六花テーマを作って愛用したらそのまま俺への愛が重くなった件について   作:白だし茶漬け

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こんにちは、最近とあるVtuberを見ている白だしです。

マスターデュエルと言えば、ようやくフリーマッチが実装し、敷居も随分と下がりましたね〜
というよりもうランクマッチ行く理由がジェム集めぐらいしか無くなりました。

これで心置き無く六花閃刀姫が使えるぜ!
俺のターンドロー!あああああああ!!(手札事故)


虚栄の銀河

 

ピックアップデュエル第4試合、彼方さんと見下の対決だ。

 

予選ではそれぞれの成績は上位であり、彼方さんが1位。続いて見下が3位だ。それぞれこの大会の優勝候補と言われている。

 

そのせいか歓声のテンションも上がり、全員この試合を楽しみにしていた。

 

「ねぇねぇ花衣君〜私頑張ったから花衣君の膝の上で見てもいいー? 」

 

「え?まぁ別に…… 」

 

「じゃ、座るね〜! 」

 

有無を言わさずプリムが俺の膝の上に座り、満足そうに俺の方に体を倒してきた。

 

その光景を見たロゼは「私もデュエルしたんですけど?」と言わんばかりにプリムを見ていたが、俺の膝を堪能しているプリムは知る由もなかった。

 

『さぁ!予選1位の星空彼方選手と3位の見下成金選手!先程やった第3試合が引き分けのため、このデュエルを制した人がAブロックの準決勝に進出します! 』

 

「無駄な手間が省けたな。まぁ、庶民如きに僕の時間を割く必要も無い。このデュエルも瞬殺だ 」

 

「知ってるか?調子に乗ってでかい口叩いていると、後で恥をかくことになるらしいぞ 」

 

「庶民が…… 」

 

デュエルを始まる前から両者共に激しい火花が散っており、あの空気には近寄りたくない。

 

「じゃあそろそろ始めるぞ 」

 

「言われるまでも無い 」

 

『両者とも準備が完了したもようです!それではいざ…… 』

 

「「デュエル! 」」

 

星空彼方 vs 見下成金

 

デュエルが始まった瞬間デジタルコイントスが始まり、コインの結果は彼方さんが裏、見下が表となり先攻は見下となった。

 

「僕のターン、魔法カード【トレード・イン】を発動。レベル8の【銀河眼の光子竜】を捨て、2枚ドローする 」

 

「銀河眼か…… 」

 

彼方さんのエースモンスター的な存在を確認すると、俺や皆も驚きを隠せずにいた。

まさかあの見下が彼方さんのカードを使うなんて……待てよ、アイツ確かレゾンカードを1枚手に入れたって言ったよな……。という事はまさかアイツが拾ったカードって……!

 

「2枚ドロー。……んん、良い手札だ。僕は【フォトン・スラッシャー】を特殊召喚召喚し、【銀河騎士】 をリリース無しで召喚 」

 

銀河騎士

レベル8/戦士族/ATK2800/DEF2600

 

「【銀河騎士】の効果発動。墓地の【銀河眼の光子竜】を特殊召喚し、その後こいつの攻撃力を1000ダウンさせる 」

 

銀河眼の光子竜

レベル8/ドラゴン族/ATK3000/DEF2500

 

見下のフィールドに銀河騎士と銀河眼の光子竜が彼方さんと敵対するように睨みつけ、彼方さんは何を思っているのか、銀河眼の目をじっと見ていた。

 

「……不思議な気分だな。俺と同じカードを使ってる決闘者は何回か見ているが、こうしてお前と対面するのはあの時以来だな 」

 

「ぶつぶつと何を言っている?……あぁ、もしや今更怖気付いたのか? 」

 

「怖気付く?悪いがお前に怖気付く要素は無いな。と言うより、お前に銀河眼を使いこなせるのか不安で仕方がない 」

 

済ました顔で彼方さんは見下の煽りを返すと、見下は歯を食いしばり、頭の血管が切れたような顔をうかべた。

 

「貴様っ……僕は手札の【銀河恐竜】を見せ、【銀河剣聖】を特殊召喚!こいつのレベルは見せたさっき見せたモンスターのレベルとなる。【銀河恐竜】のレベルは8、こいつのレベルは8となる! 」

 

銀河剣聖

レベル8/戦士族/ATK0/DEF0

 

「更に魔法カード【星に願いを】を発動!【銀河騎士】を対象に、【フォトン・スラッシャー】のレベルを8にする!」

 

『な、なんと!一気にレベル8のモンスターが4体も現れました!これはエクシーズ召喚の流れか!? 』

 

「僕は【銀河騎士】と【銀河眼の光子竜】、【銀河剣聖】と【フォトン・スラッシャー】でそれぞれエクシーズ召喚! 」

 

フィールドに2つの穴が開き、4体のモンスターが光となってその穴に飛び込むと、2つの爆発の向こうから星の瞬きと共に2体のモンスターが現れた。

 

そしてそのモンスターは、見覚えがありすぎるモンスターでもあった。

 

「来い!【No.38 希望魁竜タイタニック・ギャラクシー】!【No.90 銀河眼の光子卿】! 」

 

No.38 希望魁竜タイタニック・ギャラクシー

ランク8/エクシーズ/ドラゴン族/ATK3000/DEF2500

 

No.90 銀河眼の光子卿

ランク8/エクシーズ/戦士族/ATK2000/DEF3000

 

「まだだぁ!僕は魔法カード【銀河の施し】を発動!手札の【銀河恐竜】を墓地に送り、カードを2枚ドロー! これでターンエンド! 」

 

1ターン目 先攻終了

 

 見下成金:残りライフ 8000 残り手札4枚

 

 □□□□□

 ②□□□□

 ① □

 □□□□□

 □□□□□

 

 星空彼方:残りライフ 8000 残り手札5枚

 

①No.38 希望魁竜タイタニック・ギャラクシー

②No.90 銀河眼の光子卿(守備表示)

 

 

『おおっとこれはいきなり制圧盤面だ!魔法を無効にするタイタニックとモンスター効果を無効化する光子卿が並び、これはキツそうだぞ!? 』

 

しかも手札が減ってない所か増えているのもある。取り巻きたちにカードを集めさせたと言ってはいたが、ここまで綺麗に回っているとなると……あのデッキは恐らく彼方さんが本来使うデッキのほぼコピーと言う事だろうか……?

