六花テーマを作って愛用したらそのまま俺への愛が重くなった件について 作:白だし茶漬け
プレミとかそういうのがあったらお願いします。
「さぁさぁ、早く始めましょう!」
「何かテンション高いね。」
時間が正午に近づく中、俺は【咲初花音】と言う彼女とデュエルする事になる。
しかし、その事はどうでも良く、俺は彼女の後ろにいる少女について気になっていた。髪は白く、白い服を来た少女は俺が見てる事に気づいたのか咲初の後ろに隠れてしまう。俺の見間違いでは無ければ少女はデュエルモンスターズの【アロマージジャスミン】の筈だ。
それが咲初の後ろに隠れたという事は…もしかして咲初は俺と同じようにデュエルモンスターズの精霊が見えるという事になる。
「なぁ…ティアドロップ。あの子…ティアドロップと同じ…デュエルモンスターズの…?」
「そうですね…私達と同じ存在です。」
ティアドロップのお墨付きを貰い、とうとう確信に変わった。間違いなく咲初は俺と同じようにデュエルモンスターズの精霊が見えている。だが、今話しても混乱するだけなのでタイミングを見計らって話す事にしよう。
「?どうしました?」
変にそわそわしてる俺を不思議と思い始めた咲初はキョトンとした顔をしながら首を傾げていた。
「ああ何でもないよ。じゃあやろうか。」
ようやく俺はテーブルに座り、咲初と向かい合う。お互いのデッキを交換し、シャッフルをする。スリーブの端っこの尖りがまだある事から本当に俺と同じ初心者らしい。
スリーブは使い続けると、四隅の尖りがへたりだし痛くはなくなる。しかし、俺と咲初は始めたばかりなので端っこが尖っている。
咲初はその尖りに手のひらをやられているのか顔を少し歪めた。
「痛っ…痛たた…」
「む、無理にしなくて良いからな?」
「あはは…すみません。…よし、こんなものでしょうか?」
お互い、充分にシャッフルし終えたと判断したら、デッキを持ち主に返す。
「じゃあ…ジャンケンで先攻を決めましょうか。」
「分かった。じゃーんけん…」
掛け声と共に、俺はパーを出し、咲初はグーを出した。
ジャンケンの結果は俺が勝ち、俺は先行を取る。
デッキからカードを五枚引き、デュエル開始の挨拶をする。
「じゃあ、お願いします。」
「はい、お願いしますね。」
改めて俺は初期手札を確認すると、内容はこうだ。
【初期手札】
六花のひとひら
六花の風花
六花精 へレボラス
六花精 スノードロップ×2
(うわ、危ねぇ!ひとひらがいなかったら何も出来なかった…)
ヘレボラスとスノードロップはレベル8なのでリリースやスノードロップ自身の効果が無ければ中々出せない。
レベル1で展開の要であるひとひらが最初に来てくれて本当に良かった…その事を見たひとひらが笑顔でぐっと親指を立てたのが見えた気がした。
「じゃあ…とりあえず永続魔法、六花の風花を出します。」
六花の風花は六花のモンスターをリリースした時に効果を発動出来るが、変に手札に持ってるより即座に出すことにする。
「続いて…六花のひとひらを通常召喚。」
「わぁ、妖精みたいで可愛い!」
ひとひらのイラストを見た咲初はひとひらの可愛さに胸を撃たれたように感じでいた。…まぁ、いちいち突っ込むのはしんどいので無視をしよう。そうしよう…
「じゃあ、手札にあるスノードロップの効果発動。
このカードは自分の植物族モンスターをリリースする事でこのカードと自分の手札の他の植物族モンスターを特殊召喚出来る。」
俺はひとひらをリリースし、手札のスノードロップとヘレボラスを特殊召喚する。
しかし、スノードロップのこの効果を使うと自分は植物族モンスターしか召喚が出来なくなるが、大して問題は無い。
「そして俺はこの二人でオーバレイ!」
スノードロップとヘレボラス、レベル8のモンスターを素材として、俺は早速エースカードの【六花聖ティアドロップ】を召喚した。
「わぁ…綺麗な人…!」
「あ、ありがとう…」
自分のエースが綺麗と言われ、何故か誇らしい気持ちになった俺は本心のままに言葉を伝えた。
デュエル中は霊体化をする事がないティアドロップだが、もしも隣にいたらどう反応するだろうか…
