六花テーマを作って愛用したらそのまま俺への愛が重くなった件について 作:白だし茶漬け
正直あのような大会が出来るならサンドデッキぐらい実装してもいいんじゃないかな〜とは思っていますがね。
まぁゆるゆるというか、アニメ見たいな激熱展開が見たい!と思ってる自分がいますけどねw
熱狂している会場に俺と彼方さんはようやく戻り、通路のひんやりした空気から一変した湿気と熱気が凄まじまい暑い外へと戻って行った。
やはり夏は暑い……熱中症にならないようにしないとな……
「あ! 花衣さーん! おかえりなさいー! 」
俺がいた席からレイが元気に手を振り、俺と彼方さんは席へと戻っていく。するとどうだ、六花達の周りが涼しい空気が辺り一面に包まれ、六花達はこんな暑い中でも凛とした表情を取っていた。
「さぁ花衣様、暑いのでどうぞ私の隣へどうぞ 」
「いやいやここは私だよね? 」
「あ、あの……私の方も涼しい……ですよ? 」
「いえいえ旦那様ここは私の隣に 」
「いーや! 私ネ! 」
「何言ってるの? 私しか居ないですよね? 」
「はいはーい! こっちの方が涼しい自信ありまーす! 」
「私もー! 絶対こっちが1番だよ! 」
「え、えーと……こっちも涼しい……よ? 」
「ふっふっふ……何も六花達だけ涼しく出来るわけじゃありませんよ? さぁ花衣さん! 私とロゼちゃんの間に座って下さい! 閃刀の技術で適温で快適な涼みを提供出来ますよ! 」
「レイと同意見 」
まさかの全員が俺の隣を奪い合うかのように同時に人1人分の席を開け、俺はどうすれば分からず立ち尽くした。
「え……ええと……どう……すれば良いですか? 」
思わず隣にいた彼方さんに助けを求め、助けを急に求められた彼方さんは困惑した表情で俺を見た。
「いや何で俺に聞くんだ君は。はぁ……適当にじゃんけんさせれば良いんじゃないか? 」
「なるほど……じゃあ皆じゃんけんを…… 」
「「「最初はグー! じゃんけん…… 」」」
いやせめて2組に分けろ! 11人で一斉じゃんけんなんて終わるわけ無いだろと思った矢先、勝負はなんと一瞬でついてしまった。
1人はチョキで、残りはパーという構図で勝負が決まり、勝った奴はそのままチョキの手を上に伸ばした。
「やった──!! 私の勝ち〜!! 」
多人数のじゃんけんを制したのはスノードロップであり、他の皆は目に見えてガッカリしていた。
「えへへ、じゃあ勝者の特権という事で……花衣君、私の隣へどうぞ〜! 」
「ま、こればかりはな 」
俺はスノードロップの隣に座った瞬間、スノードロップが急に俺の右腕を組み、肌を密着させた。
「お、おい! 」
「良いじゃん良いじゃん! 離れたら〜許さないよ? ♡ 」
スノードロップは笑顔の筈なのに怖すぎる。離さないようにとしっかりと両腕で俺の腕にしがみつくようにしているし、顔を遠ざけようとするとスノードロップは更に密着させて俺から離れまいとしている。
そんな積極的な態度がスノードロップのへそ出しの白いクロップドと黒のショートパンツを際立っており、つい顕になっている所を見てしまうのは思春期の男の性なのかそれとも単に俺が意識しているのか……
どちらにせよ観戦どころじゃ無い。胸の鼓動が抑えきれず、目を逸らそうにもスノードロップは俺の耳に迫ってきた。
「ねぇ、もっと近づないと……ねっ ちゅー しょ? になるよ 」
「お前それ言いたいだけだろ!? 」
「えー? 私は熱中症って言ったよ? 花衣君、何と聞き間違えたのかな? ……ふふ 」
「うぐっ…… 」
スノードロップのイタズラな笑顔に翻弄された俺は何も言い返せず、スノードロップはそのまま倒れ込むかのように俺の傍から離れなかった。
「はぁぁ……幸せ。ずっとこうしていたいな…… 」
『さぁさぁいよいよ始まります。ピックアップデュエルBブロック!! ここでBブロックの出場選手と組み合わせをもう一度ご覧頂きましょう! 』
相も変わらずMixさんがテンション高めで実況すると、モニターの画面が切り替わり、Bブロックの組み合わせと選手が映し出された。
『まずこれからやる第1試合の組み合わせはこれだ! 【宝石カレン】VS【先咲花音】!! この2人はロマンス・タッグテュテルで1度デュエルしています! 花音選手にとってはこれはリベンジマッチとなりますね! 』
そう言えばそうか。特に花音はあの時のデュエルを相当悔しがっていたから、思わぬデュエルになったことだろう。
『続いて第2試合は【ティア】選手vs【スノー】選手! これは物凄く綺麗な顔立ちの選手だ! 果たしてどのようなデュエルを見せてくれるのでしょうか!? 』
会場にいる男性陣がティアドロップとスノードロップを早く見たがっているのか、大いに盛り上がっていた。
「ねぇねぇ、花衣君は勿論私を応援してくれるよね? 」
「あらあらスノードロップは冗談が上手くなりましたね。花衣様は私の応援をするんです。そうですよね? 」
「……どっちもの応援は 」
「「ダメ」です 」
「ですよね…… 」
『続いての第3試合はこちら! 【レイ】選手VS【ボタン】選手! 金髪美少女とチャイナ娘の激突! 中々激しいデュエルが予想されますね〜ホワチャ! 』
ティアドロップとスノードロップの2人の視線に挟まれながらもMixさんの解説は続き、いよいよ最後の試合の発表だ。ここまで発表されてないのは……あの二人だ。
『最後の第4試合は【シクラン】ちゃんvs【エリカ】選手! 儚げな少女と【カンザシ】選手に続く、ジャパニーズ大和撫子の登場! 以上がBブロック1回戦の試合となります! なんと出場選手全員が女性! 女性の底力をこの大会では見せてくれるのでしょうか!? 』
まぁ確かに半数以上が女性というか……デュエルモンスターの精霊だって知ったらどう反応するだろうか。しかしこんな風に人目がつくにも関わらず、皆の存在をすんなり受け入れいている所か、あのモンスターに似てるくない? 見たいな事が起こってないのが驚きだ。
「皆意外とティアドロップ達が精霊だって気づかないものなのか? 」
「あ、それについては大丈夫。私達には認識阻害っていうのがあるの 」
「認識阻害? 」
「私達がこうして実体化している時に備わる物です。精霊は皆実体化する時、精霊が見えない人でも見えるようにすると同時にその人達に対して私達の認識を阻害する。つまり、私達が別の誰かに見せるように錯覚させるものです。姿形は変わりませんが、今周りにいる人達は私達が精霊何だと理解する事も、認識する事も出来ないのです 」
つまり、精霊がみえない人達はティアドロップたちに対し、あのモンスターに似ているという考えすらも至らないという訳か……