 

「ふははは!どうだ!これで貴様は何も出来まい!!後悔させてやる時間をあげても良いんだぞ?んん? 」

 

この状況にいきなり直面しても彼方さんは動じておらず、自分がいつも使っているモンスターの姿を見つめていた。

 

「俺のターン、ドロー。そうか、お前らはそんな顔をしていたのか。いつも背中しか見てなかったから分からなかったな 」

 

「何を言ってるんだ。僕は【銀河眼の光子卿】の効果を発動。デッキから【フォトン】【ギャラクシー】モンスターをデッキから……」

 

「フィールドにモンスターが存在しない時、俺は手札から罠カード【無限泡影】を発動。お前の表側表示のモンスター効果をこのターン無効にする。俺は【銀河眼の光子卿】を選択 」

 

銀河眼の光子卿の鎧から漏れ出た光は彼方さんの手札から現れた光の糸によって徐々に光を失わせ、光子卿は力が取られたかのように地面に膝を着いてしまった。

 

「それに言っておくが、俺はお前がギャラクシーデッキを使ってくる事は何となく想定はしていた 」

 

「何だと……!? 」

 

「花衣君からお前がレゾンカードを1組手に入れたと聞いた時にな。お前みたいに無駄に自尊心が強い人間が、自分を負けさせた奴のカードを使う訳無いからな 」

 

「はっ!そんな訳無いだろ!お前の使うカードの方が強力で、アイツが使うカードはゴミだからな!それに聞いたぞ?【六花】は見た目がいいだけのクズカードだってな!僕がアイツに負けたのはあの時居た女のせい…… 」

 

「ムキになってるがもしかして図星か? 」

 

「……もういい、貴様は処刑だ。僕を殴った事を後悔させる程陥れ、このデュエルでも嬲り殺しにしてやる……! 」

 

「やってみろ。俺は魔法カード【スターブラスト】を発動。手札の【アームドドラゴン・サンダー・LV7】のレベルを3下げる為、俺はライフを1500支払う 」

星空彼方 残りライフ8000→6500

 

「アームドドラゴン……サンダー? 」

 

なんか俺の知っているアームドドラゴンとは少し違う奴が出できたな……?

 

「そして俺はレベル4になった【アームドドラゴン・サンダー・Lv7】を通常召喚! 」

 

アームドドラゴン・サンダー・Lv7

レベル7/ドラゴン族/ATK2800/DEF1000

 

いきなり上級モンスターであるアームドドラゴン・サンダーを召喚し、見た感じ俺の知っているアームドドラゴンと姿は同じだ。唯一違う点と言えば、アームドドラゴンの周りに眩い雷を纏っているだけであった。

 

「【アームドドラゴン・サンダー・Lv7】の効果発動!手札のモンスターを1枚と、このカードを墓地に送る事で、デッキから【アームドドラゴン・サンダー・Lv10】を特殊召喚する!俺は手札から【太古の白石】を墓地に送り、【アームドドラゴン・サンダー・Lv10】を特殊召喚! 」

 

アームドドラゴンが更なる雷を纏い、銀色の鎧から黄色に翼が生まれ、牙は鋭くなり、アームドドラゴンは雷と共に大きく成長し、やがてはタイタニック・ギャラクシーと同等な大きさへと進化した。まるで雷のように止まることを知らない進化を終えたアームドドラゴンは腕を天に指し、自分の姿や強さを見せつける様にしていた。

 

アームドドラゴン・サンダーLv10

レベル10/ドラゴン族/ATK3000/DEF2000

 

「……ん?ちょっと待て。あのポーズどこかで見た事あるような 」

 

堂々と胸を張り、右腕を突き上げては右手の人差し指だけを突き出しているあのポーズ……そしてアームドドラゴン……まさかあのモンスターって……!

 

「バトルだ!俺は【アームドドラゴン・Lv10】で【No.38 希望魁竜タイタニック・ギャラクシー】を攻撃! 」

「攻撃力は同じだ!相打ちするつもりか!? 」

 

「いいやそうではないさ。【アームドドラゴン・サンダー・Lv10】は攻撃力が100以上の時、戦闘では破壊されない 」

 

「何っ!? 」

 

アームドドラゴンが雷を纏わせた拳でタイタニック・ギャラクシーの顔面を殴りつけると、タイタニック・ギャラクシーは地面に打ち付けられてしまい、そのまま破壊された。同じ攻撃力な為、本来はどちらのモンスターも破壊されてしまうが、アームドドラゴン・サンダーの戦闘耐性により、破壊はされなかった。

 

「俺はカードを1枚伏せてターンエンド。そしてエンドフェイズ時、墓地に送った【太古の白石】の効果により、デッキから【青眼の白龍】を特殊召喚する 」

 

青眼の白龍

レベル8/ドラゴン族/ATK3000/DEF2500

 

青眼の白龍……。間違いない彼方さんのデッキは……物語に登場したライバルデッキ……!ついさっき言っていた、「俺と君がライバルというのはと有り体に言えばそう」という意味はこの事だったのか……ということは、残りのカードの予想は大体予想出来るが、もし本当にライバルデッキならその大半のモンスターはコストが重く、サポートカードはあるものの他のカードに混じって使いにくい筈だ。果たしてどう出るのか……

 

 

 

 

1ターン目 後攻終了

 

 見下成金:残りライフ 8000 残り手札4枚

 

 □□□□□

 ①□□□□

 □ □

 □②③□□

 □□□④□

 

 星空彼方:残りライフ 6500 残り手札1枚

 

①No.90 銀河眼の光子卿(守備表示)

 

②アームドドラゴン・サンダー・Lv10

③青眼の白龍

④伏せカード

 

 

『流石予選1位という事なのか、難なくあの場面をモンスターを破壊し、更に2体の上級モンスターも召喚!自分のペースを進んでいるのがよく分かります! 』

 

「まぁ、一応俺が使ってるカードだからな 」

 

あっさりと妨害場面を乗り越え、済ました顔をしている彼方さんはやっぱりすごい。自信満々の見下の顔も徐々に引きつっており、肩をわなわな震わせていた。

 

「どうした、お前のターンだぞ 」

 

「屋僕に指図するな!僕のターン!ドロー! 」

 