色んな想像を思い浮かべながら、これ以上何もする事が出来ないので俺はターンを終了する。
「ターンエンド。」
「それじゃあ、私のターンですね。ドロー!」
咲初がカードを引くと、手札を真剣に見つめて戦術を考えていた。
「うーん…これを出した方が…いやこっちかな…?よし…じゃあこの子、【イービルソーン】を召喚!」
悩み悩んだ末、咲初が出したカードは【イービルソーン】だ。このカードは俺のデッキにも入っている為、効果は把握出来ている。
「じゃあ、イービルソーンの効果でリリース…」
「そうはさせない。その前にティアドロップの効果を発動させてもらう。」
「は、はい?」
「ティアドロップはエクシーズ素材を一枚使うとフィールド上のモンスターを一体を対象にして発動出来る。
対象になったモンスターはリリースされる。」
「えーと…リリースという事は…」
「悪いけどイービルソーンの効果は使えない。」
「そ、そんなぁ…」
漫画だったらガーンという効果音が後ろに現れてるように咲初は落ち込み、しぶしぶ【イービルソーン】の効果を発動出来ずに墓地に送る。
イービルソーンは自身でリリースして初めて効果を発動出来るカードだ。だが、同じリリースでも相手の効果でリリースされたので【イービルソーン】の効果は不発になった。
そしてモンスターがリリースされたのでティアドロップの攻撃力は200上がって3000になるが…相手のターンなので恐らく意味は無い。
「うう…カードを一枚伏せてターンエンドです。」
召喚権を失った咲初は、特殊召喚出来るモンスターが居ないためか、カードを一枚伏せてターンを終えた。
そして、相手のエンドフェイス時に墓地の【六花のひとひら】の効果が発動する。
「相手のエンドフェイス時に墓地の【六花のひとひら】の効果で自身を復活する。そして、俺のターンだ。」
そして同時にティアドロップの攻撃力は元に戻る。
俺はカードをドローすると、来てくれたのは【六花精エリカ】だ。今の俺の状況は…
【2ターン目】LP8000
『手札』
六花精スノードロップ
六花精エリカ
『フィールド』
六花聖ティアドロップ、エクシーズ素材一枚
六花のひとひら
永続魔法・六花の風花
(うーん…伏せカードが気になるけど、まずは動いてみようかな。)
「六花のひとひらの効果発動!自分のデッキから【六花】と名のつくモンスターを一枚手札に加えるか、墓地に送る。…俺は六花精シクランを手札に加える。」
シクランのカードを咲初に見せた後、俺はデッキをシャッフルする。そして咲初はこのタイミングで伏せカードを発動してきた。
「永続罠発動!【恵みの風】!このカードの効果で私は手札にある植物族モンスターを墓地に捨てる事でライフを500回復します。私は手札にある【スポーア】ちゃんを墓地に送ります。」
咲初は手札から【スポーア】を捨てた事でこれで咲初のライフは8500となった。だが問題は無い。
「手札のスノードロップの効果発動。【六花のひとひら】をリリースして、スノードロップとシクランを特殊召喚する!」
ひとひらをリリースし、再びスノードロップとシクランを召喚に成功した。そしてカードがリリースされた事でティアドロップの攻撃力は200アップし3000になる。
「そしてスノードロップのもうひとつの効果発動!自分フィールドの植物族モンスターを対象にして、自分フィールドの植物族モンスターのレベルを対象のレベルと同じにする!」
「えぇ!?何ですかそれ!」
全てのモンスターのレベルを同じにする。それはつまり、楽にエクシーズ召喚が狙える事だ。
「俺はシクランを対象にして、スノードロップを同じレベル4にする。」
ティアドロップはエクシーズモンスターなのでレベルでは無く、ランクを持っているのでこのようなレベルに関する効果は受け付けない。
「そして俺はレベル4になったスノードロップとシクランでオーバレイ!ランク4【六花聖ストレナエ】を召喚!」
「あわわ…」
あわあわしてるところに申し訳無いがこれで終わりではない。