「ん? じゃあ彼方さんの【銀河眼の光子竜】のようなドラゴンはどうなるんだ? 」
「えーとね、あんまり大きすぎる物はその影響も薄まるの。まぁでも、ドラゴン自体そこまでこの世界に行く事は無いし、主を見つけて姿を変えると思う 」
「あ、彼方さんがあの時見せてくれた【銀河眼の光子竜】はそういう事だったのか…… 」
俺が初めて彼方さんの【銀河眼の光子竜】を見たのはロマンス・タッグデュエルの時であり、その時見た姿は手の平サイズの可愛らしい姿に変貌していた。見た目的には【銀河眼の雲篭】と酷似しているが、彼方さんいわく【銀河眼の光子竜】らしい。
「つまり、君達がモンスターだとバレるのは問題ないと? 」
「はい。ですが逆に霊体化しても私たち精霊が見える者や私達と同じ存在に対してはこの認識阻害を貫通します。そして例外として……魔術で認識阻害を重ね、私たちからの認識も阻害するのも可能です 」
「阻害の重ね合わせか……もしかしたら俺達は知らず知らずの内に監視者達と出会っている可能性もあるというわけか……? 」
ティアドロップは無言の肯定をした。無言の理由も俺も薄々気づいている。
阻害の重ね合わせで精霊が精霊として認識されないのなら、俺の身内に精霊がいるという裏付けにもなるのだから。もちろん確証は無いし、根拠も無い。だが、僅かに残る疑念は俺の心に確かにあった。
「で、でも阻害の重ね合わせはあんまり出来ない物だから! 気にしなくても良いよ! 」
「……うん、ありがとうスノードロップ 」
スノードロップは俺のフォローをしようと必死に弁明し、俺は力ない笑顔を浮かべた。
「ち、違うの花衣君。私そんな顔させる為に言った訳じゃ…… 」
「……すまない軽率な発言だったな 」
「いや、良いんです。どっちみち俺も僅かに感じた事ですから 」
そう、誰も何も言わなくても俺はこの考えに行き着いていた。誰も悪くないし、俺自身身内に監視者もといウィッチクラフト達と繋がりがある奴がいるとは思えない。あるいは……そう願っているのか……渦巻く疑惑と願望が入り交じり周りの気分は酷く落ち込んでしまった。
そんな中、ストレナエが俺の所に近づき、膝をポンと叩いた。
「ねぇねぇ花衣君、花衣君はお友達の事嫌い? 」
「え……そんな訳ないだろ 」
「じゃあ信じてみようよ。きっと友達も花衣君の事大好きな筈だから! 」
「信じる……か 」
俺はふと焔と空との思い出を振り返った。最初の出会いは何だっけ……そうそう、いきなり焔が話しかけてきて……その後空の家に言って……なんやかんやでつるむようになったんだっけ。
まだデュエルも知らない頃はいつも行っているカードショップに連れて貰って始めたんだっけ。そして、今こうして六花達と出会っ……いや、再会した。
よくよく考えれば、あいつらのお陰で今俺はここにいる。例えもしもそれが仕組まれた事であったとしても、俺は2人に感謝している。
「……そうだな。まぁそもそも焔は馬鹿だから隠し事は出来ないし、空も空でこだわりが強いから誰かの指示とかは聞かないもんな! 」
信じるきっかけを教えてくれたストレナエに感謝し、俺はストレナエの頭を撫でた。ストレナエは幸せそうな顔を浮かべ、言葉を続けた。
「うんうん。それにね、何があっても私は花衣君の味方だよ! ずっとずっとず──ーっと! だよ! 」
「それを言うなら私【達】でしょー? 」
自分達を除け者にした言い方をからかうように、スノードロップはストレナエのほっぺたを人差し指でうりうりと突っついた。
「むぅ〜! やめてよ〜!」
ストレナエのモチモチしたほっぺがスノードロップの指で押し込まれ、お返しにストレナエも反撃しようと腕を伸ばしてスノードロップの顔に手を伸ばそうとしたが、体格差が歴然な為ストレナエの手はスノードロップに届かなかった。
「ほれほれ〜うりうりうりうり〜! 」
「そこまでだスノードロップ。それくらいにしろ 」
「あはは、ごめんねストレナエ 」
「むぅ〜! ふんだ! 許してあーげない! 」
「え〜? じゃあお菓子とジュース今度買ってあげるからさ! ね? 」
「本当に!? 」
あ、機嫌直った。やっぱりまだまだ子供だなと、この場にいる全員そう思っているに違いない。
「ですが花衣様、ストレナエの言う通りです。私達はこれからどんな事があろうとも、貴方の味方です。例え……貴方の周りが敵だらけでも、私達がそばにいます 」
「あぁ……本当にありがとう 」
『さぁ両者とも準備が出来たようだ! いよいよBブロック第1試合を始めましょう! 』
どうやら向こうもそろそろ始めるようだ。花音とカレンさんとのデュエル……一体どんなデッキなのか……
「さぁ行きますわよ花音さん! 」
「よ、よーし! 頑張るぞ……! 」
『それではぁ〜デュエル開始ぃぃ!! 』
先咲花音
Vs
宝石カレン
デュエルが開始された瞬間コイントスが始まり、結果はカレンさんが表となり、カレンさんが先攻か後攻を選ぶ権利を得た。
「先攻は私が貰いますわ! では手始めに……フィールド魔法【白銀の迷宮城】を設置! 」
いきなりフィールド魔法を展開したカレンさんのフィールドに白銀に輝く白がそびえ立ち、まさにカレンさん好みの宝石のような輝きを持っていた。
「更に私はカードを3枚伏せてターンエンドですわ! 」
「え? もう終わりなのか? 」
1ターン目終了
宝石カレン 残り手札1枚
残りライフ8000
□②①□③
□□□□□ ④
□ □
□□□□□
□□□□□
先咲花音 残り手札5枚
残りライフ8000
①②③:伏せカード
④:白銀の迷宮城
「伏せカード3枚に【白銀の迷宮城】か……間違いなく妨害中心のデッキだと思うが……あいつに限って妨害系を組むか……? 」
「え、どういう事ですか? 」
「アイツのプレイスタイルはどちらかと言えばパワー系だ。無駄に派手な事をして盤面を更地にしたりするのがアイツの得意戦法だ 」
あー……そう言えばロマンス・タッグデュエルの時、カレンさん確か【究極宝玉神レインボードラゴン】出して俺と花音のフィールドだけじゃなくて彼方さんのフィールドも更地にしたんだっけ。
確かに豪快も豪快。そう考えればカードパワーでごり押す系の人だが、今回は違うのだろうか。そうこう考えている内に次は花音のターンだ。
「私のターンです! ドロー! 」
「この瞬間罠発動【強欲な瓶】! 私はカードを1枚ドロー! そして【ラビュリンス】カード以外の通常罠が発動した時、【白銀の迷宮城】 の効果発動! 手札か墓地から悪魔族のモンスターを特殊召喚! 私が召喚するのは【白銀の城のラビュリンス】ですわ! 」
白銀の城のラビュリンス
レベル8/悪魔族/ATK2900/DEF1900