怒り任せのドローを見下はしたり顔を浮かべ、あるカードを発動した。

 

「僕は儀式魔法【星雲の誓い】を発動!手札の【銀河眼の光子竜】と【フォトンオービタル】を墓地に送り、あるカードを特殊召喚する! 」

 

『おおっとこれはまさかのレゾンカード!?という事はまさか……来るのか!? 』

 

突然フィールド上空に無数の星座が生み出され、それがあるドラゴンの体の一部と知ったのは雲が晴れ、星が瞬くドラゴンが現れた時だった。

 

手足の爪は青白く輝き、体の節々に無数の星座を纏ったそのドラゴンは何よりも気高く美しい姿を持ち、無数の銀河の眼で敵を睨みつけて降臨した。

 

「さぁこい!【銀河心眼の光子竜】! 」

 

銀河心眼の光子竜

レベル10/儀式/ドラゴン族/ATK4000/DEF2000

 

やはり見下が手に入れたレゾンカードは彼方さんの銀河心眼の光子竜か……何となく察していたがまさかアイツが使うのをこの目で見てしまうとなんとも言えない気分になる。だが、それ以上にカレンさんが自分のスカートにしわが付くほど握りしめ、歯を食いしばっていた。

 

「あんな奴が彼方のカードを……! 」

 

「か、カレンちゃん……あれは一応偽物のカードだからそんなに気にしなくても…… 」

 

「分かってますわよ!ですが…… 」

 

カレンさんの気持ちも分からなくも無い。俺ももしアイツにティアドロップかラグナロクを使われると考えただけでも……胸の奥に業火の熱さが滾ってきてしまう。

 

俺の場合だが、レゾンカードはただのレアカードでは無く、言うなれば俺と六花達との繋がりであり、繋がりがあるからこそ生まれたカードだ。

 

そんなカードを他人を陥れ、挙句の果てには他人を下に見続けるアイツに使われるとなると腹が立つ。

 

彼方さんの場合は貰った物だと言っていたが、それでも彼方さんなりに思い入れもある筈だ。現に彼方さんの表情も心無しか曇りだし、目の力強さも増しているというのがここからでも見えた。

 

「……銀河心眼(コズミックアイズ)

 

「どうだ?自分のカードと対面した気分は?お前は自分のカードで惨めにやられるんだ 」

 

見下はレゾンカードを出してもう勝ちを確信しているようにも……いや、勝ちを確信していた。確かにレゾンカードは強力だ。単独で戦況変えることも出来るし、ましてや銀河心眼の光子竜は、銀河眼の光子竜を素材に召喚した時、他のカード効果を受けない耐性もつくことが出来る。

 

この効果で対抗出来る物は非常に限られ、例え4000の壁を越えようとしても銀河心眼の光子竜はバトルするモンスターを除外し、エンドフェイズまで除外したモンスターの攻撃力の半分の攻撃力をアップし、更に除外したモンスターの種類によって追加効果を得るというとんでもないモンスターだ。恐らく今あるレゾンカードの中では、最もパワーのあるカードだ。

 

「僕は【銀河眼の光子卿】を攻撃表示に変更し、そのままバトル!まずは【銀河心眼の光子竜】で【アームドドラゴン・サンダー・Lv10】に攻撃!そしてこの瞬間【銀河心眼の光子竜】の効果発動!バトルする相手モンスターを除外する! 」

 

いくら戦闘では破壊されないアームドドラゴンでも、効果で除外されればその効果は発揮できない。銀河心眼の光子竜から眩い星々の輝きにアームドドラゴンは飲み込まれ、フィールドから光の粒子となって消えてしまい、銀河心眼の光子竜がその粒子を吸収し、更なる輝きを得た。

 

「【アームドドラゴン・サンダーLv10】の攻撃力は3000その半分ら1500の攻撃力アップ! 」

 

銀河心眼の光子竜 ATK4000→5500

 

「更に戦闘が巻き戻され、【銀河心眼の光子竜】はもう一度攻撃出来る! 続けて【青眼の白龍】に攻撃! 」

 

 

銀河心眼の光子竜の強力な攻撃に、青眼の白龍は破壊されその余波に彼方さんは巻き込まれた彼方さんは爆風の衝撃と共にライフは減っていく。

 

星空彼方 残りライフ6500→4500

 

「更に【銀河眼の光子卿】 でダイレクトアタック! 」

 

星空彼方 残りライフ4000→2500

 

 

2ターン目 先攻終了

 

 見下成金:残りライフ 8000 残り手札2枚

 

 □□□□□

 ①②□□□

 □ □

 □□□□□

 □□③□□

 

 星空彼方:残りライフ 2500 残り手札1枚

 

①銀河心眼の光子竜

②No.90 銀河眼の光子卿(守備表示)

 

③伏せカード

 

 

「ふぅ、まぁ耐えた方だな。俺のターン、ドロー 」

 

「この瞬間僕は【銀河の光子卿】の効果を発動。デッキから……まぁいい、【銀河剣聖】をエクシーズ素材にする 」

 

見下の場にはモンスター効果を無効にする銀河眼の光子卿と戦闘すれば問答無用で除外される銀河心眼の光子竜が存在しているのにも関わらず、彼方さんは焦る素振りも見せず冷静でいた。

 

自分が使っているデッキが相手だから弱点も把握しているのか、それともここで勝つ確信があるのか……どちらにしろ只者じゃないのは確かだ。

 

「罠発動【活路への希望】。自分のライフが相手より少ない時発動可能。発動コストに俺はライフを1000支払う 」

 

星空彼方 残りライフ2500→1500

 

「そしてその後、お互いのLPの差2000につき1枚、俺ははデッキからドローする。ライフの差は7000、俺はカードを3枚ドローする 」

 

『こ、ここで風前の灯火と言うべきライフを更に自ら削ったぁぁぁ!?』

 

「驚く事ないだろ、こんなライフはギャラクシー相手には無いと言っても良いんだ。ビビっては負けるに決まってる 」

 

『は、はぁ〜……なるほど〜 』

 

まさに捨て身の行動にテンション高めだったMixさんもこれには引き気味であり、これで彼方さんの手札は一気に5枚になった。

 

「……よし、これなら行けそうだ。俺は手札から【竜の霊廟】 を発動。デッキからドラゴン族を墓地に送る。俺はもう1枚の【青眼の白龍】を墓地に送り、更に送ったカードが通常モンスターな為、もう1枚墓地に送る。俺は【ヴァレルロード・R・ドラゴン】を墓地に送る 」

 

ヴァレルロードって確か……リボルバーが使ってたカード……やっぱりライバルデッキなのか確定か?