「【ストレナエ】の効果、エクシーズ素材をひとつ取り除く事で植物族または【六花】と名のつくカード一枚を墓地から手札に加える事が出来る。」
つまり、植物族モンスターか【六花】と名のつくカードなら魔法・罠カードでも問題ないが、俺の墓地にはティアドロップの効果のコストで使ったスノードロップとひとひらしかいない。だが、俺が欲しいのは…
「俺はストレナエの素材になったシクランを墓地に送った後、シクランを手札に加える。」
俺はストレナエの素材になったシクランを取り除いた後、手札に戻した。そして、ここからが本当の狙いだ。
「ティアドロップの効果発動!エクシーズ素材を取り除き、フィールド上のモンスターを一体リリースする。」
「あれ?でもフィールド上には花衣さんのモンスターしか…」
そう。フィールド上には俺のティアドロップとストレナエしか存在していないが、それでいいのだ。いや、仮に相手フィールドにモンスターがいても結局俺はストレナエをリリースすると決めていたのだ。
「俺はティアドロップの効果で、ストレナエをリリースする。」
「えぇ!?何ですか!」
「まぁまぁ、ここでストレナエの第二の効果だ。このカードがエクシーズ素材を持ってリリースされた時、エクストラデッキからランク5以上の植物族エクシーズモンスターを一体、召喚できるのさ。」
「と、言う事は…」
「ふふん。俺はエクストラデッキから、【六花聖カンザシ】を特殊召喚する。」
俺はカンザシを召喚し、更にストレナエの効果でこの召喚方法に成功した時に自身をエクシーズ素材とする事が出来る。俺は、ストレナエのカードをカンザシの下に置き、これで一応は盤面の完成だ。そして更にひとひらとストレナエをリリースされた事によってティアドロップの攻撃力は400アップし、3200となる。
「バトルだ!まずはカンザシでダイレクトアタック!」
「うぅ…」
六花聖カンザシ 攻撃力2400
花音LP8500→6100
「まだまだぁ!ティアドロップでダイレクトアタック!…の前に手札にある【六花精エリカ】のモンスター効果発動!自分の攻撃宣言時、植物族モンスター一体を対象にして、このカードをリリースして、対象のモンスターの攻撃力を1000アップさせる。」
「うぎゅ…防ぐ手立てがありません…」
無事に効果処理を終えたことにより、ティアドロップの攻撃力は3200から4200に上がり、更にエリカをリリースした事によって、ティアドロップの攻撃力は200アップし、最終的な攻撃力は4400となる。オベリスクの攻撃力を超えたよこの人。
六花聖ティアドロップ 攻撃力4400
花音LP6100→1700
「わわ!一気に半分ぐらいライフが無くなりました…」
俺のバトルフェイズが終了し、手札には先程ストレナエの効果で回収したシクランだけなので何も出来ない。
メインフェイズ2に移行し何もせずに、俺はターンを終える。
「…お願い、何か良いの来て!」
咲初は願うようにカードをドローし、ドローカードを見つめた。果たして彼女にとって吉と出たか、凶と出たか…
「…私は【アロマージジャスミン】ちゃんを召喚!」
(あのカードは…間違いない。さっき咲初に隠れていたモンスターだ。)
咲初とデュエルする前に一瞬チラリと見えた少女が描かれたカードを見た俺は更に確信が深まった。
彼女も、俺と同じようにデュエルモンスターズの精霊が見えるということに。
「更に墓地にある【スポーア】ちゃんの効果発動!この子以外で墓地にある植物族モンスター一体除外する事によって、除外したモンスターのレベルを合わせて特殊召喚出来ます。」
確か…彼女が墓地にいるモンスターは、最初俺がリリースした【イービルソーン】だけのはずだ。と言うかそれしか無い。【イービルソーン】のレベルは1、つまり【スポーア】はレベル2となってフィールドに戻ってくる。
「更に、手札にある【ホワイトローズドラゴン】の効果、フィールドに植物族チューナーがいる時、この子は手札から特殊召喚出来る!」
フィールド上にあるチューナーは先程の【スポーア】だけだ。咲初は【ホワイトローズドラゴン】を召喚した。チューナー…来るか?シンクロモンスター…!
