大丈夫ですけど……彼方さんのライバルってどういう事ですか? 」

 

「コイツが勝手に言ってる事だ、あんまり気にするな。……まぁ、今回の君のデッキと俺のデッキを考えれば……言い得て妙だけどな 」

 

 彼方さんが何か意味深な言葉を言ったような気がするけど……歓声に混じってよく聞こえなかった。

 歓声と言えば、そろそろプリムとロゼの試合が始まる筈だ。既に先攻と後攻が決まっており、先攻はロゼになっていた。

 

「私のターン、私は魔法カード【影依融合(シャドール・フュージョン)】を発動。手札の【シャドール・ヘッジホッグ】と【シャドール・ビースト】を素材に融合召喚する 」

 

『いきなり融合モンスターの召喚だぁぁぁ!しかも【シャドール】という事は!? 』

 

「私は【エルシャドール・ミドラーシュ】を召喚 」

 

 エルシャドール・ミドラーシュ

 レベル5/魔法使い族/ATK2200/DEF800

 

「更に墓地に送られた素材のモンスター達の効果発動。【シャドール・ビースト】の効果で1枚ドローし、【シャドール・ヘッジホッグ】の効果で私はデッキから【シャドール・ファルコン】を手札に加える。そして、【エルシャドール・ミドラーシュ】の効果で、お互いに1回しか特殊召喚が出来ない 」

 

「うっ……【エルシャドール】か、ちょっと厄介だな…… 」

 

 彼方さんの顔色が少し青ざめ、ミドラーシュに対して少し厄介そうな目を送った。

 

「あの、エルシャドールってどんなデッキですか?見たところ妨害系みたいですけど…… 」

 

「エルシャドールはリバーステーマだ。だが、シャドールの厄介なところは……墓地肥やしだ 」

 

「墓地肥やし……? 」

 

「多分今にわかるさ 」

 

「更に魔法カード【手札断殺】を発動。お互いに手札を2枚捨てて2枚ドローする 」

 

「えー!じゃあ〜これにする! 」

 

 ロゼは残りの2枚を捨て、プリムは悩みながらも捨てるカードを選び、お互いに2枚ドローした。

 

「私が捨てたカードは【シャドール・ファルコン】と【シャドール・リザード】。ファルコンの効果でファルコンを裏側守備で特殊召喚し、リザードの効果で私はデッキの罠カード【影依の原核(シャドー・ルーツ)】を墓地に送り、【影依の原核】が墓地に送られた時、墓地のシャドールカードを手札に加える。私は最初に使った【影衣融合】を加え、カードを1枚伏せてターン終了 」

 

 

 1ターン目 先攻 終了

 

 ロゼ:残りライフ 8000 残り手札2枚

 

 ③□□□□

 □①□②□

 □ □

 □□□□□

 □□□□□

 

 プリム:残りライフ 8000 残り手札5枚

 

 ①:エルシャドール・ミドラーシュ

 ②:シャドール・ドラゴン(裏側守備表示)

 ③:伏せカード

 

「おいおい……手札融合したのに何で手札とフィールドの枚数が初期手札よりも多いんだ……? 」

 

「これがシャドールだ。恐らくデッキの半分がシャドールだろうな……どうしたものか…… 」

 

 そうか、彼方さんはこのどちらかと戦う事になるからこの試合をかなり大事に見ているから、この場にいる誰よりも頭を悩ませて対策を取っていた。

 

 ……だが、彼方さんはその前に勝負すべき相手がいる。今ここで『どうしたものか』と言っていると言う事は、もうアイツに勝つ事に勝っているイメージがついているといこう事になる。俺だったら次に戦う奴の事を気にしてこんな風に悩む事なんて出来ない。

 

 悩んでいる姿だが、その姿を見た俺はこの人との差を大きく感じた。まるで、地面から見上げる星のように遠くも感じ、思わず身震いしてしまった。

 

「……ん?どうしたんだい花衣君? 」

 

「あ……いや……彼方さんって凄いんだなって 」

 

「俺が?そう言われると恥ずかしいな…… 」

 

 照れ隠しするように彼方さんは頬をかき、そのまま試合を分析し、対策を頭の中で練っていた。

 

 俺も盤面を確認すると、フィールドにはエルシャドール・ミドラーシュが存在するせいでプリムもロゼも1回しか特殊召喚が出来ず、プリムは思ったような展開は出来ない筈だ。……だが、プリムはそれでも笑っていた。

 

「じゃあ私のターン!ドロー!……ふっふっふ〜特殊召喚が1回しか出来ないだけで、通常召喚なら何回でも出来るよね? 」

 

「……?そうね……ということは貴方まさか…… 」

 

「あぁ……あれが来るのか…… 」

 

 ロゼがマフラーの影に隠れて焦っている顔を出し、彼方さんは何かを察したのか体の力が抜けて椅子に倒れ込んむと、プリムはある一枚のカードを出した。

 