 

「続いて自分フィールドにモンスターが存在しない時、手札の【クリムゾン・リゾネーター】を特殊召喚出来る 」

 

クリムゾン・リゾネーター

レベル2/チューナー/悪魔族/ATK800/DEF300

 

「更に墓地の【ヴァレルロード・R・ドラゴン】の効果を発動。墓地の【ヴァレル】モンスターを対象に、自分の手札かフィールドのカードを1枚破壊することで手札に加える。俺は【ヴァレルロード・R・ドラゴン】を対象に、手札のカード【アブソルーター・ドラゴン】を破壊 」

 

「わざわざ自分のカードを破壊するだと?無効にするするまでも無いな 」

 

「俺はさっき破壊した【アブソルーター・ドラゴン】の効果発動。このカードが墓地に送られた時、デッキから【ヴァレット】モンスターをデッキから手札に加える 」

 

「させるか、僕は【銀河眼の光子卿】の素材を一つ使い、その効果を無効にする 」

 

「それじゃあ気兼ねなくやるぞ。俺は【ヴァレット・シンクロン】を通常召喚 」

 

ヴァレット・シンクロン

レベル1/チューナー/ドラゴン族/ATK0/DEF0

 

「【ヴァレット・シンクロン】が召喚された事により、墓地のレベル5以上のドラゴン族闇属性を効果を無効にして特殊召喚する。俺は【アブソルーター・ドラゴン】を墓地から特殊召喚 」

 

アブソルーター・ドラゴン

レベル7/ドラゴン族/ATK1200/DEF2700

 

「この効果を使ったこのターン、俺は闇属性モンスターしかエクストラデッキから特殊召喚できない 」

 

これでレベル1のチューナーモンスターに、レベル7のモンスター……俺の予想が当たっていれば、恐らく次に出てくるカードは……あのカードだろう。あのモンスターも、闇属性なのだから。

 

「俺はレベル7の【アブソルーター・ドラゴン】とレベル1の【ヴァレット・シンクロン】をチューニング! 」

 

2体の機械のドラゴンが混じり合い、その中心に迸る炎の業火が生まれ、その業火の中に黒光りする悪魔の龍が今ここに降臨した。

 

「来い!レベル8【レッドデーモンズ・ドラゴン】! 」

 

レッドデーモンズ・ドラゴン

レベル8/シンクロ/ドラゴン族/ATK3000/DEF2000

 

レッドデーモンズ・ドラゴン……!リゾネーターが出てきた時からやはりと思ったが、これで確定だ。

 

彼方さんのデッキはライバルデッキ。上級モンスターが多いから回しづらいと思ったが、遊戯王で登場するライバルキャラの殆どはドラゴン族を使っている為、少しばかりのシナジーがあるのだろう。

 

「この瞬間、俺は【クリムゾン・リゾネーター】の効果を発動。このカード以外の自分の場が闇属性シンクロモンスターだけの場合発動可能。手札かデッキから【クリムゾン・リゾネーター】以外の【リゾネーター】モンスターを2体まで特殊召喚する。俺はデッキから【バリア・リゾネーター】と【シンクローン・リゾネーター】を召喚する 」

 

バリア・リゾネーター

レベル1/チューナー/悪魔族/ATK300/DEF800

 

シンクローン・リゾネーター

レベル1/チューナー/悪魔族/ATK100/DEF100

 

これで場にはレッドデーモンズ・ドラゴンと3体のチューナーモンスター……そして、そのレベルの合計は……最大レベルの12。

 

「俺はレベル8の【レッドデーモンズ・ドラゴン】とチューナーモンスター【クリムゾン・リゾネーター】【バリア・リゾネーター】【シンクローン・リゾネーター】でトリプルチューニング!! 」

 

『こ、これはぁ!3体のチューナーモンスターでのシンクロ召喚だぁぁ!!! 』

 

レッドデーモンズの周りに3体のリゾネーター達が緑の光の輪では無く、燃えたぎる炎の輪と姿を変え、レッドデーモンを業火に包み込んだ。

 

炎に包み込まれたレッドデーモンはその炎で鎧を纏うかのように炎を取り込み、黒い翼の一部を赤く染め、黒光りした赤い鱗は灼熱の如く赤く染まり、やがて全ての炎を取り込んだ。その姿はまさに、現実にあるこの日出る太陽よりも熱く燃える魂のようだった。

 

「レベル12【スカーレッド・スーパーノヴァ・ドラゴン】!!! 」

 

スカーレッド・スーパーノヴァ・ドラゴン

レベル12/シンクロ/ドラゴン族/ATK4000/DEF3000

 

アームドドラゴンからヴァレットモンスターに続き、何をどうやったらトリプルチューニングなんて芸当をしてスカーレッド・スーパーノヴァ・ドラゴンを召喚してるんだこの人は……?

 

彼方さんだってまだデッキの全てを把握している訳では無いはずなのに、まるで普段から使っているようにデッキを回してる姿は、流石は経験者と言うべきなのだろうか。

 

「【スカーレッド・スーパーノヴァ・ドラゴン】の攻撃力は墓地にいるチューナーモンスターの数×500ポイントアップする……が、その前に墓地の【シンクローン・リゾネーター】の効果を発動。こいつが墓地に送られた時、コイツ以外の墓地の【リゾネーター】モンスターを手札に加える。俺は【クリムゾン・リゾネーター】を加えるから……攻撃力は1500アップだ 」

 

スカーレッド・スーパーノヴァ・ドラゴン ATK4000→5500

 

「攻撃力5500!?……はっ、だが【銀河心眼の光子竜】の前では無意味だ!戦闘する前に除外すればそんな攻撃力はゴミも当然…… 」

 

「じゃあこうすれば良い。俺は装備魔法【ラプテノスの超魔剣】を【スカーレッド・スーパーノヴァ・ドラゴン】に装備 」

 

上空から塚がまるで何かのモンスターの顔のような禍々しい装飾をしている剣がスカーレッド・スーパーノヴァの手元に飛び、スカーレッドが塚を握りと炎は獄炎へと変え、剣を大きく振りまくっていた。