「私はレベル4の【ホワイトローズドラゴン】にレベル2になった【スポーア】ちゃんをチューニングしてシンクロ召喚!レベル6【アロマセラフィースイートマジョラム】を召喚!」
アロマセラフィースイートマジョラム…攻撃力は2200か…今の所は攻撃では勝っているから効果が気になるな…
「墓地に行った【ホワイトローズドラゴン】の効果で私はデッキからレベル4以上の植物族モンスターを一体墓地に送りますが…その前にマジョラムさんの召喚効果を使います。言わゆるチェーン処理って言うものですね。マジョラムさんの効果で私は罠カード、【乾きの風】を手札に加えます。そして最後に【ホワイトローズドラゴン】の効果で…うーん…ベルガモットさんでいいかな…?」
(墓地にモンスターを?…確か【恵みの風】はライフを1000払うと墓地のアロマモンスターを特殊召喚出来るっけ?)
恐らくはそれを狙っているだろが、肝心の花音のライフは残り1700だけだ。それに、【恵みの風】は三つの効果の内にワンターンに1回、どれか1つしか使えない。
そして、シンクロ召喚したモンスターの効果を使っていない。アロマなのでライフを回復したら起動すると思うが…どうするんだ?
「…【恵の風】の効果で私は手札にある【アロマージローリエ】ちゃんを墓地に捨てて、私はライフを500回復します。更にローリエちゃんが墓地に送られたので私は更に500、計1000ポイントライフを回復します。」
花音LP1700→2700
「ライフが回復したので【アロマセラフィースイートマジョラム】さんの効果発動です!相手のフィールド上のカードを一枚破壊します。私は【六花聖ティアドロップ】を破壊します。」
「おっとそれならカンザシの効果を使わせてもらう。カンザシは、自分フィールドの植物族が効果で破壊される場合、代わりに手札、フィールドにある植物族モンスターをリリース出来る。言わば身代わりかな。俺は手札の【六花精シクラン】を手札からリリースする。」
これにより、【アロマセラフィースイートマジョラム】の効果は不発とは言わないが防いだ。だが、これで俺の手札は無くなった。…やっぱりドロー加速カードをもっと入れた方がいいのかな?
「俺はカンザシの効果発動。モンスターがリリースされた時、エクシーズ素材をひとつ取り除くことにより、自分か相手の墓地のモンスターを自分フィールドに特殊召喚する。この効果で召喚されたモンスターは効果は無効にされ、植物族になる。俺は自分の墓地の【六花精スノードロップ】を特殊召喚する。」
「あう…カードを一枚伏せてターンエンドです。」
「相手のエンドフェイズに【六花のひとひら】は墓地から蘇生され、更にさっき手札からリリースした【六花精シクラン】の効果発動。シクランは、リリースされたエンドフェイスに墓地から蘇生される。俺のターンでドローだ。」
【3ターン目】
LP8000
『手札』
六花精プリム
『メインモンスターゾーン』
六花聖ティアドロップ
六花聖カンザシ
六花のひとひら
六花精スノードロップ
六花精シクラン
『魔法・罠カードゾーン』
永続魔法:六花の風花
そう言えば…さっきカンザシの効果で手札からシクランをリリースしたから、【六花の風花】を発動出来ていたな…むぅ、もっと把握しておかなければ…
「それじゃあ、ここで終わりにさせてもらう!俺は【六花のひとひら】と【六花精シクラン】でリンク召喚!