花音ターンで1枚ドローといきなり上級モンスターを呼び出したカレンさんの目の前に、白銀のドレスを身にまとった銀髪で角の生えた女型のモンスターが降り立った。
見るからに姫のような姿と名前からして恐らく、あのフィールド魔法である城の主という事だろうか。それにしてもあのモンスターの……なんというか……
『デカァァァァい! 説明不要! と思わせるカード来たァァァ!! 』
確かにどことは言わないがあの【白銀の城のラビュリンス】は……デカい。うん、顔より大きくて豊満な物を持っていた。
それがソリッドビジョンで今まさに見ることが出来るのだからこの会場にいる男性陣はこれまた大きな歓声を上げていた。【白銀の城のラビュリンス】が何か動作をする度に立派な2つの物は上下にゆっくりとゆさられ、それを見ている奴らは小さく息を飲み、じっとそのモンスターを血眼で見ている……というか、ガン見していた。
そして当の俺は歓声を上げるどころか横から刺さっているスノードロップの圧がとにかく怖い。
「花衣君はあんな奴なんかに興味無いよね? 」
「うん、だからそんな風に笑いながら殺気を出すのは止めてくれ 」
何とかスノードロップの殺気を止めることは出来たが、対抗するようにスノードロップは更に腕組みに力を入れ、これでもかと言うぐらい体を密着させた。
そしてそのせいでティアドロップを初めとした皆の圧も強まり、結局圧が無くなるどころか増える事となった。
さて、切り替えてデュエルの方に視点を変えると、まだ花音の動きは無い。カレンさんの場には伏せカードが2枚と攻撃力が2900の【白銀の城のラビュリンス】が立ちはだかっている。
2900の壁をどう攻略するか……それが勝ち筋の道に繋がりそうだ。
「行きます! 相手フィールドにモンスターが存在し、私の場にモンスターがいない時手札の【幻奏の歌姫ソロ】を特殊召喚します 」
幻奏の歌姫ソロ
レベル4/天使族/ATK1600/DEF1000
「更に私は【トリックスター・キャンディナ】を通常召喚! 」
トリックスター・キャンディナ
レベル4/天使族/ATK1800/DEF400
「【キャンディナ】の効果により、デッキから【トリックスター】カードを1枚手札に加える事が出来ます。私は【トリックスター・シャクナージュ】を手札に加えます」
「させませんわ。私は罠カード【ブレイクスルー・スキル】を発動。【トリックスター・キャンディナ】の効果を無効にしますわ 」
ラビュリンスが杖先をキャンディナに向けると、杖先から白い光がキャンディナを襲い、キャンディは尻もちをついて地面に落下し、効果を無効にされた。
「【幻奏】に【トリックスター】……彼方さん、もしかしてこれ…… 」
「いや、まだ分からない。……が、有り得るかもな 」
俺はこの2つの共通点……天使族以外の所に気づき、彼方さんにも声をかけたが、彼方さんはまだ半分ほど確信は持ってないが、薄々は俺と同じ様なものを感じていた。
俺の予想が正しければ、花音のデッキはまさかの……俺と似ても似つかないデッキという事になる。
「私はレベル4の【幻奏の歌姫ソロ】と【トリックスター・キャンディナ】でエクシーズ召喚! 私はランク4の【フェアリー・チアガール】を召喚します 」
フェアリー・チアガール
ランク4/エクシーズ/天使族/ATK1900/DEF1500
歌姫とアイドルがエクシーズ素材となって現れたのは、妖精のチアガールだった。あれって確か……あのキャラが使ってたカードだったような……気がする。
「【フェアリー・チアガール】の効果発動です。エクシーズ素材を取り除き、カードを1枚ドローします 」
フェアリー・チアガールが両手に持っているポンポンを振りながら花音を応援すると、ポンポンから黄色い流出が花音のデュエルディスクに触れると、花音は【フェアリー・チアガール】にお礼を言いながらカードを1枚ドローした。
「ありがとうございます。よし、もっと頑張ろうね! 私は【RUM-バリアンズ・フォース】を発動します!」
「ばばばば【バリアンズ・フォース】!? 」
「ん? どうしたの花衣君、あれ普通の魔法カードだよ? そんなに驚くカードかな? 」
「え、あ……そうか 」
そうか、こっちからして見ればあれは普通のカードか、でも俺からして見ればあのカードって結構別の意味で印象深いカードというかなんというか……とにかくあれを出したと言う事は、CXを出すつもりなのだろう。まぁ、【フェアリー・チアガール】に対応してるのは、1枚ぐらいしかないだろうが。
「私は【フェアリー・チアガール】を素材にもう一度エクシーズ召喚! 私は【CX ダーク・フェアリー・チア・ガール】を召喚! 」
CX ダーク・フェアリー・チア・ガール
ランク5/エクシーズ/天使族/ATK2500/DEF1900
【フェアリー・チアガール】が黒い繭のように包まれると、服や髪形、そして雰囲気すらも一変し、健気に応援する妖精から冷徹な踊り子のような人格へと変わった。
「更に私は魔法カード【冷薔薇の抱香】を発動。自分フィールドのモンスター1体墓地に送り、そのモンスターの種族によって効果が決まります。私は【ダーク・フェアリー・チア・ガール】を墓地に送り、そのモンスターは植物族では無いのでデッキからレベル4の植物族を手札に加えます。そして、【ダーク・フェアリー・チア・ガール】がフィールドから墓地へ送られた時、カードを1枚ドローします。そして私が手札に加えるカードは【闇薔薇の妖精】 です 」
『おっとこれは凄まじいアドの稼ぎだ! ここまで展開していて尚花音選手の手札は未だに6枚! しかし召喚権は使っている状態で場はがら空き! これからどう動くのか!? 』
確かに召喚権を使った花音はもう通常召喚は出来ない。【二重召喚】の様なカードを使えばもう一度だけ通常召喚が出来るが……見た感じそんなカードは無さそうだ。
だけど何も考え無しに盤面をがら空きにしてまでわざわざ手札を増やそうとする花音では無い。
「私はフィールド魔法【白薔薇の回廊】を設置し、効果を発動します。自分フィールドにモンスターがいない時、手札の【ローズ】モンスターか、植物族モンスターを特殊召喚します。私は【ロクスローズ・ドラゴン】を特殊召喚! 」
ロクスローズ・ドラゴン
レベル3/ドラゴン族/チューナー/ATK1600/DEF1200
「【ロクスローズ・ドラゴン】が特殊召喚された時、デッキからこの子以外の【ブラック・ローズ・ドラゴン】が記されたカードを1枚手札に加えられます。私は【
ここに来て【ブラック・ローズ・ドラゴン】の名前が出てきたな……やはりというか、ほぼ確定で花音はあの人達のデッキの集合デッキと言っても良いだろう。