 

振った炎が観客席の人間を飲み込もうとしたが、ソリッドビションだから燃えることは無いが、見ているこっちはヒヤヒヤものだ。もしこれが本物ならこの一体焼け野原になって地図上に消えるのは間違いない。

 

「ひっ……!ちょっと怖いかも…… 」

 

ここから遠く離れていても迫力があるせいか、プリムが俺の体にしがみついた。

 

それにしても、なんかあのスカーレッド……やけに意思がある様に見えるな。ストレナエが使っていた【ペンギン・勇者】も、俺とのデュエルとの最後、ストレナエを庇うようにして【オッドアイズ・ペンデュラムドラゴン】の攻撃を防いでいた。

 

明らかにソリッドビションのプログラムの範疇を超え、間違いなく意思がある様な行動がどうしても引っかかってしまい、俺はある事をプリムに尋ねた。

 

「なぁプリム、【ロマンス・タッグデュエル】の時、お前を召喚した事があったよな?その時、お前はフィールドにいたか? 」

 

「え?うん、召喚した時ちゃーんと居たよ?花衣君の事見えてたし 」

 

「じゃあ、召喚されたら自分の意思で動く事は可能か? 」

 

「うーん、あのモンスターに攻撃してーとか、守備表示になるから防御するーっていうのは、自分の意思じゃ動けないけど、それが以外は自分で動けるよ 」

 

じゃあつまり、攻撃対象を指定する等のプレイヤーが決める行動以外は、あの時皆はほぼ自由に行動出来たという訳か……まぁ、自由に動けなかったら決勝戦でのあのティアドロップの行動は説明が付かないけどな……

 

「やっぱり気になる?ここのモンスターが 」

 

最初から話を聞いていたのか、ロゼもこの話に介入してきた。

 

「ロゼはどう思ってるんだ? 」

 

「まだ分からない。だけど、ここに出てきているモンスター全てに意思が宿っているというのは間違い 」

 

「え、そうなのか? 」

 

「予選でもモンスターを召喚したのを観察したけど、殆どが機械的な表現でとても意思は感じられなかった。今の所モンスターに異変があったのは、私達と貴方とアイツ、彼方のモンスターだけよ 」

 

「え、俺と彼方さん? 」

 

俺と彼方さんという事は……精霊が見える者もしくは精霊自信が何かしらの影響を与えているということなのだろうか。そうだとしたら、同じ精霊が見える花音もモンスターに影響を与えられる事は十分考えられる。

 

だが、そもそもそのデュエルディスクを作っているのは俺達では無く、花音のお母さんが経営している先咲コーポレーションだ。花音の事を疑っている訳では無いが、何かしらの裏がありそうだ。ちょうど花音がいるし、話を聞いてみるのもありだ。

 

「なぁ、花音。今ああいう風にデュエルディスクを開発してるけど、今どれぐらい作ってるんだ? 」

 

「デュエルディスクですか?うーん、私にそこまで介入出来るほど立場はありませんし、お母様に聞いたところによると、開発自体は別の所でやってるんですよ 」

 

「え、どこだ? 」

 

「レゾンです 」

 

「レゾンだと? 」

 

「はい、正確にはディスクのフレーム開発やプログラム等レゾンが、ソリッドビションはこちらが請け負っているらしいです 」

 

なるほど……となるとそのデュエルディスクかソリッドビションのどっちか、又は両方に俺や花音のような精霊を見える者や精霊自体に何かしらの反応し、召喚するモンスターに意思を与える……いや、この世界に呼び出す事が出来るのか?

 

何故?何の為に?どういった意図で?しかもまたレゾンが絡みついているのが更に謎だ。

 

あぁダメだ。頭の中がカバンの中に入れたらいつの間にか絡まっているイヤホンのコードの様にぐちゃぐちゃになり、何を考えたのすら分からなくなった。

 

「か、花衣さん?大丈夫ですか? 」

 

「あぁ……うん、大丈夫 」

 

悩んでいる所を束の間、観客達はスカーレッド・スーパーノヴァ・ドラゴンを目の前にして興奮を抑えられずにいた。

 

「バトルだ!俺は【スカーレッド・スーパーノヴァ・ドラゴン】で【銀河心眼の光子竜】に攻撃!」

 

業火の剣と銀河の爪がぶつかり合い、打ち付けられた剣と盾が火花を散らしていた。しかし、攻撃力の差は歴然、無惨にも燃えたぎる剣に体は破壊され、【スカーレッド・スーパーノヴァ・ドラゴン】のブレスにより、その体は燃え尽きてしまった。

 

見下成金 残りライフ8000→6500

 

「俺はカードを1枚伏せて、ターンエンドだ 」

 

 

2ターン目 後攻終了

 

 見下成金:残りライフ 6500 残り手札2枚

 

 □□□□□

 □①□□□

 □ □

 □□②□□

 □□□④③

 

 星空彼方:残りライフ 1000 残り手札2枚

 

①銀河眼の光子卿

 

②スカーレッド・スーパーノヴァ・ドラゴン

③伏せカード

④ラプテノスの超魔剣(スカーレッド・スーパーノヴァ・ドラゴンに装備)

 

『なんと!レゾンカードを倒し、ライフの差はあれど盤面は彼方選手に傾いてます! 』

 

「手札から【強欲で貪欲な壺】を発動。デッキの上から10枚裏側除外し、2枚ドロー! 」

 

「ふっ、お前にお似合いなカードだな 」

 

「舐めるなよ……!更に僕は魔法カード【サイクロン】を発動!その装備魔法を破壊! これでお前のモンスターは対象に取れる事が可能だ!」

 

銀河の竜巻が炎の剣となった【ラプテノスの超魔剣】を破壊し、これで効果の対象に取れるようになったしまった。だが、【銀河眼の光子卿】はモンスターの効果が発動した時にしか効果が発動できない筈だ。

 

攻撃力が低いままで何をしようって言うんだ……?