「私は【ふわんだりぃずの謎の地図】を設置!そして発動!手札のレベル1の【ふわんだりぃず×いぐるん】を見せて、それとは違うカードを除外する!私は【ふわんだりぃず×ろびーな】を除外するよ 」

 

「おろろろろろろrrr!! 」

 

「うぉぉぉぉ彼方さんが吐いたぁぁぁぁぁぁ!!?? 」

 

 いや彼方さんだけじゃない、他の決闘者の観客達の殆どがプリムが出したカードに対しての拒否反応のように口から虹色の何かを吐き出した。なんだこの地獄。

 

『ああっとまさかのプリムちゃんが使うカードは殆どの決闘者のトラウマである【ふわんだりぃず】だ!そのトラウマがほじくられたせいか決闘者の殆どがグロッキーになってます! 』

 

「え、あのカードそんなに強いのか?見た所結構ファンシーな見た目してるけど…… 」

 

「花衣君、遊戯王はファンシーなテーマ程ヤバい風潮があるんだ……あの害t……いや、鳥達の見た目に騙されてはいけない 」

 

 足を震えさせながら顔面蒼白の彼方さんだが、今さっきこの人憎しみを込めて害鳥って言おうとしてなかったか?

 

 それ程強いって事は……この試合、どっちが勝っても彼方さんの地獄は確定した。妨害のロゼと、決闘者のトラウマカードを使うプリム……勝てるのか彼方さん……

 というかそれ以前に彼方さんが椅子と同化するように溶けて居るようにも見え、今大丈夫じゃないかも知れない。

 

「しっかりしないさい!あんな鳥如きに怯えるなんて私のフィアンセとしてどうなのかしら!? 」

 

 カレンさんは放心状態の彼方さんの頬を右に左に交互に平手打ちをかまし、その甲斐があってか彼方さんは復活した。

 

「ってて……まぁ、そうだよな。やるからには仕方ないよな……はぁ…… 」

 

「あの……あんな可愛らしいカードは一体どのように強いのでしょうか? 」

 

 恐る恐る花音は彼方さんに説明を求めると、彼方さんはこめかみに指を当て、落ち込み気味で説明をしてくれた。

 

「【ふわんだりぃず】は共通効果で特殊召喚が出来ず、通常召喚で展開していくテーマだ。しかも、サポートカードが除外ゾーンに行くカードが多いから、【灰流うらら】や【墓穴の指名者】でも止められない。あれをどうやって止められるのかこっちが教えて欲しいぐらいだ 」

 

「あれ……?でも、通常召喚って1回しか出来ないんじゃ…… 」

 

「花音さん、貴方が使っているアロマでは【アロマージ・ジャスミン】がいい例だ。あれはライフが回復した時、もう1回通常召喚出来るだろ?……あれがどんどん来ると思っていい 」

 

 彼方さんがプリムの方に指を指し、プリムは止まらずに展開を進めて行った。

 

「えーと、謎の地図で見せたモンスターは、そのまま召喚するよ! 」

 

 ふわんだりぃず×いぐるん

 レベル1/鳥獣族/ATK800/DEF1000

 

「いぐるんが召喚された時、デッキからレベル7以上の鳥獣族モンスターを手札に加えるよ。私は【ふわんだりぃず×すのーる】を加えて〜それからさっき除外したろびーなの効果発動!除外されている時モンスターを召喚したら、この子を手札に戻すよ! 」

 

『そう!これがふわんだりぃずの恐ろしさ!除外したと思ったら召喚したら帰ってくるというとんでもない効果を持ち、下級モンスター共通の効果という恐ろしさ……まさに決闘者が恐れる鳥です! 』

 

 どんな効果だそれ……1枚でほぼ展開から次の展開まで完結しているじゃないか……彼方さんが恐れる理由がよく分かる……

 

「まだまだー!私は【ふわんだりぃず×ろびーな】を召喚!」

 

 ふわんだりぃず×ろびーな

 レベル1/鳥獣族/ATK600/DEF1200

 

「ろびーなが召喚した時、デッキからレベル4以下の鳥獣族の【ふわんだりぃず×すとりー】を手札に加えて、そこから更に鳥獣族モンスターを召喚!私は勿論、すとりーを召喚! 」

 

 ふわんだりぃず×すとりー

 レベル1/鳥獣族/ATK700/DEF1100

 

「すとりーの効果!この子が召喚された時、私かロゼの墓地のカードを1枚除外する!えーと、じゃあロゼの【幻影騎士団トゥーム・シールド】を除外させるね 」

 

「ちっ…… 」

 

 あのカードは……ロゼが最初のターンで発動した手札断殺で捨てたカードか。ロゼの様子からして、次のターンにでもあのカードを使う気だったのだろうか。

 

「更にすとりーが召喚されたから、私はまた鳥獣族を召喚出来るよ!じゃあ私は、すとりーといぐるんをリリースして、手札から【ふわんだりぃず×すのーる】を召喚! 」

 