「そしてその【薫り貴き薔薇の芽吹き】を発動! 自分の手札か墓地の【ローズ・ドラゴン】を特殊召喚します。私は手札の【レッドローズ・ドラゴン】を特殊召喚! 」
レッドローズ・ドラゴン
レベル3/チューナー/ドラゴン族/ATK1000/DEF1800
「そしてチューナーが特殊召喚された時、手札の【闇薔薇の妖精】を特殊召喚出来ます 」
闇薔薇の妖精
レベル2/天使族/ATK800/DEF1000
これで場にはチューナー2体と効果モンスターが1体となり、そのレベルの合計は7だ。俺の予想が正しければ、あのカードかそれに関連するモンスターが出てくるはず……
「私は【ロクスローズ・ドラゴン】と【闇薔薇の精霊】でリンク召喚! 召喚条件は種族が異なるモンスター2体です。私はリンク2の【クロスローズ・ドラゴン】をリンク召喚! 」
クロスローズ・ドラゴン
LINK2/リンク/ドラゴン族/ATK800
「私はカードを1枚伏せ、この時私は手札にある【ジーナの蟲惑魔】の効果発動。自分のセットされている罠カードを墓地に送り、このモンスターを特殊召喚します 」
花音がセットしたのは罠カードだった為、そのセットカードの裏から【ジーナの蟲惑魔】が現れた。まさかこんな短い時間で蟲惑魔に再会するとは思わなかった。
やばい、まだそんなに時間が経ってないから蟲惑魔達にされた事を思い出してしまい体が無意識に震えた。
ジーナの蟲惑魔
レベル4/植物族/ATK1400/DEF1400
「ここで【クロスローズ・ドラゴン】の効果発動です! このカードと植物族モンスターを墓地に送る事で、エクストラデッキから【ローズ】シンクロモンスターか植物族シンクロモンスターをシンクロ召喚扱いで特殊召喚します! 私は【クロスローズ・ドラゴン】と【ジーナの蟲惑魔】をリリース!」
クロスローズ・ドラゴンがジーナを巻き込む程のバラを纏った竜巻を発生させ、薔薇を纏った嵐の中で真紅に染まった薔薇を纏った龍が美しく現れた。
「私は【ブラッドローズ・ドラゴン】を特殊召喚! 」
ブラッドローズ・ドラゴン
レベル10/シンクロ/ドラゴン族/ATK3200/DEF2800
真紅の薔薇の翼を広げ、白薔薇の庭には似つかわなくとも美しい龍は、その冷たい眼で白銀の白の主に龍に相応しい気高き眼を向けていた。
「バトルです! 【ブラッドローズ・ドラゴン】で【白銀の城のラビュリンス】に攻撃です! 」
「そうはさせませんわ! 罠カード【チェンジ・デステニー】! 相手の攻撃を無効にし、そのモンスターを守備表示にしますわ! 」
ブラッドローズの攻撃の前に赤と青の2つの扉が現れ、ブラッドローズの行く手を阻んできた。
「【チェンジ・デステニー】の効果で表示形式を変更されたモンスターは、表側で存在する限り表示変更は出来ませんわ! そして更に、貴方には2つの選択をして貰いますわよ! 」
「せ、選択? 」
「1つは私のライフを回復させるか、もう1つは貴方にダメージを与える効果ですわ。それぞれの数値は表示形式を変更されたモンスターの攻撃力の半分、つまり【ブラッドローズ・ドラゴン】の攻撃の半分である1600ポイント私が回復するか貴方がダメージを受けるか決めてくださいまし 」
「う、う〜ん……どうしようかな…… 」
花音は自分のライフを削るか相手のライフを回復させるかどちらかでかなり悩んでいる様子だ。必死に口元に手を当てて考え抜き、それでも悩みに悩んでいた。
「もぅ! さっさと決めてくださいまし! 」
長い長考で我慢できずカレンさんは足で地面を思い切り踏んづけ、それに驚いた花音はビビり散らかしてしまった。
「は、はひっ! じゃ、じゃあ私のライフを減らします! 」
ダメージ選択した後、赤い扉の先から赤色の粒子が花音を包み込むようにまとわりつき、花音はそのままダメージを受けた。
先咲花音 残りライフ8000→6400
「うぅ……私はこれでターンエンドです」
1ターン目後攻終了
宝石カレン 残り手札1枚
残りライフ8000
□□□□①
□□③□□ ②
□ □
□□④⑥□ ⑤
□□□□□
先咲花音 残り手札0枚
残りライフ6400
①:伏せカード
②:白銀の迷宮城
③:白銀の城ラビュリンス
④:ブラッドローズ・ドラゴン(守備表示)
⑤:白薔薇の回廊
⑥:レッドローズ・ドラゴン
「私のターン! ……ふふ、来ましたわね。私は【白銀の城のラビュリンス】の効果発動! 墓地の通常罠をセットします。私は【強欲な瓶】をもう一度セット! 更に罠カード【無謀な欲張り】! 私はカードを2枚ドローし、私は2ターンの間ドローステップはスキップされます 」
『おおっとここで勝負を決める気なのでしょうか! しかし花音選手のライフは8000! 削りきれるのは些か困難かと思われますが!? 』
「……いや、カレンはここで勝負を決める気は多分だが無い。中々いい構築をするな、アイツ 」
「え、それはどういう…… 」
「更に! このカードが手札にある時通常罠を発動した時、このカードを守備表示で特殊召喚しますわ! 来なさい! 【
迷宮城の白銀姫
レベル8/悪魔族/ATK3000/DEF2900
「何だあのモンスター……【白銀の城のラビュリンス】と似ているな 」
言うならばそのモンスターが銀色の鎧を身にまとい、姫から騎士になったかのような感じだ。顔は似ているというか同じ顔だし、体付きも同じ事から恐らくは同じモンスターだろう。
「おーほっほっ! この白銀の美しさ! 煌びやかさ! 高貴さ! この気高くて美しい城は誰にも壊せませんわー! おーほっほっ!! 」
「確かにカレンの言う通りキツイな。【白銀の城のラビュリンス】の効果で通常罠が墓地からまたセットされるし、【迷宮城の白銀姫】の効果で罠が発動した時、別の罠をデッキからセット出来る 」
「え……ちょっと待ってください。じゃあ【無謀な欲張り】のドローステップのスキップって…… 」
「実質無いな。どう言うより、どんどんドローが止まら
ず最終的にはとんでもないアドバンテージになるぞ。妨害系というのはちょっと違ったな。あれはもうドロー加速デッキだな 」
墓地のドロー効果のある罠が何度でもフィールドに戻るって……考えただけでも恐ろしいな……しかも場には攻撃力が2900と守備力3000の壁が立ちはだかり、そもそも【ブラッドローズ・ドラゴン】は守備表示であり、その守備力は2800とギリギリ足りていない。
伏せカードも手札も無い花音は、かなり苦しい状況になっていた。
「バトル! 私は【白銀の城ラビュリンス】で【ブラッドローズ・ドラゴン】に攻撃ですわ! 」
ラビュリンスが杖を振り、杖先に白いエネルギー弾がブラッドローズに直撃し、ブラッドローズは真紅の薔薇を散らして破壊された。