 

そう誰もが思ったその後、見下が1つの魔法カードを発動した。

 

「僕は魔法カード【死者蘇生】を発動。墓地から【銀河心眼の光子竜】を特殊召喚! 」

 

フィールド中央の空間が歪むと、その歪みから抜け出すように【銀河心眼の光子竜】がまたもフィールドに復活した。

 

「ならこっちも罠発動!【大いなる魂】!フィールドにドラゴン族シンクロモンスターがいる時発動。デッキから【リゾネーター】モンスターか、レベル1の【ドラゴン族】のモンスターを合計2体まで特殊召喚する。俺は【アネスヴァレット・ドラゴン】とチューナーモンスター【伝説の白石】をデッキからそれぞれ守備表示で特殊召喚! 」

アネスヴァレット・ドラゴン

レベル1/ドラゴン族/ATK0/DEF2200

 

伝説の白石

レベル1/チューナー/ドラゴン族/ATK300/DEF250

 

「今更そんな雑魚を並べた所でこれで貴様は終わりだ!バトル!【銀河心眼の光子竜】で【スカーレッド・スーパーノヴァ・ドラゴン】に攻撃!! 」

 

「【スカーレッド・スーパーノヴァ・ドラゴン】の効果発動。相手が効果を発動、又は攻撃した時このカードを除外し、お前のフィールドのモンスターを全て除外する! 」

 

「無駄だ!【銀河眼の光子卿】のエクシーズ素材を取り除き、効果により貴様のモンスター効果は無効!これで貴様のドラゴンは効果を失い、攻撃力が元に戻る! 」

 

「させるか、墓地の【大いなる魂】のもう1つの効果発動。自分フィールドにドラゴン族シンクロモンスターが存在し、それを対象にした後モンスターの効果が発動した時、その効果を無効にし、対象の攻撃力をエンドフェイズまで2000アップする」

 

スカーレッド・スーパーノヴァ・ドラゴンATK5500→7500

 

「効果は無効にされ、お前の【銀河眼の光子卿】が無効にされた。よって【スカーレッド・スーパーノヴァ・ドラゴン】の効果はきっちり受けてもらうぞ! 」

 

【スカーレッド・スーパーノヴァ・ドラゴン】が自身に大爆発を起こし、自身の身をもって見下のフィールドのモンスターを全て全滅させた。

 

「な、何故【銀河心眼の光子竜】が破壊される!?あいつは他のカード効果を受けないんじゃ…… 」

 

「そいつは【銀河眼の光子竜】を素材にして召喚して初めてその効果を得るんだ。お前さっき【死者蘇生】で特殊召喚しただろ。忘れたのか 」

 

「くそっ!くそっ!しぶとくて意地汚い奴だ! 」

 

思い通りに事が運ばない苛立ちで見下は怒り狂い、血走った目つきで彼方さんを睨んでいた。

 

「まぁ、良い。貴様は次のターン何も出来ないのと同じだからな 」

 

「それはどうかな。俺の【スカーレッド・スーパーノヴァ・ドラゴン】は、俺のエンドフェイズ時に帰ってくる。まだ行けるさ 」

 

「どうかな?僕は魔法カード【D・D・R】を発動。手札を1枚捨て、除外されているモンスターを特殊召喚する!僕が呼び出すのは当然【銀河心眼の光子竜】! 」

 

「またそいつか…… 」

 

「そしてこの瞬間、さっき捨てた魔法カード【代償の宝札】の効果を発動。このカードが手札から墓地に行ったとき、2枚ドローする 」

 

「そいつは確か……5dsに出たカードか…… 」

 

あれも知らないカードだ……だが彼方さんの反応を見る限りあれもOCG化されてないカードだとは思うが……俺は出処が分からない。

 

「そして更に……魔法カード【異次元からの埋葬】。除外されている【銀河眼の光子卿】を墓地へ戻し、カードを1枚伏せてターンエンド 」

 

3ターン目 先攻終了

 

 見下成金:残りライフ 6500 残り手札1枚

 

 ②□□□□

 ①□□□□

 □ □

 □□④③□

 □□□□□

 

 星空彼方:残りライフ 1000 残り手札1枚

 

①銀河心眼の光子竜

②伏せカード

 

③伝説の白石

④アネスヴァレット・ドラゴン

 

「俺のターン、ドロー 」

 

「罠発動!【エクシーズ・リボーン】!墓地のエクシーズモンスターを特殊召喚し、更にこのカードをエクシーズ素材にする!【銀河眼の光子卿】を蘇生し、このカードをエクシーズ素材にする!」

 

「ここでそれが来たか……! 」

 

除外した【銀河眼の光子卿】がまたフィールドに戻り、状況が振り出しになってしまった。

 

『さぁ!彼方選手は自身のレゾンカードを乗り越えられるのでしょうか!?』

 

「乗り切る?はっ!出来るわけが無い!フィールドには雑魚モンスターだけで手札も少ない!それでこの僕の最高のモンスターに勝てる訳が無いだろ!」

 

確かに状況は誰がどう見ても絶望的だ。頼みの綱は【スカーレッド・スーパーノヴァ・ドラゴン】であり、自分のエンドフェイズに帰ってはこれる。だけど…【銀河眼の光子卿】の効果で次のターン【スカーレッド・スーパーノヴァ・ドラゴン】の効果を発動しても、効果を無効にされてしまう。

 

ドローカードを見た彼方さんは息を吐き、空を見上げていた。

 

「お?諦めたのか?まぁ無理もない、だが恥じることは無い。何せ僕にはレゾンカードがあったからな。やはり僕のような者にレゾンカードがあるべきであり、貴様のような有象無象の奴には相応しくな…… 」

 

「お前、カードを大事にしてないだろ 」

 

「は? 」

 

「自分の使ってるカード、お前はどう扱ってるんだと聞いている 」

 

「な、何を言っている。負けが確定して錯乱したか? 」

 

急に彼方さんが見下に話題をふった。どういう心境なのかは分からないが、彼方さんは笑っていた。まるで負けるつもりなんて無いとでも言っているように真っ直ぐで、綺麗だった。

 

「俺、結構カードを大事にしているんだよ。いつも使っているカードのスリーブは二重にしたり、ケースにも気を使っている。だからこそ俺は、目の前にある【銀河眼】に愛着がある 」

 

そう言って彼方さんは見下のフィールドにいる【銀河心眼の光子竜】と【銀河眼の光子卿】を見上げていた。

 

「俺にとってそいつらには思い入れがあってな、誰よりも大事にしている自信があった。あの光景を見るまではな 」

 