 ふわんだりぃず×すのーる

 レベル10/鳥獣族/ATK2900/DEF800

 

「鳥獣族が召喚されたから、除外されたすとりーといぐるんは回収するよ 」

 

「おいおい……ここまで上級モンスターも召喚しているのに、プリムの手札が減ってないの何でだ……? 」

 

「召喚している時にサーチを繰り返しているからな……本当に恐ろしいテーマだ……それを拾っているプリムちゃんも中々持っている奴だ 」

 

 だがまだ終わりでは無いだろう。プリムの表情から察するに、まだプリムは何かをしたがっている。

 その理由として、プリムはさっきから1番左のカードをずっと端目で見ている。恐らくあれがプリムの切り札と予想できるが……ふわんだりぃずの効果を使うと、そのターン特殊召喚は出来なくなる。どんなカードなんだ……?

 

「さらにさらに〜私は【ふわんだりぃず×いぐるん】を通常召喚! 」

 

「あれ?確かあのモンスターって最初に召喚された物ですよね?通常召喚したのに……もう一度出来るんですか? 」

 

 花音の疑問は俺も思ったが、デュエルディスクにはエラー表情されていないという事は、正常に作動しているという事だ。どう言う事だ?

 

「いや、あのカードは【ふわんだりぃずと謎の地図】の効果で召喚されたカードだ。プリムは今初めて通常召喚をしたんだ 」

 

「で、でも【エルシャードルシ・ミドラージュ】で特殊召喚は1回だけしか…… 」

 

「効果で召喚されるけど、特殊召喚とは扱わないんだ。そういうカードなんだ、ふわんだりぃずは 」

 

 もう訳分からん……どんなカードだそれ。ということは、増殖するGの効果の対象にもならないということか……ファンシーな絵柄の割にやる事がエグすぎるぞこのカードゲーム……

 

「ここですのーるの効果発動!私は3回通常召喚できる! 私は手札のろびーなとすとりーを召喚! 」

 

 これでプリムのフィールドには四体のふわんだりぃずが召喚し、しかもすのーるの効果であと1回召喚できる。ミドラージュの効果は無いのも当然となっている状態で、状況はプリムの方に傾きつつあった。

 

「ふっふっふ〜これで十分だね!それじゃ行くよー!私はろびーなとすとりーといぐるんをリリース!! 」

 

 プリムが三体のモンスターをリリースした瞬間、上空に雷雲の黒い雲が突然現れ、まるで何かの降臨を祝うかのように雷が降り注いだ。

 本物の見間違える程の迫力で観客達は驚き、雨が降ったのかと錯覚するのもいた。

 

「ひっ…!雷……! 」

 

「うわわ!雷怖いよー!」

 

「ひゃ……!か、雷ですか!? 」

 

「ひっ……助けて彼方っ! 」

 

「ぐぼっ!!お前……!俺の肋を折るつもりか!! 」

 

 花音とストレナエとシクランは人一倍この雷に驚き、思わず花音は俺の右腕に、シクランは左腕に、そしてストレナエが俺の腹にしがみつくようにしていた。対するカレンさんは彼方さんの肋を折るかのように突撃をかまし、彼方さんは悶絶していた。

 

 ストレナエ達はあまりの出来事に怖がっているのか俺の声も聞こえずにぎゅっと俺の腕にしがみつき、離さないようにしていた。それがすぐそばに居る六花達が見逃す筈が無く……

 

「キャーカイサマーカミナリコワイデスー! 」

 

「カイサーン!ワタシモデス〜! 」

 

「その棒読みをどうにかしろ棒読みを 」

 

 ハリボテの怖がりで俺に抱きつこうとした皆は良いとして……ここまで迫力があるのは初めだ。一体どんなモンスターを出すんだ……?

 

 三体リリースで、あんな雷雲の演出……まさかとは思うけど……アレじゃないのか?

 

 真っ先に浮かんだのはとある3つのモンスター……では無く、神を思い浮かべると雷雲の向こうから巨大な体の1部であろう龍のようなしなりの体が顕になり、雷雲の向こうから咆哮が唸り挙げられた。

 

 雷雲から次々と体の一部が見え隠れし、1つの稲妻がプリムの背後に落ちた瞬間、プリムはあるひとつの神を召喚した。

 

「こーい!【オシリスの天空竜】〜!! 」

 

 神の咆哮が今フィールドを越え、この会場を全てを圧倒するように唸りを上げた。

 

ここまで(〜90話)出てきたレゾンカードの中で強いと思うのは?

  • 六花聖華ティアドロップ、カイリ
  • 閃刀騎-カイムと閃刀騎-ラグナロク
  • 銀河心眼の光子竜
  • RRRリノベイルイグニッションファルコン
  • 炎転生遺物-不知火の太刀
  • 常闇の颶風
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