「私はこれでターンエンドですわ 」
2ターン目 先攻終了
宝石カレン 残り手札2枚
残りライフ8000
□□□□①
□□③④□ ②
□ □
□□□⑥□ ⑤
□□□□□
先咲花音 残り手札0枚
残りライフ6400
①:伏せカード
②:白銀の迷宮城
③:白銀の城ラビュリンス
④:迷宮城の白銀姫(守備表示)
⑤:白薔薇の回廊
⑥:レッドローズ・ドラゴン
「私のターン…… 」
花音は弱々しくカードをドローし、その表情は苦い物だった。
(ダメ、これだけじゃ何も出来ない……! )
「厳しそうですわね? ですが手を緩めませんわよ! 私は先程セットした【強欲な瓶】を発動! カードを1枚ドロー! そして通常罠が発動した事により【迷宮城の白銀姫】の効果発動! 発動した罠とは別名カードの罠をデッキからセットしますわ! 私はデッキから【煉獄の落とし穴】をセット! 」
「……私はカードを1枚伏せて、レッドローズを守備表示にしてこれでターンエンドです 」
2ターン目 後攻 終了
宝石カレン 残り手札2枚
残りライフ8000
□□□□①
□□③④□ ②
□ □
□□□□□ ⑥
□⑤□□□
先咲花音 残り手札1枚
残りライフ6400
①:煉獄の落とし穴(セット状態)
②:白銀の迷宮城
③:白銀の城ラビュリンス
④:迷宮城の白銀姫
⑤:伏せカード
⑥:白薔薇の回廊
⑦:レッドローズ・ドラゴン(守備表示)
「私のターンですわ。私のドローフェイズは【無謀な欲張り】の効果でスキップされますわ。ですが、罠発動【強欲な瓶】の効果で1枚ドローしますわ 」
「そ、そんなのスキップされないのと同じじゃないですかー! 」
「私の欲張りは無謀では無いのですわー! 更に【白銀の城ラビュリンス】の効果により、墓地からもう一度【無謀な欲張り】をセット! 」
こ、これ……デメリット関係あるのか? ドローがスキップされているのに1枚ドローしてるし、しかももう一回2枚ドロー出来る罠をセットしてるし……何なんだあの人……
「す、凄いですね……カレンさん 」
「だが、ちょっと飛ばしすぎなような気もするがな 」
「え? 」
爆発的なアドバンテージを稼いでいるカレンさんに対し、何故か彼方さんをそれを危惧しているようにも見えた。
「更に私は【強欲で貪欲な壺】を発動ですわー! デッキの上から10枚裏側除外し、2枚ドロー! ふふふ、どんどん手札が潤いますわ! そしてまだまだですわよ、更に魔法カード【手札抹殺】 を発動! 手札を全て捨て、その分ドロー! 」
手札抹殺を使ったから、これでカレンさんは3枚墓地に送り、3枚ドローした。
「ふふ、あとはあれさえ来れば……私は【宝玉獣-サファイア・ペガサス】 を召喚!」
宝玉獣-サファイア・ペガサス
レベル4/獣族/ATK1800/DEF1200
「【サファイア・ペガサス】が召喚した時、手札かデッキから【宝玉獣】モンスターを魔法・罠ゾーンに設置しますわ。私はデッキから【宝玉獣-アメジスト・キャット】を設置! 更に魔法カード【宝玉の絆】を発動。デッキから【宝玉獣-ルビー・カーバンクル】を手札に加え、【宝玉獣-コバルトイーグル】を魔法・罠ゾーンに設置! 」
「ほ、【宝玉獣】!? あの人自分が使っているカードをもしかして全部取り揃えているのか!? 」
「アイツは宝玉獣に何かしらの拘りがあるからな。アイツらしい 」
達観している笑みを彼方さんは浮かべているが、カレンさんの使う宝玉獣は、7種類の宝玉獣+レインボードラゴンがいなければ成り立たないテーマだ。幾つもの種類の中から完全ランダム、しかも自分の足でカードを探すこの大会に置いて、宝玉獣は恐らく候補から除外されるであろうテーマだ。だが、カレンさんはそんなテーマを自力で探し出し、今まさに使っている。
恐ろしい程の運と根気がいる博打の様な可能性に、カレンさんはまさに引き当てている……末恐ろしい人だ。
「あの時の再現と致しますわ! 私は【レア・ヴァリュー】を発動! 花音さん、アメジストかコバルト、今度はどちらを破壊なされますか!? 」
『おっと、これはロマンス・タッグデュエルの時の再現でしょうか? あの時はアンバーとトパーズでしたが、今度はアメジストとコバルト! 花音選手はどちらを選ぶのでしょうか? 』
「えっと……じゃあ……アメジストの方で 」
アメジストを選んだ花音は直後にアメジストが粉々に砕かれ、【レア・ヴァリュー】の効果でまた更にカレンさんはカードを2枚ドローした。
「さらに私は【暗黒界の取引】を発動。デッキからカードを1枚ドローし、その後1枚捨てますわ。……そして今この時、自分フィールドと墓地に宝玉が7つ揃った時、手札のこのカードは特殊召喚出来ますわ! 」
「えっ!? も、もう揃ったの!? 」
「いつの間に揃ったんだ!? 」
「フィールドには【サファイア・ペガサス】と【コバルト・イーグル】で2種、【レア・ヴァリュー】の【アメジスト・キャット】、さっきの【暗黒界の取引】で捨てた奴が【ルビー・カーバンクル】……そうか、【手札抹殺】の時、捨てたカード全て【宝玉獣】だったのか 」
「自分でもここまで上手く行くことには驚いていますが……まぁこれも私の美しさによるもの、美しい者に美しい物は引き寄せられる物……さぁ、最光の輝きをご覧になってくださいまし! 」
フィールドに7つの宝玉が円を描くように浮かび上がると、その中心に稲妻が走った。
円の中に魔法陣が映し出され、白く描かれた魔法陣が七色に光出した瞬間に究極の宝玉獣がその姿を表した。
「刮目なさい! これが美しさ! 【究極宝玉神レインボー・ドラゴン】ですわ! 」
究極宝玉神レインボー・ドラゴン
レベル10/ドラゴン族/ATK4000/DEF4000
「そ、そんな……もう出てくるなんて…… 」
「終わりですわ! 私は【迷宮城の白銀姫】を攻撃表示にし、【白銀の城ラビュリンス】で【レッドローズ・ドラゴン】に攻撃! 」
ラビュリンスの攻撃にレッドローズは跡形も無く破壊されてしまい、いよいよ花音の壁モンスターがいなくなってしまった。
「これだ終わりですわ!2体のモンスターで、ダイレクトアタック! 」
『これを受けてしまえば花音選手のライフは尽きます! ですか罠を発動する様子無し! これは決まったか!? 』
「私は墓地にある【光の護封霊剣】の効果発動です! 墓地のこのカードを除外し、相手は直接攻撃を出来なくします! 」
カレンさんのモンスターの前に十字形の剣が突き刺さると、モンスター達はそれよりも前に行けず、花音へのダイレクトアタックをとめた。
「やりますわね……これでターンエンドですわ 」