「あの時……? 」

 

「お前がロマンス・タッグデュエルの時、花衣君のデッキを盗んだろ。その時俺も見ていたんだよ 」

 

「あれはより相応しい僕が使ってやろうとやっただけだ。カードもきっと僕に使われて光栄だったはずだ 」

 

「そんな訳無いに決まっています……! 」

 

「誰がお前なんか使われるかー!いーっだ! 」

 

見下の言葉にティアドロップ達は静かな怒りを顕にし、皆口には出さずとも見下に対しての感情は言わずもがな、最悪だ。

 

そんな事当の本人には知る由もなく、話は続いた。

 

「まぁ結局花衣君が君からデッキを取り返したが、その時花衣君がなんて言ったか覚えてるか?……「そのデッキは命よりも大切」って言ったんだ。初めて聞いた時は驚いたよ。お前がもしデッキを海に投げ捨てたら迷わず海に飛びこむ程の迫力だったよ。きっと、そうなったら迷わず花衣君は飛び込んだだろうな 」

 

あの時の頃は俺も嫌でも覚えている。確かに俺の使っているデッキは命よりも大切だと思っている。今ここにいる皆も、皆がなるカードもどっちも。

 

「さっきから何なんだ?お前は結局何が言いたい?負けを宣言したいのか? 」

 

「……花衣君は誰よりもあいつらを大事にしている。俺なんかよりもずっとな。だからカードは応え、勝利に導く。お前みたいに、雑魚と全否定する奴に負ける訳には行かないって事だ! 」

 

そして彼方さんは、ドローカードを発動した。

「魔法カード【トレード・イン】を発動。手札の【ヴァレルロード・R・ドラゴン】を墓地に送り、2枚ドローする 」

 

『ここで手札増強カードが来たァァァ!果たして、ドローする2枚のカードで逆転は可能なのか!? 』

 

(恐らくアイツのデッキには【ギャラクシーアイズ・FA・フォトンドラゴン】も居るはずだ。もしここで守備表示でモンスターを召喚しても効果で破壊されてジリ貧……ましてやモンスターを召喚しなければ負けだ。このターンでケリをつけるしか無い…… )

 

彼方さんは目を瞑り、デュエルディスクに手を置いた。

 

(俺は……俺を信じる。お前らにこの声が届いているのなら、俺を信じる俺を信じろ……! )

 

目を瞑りながら彼方さんは2枚のカードをドローし、ゆっくりと2枚のカードを確認した。

 

「…………来たか! 」

 

彼方さんは、勝利を確信したかのように笑った。

 

「俺は墓地に送った【ヴァレルロード・R・ドラゴン】の効果発動!墓地の【ヴァレット・シンクロン】を対象にし、フィールドか手札のカードを破壊することで対象のモンスターを手札に加える! 」

 

「させるか!【銀河眼の光子卿】でその効果は無効!これで終わりだ! 」

 

「悪いがそれじゃあもう止まらない! 」

 

「何だと……? 」

 

「俺は魔法カード【三戦の才】を発動!相手がモンスターの効果を発動した場合発動可能。デッキから2枚ドローするか、相手の手札を確認してデッキに戻すか、相手フィールドのモンスター1体のコントロールを得る効果のいずれかを選ぶ 」

 

「こ、コントロールを得るだと!? 」

 

「俺は【銀河心眼の光子竜】を選択し、コントロールを得る!戻ってこい! コズミックアイズ!! 」

 

彼方さんの叫びが届いたかのように、【銀河心眼の光子竜】は見下のフィールドから飛び去り、星々の粒子を散らしながら彼方さんのフィールドへと飛び去った。

 

「か、返せ!僕のドラゴンだぞっっ!! 」

 

「誰がお前のだ!仮初で偽物のカードだとしても、このドラゴンは俺のだ!更に魔法カード【貪欲な壺】を発動!墓地に存在する【青眼の白龍】【アームド・ドラゴンサンダーLv10】【スカーレッド・スーパーノヴァ・ドラゴン】【バリア・リゾネーター】【クリムゾン・リゾネーター】をデッキに戻し、2枚ドロー! 」

 

「ま、またドローカード!? 」

 

「俺は【アネスヴァレット・ドラゴン】と【伝説の白石】でリンク召喚!召喚条件はドラゴン族モンスター2体!現れろ!【天球の聖刻印】! 」

 

天球の聖刻印

ドラゴン族/リンク/LINK2/ATK0

 

「俺は【天球の聖刻印】 をリリースし、【DDドッグ】をアドバンス召喚!」

 

DDドッグ

レベル6/悪魔族/ATK2000/DEF2000

 

「【天球の聖刻印】の効果!このモンスターがリリースされた時、手札かデッキからドラゴン族モンスターを攻撃力0にして特殊召喚!俺はデッキからこのモンスターを召喚する! 」

 

彼方さんの上空から突然赤い十字架のようなものがフィールドに突き刺さり、その中心の蒼い石から星の光が溢れ出した。

 

星の光は手足となり、牙や爪を生み出し、やがて銀河を流れる星の様な輝きと共に龍を生み出した。

 

「俺はデッキから【銀河眼の光子竜】を召喚! 」

 

銀河眼の光子竜

レベル8/ドラゴン族/ATK0/DEF2500

 

「ば、馬鹿な!そのモンスターは僕のデッキに3枚も入ってるんだぞ!? 」

 

「奇遇だな、俺もこのカードは3枚入ってるんだよ 」

 

『なんと!同名カードはレゾンカードを除くと全て10枚以上はありますが、その内の6枚がここにあるとは!! 』

 

見下は取り巻きで探させたとして……彼方さんさ自力で3枚も集めたって事か……自分のエースだから引かれる物があるのだろうか……?

 

「そして魔法カード【銀河遠征】を発動!自分フィールドにレベル5以上の【フォトン】か【ギャラクシー】モンスターが存在する時、デッキからレベル5以上の【フォトン】か【ギャラクシー】モンスターを特殊召喚する!俺はデッキからもう1体の【銀河眼の光子竜】を特殊召喚! 」

 

これでフィールドには……銀河眼が2体!