召喚条件は植物族モンスター2体、【アロマセラフィージャスミン】をリンク召喚!」
【アロマセラフィージャスミン】のリンク先にはティアドロップとカンザシがいる。さらに自分の方がライフが多ければジャスミンの効果で戦闘破壊はされない。
もしも攻撃力が高いモンスターが召喚されたとしても何とか凌げるはずだ。
「あ!ジャスミンちゃんだ!やっぱり植物族なら皆使ってるんですね。あ、罠カードオープンしますね。【乾きの風】です。」
確か【アロマセラフィースイートマジョラム】の効果で手札に加えていたカードだ。あれもライフが回復したら起動する効果があるのか?
「その前にまずは【恵みの風】の効果で墓地にある【スポーア】ちゃんをデッキに戻します!その時ライフ500回復して…回復した事によって【乾きの風】とアロマモンスター達の効果発動!」
花音LP2700→3200
「まずは、【乾きの風】の効果からですね。ライフが回復した時、相手モンスターを一体破壊します。それではティアドロップさんを破壊します!」
「カンザシの効果でスノードロップをリリースして、破壊は身代わりにできる。そして、六花モンスターがリリースされた事によって、永続魔法【六花の風花】の効果発動。相手はどれかモンスターを一体リリースしなければならない。」
そう、この【六花の風花】は自分の六花モンスターがリリースされた時に発動でき、相手はモンスターを一体リリースしなければならない効果を持つ。
しかもこのカードは相手の耐性効果を無視して相手モンスターをリリースすることも出来るので強力なカードだ。
「うぅ…【アロマージジャスミン】ちゃんをリリースします。ですが、残ったマジョラムさんの効果で相手のモンスターを破壊します!またまた六花聖ティアドロップを選択します!」
「ぐっ、カンザシの効果は一ターンに一度しか使えない…ごめん、ティアドロップ。」
「やった…!これでこのターンを凌げられます!」
ティアドロップが破壊され、俺の場にはカンザシとジャスミンしかいない。俺はこのターン、通常召喚を行ってないので、手札にある【六花精プリム】を召喚出来るが、攻撃力は800。カンザシでマジョラムを破壊して与えるダメージは200。続けてジャスミンのダイレクトアタックしても1800プリムを召喚して追撃しても咲初のライフは<a href="tel:3200ー2800">3200ー2800</a>で、400残る。しかも、相手のデッキは【アロマ】…ライフなど直ぐに回復してくるだろう。
俺の手札はプリムの1枚なので長期戦になれば確実に俺は負ける。このターンで何とかして決着をつけねばならない。
「だが俺のターンは終わっていない!」
考える。今この状況をどう乗り越えるべきか…頭の中で勝利の道筋を探しだす。『勝ちたい』という思いの中から、俺は『楽しさ』を感じていた。
どうすれば勝てるか、この状況で勝てたら気持ちいいだろうなとかそんな事を考えてると、自然と楽しさが込み上げてくる。
そんな中、俺は墓地にいる六花達を見つめる。
(…エリカを使って…リリース…確かまだあいつがデッキに…そしてプリムを召喚して……これだ!)