3ターン目 先攻 終了
宝石カレン 残り手札0枚
残りライフ8000
□②③□①
⑦⑥④⑤□ ⑧
□ □
□□□□□ ⑨
□⑩□□□
先咲花音 残り手札1枚
残りライフ6400
①:煉獄の落とし穴(セット状態)
②:宝玉獣コバルト・イーグル
③:無謀な欲張り(セット状態)
④:白銀の城ラビュリンス
⑤:迷宮城の白銀姫
⑥:宝玉獣 サファイア・ペガサス
⑦:究極宝玉神レインボー・ドラゴン
⑧:白銀の迷宮城
⑨:白薔薇の回廊
⑩:伏せカード
あの罠カードは……そうか、【ジーナの蟲惑魔】の効果で墓地に送ったカードか。何とか耐えはしたが……まだ状況は変わらない。
場も【白薔薇の回廊】と伏せカードのみで手札も無い。しかも相手には高い攻撃力のモンスターばかりでライフもまだ8000。
そんな状況に花音は立ち尽くしてしまい、花音のターンでも限らず花音は動かなった。
「わ、私のターンですよね…… 」
ディスクに手をかざし、後はカードを引く動作をするだけにも関わらず、花音の手は震えていた。
(あ……あれ? 手が……動かない……どうして? 早く引かないと! でも……引いてその後は逆転できるんでしょうか…… )
花音の顔に冷や汗が溢れ、心無しか目も焦りで溢れている。この絶望的な状況に声をかけようとしたその時、花音の隣に【アロマージ・ジャスミン】が花音の服の裾を掴んでいた。周りの人達はその姿が見えない事から、霊体化しているのだろう。
「ジャスミンちゃん……? 」
『大丈夫だよ花音。最後まで諦めないで! 』
「でも……私の手、動かなくて…… 」
『じゃあ一緒にドローしよ! 2人なら怖くないでしょ? 』
するとジャスミンがアロマセラフィーの様な羽を広げ、花音の手に届くぐらいに宙に浮くと、そのまま花音の手に自分の手を置いた。すると花音の手の震えが止まり、花音は落ち着きを取り戻しつつあった。
『ね? 怖くないでしょ? それに花音は1人じゃない。私達がついてるよ! 』
「ジャスミンちゃん…… 」
その時幻覚なのか、それともジャスミン同様こっそりついてきたのか分からないが、花音の周りにはアロマージ達が勢揃いしていた。アロマージ達は花音に寄り添い、全員が笑顔を見せ、花音に安心感を与えようとしていた。
まるで心が和らぐアロマの香りのように花音の表情は徐々に落ち着きを取り戻し、花音は小さな笑顔を浮かべるとジャスミン以外のアロマージ達は姿を消した。
「……ありがとう、ジャスミンちゃん、皆。私、諦めないから! 花衣さんのように! 」
『よーし! 行っけー! 花音! 』
花音は顔を上げ、カレンさんに堂々と笑顔を向けていた。
「私はドロー前に【白薔薇の回廊】の効果発動! ドロー前に、カードの種類を宣言し、私のドローカードがその宣言した種類だった時、このターン私のレベル7のシンクロモンスターの攻撃力は1000上がります! 私はモンスターカードを宣言! 」
「今更宣言して攻撃力1000どころか、3分の1なんてそうそう当たりませんわ! 」
「いいえ当ててみせます! お願い……来て! 」
花音はカードをドローし、ドローカードが間もなくして公開された。公開されたカードは……【ホワイト・ローズ・ドラゴン】。モンスターカードだった。
「来てくれた……! これで私のレベル7以上のシンクロモンスターの攻撃力は1000ポイントアップします! 」
「貴方の場にはモンスターがいないのですわよ? 今更レベル7のシンクロなんて出せるわけ…… 」
「いいえ今引いたこの子なら出せます! 私は【ホワイトローズ・ドラゴン】を通常召喚! 」
ホワイトローズ・ドラゴン
レベル4/ドラゴン族/ATK1200/DEF1000
「【ホワイトローズ・ドラゴン】が召喚され時、手札が墓地の【ローズ・ドラゴン】モンスターを特殊召喚します。私は墓地の【レッドローズ・ドラゴン】を特殊召喚! 」
レッドローズ・ドラゴン
レベル3/チューナー/ドラゴン族/ATK1000/DEF1500
「私はレベル4の【ホワイトローズ・ドラゴン】とレベル3の【レッドローズ・ドラゴン】でシンクロ召喚です! 」
合計のレベルは7。2体の薔薇の龍が混じり合い、赤よりも紅く染まった翼を広げた龍は、瞬く間に会場にバラの花弁を舞散らせ、その姿を表した。
「私はレベル7【ブラックローズ・ドラゴン】をシンクロ召喚! 」
ブラッグローズ・ドラゴン
レベル7/シンクロ/ドラゴン族/ATK2400/DEF1800
「更に【ブラックローズ・ドラゴン】のシンクロ素材になった【ホワイトローズ・ドラゴン】の効果発動! このカードがシンクロ素材になった時、デッキからレベル4以上の植物族モンスターを墓地に送ります 」
「私は罠カード【煉獄の落とし穴】を発動! 攻撃力が2000以上のモンスターが特殊召喚された時、そのモンスターの効果を無効にして破壊しますわ! 私は【ブラックローズ・ドラゴン】を破壊! 」
チェーン処理により、まず罠カードの【煉獄の落とし穴】が発動される。煉獄の名前にふさわしい落とし穴がブラックローズの元に出現すると、炎の鞭がブラックローズの羽を縛り付け、そのまま炎の渦へと飲み込まれた。
「ですが【ホワイトローズ・ドラゴン】の効果は発動されます。私はデッキから【ステイセイラ・ロマリン】を墓地に送り、更に【ブラックローズ・ドラゴン】が破壊された事により、墓地の【クロスローズ・ドラゴン】の効果が発動します 」
「このタイミングでの効果ですって?」
「【クロスローズ・ドラゴン】が墓地に存在し、自分の【ローズ】シンクロモンスターが戦闘や効果で破壊された時、このカードを墓地から除外する事で、墓地にいる【ローズ】モンスターを特殊召喚します。私は【ロクスローズ・ドラゴン】を墓地から特殊召喚します 」
ロクスローズ・ドラゴン
レベル3/ドラゴン族/チューナー/ATK1600/DEF1200
「【ロクスローズ・ドラゴン】が特殊召喚された時、デッキから【ブラックローズ・ドラゴン】が記されているカード1枚をデッキから手札に加えます。私は【
『さぁ、着々と盤面を形成していってますが、果たしてどう出るのか!? 』
「更に、【ホワイトローズ・ドラゴン】で墓地に送った【ステイセイラ・ロマリン】ちゃんの効果発動! この子が効果で墓地に送られた時、デッキかエクストラデッキからレベル5以上の植物族モンスターを墓地へ送ります。私はエクストラデッキから【ガーデンローズ・メイデン】を墓地に送ります 」
「このコンボは……となればあの伏せカード……いや、あれが来れば……そういう事か…… 」
「彼方さん? 」
彼方さんは何かを悟ったのか、すぐ様この場から離れてしまった。