 

「俺は2体の【銀河眼の光子竜】でオーバーレイ!来い!ランク8【No.62 銀河眼の光子竜皇】! 」

 

No.62 銀河眼の光子竜皇

ランク8/エクシーズ/ドラゴン族/ATK4000/DEF3000

 

「そ、そのカードも僕は持っている!何なんだ……お前……! 」

 

「悪いが銀河眼とは縁があってな。多分それだろう。……終わりだ!俺は【銀河眼の光子竜皇】で【銀河眼の光子卿】に攻撃!この瞬間、【銀河眼の光子竜皇】の効果発動!エクシーズ素材を取り除き、フィールド上にいるエクシーズモンスターのランクの合計分×200攻撃をアップする!」

 

『今フィールドにいるエクシーズモンスターは【銀河眼の光子卿】と【銀河眼の光子竜皇】の2体で合計ランクは16!よって3200の攻撃力アップ! 』

 

銀河眼の光子竜皇 ATK4000→7200

 

攻撃力が上がった【銀河眼の光子竜皇】は余りある威力のブレスを【銀河眼の光子卿】にお見舞いし、【銀河眼の光子卿】は跡形もなく消し飛んだ。

 

見下成金 残りライフ6500→1300

 

「トドメだ!俺は【銀河心眼の光子竜】でダイレクトアタック! 」

 

【銀河心眼の光子竜】の手から銀河の光が集まりだし、超規模な攻撃を今まさに見下に襲いかかろうとしていた。あまりの迫力に見下は腰を抜かし、その場を動ける事無く破滅の光を見つめていた。

 

「や……やめろぉ! 」

 

見下は叫んだがその声は届かず、【銀河心眼の光子竜】は集めた光を一点に集中し、一気に見下に向かって解き放った。

 

放たれた光はそのまま見下を飲み込み、跡形も無く見下のライフを消滅させた。

 

見下成金 残りライフ1300→0

 

WINNER 星空彼方

 

「勝負ありーーー!!勝者は数多のドラゴンを駆使し、自身のカードを打ち破った星空彼方選手だぁぁぁ!! 」

 

自分のレゾンカードを使っている奴に自分で勝った事実に観客達は盛り上がり、これで彼方さんは準決勝へと駒を進めた。

 

「レゾンカードを……しかも自分のカードに勝つなんて……! 」

 

「流石彼方ですわー! 」

 

「ふぅ……勝った 」

 

ここから見える彼方さんは勝てた喜びを噛み締めるように空を見上げながら一つ息を吐き、肩を落として脱力する様に手を下ろし、座り込んでいる見下に近づいた。

 

「くそっ!何故だ……!何故負けた!? 」

レゾンカード、デッキパワー、殆どにおいて見下が上回っていた。そのことは本人も理解しており、それも相まって屈辱にまみれた見下は地面を叩いた。そして、そんな見下を彼方さんは見下ろしていた。

 

「カードを雑魚と全否定し、レゾンカードにだけこだわった結果だ。お前はカードに使わされ、自分自身に負けたんだ 」

 

「自分自身だと……?馬鹿馬鹿しい!それに弱いカードを雑魚といって何が悪い!何も出来ず、惨めな物は惨めと言って何が悪い!?世の中はそういう奴が必ず居るんだよ……!そして僕はそういった奴を使ってやってるんだ、感謝して欲しいぐらいだな 」

「だからお前は負けたんだ。使っているんじゃなく、使わされている事を知らない。だから負けたんだ 」

 

「使わされている?僕は使う側だ!これからもな!! 」

 

見下は彼方さんを振り払うようにフィールドから立ち去り、少し後味の悪いAブロックがこれで終了した。

 

『さぁ!これでAブロックの1回戦が全て終わり、ここでAブロック勝者をまとめて見ましょう!まずはこの選手! 』

 

Mixさんがモニター方向に指を向けると、3名の名前と写真が映し出された。

 

『Aブロック第1試合を勝ち進んだのは【桜雪花衣】選手!作り上げたデッキは確認した所では【HERO】【ジャンク】【オッドアイズ】とかなりキメラなデッキとなってますが、なんとギリギリのところで勝ち進んでいます! 』

 

本当それな……ありすぎて逆に心臓がいくつあっても足りないぐらいだ。

 

『続いて第2試合を勝ち進んだのは【カンザシ】選手!デッキは今の所【D-HERO】しか確認されておらず、まだまだ底がありそうだ! Bブロックの試合が終わったら、花衣選手と彼方選手との対決となります! 』

 

「ふふ、お手柔らかにお願いしますね?旦那様 」

 

「それはこっちのセリフだと思うけどな…… 」

 

『続いて第3試合!第3試合は引き分けとなり、この選手は自動的に準決勝に進出!その名は第4試合勝者【星空彼方】選手!確認しているカテゴリーは【ブルーアイズ】【アームド・ドラゴン】【レッドデーモン】【銀河眼】【DD】【ヴァレット】です!こちらも中々のキメラデッキですね〜! 』

 

そしてそのデッキは俺と彼方さんにとってはかなり名残りあるデッキだ……彼方さんは遠くにいる俺を見つけて見つめると、待ってると言わんばかりに親指を立て、その場を後にした。

 

「待ってるぞ、花衣君 」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

第4試合が終わった数分後……

 

「くそっ!くそっ!くそっっっ!あんなやつに……この僕がっ……! 」

 

_お前は自分自身に負けたんだ

 

「あああ!ふざけるな!庶民が僕の事を……富や権力全てを持って生まれた僕に……!あんな風に見下して……! 」

 

「あらあら〜?どうやらかなり怒ってる様子ですね〜! 」

 

「あっ!?誰だお前はっ!? 」

 

「そんな貴方にお似合いな商品があるんですよ〜。良かったら使ってみません?世界で1つ、貴方だけ持っている物で、貴方のその欲望を叶えてくれる魔法のデッキ。欲しいですか? 」

 

「僕だけ……の……? 」

 

「さぁ、手に取って下さい。そして憎い奴を想像してみて下さい。…………はい、ありがとうございます。きっと貴方の望み通りになると思いますよ?うふふふふふ…… 」

ここまで(〜90話)出てきたレゾンカードの中で強いと思うのは?

  • 六花聖華ティアドロップ、カイリ
  • 閃刀騎-カイムと閃刀騎-ラグナロク
  • 銀河心眼の光子竜
  • RRRリノベイルイグニッションファルコン
  • 炎転生遺物-不知火の太刀
  • 常闇の颶風
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