うっすらと見えた勝利の道筋を見つけ、俺はそれを辿る。
「俺は墓地にいる【六花精エリカ】の効果発動、このカードが墓地に存在して、自分の植物族モンスターがリリースされた時、墓地から特殊召喚出来る!俺はエリカをジャスミンのリンク先に召喚!」
「リンク先に…?」
「そう。そしてジャスミンの②の効果を発動する!このカードのリンク先にある植物族モンスターをリリースする事で、デッキから植物族モンスターを特殊召喚出来る。」
デッキの中身を確認し、ここで俺はこの場を切り抜けるカードを探し出す。俺が今出すべきカードは…
「俺はデッキから【六花精スノードロップ】を特殊召喚する!」
「さ、三枚目!?」
俺はデッキにある最後のスノードロップを召喚し、更に展開を続ける。
「更に自分モンスターがリリースされた事で手札から【六花精プリム】を特殊召喚!そしてスノードロップの効果発動!植物族モンスターを一体を対象し、自分フィールドのモンスターのレベルを対象にしたレベルと同じにする!俺が対象に選ぶのは【六花精スノードロップ】、レベルは8だ!」
これにより、スノードロップとプリムのレベルは同じ8となった。レベル8のモンスターが二体…当然やる事と言えば…
「俺は、レベル8のスノードロップとレベル8となったプリムでオーバレイ!再び【六花聖ティアドロップ】を召喚!」
「あぁ!折角破壊したのに…!」
「ティアドロップの効果発動!…分かってるよな?エクシーズ素材を1つ使い、【アロマセラフィースイートマジョラム】をリリース!」
「あぁ!フィールドががら空きに〜!」
「バトルだ!ティアドロップとカンザシでダイレクトアタック!」
「ま、負けちゃいました〜!!」
「うぅ…完敗です…まさかライフを削れずに負けるなんて…」
咲初は机にあるカードを綺麗にデッキに戻しながら悔しそうにしていた。
「うぅ…もう一回!もう一回お願いします!」
咲初は机に体を乗せて、俺の所に顔を近づけた。俺の視界が咲初の顔に支配される。女性から顔を近づけられるのは六花達でまぁ、慣れてるので大して動揺はしないが、咲初から放つどこかいい匂いが俺の意識を少しだけ持っていく。
「な…なに花衣様に顔を近づけてるのですかこの人は!」
それを見たティアドロップは俺と咲初の間を割り込むように頬を膨らませながら咲初を睨んだ。
「わわ!近い!近いですよ!…あ。」
「…近い?」
「な、なんでもないです!なんでもないんですよ!」
咲初は自分がティアドロップが見えていないように装ったが、明らかに怪しい反応と、俺の考えが最初から当たっていたので隠し通せるものでもなかった。
「そんなに慌てなくてもいいよ。ティアドロップの事、見えてるんだろ?」
「え?と言う事は…貴方も?」
「そ、見えてるよ。そこに隠れてる【アロマージジャスミン】もね。」
名前を呼ばれて観念したのか、咲初に後ろに隠れていた【アロマージジャスミン】が姿を現した。緊張しているのか咲初の服を掴んで恥ずかしがるように隠れていた。
「ジャスミンちゃん大丈夫だよ。ほら、挨拶しないと。」
まるで子供に挨拶をきちんとさせる母のようなやり取りの中でようやくジャスミンは咲初の前に立ち、俺とティアドロップに挨拶をした。
「こ、こんにちは…【アロマージジャスミン】です。」
「はい、こんにちは。俺は【桜雪 花衣】だ。桜の雪で『おうせ』で花の衣で『かい』って言うんだ。」
俺は背の低いジャスミンの目線を合わせるように屈んで威圧感を無くすように笑顔を振舞った。
そのかいがあってか、ジャスミンの警戒心が薄れたのか、すぐ様咲初の後ろに隠れることは無かった。
「ほら、ティアドロップも挨拶して。」
「…分かりました。お初にお目にかかります。私は【六花聖ティアドロップ】です。花衣様の唯一無二の存在でございます。」
ティアドロップは笑顔を振りまいてるが、明らかに咲初に敵意剥き出しなオーラを放ちながら咲初の顔をみて挨拶をした。
「え…えーと、これはご丁寧に…」
そのオーラを感じ取ったのか、咲初は背筋を伸ばしてぎこちない挨拶をした。傍にいたジャスミンもティアドロップの威圧に圧倒され、咲初の後ろに隠れてしまった。
「ちょっとティアドロップ。怖がってるだろ。」
「…むぅ。」
ティアドロップは不機嫌そうに咲初から離れ、俺の隣についた。
「えーと…お二人は付き合っているのですか?」
「え?いや付き合っては」
「私は花衣様の伴侶です。」
「ティアドロップ?」
「そうですよね?ひとつ屋根の下に共に暮らして、同じ空間、同じ時間を共有してるのですからこれはもう…夫婦じゃないですか///」