「私は魔法カード【
ホワイトローズ・ドラゴン
レベル4/ドラゴン族/ATK1200/DEF1000
「ま、まるでゾンビのように墓地から復活しますわね…… 」
「花はとっても強いんです。どこでも咲けて、枯れてもまた咲く、宝石とはまた違う美しさです。それに、綺麗な花には毒がある……とも言いますしね 」
「ですがその毒が私のこの輝かしさに勝るとでも思ってらして? 」
「知ってますか? 毒って……強いんですよ? 私はレベル4の【ホワイトローズ・ドラゴン】とレベル3の【ロクスローズ・ドラゴン】でシンクロ召喚! 私はレベル7【パワー・ツール・ドラゴン】を召喚! 」
パワー・ツール・ドラゴン
レベル7/シンクロ/ドラゴン族/ATK2300/DEF2500
『な、なんとここで【パワー・ツール・ドラゴン】が出てきたァ!? 植物のモンスターから一変してすんごいメカメカのモンスター来たァァ! 』
流石にこれは皆も呆気に取られていた。俺てっきり【月華竜・ブラックローズ】が出てくるかと思ったが……これがピックアップデュエルの醍醐味と言っても過言ではない。何が来るのか、どんなコンボをするのかそれまで分からないのがこの大会だ。
「【パワー・ツール・ドラゴン】の効果発動。自分のデッキから装備魔法を3枚相手にみせ、それをランダムに相手に選ばせます。カレンちゃん、今度はそっちが選ぶ番です! 」
「ふふ、どんと来なさい! 」
「私が選ぶのは……この3枚! 」
花音が選んだ3枚の装備魔法が表示された。装備魔法は【憎悪の棘】【薔薇の刻印】【巨大化】の3枚だ。
この中で1番強力なカードは……【薔薇の刻印】か? 確かそのカードは相手フィールドのモンスターのコントロールを得るカードだから、ここでレインボー・ドラゴンのコントロールを得ることが出来れば活路が見える筈だ。
花音のフィールドに裏側のカードが3枚表示されると、迷うことなくカレンさんは1枚のカードを選んだ。
「私は真ん中のカードを選びますわ! 」
真ん中のカードを選んだカレンさんは指を指し、真ん中のカードが花音の手札に加わり、残りはデッキに戻った。さて、どれを加えた……?
「……カレンちゃん。ありがとう、このカードを選んでくれて 」
「なんですって? 」
「あとの2枚を選んでいたら、私はきっと負けてました。……私は墓地の【ガーデンローズ・メイデン】の効果発動! このカードを墓地から除外し、墓地から【ローズ・ドラゴン】モンスターを特殊召喚します! 私が特殊召喚するのは……【ロクスローズ・ドラゴン】! 」
『またもや咲返った【ロクスローズ・ドラゴン】はレベル3のチューナー! 』
「私は【パワー・ツール・ドラゴン】と【ロクスローズ・ドラゴン】でシンクロ召喚! もう一度来て!【ブラッドローズ・ドラゴン】!」
「2枚目ですって!? 」
またもフィールドに花の風が巻き起こり、真紅の薔薇を纏った龍が、フィールドに咲返った。
「【ブラッドローズ・ドラゴン】がシンクロ召喚された時、お互いの墓地のカードを全て除外させます! 」
「墓地のカードを除外!?それじゃ私の罠や宝玉は……
」
「勿論全て除外です!さらに【白薔薇の回廊】の効果により、私のレベル7以上のシンクロモンスターの攻撃力は1000ポイントアップ! 」
ブラッド・ローズ・ドラゴン ATK3200→4200
「そして、私はカレンちゃんが選んだカード……【巨大化】 を発動! 【ブラッド・ローズ・ドラゴン】の元々の攻撃力は2倍になります!」
ブラック・ローズ・ドラゴン ATK4200→7400
「攻撃力……7400ですって!? 」
「……あれ、8400じゃないのか? 」
「花衣様、【巨大化】は元々の攻撃力を倍にするカードです。あのモンスターの元々の攻撃力は3200ですからまずそれを2倍にし、【白薔薇の回廊】で1000アップしてあの数値になるのです 」
「や……ややこしいな…… 」
彼方さんの代わりにティアドロップが丁寧に解説してくれて何となくは理解した。まぁ1000ポイントの差は誤差の範囲だろう……あの圧倒的な攻撃力の前には、もうどのモンスターも対処出来ないだろう。
「バトル! 私は【ブラック・ローズ・ドラゴン】で【レインボー・ドラゴン】に攻撃! 」
ブラッドローズの真紅の波動と、レインボードラゴンの虹色の波動がぶつかり合い、激しい光線の鍔迫り合いが始まった。お互いの波動がぶつかり合ったせいでぶつかり合っている中心にビームの余波が拡散してしまい、白銀の城と白薔薇の回廊がビームで次々と壊されて言っており、会場全体にもビームの光が行き交っていた。
勿論ソリッドビジョンだから人体に影響は無いけど心臓が弱い人とかこれ大丈夫なのかと思わせるぐらい迫力満点だ。これがもし現実だったらやばい事になってるぞ……
「まだです! 速攻魔法発動【竜皇神話】! 」
『ここで前のターン伏せていたカードだぁ!! 』
「【竜皇神話】は、自分のドラゴン族モンスター1体の攻撃力を2倍にします! 私は【ブラッド・ローズ・ドラゴン】の攻撃力を更に2倍にします!! 」
「さ、更に2倍ですって!? 」
ブラッド・ローズ・ドラゴンATK7400→12800
「行って! 【ブラッド・ローズ・ドラゴン】! 」
ブラッドローズの波動に白色の光が纏い、波動のサイズが更に大きくなった。あれはまるで……スターダストのシューティング・ソニック見たいだ。
白と真紅が入り交じり、2つの波動が虹色の光を押し返すと、レインボードラゴンはその波動に押し負け、そのまま後ろにある白銀の城と共に破壊されて言った。
2つの波動はそのまま止まることを知らずに空まで突き抜け、白銀の城が完全に壊れるまで波動は止まなかった。
宝石カレン 残りライフ8000→0
WINNER 先咲花音
『決まったぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!! なんと! 勝負に勝たっのは先咲花音選手! 見事逆転のカードを引き、見事1回戦突破だぁぁぁ! 』
見事と言わざる得ない大歓声は思わず耳を塞いでしまうほど大きく、それほど手に汗握る戦いだった。
「か、勝てた……良かった〜! 」
あまりの大勝負に花音は安心感で体の力が抜けたかのように地面に膝をつき、そのまま顔を上げてホッと一息をついた。
「負けた……そう、また負けたのですか……私は 」
対するカレンさんは圧倒的有利な状況下で負けたのが余程ショックだったのか、壊れた白銀の城を見上げて何も言わなかった。
ボロボロになったフィールドやモンスターもそのままデュエルが終了としたと同時にポリゴンとなって消え、フィールドは何事も無かったかのように綺麗になっていった。