「お前と結婚した覚えないんだけど…」
「あれ?でもティアドロップさんのその格好…ウェイディングドレスじゃ…」
「いやこれは最初からだから、ほらこのティアドロップのカードを見ろ。」
咲初にティアドロップのカードを見せ、ティアドロップのドレスは最初から着ているから決して結婚してるわけでは無いと主張したが、その主張はティアドロップによって崩された。
「そんな事ないですよ〜だってこの衣装は愛を誓いあって初めて着れるものなんですよ?」
「やっぱり結婚してるじゃないですか。」
「俺まだ17だぞ!?」
男性の結婚は18歳以上でしか出来ないため、まだ17である俺に結婚は不可能だ。
しかしそんな俺のツッコミは聞こえておらず、ティアドロップは恥ずがしがるように両手を赤らめた頬を隠すように添えた。
「ところで花衣さんは他のにも精霊が?」
この状況で更に質問してきたよこの人…とりあえず俺は一旦ティアドロップを無視して話を進めた。
「一応、俺が見えるのは【六花】モンスターとそこにいる【アロマ】モンスターだけ。他のモンスターは見えないな。」
俺は現時点で見えるモンスターは咲初に見せるように六花達のカードを机に並べた。
「私も【アロマ】と【六花】しか今のところ見えていません。」
咲初と俺と同じように自分が見えるモンスターを並べた。咲初が並べたカードは全部で8枚。
全てが【アロマ】と名がついてるので省略するが、
【ジャスミン】【カナンガ】、【ローズマリー】、【アンゼリカ】、【ポット】、【ベルガモット】、【マジョラム】この8枚だった。
…なんか物と2名程性別が判断出来ない者がいるが…
「あれ?さっき使ってたシンクロモンスターは?」
「あぁ、あの人はこのマジョラムさんと同一人物ですよ。ほら、よく見て下さい。」
咲初は【アロマセラフィーマジョラム】と【アロマージスイートマジョラム】それぞれの手に持って俺に見せてくれた。確かに同じ名前が入っているのと、顔が同じ事から、同一人物なのは確かだった。
「へぇ…じゃあこの【アロマージジャスミン】もそこのジャスミンと同一人物って事なのかな。」
俺は先程使っていたリンクモンスターの【アロマージジャスミン】を見せた。
「そうですね。そう…だよね?ジャスミンちゃん。」
咲初の問いに、後で隠れていたジャスミンは小さく頷いた。
「でも、精霊が見えてる俺がこのカードを使ってもジャスミンは見えなかった…カードによって見える、見えないがあるのか?」
俺はティアドロップに疑問を投げつけるようにティアドロップに視線を送った。ティアドロップは俺の視線に気付き、その意味を察して説明してくれた。
「確かにカードによって見える、見えないがあります。人の手によって作られたカードは私たちにとってこの世界を行き来できる扉のような物になります。そして私たちの世界…【デュエルモンスターズ】のモンスターは自分たちの意思でその扉を通ってこの世界にいる事が出来ます。自分のカードなら、どのカードから出るのかも自分達で決められます。勿論、自分は一人しかいないので一つのカードからしか私たちはこの世界に出入り出来ません。」
「という事は【アロマ】達はそのカード、【六花】達はこのカードを使ってこの世界を行き来してるわけか。」
「ですが誰でも精霊が見られる訳でもありません。貴方様が精霊が見られるのは一種の才能と言ってもいいでしょう。」
つまり精霊が見える俺達は才能を持った奴って事か。と言っても、あんまし実感湧かないんだよな…初心者だし。
「それにしても、まさか私と同じ精霊が見える人と出会うなんて…なんだか嬉しいです。」
「え?そ、そうか…」
なんでだろう。変に心臓の鼓動が早まり、体温が上がって汗がかいてきた。室内のエアコンが効いてるはずなのに俺の体温は更に上がり続けていた。なんとも言えない雰囲気が俺たちを包んだ。
「あら〜なんだがいい感じじゃない〜」
「て、店長さん!?いつの間に…」
突然机の陰からひょっこりと出てきた店長さんに俺と咲初は体を跳ね上がらせて驚く。そんな反応を楽しむように店長さんはクスクスと笑った。
「いや〜フィールドも可愛いモンスターだらけでなんだかいい感じの雰囲気の男女の関係…見てる方は癒されるわ〜」
「わ、私と花衣さんは初めて会ったんですよ!?そんな関係ではありません!」
「あら?だってさっき、結婚とかどうとか…」
「「!!」」
不味い。精霊が見えない店長さんに今の会話を聞かれていたのは不味い。だが会話を全て聞かれてはいない様子なのでどうにかして誤魔化す事はできるはずだ。
何か…何か良い言い訳は無いのか…?