フィールドから物が消えるとカレンさんは花音さんの下に歩いていき、それに気づいた花音は急いで立ち上がった。
「……貴方、何故わざわざレインボードラゴンに攻撃したんですの? 他のモンスターに攻撃すれば楽に勝てた筈ですわよ 」
「え? えーと……それは……ぜ、全力で戦いたかったから…… 」
「何ですって? 」
「だ、だってカレンちゃん。私と全力で戦うって言ったでしょ? それでカレンちゃんのエースモンスターが出てきたから、それと全力でぶつかり合いたかったなって思って…… 」
「………… 」
「だから、舐めてかかった訳じゃなくて! ええと…… 」
「分かっています、貴方の言う事は理解しましたわよ。ですが、次こそは負けませんわよ! 」
話は終わりなのか、カレンさんはそのままフィールドから離れ、花音は戸惑いながらもカレンさんとは別の出口からフィールドを離れた事により、第1試合は終了した。
『さぁ、Bブロック第1試合から激しい試合でした! では、続きましては第2試合ティア選手とスノー選手、フィールドに集まってくださいー 』
「よーし、次は私だ! 花衣君、応援よろしくね? 」
「あらあら、花衣様は私に声援を送るんですよ。そうですよね? 花衣様? 」
うわぁ……すっかり忘れてた。その問題解決してなかったことすっかり忘れてた……もう2人の圧がやばい。どっちもの応援なんて無理っぽいし……どうすりゃ良いんだこれ。
回答が見つからず無言を貫いていると、ティアドロップとスノードロップの2人は何故か笑った。
「ふふ、ごめんなさい。ちょっと困らせましたね 」
「別にどっちも応援しても良いよ。元々私達、花衣君への気持ちを見せる為にここに出ているんだから 」
「花衣様、私達は貴方自身の事を愛しているんです。他の誰でも無い貴方にです 」
「それ……どういうこt 」
それ以上言おうとしたらティアドロップの人差し指が俺の唇に触れ、口が開けずに俺はそれ以上喋れなかった。
「では、私は行きますね 」
「応援よろしく〜 」
ティアドロップとスノードロップはそのままこの場から離れ、フィールドに行ってしまった。ティアドロップに触れられた指を触れ、俺はもう一度ティアドロップの言葉を思い出した。
_貴方自身の事を愛しているんです
(…………でも、俺……自分の事すらよく分かってないんだぞ )
どうしても、俺はその言葉を信じきれずにいた。そんな自分に自己嫌悪しながらも、ティアドロップとスノードロップの第2試合は、始まろうとしていた。
_同時刻 連絡通路にて
「……あら、わざわざ迎えにいらっしゃったのね、彼方 」
「お疲れさん。惜しかったな、もしもお前が【強欲で貪欲な壺】でデッキを犠牲にドローしなかったら、デッキに罠が残り、そのまま妨害して勝っていたかもな 」
「ふん、慰めやもしもの話なんて良いですわ。それに、次は私が勝つんだから、ここでへこたれてる暇はありませんわ 」
「……なぁカレン。悔しかったら泣いていいし、一度へこたれても良いんだ。またそこで立ち上がれば良い。お前にはその力があるのを俺は知ってるし、お前を馬鹿にする奴もここには居ない。だから…… 」
「しっ……知っていますか彼方! つっ……強くて……可憐で美しい女は涙なんか流さないのですわ! だから……泣いてなんかいませんわ! 」
「……そっか 」
俺はそんなカレンの後ろ姿を何も言わずに見送った。声色とすすり泣く音と小さくカレンの頬から垂れている透明の涙を見れば、誰でも泣いていると分かっている。だけどあいつは決して誰にも努力を見せなければその悔しさと辛さの涙も決して誰にも見せない。
カレンのプライドもあるかと思うが、あいつは努力自身を認めて貰って欲しいんじゃない。努力した先の栄光を掴みたいだけだ。
もしカレンの努力している姿を見た奴がいれば、カレンの恵まれた境遇も相まって必ず賞賛の声をあげ、それだけでカレンを認めるだろう。
だがそれはカレンがそんな事を望んでおらず、カレンが1番嫌な事だ。努力をしているだけで認める境遇をカレンは嫌い、だからこそ努力を隠し、己の【我】を見せ、認めさせる。誰よりも強く見せ、いつだって高らかに笑う。それが宝石カレン。もといカレン・シェーネフラウ・エーデルシュタインだ。
だから俺はここでは何も言わないし、慰めもしない。酷いと思われるかもしれないが、あいつがそれを選ぶなら俺は尊重する。
「それにカレンは……俺よりもずっと強いからな 」
今はカレンを1人にさせよう。耳から聞こえる鳴き声は全て忘れ、気が済んだらまた会ってみようか。
そうしてまた、いつも通りの高飛車な笑顔と真っ直ぐなカレンの傍にいよう。
認識障害について
精霊達が実体化する時に予め備わっている能力であり、これが適用されている限り、精霊が見えない者が精霊を見ても、デュエルモンスターのモンスターだと認識されないくなる。
しかし、精霊や元々精霊が見える者に対してはこれは無効となり、問題なく認識する事が出来る。
しかし、ドラゴンのような巨大は認識障害の影響を受ける事が出来ず、もしその場で実体化したら精霊が見えない者でも認知されてしまう。スノードロップ曰く、メルフィーラビィのサイズがギリギリらしい。
従って、彼方の銀河眼の光子竜等は実体化せず、もしくは体を縮めて無理やり認識障害の影響を受ける事が基本。
例外として、この認識障害に更に魔法を重ね、更なる認識障害を使う者が存在する。この状態では精霊自身も精霊が見える者もその者が精霊として認識出来ず、1人の一般人として見えるようになる。
これを使える物は極わずかであり、基本的に魔法使い族等がこれに該当する。
ここまで(〜90話)出てきたレゾンカードの中で強いと思うのは?
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六花聖華ティアドロップ、カイリ
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閃刀騎-カイムと閃刀騎-ラグナロク
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銀河心眼の光子竜
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RRRリノベイルイグニッションファルコン
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炎転生遺物-不知火の太刀
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常闇の颶風