俺は咲初の方を見たが、咲初も同じような考えをしているのが目で読み取ることが出来た。
「え、えーと…じ、じゃあ…私はこれで!」
「え?ちょっとデッキの相談は…」
咲初はこの場から逃げるようにショップから出ていってしまった。
いや、逃げるのかよ。
「あらら…相談しに来てここに来たって言ったのに、帰っちゃった…」
そう言えば俺と同じようにデッキの相談をしたいからここに来たって言ってたな。本来の目的を忘れてまさか店を出ていくとは思いもしなかったが、まぁこうなってしまっては仕方が無いだろう。
「ところで…どうだった?新しく作ったデッキは。」
「え?そうですね…」
俺は新しく作ったデッキを使った先程のデュエルを思い出した。…あれ?おかしいな…ほぼ六花のカードしか使ってないような気がする…これでは前のデッキとさほど変わらないではないか。
「…さっき咲初とデュエルしたんですが、ほぼ六花しか使ってなくて…新しいカードをまともに使えてないんですよ。」
「あら、そうなの?かと言って仕事を抜け出す訳にもいかないし…」
店長さんは困ったように右手を頬を添えて店の中を見た。確かに昼前でそんなに人は来てないが、午後には人が集まってくるはずだ。たかが俺一人の為に店の仕事を放ったらかしにするのも良い気はしない。
「大丈夫ですよ。何とかしてデッキを作ってみますよ。」
「大丈夫なの?」
「ネットとか見れますから、それを参考にしてみます。」
「でも戦ってみないといまいち展開掴めないでしょう?」
結局の所そこに行き詰まってしまい、どうするか考え込んだその時、駆け足で店に帰ってきた女性が来た。
急いで走ってきたのが分かるぐらいに荒い息を繰り返していた。
「そ…そう言えば私、店長さんにデッキの相談をする為にここに来たんでした!!」
「思い出してくれて良かったわ。」
「い、意外とおちゃめさんなんだな…」
普段でもしっかりしてそうな子だと思っていたが、まさかのドジっ子…なのかな?
「花衣様?浮気はいけませんからね…?」
「しないって。あとボタン、なんでお前俺の背中にしがみついているんだ。」
いつの間にか俺の背中にしがみついていたボタンの存在にようやく気付き、振りほどこうと背中を小さく動かしたが、ボタンは微動だにしなかった。
「だってさっきのデュエルで私だけ使ってくれなかったネ!悔しいからこうやって花衣君エネルギーの充電をしてるネ!」
「なんだ花衣君エネルギーって。」
確かに俺はさっきのデュエルでほぼ六花しか使ってなかったが、ボタンだけは使わずに終わってしまった。
「ず…ずるいです!私も花衣様エネルギーの充電を…!」
背中と右腕を女性に掴まれ、男が羨む光景だが…見た目の割にかなり強く抱きついてくるので相当痛い。
まじで痛い。我慢で変な汗が出てくるレベルだ。
その光景が唯一見れる咲初は「大変ですね…」と言わんばかりに苦笑いを向けてきた。
「…あの女の匂いがします…私ので上書きしないと…」
ティアドロップはまるでマーキングする猫のように体を擦り付けて自分の匂いで上書きしようとしていた。
(これは帰ったら…大変な事になるかもな…)
今日この日、いつも以上にデッキから伝わる六花達の視線が厳しく思えた。
ここまで(〜90話)出てきたレゾンカードの中で強いと思うのは?
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六花聖華ティアドロップ、カイリ
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閃刀騎-カイムと閃刀騎-ラグナロク
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銀河心眼の光子竜
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RRRリノベイルイグニッションファルコン
-
炎転生遺物-不知火の太刀
-
常闇の颶風